クラウドソーシングでのユーザーヒアリングのやり方

意外に書いてなかったので書いてみます。とはいえ、これ詰めればかなり奥が深いのでポイントを絞って書きます。

今回はクラウドソーシングというサイトに絞り込んで、具体的なやり方を書いてみます。具体的だから使えるかはおいておいてイメージがわけば何よりです。

ぜひ応用というか盗めるものは盗んでもらって、サービス開発なり事業開発なりに役立ててください。とくにお金をかけずに精度を高めたいという人にはいいかなあと思います。もちろん予算あれば派手に使ってください(笑)

ユーザーヒアリングの流れ

個人でも出来るというやり方では、クラウドソーシングサイトで被験者(研究っぽいですが、ヒアリング対象者のことです)を募集してその人にZoom等で聞いていくことです。細かいかもしれませんが、ここではヒアリングもインタビューも同義として使っています。

流れは簡単に書くと、

  1. 質問事項等を考え仮説を立てる
  2. ユーザーを募集する、探す
  3. 日程調整する
  4. Zoomでヒアリングする(インタビュー)
  5. ヒアリング結果をまとめる

という流れとなります。それぞれについて書いていきます。

質問事項等を考え仮説を立てる

質問することはもちろんですが、仮説が大事です。ここで仮説が微妙だとまあ散々な結果になるかと思います。

そもそものコンセプトが弱いなら得られるものも弱いですから、良いデータが得ようとしてもデータとして何が良いかの判断基準がないので、良さも分からないわけです。

仮説の立て方は色々あると思いますが、僕の場合は、「XならYだろう」というようなものをまず考えてみることをおすすめします。

以前行った図書館司書さんのヒアリングは図書館司書さんヒアリング結果と考察まとめでまとめていますが、当然最初に何を聞いてその結果何を得たいかをある程度明確にしています。

このケースでは、図書館司書さんがリサーチサービスというのを立ち上げたとしてそのリサーチ力を活かして活躍したいことを確認するためでした。もっと細かくいえば、リサーチスキルがあるのでそれを持て余しているはずだ、それを活かしたい人がいるのではないか?を検証するということでした。結論は書いてある通りでNGでしたが、そういう仮説がないと始まらないわけですね。

よって、その狙うべきこと、考えていることから質問事項が導き出されるはずです。

具体的には図書館司書さんならば、リサーチ自体を業務でしているかどうかであったり、他の仕事ややることへの関心だったりします。例えば本屋と図書館は「本」を扱うわけですが、これも素人が見れば「一緒の仕事」に見えます。が、実際はかなり異なります。思想が違うといってもいい。例えば商業的に売るための本を置く本屋と、閲覧やアクセスできる資料として置く図書館。まあ色々な本屋と図書館があるのでそれが全部に言えるかはおいておいてそういう話も伺えて貴重な経験となりました。

つまり、仮説構築→質問事項ということをすると。もちろん質問を考えてから仮説でもいいのですが、そもそもなんでこのヒアリングやるんでしたっけ?に答えられるかどうかってことなんですね。

ユーザーを募集する

これについてはクラウドソーシングでは、Lancersやクラウドワークスで、ユーザーを探す機能があるのでそれを使いましょう。具体的な操作は省きますが、キーワード検索を活用したり、仕事から出来そうなこと、あとはプロフィールの充実度などを見て判断します。

費用感は予算次第ですが、僕は個人でやっているというところで、30分1,000円としています。もっと安いものや高いものはありえますが、あまりに安いと買い叩かれる感じですし、高い場合色々条件がついたり大手企業か予算がそこそこある事業だったりと勝手が違ってきそうです。

toCとかtoBとかもありえますが、ここではtoCの一般生活者向けという感覚です。当然それだけでなくターゲットを設定してそれらの人を探り当てることが必要です。

ターゲットに合った人を探す

図書館司書さんなら図書館司書とか司書、図書館というワードで登録している人がいました。またはそういうキーワードがプロフィールにあるので探しやすかったです。とはいえ全数に対して相当絞られた状態です。

