アイディアが集まる広場をネタにしてアイデアプラットフォームについて再度考えてみた

僕はアイデア系プラットフォームがあれば試せる限り試しています。なぜそんなことをしているかというと、多分2つあります。

  • アイデア自体はそのままではビジネスや商売にならないといわれるけど、本当なのか?
  • うまくいってるなら参考にしたいし、駄目っぽいなら駄目なところから学びたい

総じてアイデアを何かしら形にしていく過程で見ていって損はないし、面白いと思っています。

1つ目の理由というか意識していることは、実際にビジネスになったものもあるわけで、ここでいえば仕組みをきちっと作って控えているニーズがあるなら十分可能ってことです。が、それが見つからないし、間違っていたり、失敗してしまうことが多い。まあこれは何でもそうでしょう。

2つ目は、自分がやりたいという面もありつつも、多分もうちょっと欲はなくて、自分が成功したいというよりも、そのサービス自体がうまくいくほうが良いという感じです。自分の成功って微妙にどうでもいいことですから。それよりも、そのサービスを通して人が喜んだり課題を解決したほうがいい。というかここで大事なのは自分がどうありたいかだけを見ていてもやはり他者、社会との関係上それだけでは駄目でしょうというところですね。

そんな中たまたま見つけたアイデアサイトがあったので、ちょっと調べてみました。

今回は、そのサイトを調べつつ、こうやったらいいかもというアイデアや問題点についておさらいがてら書いてみました。アイデア系プラットフォームはもちろん、何かしらビジネス、またはサイト運営のヒントになれば幸いです。

アイディアが集まる広場とは

名前がそのままですが、アイディアが集まる広場は、アイデアが集まるコンセプトのブログです。ただアイデアを投稿できてそれを公開できるということで、Wordpressとか何かしらのCMSでできていると想像できます。

ここで単なるブログでないというのは、

  • ユーザーが登録、ログインできること
  • そのユーザーがアイデアを投稿出来ること
  • アイデアは売買が出来ること

という点で、ブログではないということですね。見た目はブログですが。

なお、このサイトはGoogleのリスティング広告で見つけた気がします。

サイトの使い方

サイトの利用方法は説明ページがあります。

シンプルに作られていて、アイデアを投稿するか、閲覧するか、買うかどれかとなります。多くの人は閲覧者>>投稿者>購入者くらいの割合かなと。

ざっくり、100名の閲覧者がいて2,3人買えば良い方でしょう。投稿者はなんとなく10人くらいの印象です。あくまで推測です。昔やっていたアイデアシェアのデータはあまり参考にならないのですが、購入に該当する依頼者はほぼいなかったのと、投稿者も閲覧者を含めて1割り程度だったかな(登録ユーザー自体は100名はいましたが)というところです。

それぞれの役割ごとに説明ページがありますのでそれを見ていくと面白いです。

投稿者の使い方

投稿者向けページに詳しく書いてあります。

まず投稿者においては、ユーザー登録後、画面キャプチャからWordpressの投稿者権限などが与えられる形です。それで必要事項を書いて投稿する形です。現状はレビュー待ちでなく一旦公開されるけど、禁止事項のものになると削除されるようですね。

またそのアイデア自体はそのままだと無料公開となっているようで、個別に連絡して売りたいアイデアを運営側にお知らせする必要があります。そのアイデアを売るショッピングサイトでの価格は、100円で売りたいなら、+50円で、150円となり、50円はシステム手数料となるようです。

またアイデアが売れた場合は、150円のうち9割が投稿者で、10%が運営側手数料となります。報酬はアマゾンギフト券で送られるようです。150円だと135円が投稿者に、15円が運営者側となりますが、これだとシステム利用料と矛盾していますね。

おそらく、100円で売っても、購入者は150円(手数料込み)で買うことになります。それで、100円の9割を投稿者、1割が運営側になるかなと推測します。

販売仲介の場合、掛け率がポイントになりますが1割はわりと良心的な設定だと思います。ただビジネス的にいって相当売らないと、投稿者もですが、運営側もビジネスとしては大変だというのは想像できるかと思います。このあたりのシミュレーションは後でやりましょう。

閲覧者の使い方

閲覧者の説明ページはこちら

閲覧者はシンプルです。見るだけですからね。

評価自体は、現状誰でも出来るため登録ユーザーでなくても出来るようですね。またコメントも登録ユーザーでなくてもできるようですね。

実行者の使い方

実行者の説明ページはこちら

実行者とは、アイデアを実行するということで、購入者のことです。購入サイトは別のサイトとなり、ショッピングサイトとなっています。

購入した人は、マスコットキャラクターであるカエルの画像(IDが記載)をダウンロードして、それらを例えばサイトなどの掲載して権利者であることを記載するということですね。この仕組はアナログですが面白いなあと。

