野球観戦で見かける売り子さんを観察して接客の心得を考えてみる

大分前のネタですが、野球観戦はあまりしないのですがちょっとした機会があり観戦へ。野球自体は趣味でもなんでもないですが、プロ同士の戦いはドライな面もあり、ゲーム展開自体はなかなか楽しめました。

それ以上に、売り子さん(男性もいる)の動きを見て、よく売ってる人、とくに声をかけたくなる人、この人から買いたいと思える人などどういう人かを考えてみました。

接客業においては、抽象化すればなんでも使えるネタになると思います。頑張れば、Webサイトの接客ECとか(笑)ビジネスのヒントになれば幸いです。

野球場にいる売り子さんとは?

基本的に、野球場の観戦席のあたりをぐるぐる回って、飲み物やポップコーン等を売っている人達のことをここでは「売り子さん」といっています。

例えば、地元名古屋ドームではアルバイト情報として、募集職種として売り子があります。売店とはおそらく屋台風?にグッズを売り出すことであり、飲食販売は固定された場所で売ることですので、売り子とは異なります。

売り子は、固定給2,550円+歩合給となり、他のアルバイトとは一味ちがう「歩合給」があるのが面白いですよね。また、時間も夕方に限られ3時間程度。高校生は駄目で大学生からとなるのでしょうか。

歩合給自体は1杯あたり数十円で、正確な情報はありませんが、10円ということはないでしょうから、一杯1割り程度として、500円から700円程度生ビール一杯だとすると、50円くらいは貰えそうです。100杯うって、5,000円なので7,550円となり、時給換算で2,500円程度となります。

ここでは売り子さんは歩合給をそもそも狙っているのであり、それらを抜けば最低時給の800円程度しかなりません。つまり、彼ら彼女らは性格もあるのでしょうが、どうやって売ろうか研究しているし、歴代の先輩や売れる人から学んだり色々な工夫があると考えるのが妥当です。

そういう工夫にはものすごいアイデアが隠れていると思います。そういう工夫もうまく紹介していきたいと思います。

観戦中にどういう売り子さんから買いたかったか

1回でなく2回ほどの観戦経験なのですが、観察はわりとしているのでそこらへんは信じて下さい(笑)

男性目線ですが基本的に主観としてどういう人から買いたいかこれについて書いていきます。

1.笑顔である

基本的過ぎますが、売り子さんの動作、行動はかなり単調になりがちです。具体的には、一番下の球場側まで下りていってそこで会釈。基本的にそのまま上に階段を上がりながら、周りに目線を飛ばしながら、声をかけていきます。最終段まで来たら横へ移動する。そして、また下に下りていっての繰り返しです。

多くの人は笑顔でした。上に上がる時は声を意識したりということは出来ても、下に下る時はお客さんには気づきづらいので、工夫としてはそういう下への移動時に飲みたがっているとか食べたがっているとか目線をくれている人を察知して目星をつけておくことでしょうか。

笑顔でない場合は売り子としてNGかもしれませんが、笑顔もとびきりの笑顔であればなんだかこちらも嬉しくなりますし、応援したくなりますよね。

たかが笑顔、されど笑顔ですね。

2.声が出ている、明るさがある

売り子は女性が多いと思います。ビールサーバーは10kgを超えているそうで重いのですが、男性より華がありやはり場内も明るくなります。というか観戦者は女性が少ないのもあります(笑)

一方男性売り子さんもいます。対照的な人を見かけたのですが、一人は体育会系という感じで明るく声が出ている。うっす!みたいな感じです。元気があります。一方、理系学生みたいな彼はあまり声も出ておらず、やや笑顔が見られませんでした。多分売り子は向いてないと思います。彼には悪いですが。

どちらから買いたいでしょうか?うっす!みたいなお兄ちゃんのほうが元気があるので、男性目線でもそちらです。もちろん可愛い女性のほうが嬉しくなるのでそちらにいくのもベターです。ただ、男性から買いたくないわけではなく、出来れば女性というところです。

ただ女性客が買うシーンであれば若い男性から元気をもらう、イケメンなら尚良しだと思うので、女性売り子をメインに男性売り子も入れているのか、そのあたりの事情は分かりません。

女性売り子でも、笑顔と同様、声が出ていること明るさがあることが大事です。そういう人を見るとなんか買いたくなります。どうせなら元気な人から買いたい。これかなり基本ですが大事です。

声が大事なのは、ビールはビールサーバーを持っていて分かりやすいし、値札やサンバイザーやユニフォームで分かります。ただポップコーンやジュース等は意外に見づらいんですね。あと観戦に熱中していると見えないので声が便りになります。手を上げても誰もいないことって結構ありましたので(笑)

3.買っている人を見ると買いたくなる

これは売れているのを見ると買いたくなる。いわば行列効果と似ています。あと単に「歩いている動きがある売り子さん」は意外に足が速いです。「あ、いっちゃった」ということはよくあります。

