サービス開発時のヒアリングのコツとは?

言われたわけでもないのですが、流石にやっていると見えてくるのでいくつか書いておきます。

自分のメモでもありますが、新規サービスや顧客解像度を高めるみたいなヒアリングをする人で、初めてやるのだけど!って人には参考になるかもです。

それ以外の人は「へー」くらいで軽く読み物としてどうぞ。

事前準備:仮説の設定

色々やれることはあるのですが、結局仮説の設定を抑えておけば大きくハズレはないでしょう。ハズレとは、ヒアリング自体が無駄だった!やばい!みたいなことです。まあ時間とおカネがロスするだけで、人生を踏み外すみたいなことではないですから。そこまで神経質にならなくてもいいです。

ここでいう仮説とは、

  • Aという人はBという課題を抱えているはずだ。その確認をしたい(折りたたみ傘を持っている人は、その利用後煩わしいと思ったことがある。まあそうでしょうね)
  • Aというターゲット層は、Bという具体的解決手段を持っているので、それを確認したい(研究者は論文をまとめるのに時間がかかるので、お金を出してもいいのでクローズドな環境、つまり研究室の後輩にアルバイトとしてまとめてもらっている、みたいな)
  • Aに興味を持つ人は、Bという手段を用いているが、その課題を実際に聴いてみたい。(楽器演奏者はその練習場所に困っていてスタジオや野外を使っているが、実際はどうか?みたいな)
  • Aというサービスを使って解決したことがあるが、解決していないこともある(マッチングアプリで出会い系として、そこで彼氏が出来たが実はそううまくいってない人もいるなど)

みたいなものです。

ここでサービスの解像度とか、どこまで企画として練れているかはあるのですが、少なくともヒアリングする段階で、全てが明確ではないのは確かです。

ただヒアリングして全て解決するとか、これをすれば全て薔薇色なんてことはないので、絞ってこれを聞く、確認したいってのは絞るべきです。

例えば、新規サービスで、クリエイター向けのポートフォリオサービスを作るとしましょう。既視感ありまくりで実際にはやらないですよ(笑)

その場合に、

  • そもそもポートフォリオサービスって使われているのか?(調査やアンケートで割合や利用率くらいは見ておきたい)
  • ポートフォリオサービス自体の利用者はどういう層?(自営業なら手っ取り早くアタックするけど、会社員デザイナーとかならそもそもなんで使うの?ってならないか)
  • 自分がデザイナーとして使う時に色々課題や不満がある。例えば、画像形式とか見せ方をいじれないなど。でもこの不満って他の人も思うものなの?

みたいな感じで実践レベルによって違うものの、何を聞きたいか、何を見たいかを言語化しておいたほうがいいでしょう。

仮にしていないと、ヒアリング自体で色々と曖昧になって、聞き込みが甘くなります。

逆にいえば、対象者が誰で、どんな課題を解決してくれるか。これがある程度明確であるかどうかが試されます。

曖昧であればあるほど、曖昧なリターンとなる。これだけですね。

だから、仮説がまだまだ「曖昧」だから早い!なんて思うのは勝手ですけど、「思い込み」で進めるくらいなら、聴いてしまったほうが早いです。妄想を否定しませんが、それが信じられることはほぼなくて、作ってから打ち砕かれるなら今粉砕しときましょう。

何を聞くか?

定性ヒアリングのコツは、やはりその場を楽しむことでしょうか。楽しむとは、リラックスして、その人世界観を味わいつつ、それを聴いていく。ある種、刑事みたいな聞き込みです。別に尋問ではないですよ(笑)

YES/NO的なよりも、その人がどのように感じるかを聴く

いわゆるはい・いいえでなくて、相手の考えが出る問いかけをしようってことですね。

例えばですが、

「ポートフォリオサービスって使ってます?」

「使ってないですね」

だと話が終わるじゃないですか(笑)

