アイデアとは面白いと思ったことを思い出す作業
秋元氏の企画脳を再読していました。
ここから気づいたのは、アイデア出しへの気付きです。それらのメモをしつつ考えてみます。
アイデア出しは面白いと思ったことを思い出すこと
これは至言だなと思いました。
発想や企画というと、白紙の状態からウンウン唸るような感じがするが、じつはそうではなくて、 自分が面白いと思ったことを思い出す、あるいは「記憶」に引っ掛かっていたことを拾い上げるという行為
「企画脳」位置No. 68より
本自体はNHKか何かの再編的なもので、オリジナルは1996年とかかなり古かったはずです。
それはさておき、この上の2つはまさにそうだなというところで、整理してみます。
1つは、「自分が面白いと思ったことを思い出す」です。もう1つは「記憶に引っかかっていたことを拾い上げる」と言ってます。どちらもそうだなというところで、しかもどちらも思い出すので、まとめてしまえば、自分が面白いと思ったことか、引っかかったことを思い出すと言って良さそうです。
違和感発想法で僕が言っていたのは、どちらもですが、違和感という言葉でまとめていました。つまり、面白いと思ったこと、気になったこと、気づいたこと、おやっとおもったこと、などです。これはまさにそのとおりというか、結果的に一致します。
一致するからどうってことでなく、やはり「面白いと思ったこと」が重要だなという気づきです。
著者によれば「記憶」とは、メモすることを否定しているわけではないですが、どちらかといえば「気づいたこと」が蓄積したり、そこで気になったことを誰かに話したり、気になったことを「なんでそうなんだろうかな」というところに留めておくことです。なんでも記憶するとかではないです。ましては記憶力が大事ってことでもなく(それはもちろん気になったことがあったのに忘れたではきついですが)です。
ただ著者は「忘れてしまった」とかは記憶に引っかからないのだからこそ、重要度は低いとも言います。これは確かにそういう面もあるけど、思い出したいけどっていう時に思い出せないのも尺なので逐次メモしたほうが良いかなという感じはします。これは正しいやり方とかがあるのでなく、企画する時に使えて、それで回せるならそれでいいと。
著者はそれで回しているっていうそれだけなんですね。そういう意味では仕事術、企画術ともいえるし、誰もが同じようにできるかは別とも言える。
というところまでいった上で、思い出すとくに、面白いことを思い出すってことが一番僕の中で印象に残りました。
面白いと思ったことを思い出せる?
次に面白いことって何かです。これは、僕の解釈では、「こんなところ新しい店が出来ていた、気づかなかったな」で通り過ぎるのか、それとも「出来て気づかないってまずくないか?」というところだったり、お店のタイトルが「貴様の」というなかなかの激しい店名だたっとか(笑)これって何かというと、「わはは!」と笑える面白さだけでなく、気になったこと、違和感、何か感情が動いたことといっていいかなと。
まさに観察ノックとはそのことですし、違和感発想での違和感もそれですからね。
面白いと思ったことはそうやって「感情が動いた」といえる。だからこそ自分の感情の機微をチェックして把握すると。それが出来ないと、「面白さ」がストックできない。著者的にいえば「記憶」に残ってないことになります。
この記憶のフックをいくつ作れるか。数が多ければ勝ちとかっていうゲームではないのですが、あればあるほどアイデアは出ます。なぜなら、沢山思い出せるからです。
ところで、冷静に面白いことってなんですか?と思った人はかなり危ういです。多くの人は「言語化」出来ないだけで、実際にその現場にいたりします。僕と一緒です。ただ、そこにいるのだけで「見えてない」「見えてるが感情が動いてない」ってことなんです。これはよく言われるのですが、理解出来てないと一生、面白いと思うことは見つからない。分からないというところです。
難しい話ではないんです。自分の感情が動くかどうか。これは怒るとか、笑うとかって感情のレッスンでもあります。そこが鈍っていると本当に動かない。動けば気持ちいいくらい動くんですよね(笑)
面白いことってあったかな?ないやって人はまずアイデアが出ないはずです。逆にアイデアが出る人は「面白いことって何かありますか」って言ったら、「面白いって何かによるんですが」みたいな枕はありそうですが、これとかあれとかそれとかって話が一杯出てくると思います。
一番分かるのは、一緒に歩いていて「あれなんだろ」という発見ゲームですかね。ゲームってのは意図的に言っています。そのゲームが著しく少ない、下ばっかり見ている人は本当に得るものが少ない。寒いからとかは言い訳ですから(笑)それでも上を見る、周りをキョロキョロしてみる、違う道を歩いてみる、ジャンプしてみる、何か気づきがあるかもしれないですよねってことなんですよ。
