地域資源を活かした地元で起業するアイデア11

質問

Q.私は現在地域おこし協力隊という制度に申し込もうと考えています。
制度を利用して将来的には地元の資源と自分の経験や得意とする分野を結びつけて起業しようと考えているのですが、それが出来ず困っています。

正直、今は資金も皆無の状態ですが市の起業援助制度(100万円位)やクラウドソーシングを活用し何とか金額を集めるつもりではいますが低資金でできる事業を模索中です。

回答

A.以下で回答致します。

1)地域商品開発マーケター

商品開発をされている実績も経験もあるというところから、単に該当する地域おこしというよりも、該当地域の中小企業や地元企業の商品開発を行います。これらは自治体だけでなく国も色々なところで六次産業とか農工商連携という言葉で言っており、良い物があるが売れないという課題を解決していく視点です。

例えば地域資源を活かした商品をどう売ればいいか、そして海外や世界で戦うことはできるのか、できるならどうしていけばいいかをブランディングしたり、外で稼いだり(海外出店等)します。これらが出来るかどうかはおいておいて、地元で成功することでそれらはいくらでも輸出、または他地域でも同じ手法(同じことをやるのではなく)が展開出来そうです。

商品開発の難しさというか、私が感じるところですが、そもそものコンセプトや原アイデアのようなものが出てこないというところでしょうか。それらを得意とする人がいないのが現状だと思います。理由はそれらをまずやってみる人がいないのと、アイデアレベルで判断をしてしまう人が多いからだと思います。コミットメント(誓いのような意味)として、必達というところが前提にあるので、これらは適したアイデアのような気がします。地域資源の数だけ地元貢献の数があると思います。

これは例えばある商品を作ったら消費者テストのようなこともやったり、一貫して地域や市場で売れるかをチェックしていくシステムであったり、それらを仕事とするイメージです。

2)やりたいことは見つかっていく

やや精神的な話ですが、例えば地域貢献や自分の経験を結びつけるということで、起業は良いアイデアです。ただ、地域資源を使ったり、地元貢献というのが一体何であればいいかは、実は何でもいいかもしれないですし、何か決まったものでないとダメかもしれません。

どういうことかというと、
・実家でやられていた花屋やスーパー的なことでやることが意味がある
・地元エリアで仕事を興すことが価値があるので、仕事自体は何でもいい
・地元の人の笑顔が見たい、地元をもっと活性化したい
これらは似ているようで異なります。

それで、地域おこし協力隊でなくてもいいのですが、地元に関わる機会が今後増えていくはずです。そうすると例えばこの人となら仕事をしたいとか、一緒に働きたいという人がいればまたそれは面白いですし、またこういう人たちと関わりたくないというマイナス的なものも出るかもしれません。

これらは一発で決め打ちしてこれということはほとんどなく、チャレンジや試行錯誤をする中で見えてくるのだと思います。よって、とりあえずやってみる、アイデアとしてここで提示するものがヒントになればいいわけですが、やっていく中で見えてくるのだと思います。

そういうところで、地域貢献という言葉は、単純起業をして売上を出してというところでいいのか、それ以上の貢献をしたいのか、様々な形があります。直接、地元の課題を解決したいとか、もしかしたら地元に留まらない貢献がいいかもしれません。

3)常識を覆す花屋

例えば一つの視点として、常識的なものではないアプローチがあります。花屋というところは、花を卸して売るというのが花屋さんのイメージですが、例えば地元の名花や名産の花、有名な花を食べるという切り口があってもいいわけです。花なんか食べたくないというかもしれませんが、それは見せ方やストーリー等などで変わってきます。

昔やっていた花屋というものを今に戻すと何が出来るか?
そういう視点はありかなと思います。

4)若い人の起業サポート

地域は人がいない、若い人がいないとはいえ、地元出身者がUターン、またはIターン等で来るというケースもあります。そういった人たちのサポートをすることで地元に貢献するというものです。

例えば、ライティングが出来るのでチラシや取材を作ったりしてお店の宣伝をしたり、人の紹介をする。商品開発に一緒に取り組むなどです。

単にポイントは若い世代のほうがお互い話しやすいというのがあります。顔役とまではいかなくても、地元を知りつくしておけば圧倒的な力になると思います。

またそういった若い起業家は遠くから地域を見るので、その良さをダイレクトに伝えるとか、そのためにビジネスをするというところが明確で分かりやすいです。本気度も高い人が集まりやすいということですね。

5)無造作に転がっているものを価値をつけて売る

ある地域ではわらびもちの元となるわらびの生産を生業としてやっていたそうですが、最近はやらなくなってきている。しかし、若い外から来た起業家がそのわらび生産を行うと大事業ではないがスモールビジネスとしては成立する。当然、わらび餅メーカーなどに買い取ってもらえる品質の高さを認めてもらえたからですが、そういう事例は多分いたるところにあると思います。これは農業等でなくサービス業等でも同じことが言えそうです。

またある地域では、そこらへんの野原に生えている草がハーブであったり、それらを地域のおばあちゃんに取ってもらって生業が生まれるという話があります。ハーブティーとしてパッケージを可愛くして飲んでもらう。値段が全然高くなります。

アロマなどもそういう傾向があるようです。要は知っている人がみればめちゃくちゃすごい素材が眠っていることがあります。これを知るには地域を知る、勉強するという地味なやり方しかないですが、全く何もないところはまずないでしょう。何かあるはずです。

この発想としては、今ある資源で価値がないと思われているものを価値をつけるというものですね。素材自体気づいてないケースというところですね。

6)捨てられるゴミを活用する

古着屋や帽子というところでファッションや服に興味があるところでいえば、アップサイクルという手法が注目を浴びています。例えばフロアマットからカバンをつくるなどです。
http://matome.naver.jp/odai/2134028640990971601