また、カエル画像は三種あり、最大三人までしか買えないということになっています。

知的財産権については、注意事項が書かれていて、仮に例えば買ったアイデアで知的財産権(例えば特許とか)に触れて問題になる場合は、その特許者に許可取ってねということです。つまり言い方を変えると、投稿アイデアは権利的トラブルがないことを保証するものではないってことですね。自己責任ということになります。

またもう1つ注意事項としては、独占権という意味で特許とか、実用新案とか商標とか取るなということになっています。実行に関してなので、例えばキャッチコピーや面白い名前が書かれていてそれをビジネスで使いたいからとなった場合にどうなるかはありそうですが、良くわからないですね。

買った人がサイトにカエル画像をアップして権利者であることを示せばそのサイトにリンクも貼ってもらえるようですね。

投稿されているアイデア

現時点でアイデアの数は約17ありました。

アイデアのカテゴリとしては、ビジネス、創作物、暮らしと3カテゴリです。

例えば、1人暮らし専用食堂というアイデアはそのまま閲覧できます。またショッピングサイトURLがないので販売をしてないということになります。

次世代アシスタントAIの姿というアイデアは、次世代アシスタントAIの姿(緑カエル)(緑カエル.png)へのリンクがあります。BASEで売られているということですね。

またいくつかは管理人のじょんさんではない方も投稿をしているようです。

ビジネス的なポイント

簡単にシミュレーションをしてみましょう。

仮にこういったプラットフォームで副業レベルの3万円を粗利で稼ぎたいとします。5万でも10万でも構いません。

3万円を粗利として稼ぐには、今回であれば10%が手数料収入ですから30万売り上げて3万の手数料収入となります。なお粗利と書いてるのは、運営の手間とかメンテナンス、売買のため出品作業や顧客対応などがあるからです。これらを基本的に人件費は0円で運営者が1人でやることとなります。

では30万円の売上であれば、いくらのアイデアをどれくらい売るかです。実際にアイデアというものは雰囲気としては、noteなどで有料購読できるような読み物的価値があるか、何か知見や検証があってユニークである、または学びがあるというものかなと感じます。

例えば、全く自分で考えたことがないものがあればそれに投げ銭をするような感覚で100円払うとかがありえます。またそれ自体体験や経験をまとめていて300円とか500円とかそれこそここまでいくと電子書籍や読み物としてボリュームは1万文字とか一定数ないとちょっとつらい気がしますが、それに近いものであれば課金はされるでしょう。

問題はそれまでに、

  • 一定の閲覧者数が獲得できること(例えばアクセス月間1万以上)
  • 登録者数が1000名で投稿者100名。すると100名の投稿アイデアで売れるのはおそらく1割未満。すると月10アイデアあってしかもそれが売れるレベルかどうかというとかなり厳しいはず。売れる価格が500円だとしても、5,000円。
  • アイデア自体の精度。つまり閲覧できるけど、それって別に買うほどではないよねが多い場合、買うプラットフォームや売れるプラットフォームでなく、閲覧できるプラットフォームで終わる
  • 運営側が飽くなきモチベーションがあっても、投稿者側はそこまでのやる気がないことがほとんど。やる気がないというか手応えがないと難しい。つまり投稿したアイデアへの反応とか、売りたい人は売れるということ。多くのマッチングビジネスはここの部分の成功体験が作れず終わるか、規模が増やせずに終わる。

というところがあります。

上の試算だと、1000名登録でも、動ける人が売ったとしても5,000円程度にしかならず、3万円を稼ぐために30万には、60分の1にしかなっていません。1万名の登録ユーザーを確保しても、10倍ですから5万円の売上ですから、粗利1割なのでこれでやっと5,000円です。

ちなみに、1万名のユーザー獲得は並大抵のことではありません。例えばblaboなどのレベルでやっと数万規模かなというところです。アイデアプラットフォームはかなりニッチなものといっていいでしょう。

ちなみに、僕がやってたアイデアシェアも簡単ではないと思っていましたが駄目でした。アイディアが集まる広場も何かアイデアがないと、多分同様の詰まりになるかなと思います。

ただこれはアイデア自体をとくに精査したりせず、未加工でマッチングする場合においてです。加工したり、オリジナルなアイデアや企画、それこそそこから何か作って提示するのであれば全く別物のサービスになるでしょう。

先行類似事例はどうなっているか

アイデアシェアは失敗した

僕がやっていたアイデアシェアは、依頼者からコンペ料を取ってそれで参加者からアイデアを募るというものでした。問題はクラウドソーシングサービスなどで行う場合に比べてユーザーが少なくアイデアも少なかったところでしょうか。手数料というか掲載料から一部取ることも考えたのですがそれでは成り立ちづらいところでした。