なので、YES/NOよりも、

「ポートフォリオサービスってあるんですけど、聴いたことがありますか?」

「聴いたことはあります」

「必要なシーンって考えれますか?例えば、転職とか」

「そうですねー」

みたいに、若干これでもYES/NOですけど、ここで使ってないなら悪いとかでなく(もちろんフィルタリングの話もありますが)、話を広げていく方向に舵を取ったほうがいいです。

なぜかというと、シンプルに人は自分の状況をうまく語られるわけではない、からです。言語化の話として、逆の立場、つまりインタビュイーとすると、結構やはり疲れると。なぜなら、言語化すると、解像度によって詳細にやると「朝起きて、寝るまで」を言語化出来ますから。もちろん粗くてもいいわけですが、それ求めるのは辛くて、14時間くらいあったら、その言語化って辛くないですか?(笑)

だからそれを切り取って「ここだけ」をお願いしますってことになります。それをすぐ出来る人もいれば、思いつかない人もいます。言語化が得意でない人こそ面白いといえますが、別に言語化できてもそこに気づかない人もいるので、別にこの言語化レベルはそこまで関係ないです。

話者の言葉を信じずに行動記録を取る

ただ、質問者として「使っていますか?」「使っていません」といって、その使っていませんを信じていいかですよね。信じないほうがいいです。言葉にしたものも「嘘」が含まれるくらいで良くて、だからその時「あなたは嘘をついている!」みたいなことでなくて(笑)「なるほど、ではこちらはどうですか?」みたいなことを聴いてくと。これはもう経験ですね。

例えば、「ポートフォリオ」ってピンと来ない人でも、「転職活動」するとき、どうするかっていうと、やはり自分の作品なり活動なり、やってきたことをまとめると思うんですよね。という話になってくると、「あーたしかにそうですね、転職はしたことあるのでその時の話でいいですか?」みたいになって、具体的な、解像度の高い話が聞けると。

この時、質問者は得た視点は「ポートフォリオ」というと全然かもしれないが、「転職活動時にやっていること」と聞けば、色々とそのあたりの課題感が見えてきそうだなと、ひらめくわけです。実際はもっと細かいか、想定外のことですよ。でもこれくらいの粒度で見つかるんじゃないかと思っています。実際にポートフォリオって使われてないとか、色々と見つかるのと、ポートフォリオではないんだよねみたいな話にもなるかもしれないです。

つまり、ここで「行動記録」を見せてくださいというと引かれますけど(笑)実際に取ってないですよね。ライフロガーでないとまあないですよね。僕もやってないです。

ただ、相手の発話から話を組み立てて、または相手の言葉を言質にしつつ、ある程度こういうことがいえる。言えそうだを考えていくことになります。

だから「ポートフォリオを使ってない」けど、「ポートフォリオ」みたいなことを実はまとめていて、「ポートフォリオ」って言ってないだけみたいなことはあるわけですね。作品集とか、アウトプットとか言っちゃうかもしれない。この言葉の違いは実はかなり厄介で、言語化している概念は一体なんですか?ということになる。これだけでも一日話せるわけですが、それは実践では無理なので、気になるところはやはりぶつけて確認したいところですよね。

逐次確認をして相手の考えを見ていく

確認とは、「あなたがいっていることは・・・」みたいなことです。この発言をしろということでなく、相手の言っていることに対してこちらも理解していますよということを示す必要があると。

インタビューやヒアリング自体は、実は会話でしかないので、相手の答えをこちらが受けてないと、質問として用意されたものをただ聴くだけで機械相手みたいなのになるんですよね。分かりますか?

