文字起こしのジョブはなにか?ヒアリングから探る

ちょっとした、文字起こしニーズ、ここではジョブというのが適切ですが、何を解決しようとしているかということをちょっといくつかの人に聞いていました。

内容自体というよりも、ヒアリングから得た知見をまとめてみたいと思います。

ヒアリングしようとしたきっかけ

たまたま見かけた文字起こし案件があったんですね。仕事ですが、単価が高いわけでもなく、正直きついよなーと。一方で、これはなぜAI自動化してやらないのか?なぜ行うか?というのが最初のきっかけです。

僕の経験でライターなり文字起こし的なこともリアルにあるのですが、まあ大変です。僕でいえば、1時間のデータを起こすとして、3時間かかります。つまり3倍かかるんですね。ゼロからやった場合ですね。

しかもですね、これ負荷も高いので、3時間かかってじゃあ他のことをやろうかとはならなくて休みたいわけです。つまり、3時間ぶっ通しは結構体力がいるはずで、普通は分けて休んで繰り返すと。同時通訳とは違うのですがあれは5分くらいで交代するって聞いたことがあるのでそこまでではないけれど、まあ疲れるってことです。

そこまでしてやりたいかというとやりたくない。おそらく案件としてある場合は、それでもなお他の仕事よりも実入りが良い。またはスキルをそこまで求められない(それ故に単価も高くないわけですが)からという良い塩梅が合致した結果があって、応募が多いのだろうと考えました。

その上で、先の話で、AI使えば早いし、かつ効率化出来ると。そこの部分をやれば、そもそもAI+仕上げで出来るのでは?って思ったんですね。

つまり、依頼する側は何を考えて依頼しているのだろうか、そのあたりを深く探る旅となったわけです。

仮説検証する部分

仮説としては、

AIやソフトウェアなどが発達しておりそれを使えばスキルがなくても文字起こしは概ねできる。その上で自分でやれば時間もお金もかからないのでは?それをやる意味が他にあるのか?

というところを探っていったわけです。

ここでポイントは別にAI文字起こしソフトを売りたいとかそういうことでなくて(笑)純粋になぜ依頼しているのか、人にですよね、というところを掘り下げていくイメージでした。

ヒアリング結果からの考察

実際にヒアリングしてみてどうだったかですが、細かい内容は省きます。その上で、気づきを書いてみます。

仮説への回答

まず最初になぜAI使って文字起こししないか?という問いがありましたが、これは推測になりますが、

  • そもそもAIや文字起こしソフトは自由に使って良い
  • その上で依頼をしている。つまり、ワーカー側はゼロから文字起こしをしている想定ではないということ
  • 期待するのは、AIで文字起こしをする効率化があった上で、さらに、誤字脱字や直して欲しいことを留意した上で修正して欲しい
  • その修正が地味に手間だし、AI一発で出来ないのでそこが人に頼む価値となっている

ということでした。当然これは依頼者全部がではないと思いますが、おそらくここがあるから、多少コストや時間がかかっても頼むんじゃないかなと言えそうです。

ちなみに、コストはいいとして、時間ですよね。時間は数日で上げるのは内容や時間によりますが早いかなと思います。数日で上げてもその検収ですよね、チェックはさすがに手抜けないのでそこをやるので、実質一週間くらいはかかるかなというのが肌感でした。

もっといえば、自分でAI使ってやる時間がないか、それをやると当然他の仕事ができないから依頼する。またはやってもいいけどその手間が純粋に手間で嫌。確かに修正するのはちまちま時間かかりますし(笑)向き不向きはありますよね。

トータル的にいえば、

(自分+AI使う+誤字脱字修正する)時間 > 人に依頼してやってもらう時間

ということになり、時間が圧倒的に掛かるわけですね。またはその手間があるなら、依頼してお金を出したほうが早いと。

結論としてはそんな形です。こうなるとシンプルですが、疑問であったAI利用もそもそも前提であるということ、他には細かい修正が思った以上に手間であることというのが分かるだけでも得るものがありました。

ジョブはおそらく面倒臭さの解消となる

ジョブって言っておきながら何も書いてなかったのですが(笑)ジョブとは、表層的な手段的な需要である「ニーズ」に対して、ジョブは本質的な情緒自体といって良さそうです。欲求とするとウォンツとかもある(ーしたいとかですね)ので、ざっくりですが。