広告費を投下して広げていっても勝ち目があるかは怪しいのと、結局それ以前に募集したいお客さんをどれくらい持っているかがやはりポイントになると考えました。以下の参考記事はかなりがっつり振り返ったので同様のサービスをやりたい人には参考になると思います。

参考記事:アイデアコンペサービス「アイデアシェア」のクローズと振り返り。

結局簡単にいえば突破口はある程度のユーザーが爆発的に増えるか(または増え続ける仕組みを作るか)、依頼者である顧客を獲得しているか(または同様に増え続ける仕組みがあるか)、手数料なりが高くても払う価値があるか(粗利が低いために高くする)というところです。

ぴよほげはおそらくうまくいかなかった

ぴよほげというサイトがあります。こちらは仕組みがもう少し違っていて、アイデアをどんどん投稿してもらってそれに対してコメントなりがあったりでランキングなり、ニーズを見ていけるものです。多分アイディア広場はこれに近い気が縞板。

知り合いがやっていたので観察していたのですが、現在投稿はストップしているので運営は終わっているかなと思います。面白いのは、閲覧も無料ですが、有料メニューとしてはニーズ検証としてユーザーにアンケートした結果を得られるというものです。「ぴよほげ」の使い方に詳しい説明があります。

例えば茶渋がつかないカップが例に上がっています。ただこの手のデータとして、マーケティング結果としてなんでもいえるのは「だから売れるとは限らない」ということですよね。そういう意味で、アイデアというよりも、検証結果レポートを買う感じでしょうか。

ぴよほげがうまくいってないかもしれないとすると、おそらくアイデア自体の売買では厳しく、その投稿者やコメントをしたりするユーザー属性と紐づく意見がある程度価値があると判断したのだと思いますが、結果はうまくいかなかったのかなというところです。もちろん推測です。

ビジネスアイデアネット広場はどうか

ビジネスアイデアネット広場というサービスがあります。ユーザーはアイデアを投稿(フォームで投稿)して、審査があった後に掲載されます。審査で受からないと掲載されません。

その後掲載されたアイデアは140円で買う事ができます。この140円から投稿者は60円(つまり約42%)が還元されることになります。運営側は58%です。

このサイト自体が稼働しているかですが、試しに投稿したところ運営側から審査レスポンスはあったので動いていると思われます。が、掲載されてないのでおそらくアイデアとしては採用されなかったのでしょう。

アイデア数自体は約30もありませんが、気になる人はチャレンジしてみてはどうでしょうか。またアイデア広場と違って、内容は概要レベルでしか分からず欲しいなら詳細を買うという形が異なります。

面白いのは単にアイデア詳細だけでなく、アイデアに対する評価が分かることですね。多分なのですが、アイデアの評価をしてもらいたい人は自分で提出+140円で買うことで得られるなら安いかもしれませんね。

調べる限り代表の方はビジネス支援や起業支援をしている方なのでその見立ては専門家であると考えています。

ここで大事なのはこのように概要は無料、詳細は有料という見せ方もあるということですね。

アイデアを売るプラットフォームをどうみるか?

これらの事例から言えることは、僕は失敗しているので偉そうなことはいえませんが、まあ普通にやると失敗というかうまくいかないかなというところです。

あとひとつだけ言うならば、これらのサービス自体は無料で使えるが、他でマネタイズするというものです。それで分かりやすいのは、アイデアステーションなどの発明アイデアを投稿して商品化でマネタイズするというものです。が、これ数的に相当の数とかつ商品化で売れるであろう検証をしてないとそこまで行かないので、長期間(数年以上)で見ていく必要があります。商品化ということでものづくりが入るとやはりまだまだ時間がかかるなあというところですね。

その点アイデアなどデータでやり取りできるものやコストがかからないものは簡単ですが、価値をうまく伝えづらいのが実際ですよね。あとは典型的ですが、広告モデルです。サイトアクセスが多いなら広告モデルも通用しますし、あとはアクセスがそこまでなくても「濃いユーザー」を獲得できていればそれらの人にアンケートはもちろん、企業とタイアップなどは結構出来ると思います。

ちなみに僕のスタンスは別にやめろとかそういうことではなく、こういう挑戦やチャレンジはどんどんやってもらったほうが面白いと思いますし、どうすれば成功するか確率をあげたいと思っています。

冒頭にもありますが、普通にやっては成立しないのであればどういう視点でやればいいか。またはそれを考慮して可能なのか。そこらへんに興味があります。

もちろん、同様のサービスは失敗しているのでまたそのままやることはないのですが、うまく改善して工夫して諦めずにチャレンジしたいと思っています。まだまだ懲りてませんね(笑)