一方、選書サービスのヒアリングにおいては特定のターゲットというのが難しく、例えば本好きとかですが、ミステリー好きなどジャンル特化型かつ趣味ベースが強い話を聞きたいわけではないので、このあたりのジャンルを絞るとかなり限られるんだろうなあというところでした。実際にうまく集められなかったですね。

よって、先の段階でどういう人に聞いた方がいいかを明確に絞っておくことをおすすめします。またそのターゲットが幻想や妄想だったらいないですので、そもそもサービスを作る以前の問題となります。まあやってみていなかったら明らめるとかのほうが健全な気がします。

プロフィールの充実度を見る

人によってかなり差があります。ヒアリングを受けるかどうかは人によりますが、そのためにプロフィールを書いているわけではないですよね。つまり、仕事を受けるために何が出来るかやってきたかをアピールする場でもあるんですね。

しっかり書いてある人は意識があるので、コミュニケーションも取りやすい傾向があると思います。逆は厳しいのでおすすめしません。テンプレそのままとか、内容が薄すぎたり(がんばります!のような)とかは外しましょう。

仕事実績はここでは関係ないのですが、あればコミュニケーションしやすいのでプラスですよね。

テンプレートを使ってもいいがなぜ連絡したかは明記する

これはちょっとしたテクニックです。僕は図書館司書さんに声をかけて大体の人から連絡が来ました。断りもありましたが多くはOKでした。

そのコツは、さすにが何人もメッセージを送るのでテンプレート的な、つまり今回用の「ヒアリング趣旨」を書いたものを送っていました。その時、コツとしてはなぜ「あなた」に連絡したかを明記することです。

提案やコピペに見慣れている人なら速攻分かるわけですが、プロフィールを見て連絡しましただけでは弱いです。プロフィールを見て「今回のヒアリングでお力になれる点として、XXXが考えられるので」くらいまで書きましょう。

図書館司書さんなら図書館司書勤務経験がある人に聞きたいからというので明確です。あとは相手が受けるかどうかだけで、理由も明確です。

あとはこちらの信頼もないという前提で、自己紹介はもちろん、なぜそのヒアリングをしているのか、どう使うかもあると信頼感につながるでしょう。

テンプレであればそれに併せて一言書く「だけ」ですが、これを惜しむと多分返信率は下がるだろうなあと感じました。ぜひ真似してみてください。

日程調整する

日程調整は2,3人なら個別連絡でオッケーでしょう。しかし、増えてくると大変なので、日程調整サービスを使ったほうが吉です。

僕はeeasyとかを使ってますが、他にもあるかと思うので好きなものを使いましょう。ちなみに使わずにゴリゴリやっていた時は、ダブルブッキングしてしまい調整しなおしたことがあります(笑)そういったミスはないほうがいいですね。

他にはZoom連携できてURLが出来たりとか、Googleカレンダーと連携できたりとかそういうのはどのツールを使うかによりけりですが、かなり便利になったなあと思いました。

あと細かいですが、ヒアリングに対する報酬はLancersやクラウドワークスは仮払いが先ですから、それらは基本事項ですがまず支払って調整することをお忘れなく。一部法人で後払いなどもいけるかと思いますが、ここでは割愛です。

日程調整自体は、1-2週間以内で決めていくといいでしょう。あるヒアリングは2週間先でかなり遠くになってしまい、こちらの都合ですが結果的にヒアリング自体への熱が冷めてしまったときでした(笑)できれば、1週間で集中してやるとか、リズムによって調整したほうがいいですね。

Zoomでヒアリングする(インタビュー)

当日のインタビュー、ヒアリングについてです。僕の場合は30分で3個くらいメインの質問があってそれで聞いていく形でやっていました。

ヒアリング自体は慣れてないとやりづらいかもしれません。

インタビュー自体のコツは書くとキリがないですが、やはり定性調査というところで、その人の本音や思ったことを言ってもらうのが大事かと思います。

30分とはいえ、自己紹介、流れについてをざっと説明したほうが良いのは言うまでもありません。

アイスブレイクではないですが、慣れてない人がインタビュイー(対象者)であるとこちらのフォローが不可欠になります。

これだけで一冊の本が書けるくらいの話なので、本当に初ならまずは誰か友人知人等で練習したほうがいいでしょう。

あえていえば、杓子定規に質問をして聞いても出て来ないこともありますし、相手の話を聞いた上でさらに質問もありえるので、ここは頭をフルに働かせて何が起きているかを最も考える場面のような気がします。

