映画リクエスト上映サービス「ドリパス」は最初に大きな城を攻めることで成功した

今回のアイキャッチの図解はヒラメキクリエイターtakebonさん作成のものです。【WEBサービス図解】ドリパスに作成記事もありますので合わせてご覧くださいませ。Readmasterタグに笑いました(笑)

今回はドリパスというサービスを見ていきましょう。

今回は友人からアドバイスがあり、「サービスが生まれた時からそれがどう形になったのか」などが気になるかもいと言われたので、早速そこを重点的に見ていきたいと思います。

シゴトクリエイターとしても僕も最も興味があるところです。0→1って本当に大変です。けど、面白いです!

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ドリパスとは

ドリパス

ドリパスは、リクエストの多い映画を映画館で上映出来るサービスです。ドリームパスの略で、「実現したい映画」=夢を実現、パスはチケットのパスかなと思われます。

昔一回だけですが使ったことがあり、面白いサービスだなあと思っています。復刊ドットコムとか思い出しました。

ビジネスモデル

2010年に株式会社ブルームが開始。その後、2.5年でヤフーに売却。「ドリパス」運営のブルーム、全株式をヤフー株式会社へ売却し、ヤフーグループに参画。ヤフーとの事業シナジーで、エンタメ領域のO2O事業の更なる飛躍を目指す

さらに、2015年にはヤフーからTOHOシネマズへ運営が移る形となっています。「ドリパス」運営主体の変更について

ビジネスとしては、リクエスト上映を希望するユーザーがいて、それを上映する映画館があります。ドリパスはそれらをつなぐ仲介モデル、マッチングモデルになると考えられます。

利用ユーザー

リクエストをして映画館で観たいというユーザーが使います。好きな映画をリクエストして、ランキング上位に入ると候補入りするようです。そしてそこから事務局が実現企画を立ててチケット化されます。

チケット化時点ではまだ成立せず、クラウドファンディングみたいに一定数のチケット(例えば200枚限定チケットなら、50枚購入する人がいれば成立など)までいけば実際に上映されます。

おそらくこの最低枚数というのは手数料や映画館上映側のコストを見て損をしない数字になっているのでしょう。つまり、オンデマンドで確実に売れたものだけを上映する、見事な仕組みです。「リクエストするけど見ない」人もいるわけで、それらを省けるわけです。当然例えば最低数売れなければ返金されます。

映画館

映画館側は推測になりますが、映画館の空いている時間帯などやあまり人が来ない時間帯など空き時間活用が図れます。当然チケットはすべて売れているため、取りこぼしがありません。一般的な映画チケットは1800円程度はするところから(新作ですが)同程度の利益がそれ以上(宣伝コストが他にかからないため)あるかもしれません。

ちなみに詳しくは調べていませんが映画のチケットの半分くらいは配給会社となるため、映画館はポップコーンなどの飲食物販売、パンフレットなどのグッズ、予告編などの宣伝料などのようです。

昔利用した時に感じたのは映画館を使うのでその映画館の新作情報を知ったり、足を運ぶきっかけに「自然」となるので良い効果にはなりそうです。あとDVDなのでCMはないので結構新鮮だった印象があります。

ドリパス

ドリパスは成立時の手数料を得ます。映画企画毎で違うようですが、例えば特別企画では2,000円(税込み)に対してプラスでシステム利用料が260円(税込み)でかかると書かれています。1割ちょっとかかる感じですね。3000円のチケットでは390円なので、チケット価格の13%となっていると思われます。

ただ1200円のチケットでも260円で、1500円でも260円だったので、13%でなく最低でも260円というところと考えるのがスマートです。

利用者側からみるとチケットが割高に感じられますが(2260円1枚でかかる)、リクエストが叶って見られるのと映画館で見られるし、そのファンが集まるので環境としては良いかなと思います。

当然これらのアイデアがあってもユーザーがいなければ、映画館が提携していなければ、何も進みませんよね。次にサービスが0から1になっていくところを見ていきましょう。

0から1へのステップ

ドリパスがどのようなステップで生まれてきたかはこちらの記事「ある起業家が事業を売却するまでの道のり」が詳しいです。

そもそも創業者の五十嵐氏は博報堂出身で、わりと軽いノリで創業。ドリパス自体を軌道に載せるために60日と迫られた時も厳しいながらもなんとかKPIとしてのリクエスト数(映画上映リクエストですね)が上がっていくことでなんとか切り抜けたというところです。

