図書館司書さんヒアリング結果と考察まとめ

完全に終わってないのですが概ね固まってきたので、ここでメモがてら共有しておきます。

結論

結論としては、仮説「図書館司書のリサーチ力を生かしたリサーチ仕事需要がある」というのは棄却というところです。つまり、支持されないので、この仮説はおそらく誤っているというところでした。

検証結果

全部で7人の司書資格を持つ、かつ現場経験がある人にヒアリングをランダムでピックアップして行いました。ピックアップの意図性もあるので、定性調査というところです。

ヒアリング結果

リサーチ力はレファレンスとくに、ビジネスレファレンスは経験者が少なく、実務経験次第による。リサーチ力が高いかは、従事した仕事によるので、司書資格は裏付けとなり難い。

よって、仮説でいえば、リサーチ力を担保することはできない点が強い。また、リサーチ需要はそもそもの司書仕事が図書館で働きたいニーズが強く、調べ物で役立てるは確かに存在するが、調べ物相談であるレファレンスは業務の一部に過ぎないため、取り出して考えることは難しい。

さらにいえば、仮に仕事としてリサーチ仕事があれば、それは司書というよりも、契約や派遣等で複業等が可能でかつ、自律的なキャリアや仕事を作りたいと考える人のため、司書=公務員属性が強いとなると、その考え方が出来る人は割合的に少ない。肌感として1,2割もあればいいため、この点から言えることは、確率として、リサーチ仕事を司書が行うという絵が見えなかったといえる。

つまり、司書という仕事自体がやや保守的になりがちなので、スキルを持ち運びしてという感覚ではないのと、そういう場にはなりづらい。(別に図書館司書自体の価値が低いということではないですよ)そこにリサーチという特にビジネスリサーチという時はかなりミスマッチ感が強くなる。

得られた知見

ヒアリングから得られた知見は以下となります。

司書といっても現場での業務は様々

一口に司書といっても、働く現場によって違う知見となる。レファレンスの有無もそうだが、担当として就く仕事による。よって、司書資格があることで言えることは意外に少ない。例えば本が好きであるとか、図書館で働きたい意欲を示すことはもちろんできるが、それ以上の評価は資格においてすることは難しい。

図書館が好き、本が好きな人は圧倒的に多い

図書館で働きたい人が司書になる構造が明確。本があふれる場所で安定感がある。ただ現実は職業として継続とは公務員等でないと厳しいため、そうでない非正規雇用では全く当てはまらないと考えられる。

司書が向く仕事やありえるスキルなど

本を取り扱うということで、本屋、教育(先生など)、企業の資料室などは近しいところだが、それらにおいては「本」は共通だが、司書という仕事を生かせるかは別ものだと考えられる。ライターであったり、児童書担当でおはなし会などであればまた個別のスキルがついてくる。ライターも読む力と相応に書く力があるという感覚も受ける。選書などもありえるが、その場合どう仕事を取るかが課題となる。逆にいえば選定はできるのでどう付加価値をつけられるかとなる。他にも本の修理をしたり本の装備などは独特といえる。データベースなどの構築や入力(システムを作るわけではない)なども強い。

一方で、司書自体の仕事を問われること、つまり自身の仕事に対する自認をする客観視の機会もあまりないという感覚を得た。これは仕事を考えることではありがちだが、問われないと出てこないため、司書をそもそも高く評価する人がそこまでいなかった、または閉鎖された図書館という場でしか価値が顕在化しづらい(いても顕在化してない可能性もある)ということが伺えた。

司書のスキルとして検索能力は挙げたい

司書が業務で得られるスキルは色々とあるが、とくに検索能力、調べる力は高く、そもそも職業柄本を読むので様々な知見を持っているといえる。レファレンスにおいてはヒアリング力が問われるので、それらのコミュニケーションスキルは実務経験が多ければ高いといえる。

司書に本当になりたい人は少ないかも!?

司書になりたい人ではなく年間1万人といえる資格者もついでにとったり、資格があるといいとか、将来的にもしかしたらという保険的な意味合いの資格者も多そう。現実的に司書を取る人はそのキャリアとして、司書があれば大丈夫と考える人は皆無といってよく、厳しいキャリア構築を求められる。そのうえでなりたい人がいて、なっていくのでなかなか厳しい世界ともいえる。

司書の給与や社会的評価は低い

司書の給与は低く厳しい現状がある。一言でいえば食える資格ではないし仕事でもないが、それでも好きという形を取れるということで働きたい人が多い。しかし、公務員や図書館という行政サービスであれば正確には公共図書館は予算があまりないため今後給与が高くなることはまずないだろう。

私立や大学、専門図書館で独自の運営と収益モデルがあれば全く話は別だが、収益を上げられる図書館というのがそもそもアンテナにかかってこないのと、図書館とはそういうモデルではないということが簡単に想像できてしまう。働く場はいいのに続けられないという循環によって、多くの人達が辞めていってまた復活できなかったりするのは社会的な損失と考えられるが、その構造を適性にすることはできないのだろうか?

他に考えられること

上記から当初の仮説を棄却し、他を考えてみる。

例えばありそうなのは、

  • 選書できるスキルを生かした選書サービス。ただしこれは選書ニーズやリクエストをどう掴むか。自分リクエストやギフトなどだがややハードルが高い印象がある。とはいえ一つのスキルマッチ感が強い。
  • 企画を生かした仕事。広報やPRやライターは企画要素が活かせそう。問題なのはここでリサーチという枠がなさそうなのは、おそらくマーケティング的な仕事はビジネス経験や実践知が高くいるためと思われることだろう。それは確かにあるのだが、踏み入れてみないと見えないことも多そう。

マッチング的なものはなかなか難しそうといえる。リサーチ的な視点も、何を調べるかによるが、ここでいうビジネスリサーチ、マーケティングとなると尻込みする感覚は分かるので、厳しいといえる。

司書自体が自律的にパラレルワーク然り、仕掛けていくことはマインドセットとして難しい。難しいとは、仕事を飛び越えたい、または変えていく視点を学びづらいからだといえる。よって、フリーランス司書という言葉でいえば、どんどん館をまたいでキャリアアップというのはあまりなさそう(あっても限られるのではないか、ただそういう人がいれば話を聞いてみたい)で、その間に給与が上がるか、価値を出していけるかが問われる。その生き方はフリーランス的なので、公務員的であればまず厳しい考え方=両立は難しいといえるだろう。

ここまで考えると、図書館司書で当てていったことが筋が微妙だったことが分かる。

ただ、これらのヒアリングをしなければ見えなかったことと、そもそも司書も他の司書を知らなかったり、他を見ていなかったりも伺えたので、これはまた別の問題となりそう。司書のキャリア形成を仮にアドバイスするといっても、かなり厳しい結果となりそう。そもそも狙ってやれるかと、仕事を作るというところでは相性が悪そう。

以上から、一旦図書館司書向けサービスは置いておいて、リサーチや本に関連するアイデアを生かせるものを探っていきたいという結果となった。ヒアリングするだけでも得られることが多いので、何かサービスや企画する人で、やらない人は騙されたと思ってやってみてください(笑)まあ、実際はそこまでやりたくないのでやらないって人が圧倒的だと思ったりします。

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