リタリコは障害者就労支援がメイン。その比率を下げるのが今度の課題。

きっかけは、最近良く目にする機会が多く、いわゆる就労支援事業などが主のはずです。ただこのモデルは多くは公費=補助金であり、それが9割というのもあり、突っ込んで調べてみました。

リタリコ概要

まずは、ユーレットでざっとみると、いい感じで利益も増えていて、売上高も増えています。営業CFも増えていたりしますね。

これだけでは全然分からないので、決算資料など見ていきます。

2022 年3月期 第 1四半期決算説明資料をざっと見ると、四半期ベースで46億円くらいの売上で、営業利益は4億くらいで1割程度。事業の構成は、LITALICOワークス、LITALICOジュニア、LITALICOプラットフォーム、その他の4つ。手間なので以降LITALICOを省きます。

売上はワークスが20億、ジュニアが15億、プラットフォームが4億、その他5億となっていて、その合算が46億ってことですね。ワークスが5割で、ジュニアが3割近くということで、ワークスとジュニアで8割なので事業の柱と言って良さそうです。

それでワークスって何かというと、障害者就労支援事業です。ジュニアが発達障害児教育サービスということで、障害者/障害児ということで、障害者向けということは変わらないでしょう。ワークスは拠点数つまり就労支援施設を増やしているといってよく現在全国都心を中心にという印象ですが95拠点あります。それで累計就職者が1万名くらいあってとか、色々データはあります。

ジュニアは発達障害児教育でワークス同様に100拠点くらいあります。ワークスもジュニアも、基本的に拠点数に応じて売上が上がるはずで、装置ビジネスというと怒られそうですが、基本教室の固定拠点があって増えていくんですね。なぜかというと、就労支援事業は場所を持って指導員や管理者を置いてというのがモデルのはずだからです。

プラットフォームは売上の迫力はあまりないもののとはいえ1割程度はあり、確実に「就労支援」とは違う切り口で、つまりSaas型で稼いでくれているわけです。発達ナビ、仕事ナビ、キャリアなどのサイトがあり、ちゃんと調べてないですがシンプルに求人媒体みたいな広告モデルなのではないかと想定しています。ですが、福祉ソフトやパッケージは文字通りITサービスなのではないかとも思えるので、ここは適当に流してください(笑)Saasと別に広告売上があるかもしれないというところですが、キャリアでの契約者数が1.3万を突破しているところと、リタリコ、障害分野の転職支援サービス開始 事業者の求人掲載は無料から考えると、成功報酬型での人材ビジネスとなりそうです。とはいえ報酬額は年300人ほどの採用=つまり成功といえると、30万から60万として、低めに30万×300人=9000万円となって、1億に満たないですよね。プラットフォームは4億はあるので、残り3億としても、Saasで1万事務所に対して、年3万円とすれば、3億となるので、そういう塩梅かもしれないです。このあたりはデータがあるかもなので推測に過ぎません。

最後のその他事業は、事業規模は小規模といえどワンダーのようなプログラミング教育などがあるようです。

最も大きな課題

やはり冒頭に書いていた就労支援という教室が公費に依存するということでしょう。具体的には、先の決算資料P.31にあるように、公費9割となります。つまり、就労支援拠点に来る障害者=利用者は、自己負担1割で利用出来るわけですね。図解で書いているように、例えば1回8,100円だったら、利用者は810円を払うと。そうすると9割はどこから出るかというと、市区町村に請求して、それが国民健康保険団体連合会から報酬が支払われる。これで、10割、つまり8100円をリタリコが得られるわけですね。

もちろん、就労支援とか障害者支援という領域を民間事業でゴリゴリできるっていうのも乱暴とも言えるでしょうし、税金がかからないものしか「ビジネス」ではないなんて話をしたいのではないですし、するつもりはないです。ただ、当然これって公費が支払われる間は安定するけど、そうでないなら実質国がやっている事業と変わらないと。最近ありがちなのは、民間委託などですがこれ最終的にしんどくなってあまりハッピーではないのかなとか思ったり、そうでもなかったりよくわからないんですよ(笑)だから正解はないですよね。