こう書くとライトですが、記事を読んでもらえればシビアさが伝わってきます。

広告マンが、WEB業界で勝てる理由。《ドリパス》五十嵐壮太郎氏が語る、広告業界の強み。のキャリアハックの記事が面白く、1年で100映画館と契約したとあります。

これは博報堂でBtoB向けの営業経験があったのでスムーズだったようです。Webサービスなどの知識や経験はゼロなので外注をして開発。半年後くらいから内製に。広告代理店の営業マンのバランス感覚についての指摘も面白いですね。

まず、本当に立ち上げたばかりのとき。もちろんユーザーはゼロで、提携劇場の数もゼロ、どちらも増やさなければいけないという状況からスタートしました。

劇場はユーザーがいない僕らになかなか興味を持ってはくれませんし、ユーザーも、劇場がなければ会員登録してくれません。

その両方の問題をクリアするために、まず「新宿バルト9」という、都内でも非常に大規模で、圧倒的な知名度のある劇場との提携を進めたんです。

同上より引用、太字は筆者)

当たり前ですが立ち上げた時点ではドリパスはユーザーや映画館はゼロです。そこで出てきたアイデアが、都内劇場で有名どころを攻めるということのようです。

面白いのは小規模なところを攻めて言ってという積み上げ型ではないということですね。インタビュアーもそこを突いていますが、それを五十嵐氏は「それだと一般的なベンチャーと同じになる」と考え、方針は「初めに大きな劇場協力を得てその勢いでプレスリリースを出し突破する」としました。この視点は大手広告代理店でtoB経験があり、営業経験があったのがめちゃくちゃ大きいと思います。僕自身は小さいところから攻めるしかやらないと思うので(笑)

当然このバルト9にとっては、ドリパスはユーザーゼロでメリットがないんですが、そこは見せ方と熱意なんでしょう。これから始まる新しいサービスであり1社目で目立つし、より話題にもなるよというところです。ここはそうは思わない劇場もあるわけで、こればかりは数を打ちつつどこを攻めるかというのが実際でしょう。

実際にこのバルト9を攻めたことで一気にメディアに取り上げられ、多くの人を巻き込むきっかけになったようです。当時のプレスリリースだと思われる株式会社ブルーム、日本初の映画館特化型フラッシュマーケティングサイト「ドリパス」を開設。 株式会社ティ・ジョイの運営する「新宿バルト9」で100企画をリリース予定。を見ると、いきなり100企画と結構ノリの軽さが伺えますが、必死さも伝わります。当時はグルーポン全盛ということもあり、フラッシュマーケティングというのがキャッチーな言葉だったことも懐かしいですね。

当時はどういう企画かというと、リクエスト数をアップするために見たい映画をつぶやくと、バルト9で上映されるかもというものだったようですね。ツイッターで投票すると一夜限りの上映が実現 映画特化型フラッシュマーケティングサイト「ドリパス」では、フラッシュマーケティングの視点で書かれている記事に映りますね。

例えば『アンヴィル!』『ソウル・パワー』をもう一度劇場で!話題の映画専門チケット共同購入サイト「ドリパス」は、オープン3ヶ月くらいで、チケット1,000枚を売ったり、メディアに取り上げられたりということに成功しています。

そして1年くらいで100館まで展開出来たとあり、その頃にはなんとか売上も立ち回り始めたのでいけるぞという感じになったようです。そういう目処が経つまでは、thebridgeの記事を読む限り相当経営的にとくに資金的には大変だったようですね。

おわりに

今回は、0から1というドリパスというサービスがどう最初に仕掛けたのかを中心に見てみました。

Webサービスが軌道に乗るってかなり外側から見ると「ライト」に見えますが、現場や起業家は相当ハードなストレスややばさを抱えていることが普通だと思います。

月並みですが、0から1を作ることってやはり簡単ではないです。ただ、無理ではなくやってみたら何か生まれるかも、むしろやってみたいという純粋な気持ちを持ちつつ、同時に行動して形にしていくことが問われます。

あとマッチングサービスにおいてどちらかを攻める場合、ドリパスでは映画館側であるインフラ側、企業側、また大きなところというのを攻略してからというのが印象的でしたね。

Webサービス全てがこうあれなんて思いませんが、一つのケースとして勉強になりました。

次回はもっと小さい感じのサービスを見ていこうかなと思います。

ビジネスって面白い、アイデアの価値ってもっとある。そんなことを自分なりに伝えられないかという思いから、シゴトクリエイターをやっています。一緒に楽しいビジネスを生みだしていきましょう。1記事でも何かヒントになれば嬉しいです。

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