徹底的にやれば趣味であってもビジネス化できる

僕の考え方はこれです。

仮に趣味でアイデアマッチングをやっていても、多分それがずっっっと続くことであるなら多分何かしら成功するはずです。あと、ビジネス化というのも、かなり柔軟に考えると、「そういうプラットフォームをやっているから、仕事の依頼が舞い込んでくる」というのはわりとありがちな話です。ただアイデア売買のプラットフォームはなかなか難しいかもね、でも不可能ではないかな、くらいのところです。無理とは思っていません。

だからこそ揺るぎない気持ちというかパッションでやるのはいいと思っていて、それで突破出来るものってあるからですね。もちろん同時に熱が冷めてやる気がなくなるのもありますから、もうこのあたりは正解はないです。やってみてどうなるかだけでしょう。

そしてヒントになるか分かりませんが、アイデアを多分ですが、文章だけだと価値が伝わりづらいので、企画書として整形する、1枚のパワポだけでなるべく絵があるとか、データが必ずついているとか、発想元が明示されているとか、そういうほうがまだ売れる価値は高いかなと。あと動画で説明とかもですね。ただこれは表現を変えただけですので全く意味がないことも多いです。

そしてどちらかといえば、そういう発想をする仕方に価値があると思っていて、多分「アイデア自体」を良し悪しを判断出来る人がいないのとそういうサイトを見ている時点で「アイデアがない」ということであって、アイデアがない人が「他人のアイデア」を良いねといって見えるかが正直分かりません。仮に関係なく判断できる、つまりアイデアがないんだけど、アイデアがあれば欲しいという人は、アイデアとして書かれた内容でなく、単に「アイデア」自体に飛びついているともいえます。そうすると、アイデア自体の質が低くても買われるかもしれないのですが、実際に質が低いものをアイデアが欲しい人が買って何が起きるか、多分「このアイデア使えない」で終わるという感じですね。

またアイデアが閲覧できてしまう場合はそもそも、パクること自体ができてしまうので、なんとも言えません。あえてお金を出すとは価値を見出して応援したいとか、ありがとうということが言える人なので少なくともアイデア以前にそういう人がユーザーとして付くことのほうが大事になりそうです。

この発想方法はあまり価値を自分は見出してないものの、多分ニーズはかなりあると思っています。そこへの見せ方がまだまだできてないなあと思っているところですね。つまり、自分が価値があるとかないとか以前に出してみたら、結構ニーズがあったとかなかったとかって意外性があるってことですね。

おわりに

今回はたまたま見つけたアイデア系サイトのレビューをしてみました。端的にいえばアイデアは面白いし、いくつかは画像掲載をしてアイデアを発展させていくことや権利者の明記があって仕組みは面白いと思いました。

一方で結果的に売れるかどうかとなって、売れる勝ち筋みたいなものがないと多分詰まってしまうだろうという印象です。または売り方も法人向けに特化して、クローズドでもいいし、同時に売り手と買い手をあつめるのは大変なので、どっちかをやったほうがいいかなというところがあります。1人だとなおさらですね。

面白いもので、アイデアが出ている人達の周りにいると、アイデアは普通に出せるしあるものだと勘違いしてしまいます。アイデア自体は企画はもちろん、デザイナー、経営者、メーカー開発など色々な何かを作り出す人は必ずアイデアを持っています。ですがそれらの人だけがいるのでなく、それを買う人、期待する人、またはアイデアをだせないけどアイデアを出したいと考える人は一定数いるし、困っている人は多いんですよね。

そういったバイアスなり環境を踏まえつつ、どこまでサービス化出来るか。そこらへんがポイントになりそうです。

一方で同じようなことを考える人がいるのだなあと思い、面白かったですね(笑)あなたも同じようなアイデアマッチングサービスを考えているのであれば参考になったかもしれません。

あといないと思いますが、もしこういったアイデアプラットフォームについて企画なり開発、またはマネタイズを考えている人がいればお気軽にご相談ください。とくにフィーを求めているのでなく、そういったサービスがどれだけあるか、またはどのような考えの人がいるかを知りたいからです。僕自身はマネタイズがうまくて成功しているとかはないので、マネタイズしたいだけの人は他の人にあたったほうが絶対いいですよ(笑)

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

リサーチとアイデアの出し方講座

大橋のアイデアの出し方やリサーチの仕方などのやり方などを初心者向けに解説したUdemy講座です。本ブログのアイデアやリサーチネタが気になって、どうやってやっているんだろう?と思った方はぜひ。

気になる方はハードルを極限まで下げているのでチェックしてみてください!