時間は30分は体感ではあっという間で、多くは少し延長してしまったりが多かったですね。

ヒアリング結果をまとめる

一人では偏るので3人くらい聞いたほうが、可能なら属性やバラけたほうがいいですね。

僕のやり方は、ヒアリング後に「何を得られたか」をまとめています。最終的には3人それぞれから得られたことをまとめます。

そしてそれらから考察を考えます。具体的には上の図書館司書さんヒアリングでもやっているので参考にしてみてください。

結局、仮説として考えたことがどの程度確からしいか、または外しているのか。それとも情報が不足していると思えたか、着眼点や視点がズレていたのかまたは良さそうなのか、それらを持って考えていく材料とします。

この結果をまとめるのは分析や振り返り、思考することに近いので慣れてないと、「アンケートをやった、なんか良さそう」くらいで終わるかもしれません。当然自分のバイアスとして、良いところだけ取るのでなく、課題や微妙だろうということも客観視したほうがいいです。別に主観はいつでも発動できるので、引いてみてどうかを考える。

そこで得られた知見を活かしてサービス開発なり事業開発に活かすということですね。

はまるかもしれないポイント

ざっと5つの流れは以上でした。

ここではハマるかも知れないポイントを書いてみます。

何を目的としているか見失う

仮説設定が甘いとそうなります。図書館司書さんになにか聞けたらいいなーみたいなノリだけだと多分そうなっていたと思います。

本好きの人に話を聞けたらーでもきついと思います。なぜ聞くか、どういう声がありそうだかは想定しておけばいいんですね。ただ想定したからといって「誘導」してはいけないですね。誘導ゼロは難しいですけど、「こんなサービスがあったらいいと思いませんか?」は「ええ、あったほうがいいですね」となりやすいです(笑)

それは初対面もあるしあえて嫌われるようなことを言う人はいなくてってこともあります。つまり関係性のバイアスがかかるわけですよね。良い人ならよりそうなるはずです。

当然最初からうまくいけるひとはいないので、場数をこなすという感覚のほうが良さそうです。

考察が不十分となる

考察は最後のまとめです。実際に設計として、質問したことへのレスポンスがあって、それを元に考察できそうだという見立てがないと動けないですよね。一方でやってみないと分からない=レスポンスもどういうものか分からないですからね。

このジレンマは常にありますが、実際に解像度としては高くなっていく必要があります。それはユーザーの解像度でもあれば、事業自体の解像度、サービス自体のコンセプトや仮説自体の解像度が低いと、つまり低いままです。解像度が低いとぼんやりと、あいまいな、何がそれらしいもので終わります。これはもうその通りなので、曖昧だったら、それは曖昧な仮説や曖昧な感覚があっただけですから、そこを見つめて深めていくにはどうすればを考えたほうがいいでしょう。

不十分となるのは、色々な材料が足りない、ヒアリングが浅い、誘導してしまっている、そもそもヒアリング自体の意図がない(儀式的)であったり、様々でしょう。

冷静に考えれば話を聞いて全て知らない話ではない、けれど全て知っている話ではないはずで、それを踏まえて考えて「新たな発見」がないことは稀です。稀だからこそ、そもそも聞けているのか?話を理解できているのか?なども疑ったほうがいいかもしれません。

以上、ユーザーヒアリングをやっていくうちに見えたノウハウではないですけど、大まかな流れやコツでした。実際にもっと留意点があるような話ではありますが、それはそれでまた知見が貯まったり、リクエストがあれば追記したりしたいと思います。