その上で、有価証券報告書の対処すべき課題を見ましょう。ユーレットでもさくっと見えます。対処すべき課題は四半期でなく通期のものに書かれています。2021年3月期 有価証券報告書[PDFファイル:485KB]を見てみると、P.9ですね、1つ目はインターネットプラットフォームの実現とあります。これはプラットフォーム事業のことでしょう。2つ目は全体のサービス提供範囲拡大と収益源の多角化とあります。

ここに、ワークス事業が47.6%と半分を占めていて、障害者総合支援法に規定されるということが、経営の健全性から課題ということが明記されています。まあそうですよね、という確認です。よって、このためにプラットフォームもですが、その他の新規事業をやることで、この支援法ではないところでやろうというところですよね。この割合どこまでが適切かはわからないですが、3割くらいまでにはしたい感じはします。

リタリコの面白いところ

一番面白いというのは、こういった障害者支援ビジネスで上場して大規模になっているところでしょう。公費9割というとき、ワークスとジュニアが売上8割なので、実質ほぼ9割が税金なんですね。もちろんそれは適性に使われているわけですから、そこがどうでなく、そういうモデルとなっていると。

逆にいえば、先の課題としてあげた経営健全性からするとそこを打破できる、つまりそれに頼らないビジネスを構築できるというところが最大のポイントだと感じます。

もちろん外部を見れば、例えばNPO法人は5万くらいはあるわけですが、多くは助成金や補助金が入っていてそれで回すところもあったり、自主事業がきついところが多いです。だからこれらも一緒に見てしまえばなんともいえないなあと感じます。

また就労支援といっても、リタリコは就労移行支援であって、就労継続支援ではないはずです。就労継続支援はA型とかB型とかあるやつで、例えばパン工場とか掃除業とか実際の仕事がありそれで、A型は最低賃金以上の時給が、B型は工賃で低めです。

厚労省で、それぞれの障害者総合支援法によればそれぞれ事業が4つあり、法に基づいているわけですね。リタリコは、就労移行支援事業と、最後の就労定着支援事業をやっているわけですね。ついでにこの厚労省データでは、就労移行支援サービスは3.4万人程度使っていて、企業等に就職する人は多くは就労移行支援の人が多いはずですから、令和元年で2.2万人となっています。全て移行支援した人が勤められるわけではないでしょうし、くっきりわかるものではないですがそんな規模となっています。ちなみに、障害の重度はここでは考慮していないのですが、当然重度が高ければ難しく、軽度なら勤めやすい。あとは身体、精神、知的などにも分けられるのでそれもありますよね。全国で2万人規模でしかなく、障害者の在宅者数377万からすると、ごくごく一部の人となります。もちろん既に雇用されて働いている人は57.8万人ですがこれも障害者数からすれば1割ちょっとでしかないんですね。このデータこそが働いている障害者の人がいかに限られるかが見えてくるわけです。

そういう意味で、LITALICOの就労移行支援や定着支援によって、累計1万人はインパクトとしてどこまでかというところはあるのですが、累計であれ、確実に就職につながっているのは結果が出ていると言えるわけですね。むしろもっと伸ばせるというのがプラスなんでしょう。

おわりに

ざっと調べてみましたが、やはり障害福祉などの福祉領域はビジネス的には公的補助がないとしんどいし、福祉というものはやはり皆で支えるものだなあということを痛感しました。

個人的に面白いと思っているのは、就労継続支援A型やB型で平均賃金や工賃を大きく上回るところです。

具体的には愛知県であれば、就労継続支援A型及びB型事業所における令和元年度工賃実績についてというのがあります。資料がPDFで読みづらいですが、愛知県だとA型で8.1万円/月、B型だと1.6万円/月という金額水準です。これは平均なので、全然これより上回る事業所も少ないですがあるわけですね。

それって何かというと、きちんと社会のニーズや企業のニーズなどを踏まえて動けたりするところかなと想定しています。福祉領域だからビジネス的な視点がないとかってことではなくて、やれるというところはやれるんですね。もちろんこれを全部でやれるかはまた別問題ですけどね。

今回はリタリコから広がるかもしれない障害者雇用や障害者就労というところをみてみました。福祉領域に関心があるとか、ビジネス視点で見てみるとどうとかって人には少し面白く感じるかもしれないですね。

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