ですので、近くで売っていてお客さんとやり取りしていると、止まってくれるのでその後に声掛けをしやすいです。こういうのは連鎖で、大体売れると近くで売れるということがよく見かけられました。

売り手の売り子さんはそういう心理に長けていると思うので、多分売った後に近くを見渡す、近くに買いたい人はいないかをチェックしていると思います。僕が売り子をやることはないですが、僕が売り子ならそういうアクションをすることでしょう。

売っている行為自体は売れないと始まらないのですが、売っているところを見ると買いたくなる。よくありますよね。これも売り子シーンでも立派に使えるテクニックだなあと感じました。

4.売りたい時間帯を戦略的に考えている

これは売り子さん視点ですが、観客側からすると、観戦状況にある程度考慮したほうがグッドです。例えば野球で興奮する、または静かに見守りたいというシーンがあります。そういうシーンの時はお客さんは観戦に力を入れたいので、ビールは後でということが多いです。

雰囲気は大事で、やはり応援するチームが調子がいいと売れる気がします。逆に駄目で負けていると売上はシンプルに落ちそうな気がします。ビールの味は変わらないのに(普通に美味しいはず)、目の前の状況で祝杯かどうかに変わるのですから面白いものですよね。

そこでゲーム状況が熱中時でない時、つまりやや休憩時、例えば攻守交代時の時とか、アイドルタイムというのがあるのでそういう時は売れやすいというか、声をかけやすいし、お客さんも買いやすい時間帯なのかなと思います。

売れる売り子さんはそういうタイムスケジュールがほぼ正確に入っていて、それこそ上下する移動回数やタイミングをうまくコントロールしていると思います。なぜならサーバは補充がいるので、売り切れたら補充しないと売れるものがありません。そのタイミングも大事ですよね。

ここでも仮説検証。

東洋経済オンラインの記事が面白いです。

カリスマ「ビール売り子」だけが知る必勝法では、3回の連載が他にもあるので一読をおすすめです。

例えば、新人とベテランでは2倍以上の差があったり、新人だと100杯程度でそこから200杯以上まで伸ばせるかどうかはかなり違うようです。売れっ子とは多分200杯を売れる人のことですが、戦略や工夫、仮説検証の結果そうなるので、簡単ではないんですよね。

それは上でいうこうしているだろうとかのアイデアを日々試しているとなります。常連さんを覚えて売るなんてなかなかすごいなあと思ったりしました(笑)普通かもしれませんが。ものすごい人の数なのに、買う人は意外に限られるかもしれませんね。

もちろん気づいた方もいると思いますが、結局売り子さんも日々の仮説検証ということです。僕は売り子さんではないですが、日々どうすればシゴトになるか、アイデアを形にできるか、そうしてこうすると結果が出るか、このアイデアはどうかだめか、そういう日々の検証の連続でしかないんですね。

ブログもそうですし、Webサービスも、シゴトづくりも・・・全部そうですね。一朝一夕ではいかない。だから最初は100杯からなんですね。100杯売れないかもしれませんけど、でもどうしたら売れるか。どうしたらより買ってもらえるか。どうしたら売り上げられるか、どうしたらお客さんが満足してくれるか。そこを考えていく。それが面白いと思えるかどうかですよね。

面白いと少しでも思えるなら商売やビジネスぜひやってみてください。どんな小さなことでもいいと思います。多分同じ試行錯誤を体験できるし、それはきっとあなたにとって面白いものだと思います。

そしてここではたまたま売り子さんでしたが、売れているお店の店員さんの対応だったり、メニューや雰囲気からも同じようなことが言えそうです。一方で売れてないところはどうか。その比較を持ってさらに精度を高めた観察が出来そうですよね。

本はなさそう。ただ近いのは新幹線ガールあたり

ビール売り子さんを分析したりする本はなさそうです。あれば誰か教えてください。

近いのは、新幹線での売り子さんの本ですね。何人かの方が本を出しているのは驚きでした。早速買ってみたいと思います。

 

 

おわりに

実際はWebやインターネット、ブログなどのオンラインでは人の顔も見えないので、言葉などのメッセージが非常に大事になります。そういう意味では言語メッセージに偏りがちですが、別に言葉だけで突っ走ろうとは思っておらず、あくまでそこを活かしつつ持ち味として使いながらって感じで僕は自分の仕事について考えています。

最初のファーストインプレッションが大事であるし、とくに提案や最初のコミュニケーションでどういう人か、ちゃんとやってくれそうか、誠実かどうか、信頼できそうかは見られていると思います。

あえて型を作るとかはないのですが、自分はこういう人ですよーということを伝えていって合わないならご縁がなかった。そんな感じで日々やっています。

売り子さんの工夫という点で学べることはたくさんあるでしょうし、ぜひ球場など何かしら売り子さんと出会ったり、いけてる接客店員が居たら注目して何か活かせないか観察してみて下さい。

個人的には、コンビニ店員の接客対応スキルが高いと感動しますし、飲食店の対応はよく覚えているので色々な店員さんがいて面白いなあと感じています。その分ネタに困らないし、楽しいですね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。