例えば、先の話で「ポートフォリオサービスを使ってる」前提の質問項目だと、よくあるのは「ポートフォリオサービスを使っていて課題はありますか?」「よかった点はなんですか?」「改善したいところはどこですか?」なんてなりがちです。

これが悪いわけではないですよ。ただ相手が対話者として、相手が「使ってない」のに、それを聴くのは失礼というか、インタビュー仕事をただ質問しないと上から怒られるので(笑)みたいなやっつけ仕事か、儀式みたいになってるんですよね。

そこでこう考えてください。相手が使ってないならば、その質問は無効だと。よって、例えばそこで出てきた転職時の活動においてやったことはなにか?それぞれで良かったことはあったかどうか。ならば自然じゃないですか。という程度に切り替えられるのはある程度やらないとわからないと思いますが、誰でも出来ると考えています。

対話であり会話ですから、相手の考えがあまり賛同できないとかも全然あり得ます。とくに仮説と全然違うところへいく場合ですよね。これって意味があるのか?ですが、答えはないですが、無駄なヒアリングは仮説なしで望むことのほうが高いです。

やったことで、ニーズがないなら無駄ではないですよ。そしてそんなものですというか、仮説通り人が動くわけではないし、ロジカルでも全然ない。ニーズ無いなあと思ったら実は見せ方次第で全然違ったなんてザラになると。だからこそ、1ヒアリングの短期的な成果ってあまり見ない方がいいと考えています。振り返りは大事ですが、そこから仮説全てをどうこう言えないってことです。あくまで参考ってことですよね。

当然慣れてないとその話が全てになるので、全体が見えないので、引っ張られると。これは経験不足であって、それだけですので、色々見ていけばすぐ薄れるはずです。ヒアリングを適当にしてもいいということにはならないですが。

場数という当たり前の話になりがち

他にも色々言えそうですが、結局その場を楽しむくらいでないと、この手の定性ヒアリングって結構しんどいです。

あと、実は30分くらいのライトなものでも結構疲れます。なぜなら初対面の人が普通ですし、相手の考えをとくに前提もそこまでなく吸収するからです。だからどこかに頼みたいってことは分かるのですが、やっぱそれはないですね。自分で責任もってやる立場ならば、やはりコアな部分はつかんだほうがいいでしょう。

ちなみに1時間くらいはあっても普通かなと思います。が、そこで結局インタビュイー側が疲れるのでここで問題になってくるわけですね。今だとネットでできるので大分違う気もします。ただ、やはりオフラインでしか分かりづらい空気もあるので、そこは使い分けしかないと。

場数を踏めばある程度見えるし、または全然駄目だなと思えるような気がしています。とはいえ、そこで出た意見が全てではないし、結局それを元に、インタビューとかヒアリングとかって、企画を組み立てるための、材料とか参考資料ですよね。それで何かが証明されるわけでは決して無いですよ。

だから、あくまで企画なり新サービスを立ち上げるぞというところで、立ち上げたぞというところにおいて意味が出てきます。意味とはそうやって求めるところに出てくるものであって、価値とは少しことなります。価値はもっと他の人からも見えるメリットのようなものでしょうか。金銭的とは限らないですが。そういう意味で内面的価値=意味みたいなものといってもいいかもしれません。

そういう内面世界を見ていくのがキライではない、むしろ好きな人はこの手のインタビュー仕事はめちゃくちゃバリューが出ます。逆に外交的であまりその人の考えに深掘りしたくないとかは向いてません(笑)向き不向きなので、向いているから良いとかってことではなくて。

インタビューが出来る人って文字通り聞く、書くだけなら誰でもできそうですが、その内面を掘り下げるとかになると一気に出来る人は減ります。それくらい求められることって多くて、なかなか学ぶ場がなさそうだからですね。

でも、これこそ発想として逆転ですが、インタビューしたいので、そういうヒアリングサービスを使ってお金を出すわけですけど、インタビューしていけば自ずと鍛えられると。そういう学習サービスではないからこそ、そこは意図せぬものと出会えてめちゃくちゃ学びになるかもしれないですね。

記事を書いた人

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
ビジネスアイデアメディア「シゴクリ」運営者。まずアイデアを出すアイデアセッターであり、生まれてくるアイデアをビジネス化出来ないかを考え続け、手を動かすゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談やビジネス企画の実績多数あり。毎日生まれるアイデアから世のために貢献していくスタイルです。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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