これはそもそもの原料がタダに近いかたちで入るので、商品化が大変ですが、その技術やヒントになるものを探すことが近道になりそうです。

まずは捨てられているような地域にあるものを探すことから始める必要があります。

7)移動スーパー

いわゆる移動スーパー販売です。地域の過疎地域などでスーパーを小型トラックで巡回します。採算性等をどうするかですが、分かりやすいビジネスであり、ある程度確立されていそうです。
コンビニやスーパー等もネット宅配がありますが、多くは地域の事業まで関与しないのが普通でしょう。地元企業だからやる、または手間がかかるからこそノウハウや地元に愛されるというところのポイントを突くのが筋がいいと思います。

8)空き家監視

空き家が全国的に問題となっています。非常に課題は多く解決は簡単ではありません。一方で単に空き家を管理するということで、通風通水やポストにたまったものを転送するなど、管理ビジネスも少しは出てきています。

しかしこれらは地域事情や問題を解決するのではなく、対症療法でしかないので、何かが進む改善するというものではないのが実際です。そこで、地域資源を活かした空き家活用や空き家自体を地域の力で再生したりする。集まれる場所を作るというようなまちづくり的観点では儲かりませんが、そこに仕組みや色々な人がかならず喜ぶ視点を入れると企画として成功します。

例えば、Iotというあらゆるものがインターネットに繋がる社会は遠くない社会実現していきます。一方で空き家の場所や位置は知られればそれは泥棒や空き巣などの犯罪の温床になります。技術をうまく空き家に使って監視システムを作るとか、それ以上に地域の人が喜ぶ仕掛けにするということがヒントになるかもしれません。

こういった地域の課題を、少子高齢化とか大きな言葉で捉えるのでは全く発想が広がりにくいですが、個別の事情や地域の人の話を聞けばかなり具体的に社会課題や地域課題が見えてくると思います。

9)地元で頑張っている人の紹介をする

いわゆるキラリと光る人を紹介するものです。フリーペーパー、Webサイトなどで紹介します。紹介するだけでは事業になりえませんが、人の魅力を伝えることで地域の良さを発信します。発信とは、地元の人にきちんと届くことと、そのフィードバックをもらえる形にすることです。このようなフリーペーパー等の事例は山程あると思いますが、それを出して終わりでなく、例えばあそこのAさんは面白いから、遊びに来たというような人で外から人を釣るというやり方は相当重要ですし、価値を上げてくれるでしょう。

人が来ることでそこから仕事が生まれるかもしれませんし、どんな人がいるかも相当のデータが貯まったり、土地柄も見えてくると思います。地元の名物になってるBさんをガイドにしたツアーなどは地元の人には全くおもしろくないかもしれませんが、外の人には知るキッカケや行くキッカケになるわけですね。

10)観光ツアー企画

飲み食べ歩きや予想をしたり分析が楽しい、というところや商品開発の経験からツアーを作るアイデアです。もはや大手ですらこのようなことをやっている(地域おこしも兼ねて)わけですが、当然企画料は高いでしょうし、そうそう頼めるものでもありません。

この企画的な視点で参考になりそうなのは、ナポレオンの村というドラマです。ドラマは終わっていますが、原作本が参考になります。こちらの記事などでも大体分かります。
http://drama-suki.com/napoleon

ここで言えるのは、先述したようにチャレンジしたり、試すとか、バカバカしいことをやっていけるという姿勢です。よそ者、若者、馬鹿者という言葉をたまにみますが、実際にそういう立場でないとなかなか突破口や行動までもっていけないのが実際でしょう。

11)街コン企画

これは該当サイトを見ていたら結婚推進事業等がかなりガチでやられているため微妙かもしれません。ただこれらも企画として、若い人に受けるようなものなどをもっと柔軟に提案したり、行政主導ではできないものや色々と仕掛けは作れるかもしれません。

それこそ競馬合コンとか、ファッション好き合コンとか、街を歩いたり、企画の力で出会いを作っていくものですね。

12)まとめ

お題としては、地域おこし協力隊の制度を用いつつ、地元で事業を行うというところで、自分の経験や地域資源を活かしたものというものでした。実際は、地域資源は分からないのですが、実際に具体的なものをどうするかを考えることをぜひやってもらうのが筋がいいと思います。奇をてらったものを出せばいいとかそういうことではないわけなので。

どちらかといえば、自分の経験を活かすというところですが、実はこれも、結局ですが、地元または関わる人のニーズがあったり、またはニーズが見えたり、これはいけるかもしれないというアイデアが現場から生まれたりして出てくるものです。

よって強力な企画を持ち込んでこの企画を通すというのはあまり向いてない制度の印象はあります。もちろん提案制度もあるとはありますが、そこは自治体であり国であり、行政の限界だとは思います。もちろんこれは必ずうまくいかないということではなく、現場実践でありそうな批判というか、既に色々な事例が出ていると思います。例えば、地域の人は冷ややかな目で協力隊員を見ていて、実際は自治体からお金をもらっているので公務員扱いだと。本音を言ってくれないという話を聞いたことがあります。地域または人によりけりでしょうが、起こりうることだとは思います。それらを踏まえつつどうするかが実際に採用された場合の課題になりそうです。

地域資源の数×地域の課題=具体的なアイデアということになります。
それらは、地域資源があればあるだけ、地域の課題があればあるだけアイデアの数が増えることになります。ここに自分の経験を無理に入れないことも大事ですし、また活かせられるかどうかもその時々で変わるかなと思います。

一つでも何かヒントになれば幸いです。
失礼致します。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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