詰め放題ツールでインパクトにより集客する

詰め放題という集客ツールがあるようです。面白そうなので、一体なにか調べてみました。

詰め放題とは

よく見かける詰め放題とは、例えばスーパーで野菜詰め放題みたいなものですね。

今回の詰め放題というツールは、事前にプレゼントを入れる品を送り、それを持参して詰めるという集客企画のようです。ビジネスモデル特許取得済みということでこれも興味深いところです。

詰め放題の使い方

こちらの動画にある通りですが、(現在閲覧不可のためリンク除去)

STEP1 詰め放題する中身を選ぶ(30種類以上あるようです)

STEP2 詰め放題する箱をDMやポスティングなどで事前に配布

STEP3 イベント当日に箱を持参したお客さんが来る

となっています。

STEP2でインパクトがあるDMを見ることでお客さんが来たいと思うのが特徴でしょう。

事例3つほどある反響率は10%程度ですが、実際のDM反応率は一般的に1%に満たないものが普通だと思うのでDM反応率からみれば驚異です。当然これにプレゼントするコストや配布コスト、箱コストなどもあるため、それらを考慮する必要があります。

詰め放題に入れる箱や袋

単に箱だけではインパクトにかけたり、飽きられるわけですが、色々な種類が用意されています。このあたりは面白いですね。自社の用途にあったもの、お客さんが好みそうなものを選べるというわけですね。

詰め放題一覧には、

  • ダンボール箱
  • チャック付き袋
  • ビニール袋
  • 手提げ箱
  • ネット(網袋)
  • コイン
  • 組み立て箱
  • 力士

など多彩です。それぞれの事例はサイトに掲載されています。

マンション等だとダンボール箱が入らない可能性も高いので、袋などが好まれるかもしれませんね。

詰め放題する商品

何を詰め放題できるか、プレゼント品は詰め放題と、つかみ放題で異なるようです。

詰め放題商品

詰め放題商品一覧では、野菜・お米・卵、落花生・甘栗、スナック菓子・ゼリー、麺類、日用品、提供会社が京都であるから京都のお菓子なども。

これだけあると、子ども向けから、大人向けまで色々と選べそうですね。

つかみ放題商品

つかみ放題商品一覧では、詰めるのでなくつかむので数が限られるのとモノが限られています。

対象事業者・業種

集客応援ショップというが別サイトですがこちらでも詰め放題企画が見えます。

事例から分かりますが、全ての業種に適応できるわけではありません。

この詰め放題が向いているのは、

  • 携帯ショップ
  • 主婦・ファミリー・受験生向け
  • カーディーラー
  • ハウジング、リフォーム等の建築不動産関係

という事例が上がっているので、これらのエンドユーザーをもつビジネスか、それらのユーザーにアクセスしたい人向けとなるでしょう。

例えば居酒屋集客の開店祝いでやると、ミスマッチな気がします。しかし、コンビニオープンであればわりとマッチするという感覚です。

コスト

野菜3品詰め放題キット(約40名分) カレールウ付(※千両箱(小)対応)の価格は、税込30,888円となっています。

中身ですが、

  • 野菜3品(じゃがいも20kg、玉ねぎ20kg、にんじん10kg)が40名分
  • 千両箱(小)40部
  • カレールウ 40個

これらの送料は北海道と沖縄でなければ、送料込みとなっています。

千両箱自体は、個別で頼むと40部税込み2,506円のようです。カレールウは定価で150円くらいとして、40個なので6,000円です。

野菜は価格変動もあるため固定価格は厳しいでしょうから、注意書きに「季節や産地によって、価格・大きさが大幅に変動」とあります。価格がそのままでも小さくなったり、大きくなったり、価格自体が改定されるかもしれないので、あくまで現時点の参考値ということです。

全体が3万円ということで、千両箱は2,500円程度、カレールウは6,000円程度とすると、残りは21,500円。これらが野菜品(全体で50kg)に該当することとなります。単純に1kgあたり、400円ちょっとです。1kgというのはじゃがいもだとMサイズで1個100gなのでそれが10個程度です。1個40円くらいですね。

集客シミュレーション

せっかくなのでシミュレーションもしてみましょう。

野菜詰め放題という事例では、ハウスメーカーの事例があがっています。

かかるコストは、

  • 顧客1,000部に発送する場合
  • DMチラシデザイン、印刷費(A4チラシ1枚で2万、印刷費を1000部で5000円ほど)25,000円
  • DM送料またはポスティング料 1通80円ほど、ポスティングは1通5円ほど。仮にDMのみとして、80,000円(千両箱もですが、ゆうメールなどで82円で送れると書かれています)
  • 上記キット 3万円

