前例のないことをやる面白さをズドンとストレートに伝えてくれる良書

前刀さんという人を知らなかったのですが読んでみたらかなり面白くおすすめです。全体的には励まされたというか、励ましてもらおうという気持ちで読んだわけでもなく、そういう本でもないわけですが(笑)

逆にこの本にもらったパワーをうまく読者に伝えられれば嬉しいです。

ないならシゴトを作ればいい

P.46あたりにある話です。

著者が高校1年生向けで講演したら、学生さんが将来考古学の仕事を少ないので心配だといっていた。ならば作ればいいのではという著者の意見。そしてそれに対してそういう見方もあるのかと気づいた学生さん。っていう話があります。

これってものすごくシンプルです。

世の中にこういうサービスがあればいいのにと思ったら作ればいいじゃんということがまずあっていいわけですね。そういうないなら作ればいい、作ってもいい、つくるというOSがないとやはり「あるものしかだめなんだ」と思ってしまうわけですよね。

世の中の人が欲しているかどうかはおいておいて、やってみてどうかを検証していく。これがまさにシゴトクリエイター的視点といってもいいのですが、これわりと自分で仕事をつくったりビジネスをやる人では普通の感覚=OSとして近いんですね。

「ないならつくるか」OSがあるというか、「ないからつくりました」を毎日やっている感じ。これが猛者とかでなく、それが近いからやっているだけという感覚です。この感覚がそこまでないなら練習したり、やっていって学ぶしかないだけです。

いきなり出来るわけではない。当然無理にやるのでなく、それをしたいからやらないと身につかないですよね。無理に仕事を作りたくない人に仕事の作り方を教えるのも苦行です。

アイデアにも熱が大事だ

データにも、熱のあるデータと熱のないデータがあります。その違いは「体感を経ているかどうか」です。お金で買ったデータやネットで拾ったデータ、そんなものは古い上に、説明する自分も面白くないでしょう。

「5年先のことなど考えるな」P.200より引用

その通りすぎるなあと思ったのですが、一方でこれちゃんと説明しているというか、している人がいてよかったなあとも思ったわけです。

例えばこの話はアイデアとしてもまかり通ると思っていて、もちろん仕事でアイデアやアドバイスはするんだけど、それがそのままお客さんが使えるとは思ってないんですね。

要するに、僕が考えたアイデア→解釈→お客さんの行動変化みたいなことであって、アイデアがそのまま電気信号なりデータの固まりがお客さんの脳に移動するとかじゃない。解釈とは僕のもありますが、どちらかといえばお客さんの解釈です。

この考えがない限り、見える部分も変化がないし、見えない潜在的な部分でも変化がないといっていいでしょう。見えるものがないから動けないという鶏が先か卵が先かみたいにもなりそうですが、解釈といって丸投げで考えてということでなく、アイデアも固い石でなく、噛み砕いて解釈しやすいようにしてあるのは大きなポイントです。

それをもっても解釈できないなら、ミスマッチもありますが、とはいえ、出来るのはその解釈がしやすいものであって、「分かりやすい」アイデアということではないんですね。

だからこそ、熱量が大事というところで、解釈する意志=熱量って感じです。熱量がある体験を経ていることはぐっと前のめりでやる気が満ち満ちてきますから。そういう意味で人のアイデアに熱を入れるのは超難しいというか僕は出来ないと思っています。不可能ではないです。例えば同様に解釈をして自分に近づければいいわけですよね。でもその解釈がなければまあ出来ないって意味です。

この後に銀座のクラブリサーチの話が出てくるのですが、面白いですね(笑)

自分だけの一次情報を手に入れるのがめっちゃ大事

上の続きでもありますが、

体感から得た情報は、いい換えると「自分だけが持つ情報」「他人が知らない情報」でもあります。

同著 P.202より引用

自分がどこかで得た情報でなくて、体感で得たということが大事です。これって一次情報であるのが大事ということで、例えばビジネスや仕事に役立つ情報特集!みたいなのに釣りであっても目が行くのは分かるんですよ。

ただそれで役立つものがどこまであるか、期待値0なら見るだけ無駄です。1割くらいで見るならありだけど、その1割の得た気づきって実は体感でないから使えないことが多い。3割くらいでもビジネス書読んで気づいた行動に移せる人がかなり少ないのと同様といえば分かる気がします。つまり、一次情報でないんですね。

先程の話と同様で、人の話や情報をそのままでなく、自分の頭で考えて解釈して、それを消化していって「うん、こういうことじゃないか」と考える。そしてそれを試したり自分で動いてみる。それで「ちょっと見えてきたかも」くらいでやっと使えるかもしれない感じになります。そのきっかけが体感といってもいいわけですね。

軸とか意志とか土台とかって結局ここになります。言われているから、役立つと言われたからとかはほぼ使えないでしょう。あなたが使えると思ってかつ試して体感してそこでどうかって感じです。それでも使えないことが多いしずれも多いのだから、自分だけの情報としての体感はめちゃくちゃ大事です。

