選書サービスヒアリングまとめ

先に書いた選書サービスヒアリングですが、全体で3件やってみてその知見をまとめてみます。

進捗

予定通り2件ヒアリングをして、全体で3件のヒアリングを、選書サービスの利用有無を中心に聞いてみました。

結論

ヒアリング件数はキリはないですので、結論として、選書サービスは厳しそう=保留ということとしました。もちろん時期が来ればありかもですが、今はないということです。

理由は以下です。

  • そもそも選書サービスを知らない人が圧倒的に多い(アンケート等)
  • 知っている本好きの人、かつ利用者を探すのも大変(利用者がレア)
  • 既存選書サービスの価値は「本好き」向けと考えられ、本好き向けに何か提供したいかというとずれる

という3点です。

最後はやや感覚ですが、当初の選書サービスは、何か働き方とか仕事の課題感がある人が、相談するのでなく本でメッセージを出す、というところで解決できないかというところでした。

選書サービスとは異なりますよね。このブックメッセージングと名付けたサービスは面白そうですが、そもそも相談というところではプロというか人がいてなんとかなのに、そこに本を入れるとややこしいという感じですかね。ここでは「選書」をイメージしやすいものとして挙げたつもりだったのですが、その「選書」がまずイメージできない(笑)という構造となっていた感じですね。

ヒアリングまとめ

3人の方から聞いたところで、ざっとまとめてみます。当然これらはたまたそういうデータということもあるのですが、そういう数を狙っているのでなく、「選書サービス」の認知やその期待値を確認することがポイントです。

本好き属性

聞いた方は意図していませんが、全て本好きといっていいでしょう。本好きとは、本を普段買う、読む、ということをやっている人です。ジャンルは問いません。年齢や仕事などの立場で変わりますが、本を読んでいる、きたので本を選ぶことに対しての期待値が一定程度あるということですね。

選書サービスへの期待値

プレゼントとして使ってみたり、SNSでたまたま見つけたり、他の人に選んでもらうなんて面白いかあなというところでした。一言でいえば、かなり偶然性が高く、本好きであってかつ「そういう期待」や偶然がないと発生しえないのかなというところです。

期待としては、良いものを選んでほしいというものすごく期待しているわけではないが、サービスを楽しんでいる印象を受けましたね。

選書サービスの認知

これらの人でもほとんど知らずたまたま知ったというところです。たまたま知る経路は様々ですが、自分から見つけるものではない=検索できないというところが強いですね。

これによって明確なのは顕在化された認知でなく、潜在的なものかなと。潜在的を攻めるのも当然ありです。ありですが、当然顕在的なものとして形にしないとアプローチできないので、ここが悩ましいところです。よって、厳しいというところですね。

選書サービスを使ってみた印象

概ね次も使ってみたいというというところでした。なぜかというと、思わぬ本や知らない本に出会えることがプラスというところかなと。だから、サービスとしてはありなんですよね。ただ認知形成が辛いというところが見え隠れしてきますよね。

サービスによりますが、ヒアリングしたりきちんと選んでくれるプロセスがあるのがプラスのようでした。

他の気付き等

  • 本への一定の期待値がないと使わない感あり。つまりある程度本好きとはいわないが、本を読んだ、それで何か得た、助かった、参考になった、本への期待値があるということ。これがないと厳しい。
  • サービスによっては予約待ちで人気があるものとその差が激しい
  • コロナ禍によるライフスタイルの変化でリアル書店に行きづらいという場合に選書サービスは代替手段となりえそう(例えば電子書籍図書館なども数は少ないが出てきている流れがある)
  • 本を読むという一定の解像度がないと、本をどこで買うか、どう買うか、どういう情報から欲しい本を得るかがない。そのため、それをケアするとなるとランキング情報みたいになってしまいがち

あえて選書サービスをやるならば

この時点で選書サービス自体をやりたいというところはほぼないのですが、あえてやるならどうするか。そのあたりを考えてみます。

本好きの課題感に沿ったものを考える

例えばですが、本好きでリアル書店で選びたいけどちょっと行きづらい場合に選書するようなものです。この場合、書店が選書サービスをしているのでそこが選んでくれることで一つのワンストップサービスとなりそうです。問題はこの価値として何を出すかなんですよね。ここが常に課題ですね。本をもちろん手に入れること自体は職業としてやってないと難しいのですが、ネット通販で本は買えるわけですよね。

その本を買えるのでなく、ある本を選びことの価値が問われる、その価値ってなんだろうか?そしてお金はいくら出せるのか。となると、結構辛いところです。

僕の調べでは頑張って選書費として3,000円でしょうか。あとは、本を売ってその2割の粗利を得る小売的なやり方か、カルテやコンサルみたいに自己分析などの価値を出すというか、これはもうコーチング的な感じで別世界ですけどそれもありですよね。

他にも、積読を増やしたくない人向けに選書リストだけ提示してあとは図書館等で借りるとか、または返却出来るようにするとか。貸本業は多分辛いはずなので、図書館になりそうです。でもこの場合、本自体は売れないので、選書というところで価値を生み出すわけですよね。積読を増やしたくないが本を読みたい人というニッチを攻める感じですね。