ということで、ざっくり、14万円ほどとなります。当然イベントをやる当日対応やスタッフ、企画は別ですが、これらは自社企画として行うものとします。

40名分は用意されているのでいいですが、仮に反響率として10%程度だと100名程度は来場する可能性もあります。その場合は先着40名様とかになるのですが、では残りの60名が何ももらえないと厳しいので別に粗品などを用意するのかなと考えました。

詰め放題の価値

詰め放題を運営するアイアンドシーがどこでマネタイズしているかが気になりました。上の集客シミュレーションでは、キットやプレゼントなどを購入する物販ECモデルと言えそうです。

イベント担当者の集客手間を削減するのが価値

一方で、じゃがいもなどは誰でも買えます。むしろ大量に買えばディスカウントされるでしょうし、お菓子などもそうですよね。

しかし、それらは手配をするのが面倒といえます。例えばイベント担当者が「問屋にいって買う、または電話で発注する、品質や値段や見積もりなど・・・」を考えると面倒です。それをサイト上で適切な人数目安もあり、選べるので楽です。この手間を楽にするのが価値ではないかと考えました。

もちろんこれはじゃがいもだけですとかだと駄目なので、プレゼントする品揃え、今までの実績も当然評価となります。

多くの人はキットを買うはず

箱と袋を買って、あとは自社でやることもできそうです。各箱ページにはイベントも並列して書かれていて対象イベント=キット販売を提案しています。

実際は自社で袋だけ買ってやるというのは、例えばプレゼント品をどうするか、どれくらい買うかがわからないので、結局キットになったものを頼るわけです。

企画自体を提案しているわけではなさそう

サイトの情報からは、企画自体を販促企画として提供する、考えるのでなく、詰め放題というパッケージ化されたものを提案。個別にキットを買ってもらうことで収益を得る。あとは、このサイト自体で仕入れを卸値で安く仕入れておけばいいということかなと考えられます。二次卸みたいな印象がしました。

アイアンドシーのコーポレートサイトでは、創業32年とあり、詰め放題.comがメインと感じられます。他の事業はバーチャルオフィスや秘書電話代行など創業やビジネスサポートということもやられているようです。

ビジネスモデル特許

ビジネスモデル特許済みということで、集客販売促進方法として、掲載されています。

内容を見ると、表現が特許独特で半分分かったかわからないような形でした(汗

感覚としては、ビジネスモデル特許とは、ビジネスモデル自体に与えられるものでなく、あくまでインターネットやソフトウェアやプログラムを組み合わせることで特徴を持たせるものです。例えば、「箱を送付して来てね」という手法自体は保護されないはずです(登録商標として「詰め放題」も登録されているのでこのあたりもどう解釈されるかですね)。

あくまでプログラム的な特異性みたいなものがあって、「箱を送った人の来店率を予想したり、キットなどの販促品の必要数を見積もるというプログラムや計算」が肝なんじゃないかと思います。これ自体は全く上のサイトからは分かりませんでした。

僕の認識ではこれによって、「事前に箱を送って来てね」ということを他事業者が出来ないわけじゃないということです。ただ、そのためには先着とつけておかないと、どれくらいか予想できないですし、廃棄コストまたは不足コスト(機会損失リスク?)などが生じそうだからやりづらいんでしょう。

他社と差別化する意味もありますが、専門性があるという技術をアピールすることにもなりそうですね。

通信特許マニアのhezkaさんに聞いてみた

通信特許マニアのhezkaさんに上記ビジネスモデル特許を少し見てもらえないかとリクエストしたところ、快諾頂きました。ありがとうございました。

過去のデータに基づく来客予想率から記念品の必要数を見積もって無駄を排除する特許発明

こちらの記事にて解説されています。

いろいろな情報が登場しますが、来客予想率を使って来店記念品の必要数を計算するところが従来にない技術ポイントだと思います。

(同上より引用)

hezkaさんの解説によれば、今までは来店する人の数が分からなく、それを何らかの計算で出来ることで課題を解決しているのがポイントだということですね。理解が深まります。

 特許的な観点では、ビジネスのやり方をコンピュータで実現する形で記載した、ビジネスモデル特許の典型と言えると思います。ビジネスモデル特許の請求項や明細書の書き方の参考になります。

(同上より引用)

ビジネスのやり方(ここではDM販促)を、コンピュータで実現する形で記載したというのが、ビジネスモデル特許の典型ということのようです。勉強になりますね。

通信特許マニアでは、こんな特許調べて欲しいなどリクエストを募集しています。気になる特許がある方はリクエストしてみてはどうでしょうか。

おわりに

詰め放題集客について調べてみました。

ユニークな集客方法には、実はビジネスモデル特許という面白い仕掛けが隠れていました。特許自体の中身はこれから勉強してみますが、今回はあくまでこのツールを用いて集客をしてみると面白いかもしれません、という紹介です。

集客の選択肢が増えれば何よりです。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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