思い出すには、面白いと思った体験がどこかであった、そしてそれが残っている必要がある。それがないのに、「アイデアは出ない」ってことになりそうです。
そして記憶を拾い上げるもほぼ一緒です。思い出したものを色々あげたりしていくということです。
どちらにせよ、面白いと思ったことがある、それらをストックしているの2つがないと、やはりアイデアは出ないといえる。
僕が思ったのは、インプット→考える→アウトプットというアイデアの出し方を色々言っているのですが、これにおいて、考えるというところに、「思い出す」というのが大事になるかなと。インプットが観察、つまり公園に行ったら良くわからない木を投げ合う若者たちがいた→考えるはそれを思い出すことに近いかと。アウトプットは著者が言うには器を用意しておいてそこに入れ込んでいく形にすると言っていますが、これはアイデア生産工場で書いたものとほぼほぼ一緒なので省略できそうです。
つまり、何に出すかという器、枠ですよね、それがないとアウトプットはできないってことですね。企画書にするのか、Webサービスにするのか、絵でまとめるのか、それともロゴを創るのか、文章に落とし込むのか、そういう外枠です。人によって違うので、これしか「器」ではないとかでなく、概念として「器」とかってことですね。
記憶を拾い上げる
もう1つ記憶を拾い上げるも考えてみましょう。
こちらは面白い!思っていれば記憶に自動的に残る気がします。逆にパンチがなければ素通りというかそのまま消えていく。例えば、100円ショップの缶詰は「1缶」あたり100円で買えるわけですが、コンビニだともっと高いですよね。
この時「1缶」単位で見ていると見落とすのですが、明らか無い容量、つまりグラム数が異なっています。缶詰メーカーの戦略次第ですが、明らかに100円ショップ向けの容量で売りに出している。「1缶」で安いから買いだというのは「間違い」ではないですが、容量あたりの金額にすると、実はコンビニの方がお得かもしれません。そのあたりは値段や欲しいものや近くにあるかどうかとかによりますし、在庫があるかどうかとか、好きな味があるとか、色々な変数がありますよね。
ってことを例えば「缶詰」を見て気付けるかです。気づけ無いなら駄目でなく、「あーなんで違うんだろうな、面白いぞ」と思ったから僕はこうやって書いているんです。なければ書けないわけですよ。
こういったネタをアウトプットする、著者的には企画する時とか、普段の会話で入れていって、反応を見てもいいし、その考え方で何か器に盛ってみるって感じでやってるんですね。
だから、発想とか企画とかって、めちゃくちゃ論理的なわけです。面白いと思ったことを丁寧に感じて向き合う。それを「面白いな」と思っておく。企画だという時には、それらを引き出しから引っ張り出す、出せるようにする。
というわけですね。このロジックを説明されて、おそらくアイデア出しが得意な人はそのとおりだと首肯するわけですが、苦手な人は最初の面白い発見で躓いていることが多いのではないかと仮説を立てています。だから引っ張り出せないというところと、あと同時に器も曖昧な総合的にそれらが弱い気がします。
だからトレーニングとしては、まずは「自分が面白い!」ってことを見つけたり、感じる練習からすると。「くだらないかもしれませんが」といって誰かに言ってみる。全部とは言わないですが「そんなところ見てるんだね、面白いね」ってことになるはずなんです。皆見ているのは違ってたりしますからね(笑)
おわりに
というわけで、アイデアの出し方を再度振り返った気づきでした。企画脳自体は色々と参考になる考え方も多く面白いですね。おすすめです。
今回のハイライトとしては、アイデアの出し方は面白いことをまず面白いと感じること、感情が動くことを意識する。そこから始まると言えそうです。そこができればあとは記憶に残るし、誰かに話すと。そうやって慣らしていく感じです。
そして器、つまり何に盛りたいか、どういう形に入れたいかを決めてそれに入れると。例えば僕ならビジネスアイデアが多いのですがそういうものに仕立てているだけです。だからロジックでは誰でも出来る。トレーニングすれば誰でも出来るわけです。
あとは、そのアンテナというか、引っ張る力、感情を殺さない、ちゃんと保持してなんだろと思えること、これをやることをやり続けているかってことですね。そしてアウトプットとしての枠も決めてそこに投下してどうかをやるか。全部うまくいくなんてないですから(笑)それも練習なわけですね。
筆者プロフィール
- 「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介、仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューやお問い合わせはお気軽にどうぞ。
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