本好きでない層を狙う

本来はこっちを狙っていたのですがこれは選書という認知が出来ないのでどうするか?で止まってしまいました。論理的に考えればその通りですが、サービス提供者という視点となるとそういう人がいるのではないかと考えがちですよね。これはサービス開発の罠といっていいでしょう。ないのに作ってしまうことってよくありますから。プロダクトアウト的な考えですね。

この層を狙うなら、どこかで話題とか、SNSで人気とか、違うフックがいるわけで、それをやりたいかというと正直そこまでしてやりたいことではないというところでした。これは僕がということです。

選書自体へのポテンシャルはありそうですけど、現状は本好きの遊戯というところで帰結する感じですね。

本屋への選書集客サービス

BtoBというところで、いっそのこと本屋向けに新しいプロダクトとして、選書をしませんか?と提案します。そしてその選書依頼があったり、定額契約としてそういう集客自体でお金をもらうものです。

つまり、お客さんは本屋でその本屋で選書サービスをするある種プロデュース的なアイデアですね。

これは端的にいって、選書を誰がしてどうやるかの仕組みだけですから真似できちゃいますね。一方で集客のノウハウや仕組みがないならそれを売れますよね。

ここまではいいのですが、そこまでして選書したい本屋があるか、新しいプロダクトを作りたいかどうか。あとは、当然集客できるかどうか。これは選書ニーズがなければ作る必要があるので結局ここで詰まる感じがしますね(笑)

面白そうですけどきついかなあーというところです。

選書サービスの価値とは何か

少し視点を変えて、選書の価値、選書サービスの価値を考えてみます。

色々言えるのですが、以下の価値があるかなというところです。

1.知らない、読んでない、本に出会える

いわゆる出合いです。本好きかどうかは関係なさそうですが、本に出合うという感覚自体が解像度が高い印象なので、本好きっぽい言葉のはずだと思います。

知らない本に出会うために、知っている本では満足出来ない、思わぬものを知りたい。

問題はこれらは、本屋を歩けば一応知らない本に出会えるし、他の書評や口コミからいかようにも知ることが出来るんですね。その質はともかくとして。結局あとは好みで、なんとなくであって、合理的に選ぶわけではない。

なぜなら本って読んでみないと分からないという、一読性というか、食べ物もそうですけど、そういうのはありそうです。ただ外したくないとか、外してもいいとかの駆け引きがどこまでリスクとして許容できるとかもあるかなと。

2.自分オリジナルの選書となる

自分だけに選んでくれるカスタマイズ性は魅力です。なのですが、実際にはその選んだ人が同じような選書を他の人もしている可能性はあります。つまり似たような選書リストとなると。

しかし選書リスト自体をオープンにするわけではないので、クローズドです。かつ、仮に全く同じ選書リストであったとしても、そこでのプロセスが異なります。例えば、あなたの性格や読んできた本や考えかたからこういうのは意外かもしれないがどうだろうか。のようなコメントや文章が生成物、副産物であり、それらはオリジナル性を高めてくれるはずです。

よって、全てプロセスを込みで考えると同じ選書はありえないとなるわけです。だからこそ、オリジナル性、カスタマイズ性が高く同じものはない、いわゆる一点物となるかなと。

何度も頻繁にやると変化はないはずですけど、数年に1回ならこれが成り立つ可能性があります。もちろん選ぶ方はそういうことが苦でない人でないときついわけですよね。

このオリジナルサービスとしての選書は選書だけに限らずですけど、どんなビジネスでも付加価値を高められそうです。

以上2点が選書の価値かなと。あとは、これに何を付加価値とつけるか、構造を変えてもいいですけど、基本的にそうなります。

1番筋がいいなあと僕が思ったのは、本を読む人が増えていく、本が売れる、リアル書店を応援するということが出来る流れですね。

次へのアクション

振り返りはこれくらいにして、以上からピボットして次のアイデアを考えていこうと思います。

最近気になってきてるのは、学び、リカレント教育とか、いわゆる人生100年で学び続けるというところですね。学び自体は本は結構重要なものだと思っていますが、そういうところから学びをテーマに何か出来ないかというところです。

例えば課題としてどう学ぶか?ってところは、解決アイデアがあまりあるわけでなく、効率的というだけでもないし、趣味でやればいいということでもなく、なんというか人生において学ぶことって何かをもっと深めておかないと簡単に楽なものに流れそうです。楽が悪いわけでなく、楽で絡め取られて結果的に何も得られない罠がある、そういう話ですね。

次のアイデアとしてこれというのはないですが、まずは考えていきたいかなというところです。

現場からは以上でした。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

違和感で発想のやり方が学べます

日常生活で感じる違和感を用いて、アイデアを出すやり方が学べます。「違和感発想法」は誰でも気軽に出来るサービスです。

LINE公式アカウント登録で無料で学べます。気になる方はチェックしてみて下さい。