ユーザーヒアリングでの課題

ここではユーザーヒアリングはもちろん万能でもなく、課題はあるということを書いています。

バイアスや思い込みで進んでしまう

これはユーザーヒアリングをする前にはそうなりやすいので、解決策としてユーザーヒアリングというわけです。なのですが、自分の仮説ありきでそれが間違いないことを確認するとバイアスが入ってしまいます。

例えば図書館司書さんは自分の力をどんどん発揮したいと思っているはもちろんありえますが、そこまで動ける人はいないならまあ厳しいわけです。実際そうだったので、ヒアリングの価値が出てくると。

バイアスは簡単に消せるものではないし、フレームがあることで見え方が安定するのもある。そこを認知してやるかどうかは大きな差があります。

バイアス自体を意識しなくてもユーザーヒアリング自体は出来てしまうわけですから、そことどう向き合うかはわりと大事ですね。

定性調査であり全体像がつかめるわけではない

いわゆるアンケート調査など大量に定量調査をするわけではないんですね。よって、大きな流れ、体系的なものは掴みづらいです。これはマーケティング・リサーチの教科書とかにありそうな話です。

3人聞いたら全ての図書館司書さんを代表するわけはないですよね。そこも踏まえて、個別の人の意見をどこまで重み付けとして取るか。そこですよね。

その判断をどうするかも見極めが大事となります。嘘をあえて言う人はいないけど、見栄やプライド、かっこをつけるは誰でもありますから、それらから回答がブレることもありますよね。失敗を失敗と言わなかったり(失敗と捉えない思考でなく、ごまかすということですね)、ひどいと経歴やキャリアが違っていることもあるかもしれません。これは信頼するしかないものの、明らかに怪しそうなところは省くべきでしょう。

よって、ユーザーヒアリングをするとは、もっとユーザーの解像度を高める時に有効だったり、実際の人がどう思うかを知る意味で有効です。全体的とは言えないわけですが、とはいえその全体のごくごく一部の意見も代表的な意見があるかもしれません。それはユーザーヒアリングからでなく、他のリサーチを持って補えばいいかなと思います。

対象者がうまく集まらない

これもないならそもそもユーザーヒアリングをしないという選択肢もありえます。実際に対象とする人が妄想ではないこと、幻想でないことが必要です。あと仮にいてもものすごく限定的な人とか、そういうこともありえるわけですね。

このあたりはまあ考えることが多いですけど、楽しめるといいですよね(笑)

ユーザーヒアリングの効能

最後は効能というか得られる知見とかそういうことですね。

ユーザーの解像度が高まる

例えば図書館司書さん自体を知ることになるので、そのターゲット向けサービスに対してニーズなり受けるかどうかが見えます。シンプルにやれば見えるというわけでもないですが、解像度は高まるのでやらないよりやったほうが見えやすくなります。

そういう意味でユーザーに対して知識がないとか、ユーザー視点ではないなと思ったらまず聞きましょう。そういってもやる人は実はレアでして、面倒くさいとか、そこまで事業やサービスをやりたくないという人が多いです。お金も少しでもかかりますからね(笑)

仮説検証の材料となる

僕の場合はユーザーヒアリングを元に仮説を棄却したりしていますがこれは乱暴かもしれないです。ただ個人でやるにはそれくらい大胆にやらないときついかなとか思っていてこれは考え方次第です。

ただ、ユーザーヒアリングだけでなくリサーチとして、他のデータや考えたことを総合としてやっているのでいいかなというところです。それこそ図書館職員的な定量データであったり、そもそもの他のアンケートデータなどはあるわけで、そこから意識ってそこまで変わらないのでそういうのも有効活用できるわけですね。

生の声はやはり強いです。ただそれが全てではないものの、というところで、やはり仮説検証の材料となってくれます。

知見が増える

ユーザーのこともですが、会話して色々な視点が増えるのでそれもプラスです。今回のサービスに使えないかもしれないが、ヒントになるということもありました。そういう思わぬヒントや視点があるのはやはりやっていて面白いですよね。

次のサービス、別のサービス、色々な仕事に活かす事もできますから、聞いて損ってまあないですよね。もちろんくどいですが多少はお金、どちらかというと時間ですかがかかりますけどね。

以上、一つでも参考になれば幸いです。

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