もちろんそれだけで決めるのでなく、体感と客観であったり、バランスしていくのがベターです。人間の感覚がわりかしいいところもいくものもあれば全然駄目なこともあるからですね。

一次情報が大事というのはわりといっていて、前読んだ右脳思考も同様のことが書かれていた気がします。自分だけの情報を得るのはすごく大事で、観察ノックとかやってますけどそれも全く同じことです。

何かに役立つからということでなく、それで感じるレッスンなりトレーニングを積むってことですね。それで鍛えておけば瞬時にアイデアが出せたりします。

やりたいことって自分が悔しいくらいの何かだ

人生の先輩たちが「失敗をたくさんしなさい」とよくいいます。僕も、本書のなかでどんな失敗も楽しめる、学びになると書きました。でもこれには前提があって、「自分が本当にやりたいこと」でないといけません。やりたくないこと、さほど努力をしてないことで失敗しても、悔しくない。心底悔しくないから学ばないのです。

同著、P.215-216より引用

自分が昔考えた「それが本当にやりたいこと」かの簡易チェックとして、「これ大したことないですね」と言われて腹が立つとか、悔しいとか、そういうことを思えるかみたいなことを考えたことがあります。

あるワークショップで全く知らない人にも提示したのですがわりと受けてたので今も覚えてるんですね。例えば、僕ならアイデア出しを最初からやりたかったわけではないんです。今もですが、あくまで0から1になる瞬間が面白いというだけであって、アイデアでなくても良かったりします。

ただもくもくと作ってこれみたいな感じでもないのでできれば色々な人の考えとエッセンスがあるであろうアイデアと、そしてそれが持続して人に喜ばれるであろうビジネス、社会的な感じもしますから、そこは僕の経験と感覚に過ぎませんが、そう考えていて、それが「アイデア」だっただけなんです。

僕が出したアイデアが誰にでも万能で受けるとは思ってません。思ってないのですが、「大したアイデアではないですね」と煽られたら(笑)そりゃ感情的になるみたいなことです。どういう相手に言われるかもありますけどね。そこで僕の反応が「まあ、適当にやってますしね」みたいな感じで流せてしまうなら多分そこまでやりたいことじゃないよっていうある種のネガティブにしてみて跳ねるかどうかって話です。

やりたいことがわかんないみたいな人は、何か純粋にこれであるという1点突破や圧がかかったピンポイントみたいな点を探しがちです。でもそうでなく、かなり広い面積、体積があって「なんかそっちいい感じ」くらいの緩さでがあって、そこでここはいいなあとか、そういう温泉に浸かる感じが近いです。

少なくとも砂漠にいって膨大な土地を調査する感じではないです。楽にやっているのは楽しいからでもですが、温泉やいい感じの緩さがあるからです。じゃないとできない。

もう1つは、失敗から学べるというのは本当その通りです。やりたいことでないとというのは、興味があったり、こういうことをしたいっていう熱ですね。勝手にようこそ先輩で失敗談を披露したのですけど、それも同様の話です。

失敗しまくってるけど、楽しい、学べるってことです。そこで大きな成功みたいなのがないと生きていけないわけではないんですね。失敗しても次はどんどん学習するから精度が高くなるし、また違う切り口でトライしているからです。成功というと多分成功はしていてしかしそれは「成功したからこれで終わり」ってないはずなので、成長が止まる証明=成功した、という感覚かもしれません。どんどん捨てていってどんどんやれるこの前刀さんという人はすげーなあと感動を覚えました。

自分がやりたいことだからやるという前提でなくても、やってみて悔しくなったらやればいいというか。このあたりもラフに考えてギチギチに詰めないほうがいいとは思っています。失敗って何でもミスればいいとかってことではないので、やりたいほうに近づけていってそこで転んでも悔しいから次こそはってなります。この悔しさは成長のバネになります。

当然のごとく既にやっていた人がいた

僕と比較する意味もないですが、こんなすごい人がめっちゃいいこと言っていて全く気づかなったというところを一番痛感しました。前刀さんみたいになる必要もないわけですが、非常に気づきが多く参考になりました。

誰かが何かをやることをはげましたり、役立ちたいから自然と自分が情報を探しているみたいな感覚があります。これは、相手からのリターンとかを求めている限りはできないんです。だから、あればラッキーくらいむしろ、みつけたネタが紐づくのが面白いって感じの感覚があります。これもすごく大事な気づきですし、再確認でもあります。

自分が何かできることがあるからするというよりも、やる、やろう、やってみたいみたいなことだからやる。あまり理由を作るとか、自分の行動に色々理由をつけなくてもいい=感情や感覚だから、やりたいことをやると、次が見えるのを信じていこうって気持ちになれましたね。

こういう出合い=本と出会えるから本ってやめられないですねー。  

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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