例えば、

ニーズ:文字起こしをする時間を省ける、効率化できる。その分別の事ができる。

ジョブ:AIの文字起こしは細かい点が間違っておりそれらをちまちま直すのが手間

という感じです。ニーズは感情が入ってないかなと。ジョブはその人が「手間、面倒!やりたくない!」みたいなことが出ている点で違っていると思います。

だから「効率化したい」って人は言うじゃないですか。ヒアリングでもそういう話はあるんですが、それは「表面」です。建前的であるといっていい。でも、嘘ではないんですよね。本当にそう言っているし、そう思っているからです。

でも、堀りとしては、「効率化」できるならばですよ、先の提示にあったように「AI使って自分でやればいい」ことになりませんか?そうではなかったと。やったりしてみると実に面倒くさいと(笑)そこで現実は「文字起こしをしてもらうと効率化出来る」のもあるけど、それよりは「そういう面倒くさいことをやるのが嫌」という回避行動にあると。いわゆる不快なことを避けるか、快行動を得るかでいえば、前者ですよね。ネガティブなものを避ける心理があるわけです。

でも、ニーズを見ちゃうと「効率化したい」だから、どういう状況かによるのですが、「改善したい!」「より良くしたい!」みたいな感じを受けませんか?全然そうではないってことですね。

最もこれはたまたまあニーズとジョブで切っているだけで、他のものがそうかは分かりません。ただ、どうしてそれをやるか。つまり、なぜ「文字起こしを人にする」を雇う(HIRE=雇用)するのか?というと、ジョブ=面倒でいやな誤字脱字修正とかが嫌だから、となるわけです。嫌と言わなくても、そういう細かいことに向き合いたくない、もっといえば、向き合うことで色々とストレスになるのを避けたい、またはそれをやるならお金で解決したい、という痛みがあるわけですよね。

逆に言えばこれは痛みだからこそ、応募者が多く殺到するとかそういう依頼側が強く、供給側が過剰という現実がありつつも、やはり誰でもいいから(本当は適した人に適した品質で欲しいわけですけど)やってもらいたいと。

そういうものが見えてくるわけです。

ちなみに、僕はCLOVAを使ってAI文字起こしを使って見たんですがやはり楽ですね。ゼロからよりは。ただ、誤字脱字も多いですし、そのままでは使えないのでその修正をすると、1時間のもので3時間はかからないけれど、それを編集して考えをまとめる、整理するとなると、2時間くらいはかかるかなーという印象です。その前に、文字起こしを正確に治すことでストレスを軽減できるというのは確かに「楽」ですし、ちまちま治すことからは解放されるなというのは、より理解出来ました。

しかもそれが一回だけではないんですね。何度も何度もある。ならば、自分がストレスになるならやらないし、そこを解決できるならお金で少し払うだけなので安いよねとなると。そういう意味で仕事が発注されるという流れというわけですね。

つまり、IT発達でAIで色々と精度高めにできるけども、まだまだ少しでもいいので誤字脱字があるし、それがある故に人の手を入れないと使い物にならない。となると、その人の手を自分がやるのかというとそれは嫌だなと。であれば、誰かにまず品質をチェックしてもらって上げてもらって、最後に使える状態のものが欲しい。

というくらいの解像度レベルまであると。そしてこの代替策ですが、以外にないですね。もしかしたらあるかもしれませんが、AIで出来ることまでやっている、人でしか最後の仕上げやチェックはできない。上に最適なやり方として、これ以上のやり方はないかもしれない。そんな成熟感も受けたところです。

文字起こし仕事はなくならない

ディストピア的に、AIが文字起こしを出来るならば、人間が直す頻度ですよね、それも少なくなっていくと。つまり精度は上がっていくと。言語とか色々シチュエーションとか条件はあれどそうなっていくと思います。

それは喜ばしいことですが、一方でその未来では、

「AIが文字起こしをしたものを、人間が直す仕事」が文字起こしとなり、AIのサポートを人間がする世界観です(笑)僕はこれをディストピアではないかと思ったんですね。

実際に既に、AIで起こしたものを直している時点でそうじゃないかと。しかもそれを承知していて、かつ依頼するから、言い方は悪いですがそのディストピアを推進するとも言えなくはないと。言い方は悪いですけどね(笑)

その上で、誤字脱字修正が手間とか、それも込みでやってほしいというのは消えないのだろうと感じました。そこはまだなくならないというか、いわゆる発達して全てOKになるのって時間がかかるじゃないですか。

例えば8割はすぐ上手くなるけど、残り2割がめちゃくちゃ長いみたいな。そういう世界観でもあるのかなと。そうすると、細かい違いが大事なんだけど、そこを直せないAIがあるから、結局誤字脱字修正という手間であり、分かりやすい仕事は消えないのだろうと。

僕はそう感じたんですね。文字起こし仕事自体はそれだけ切り取ってしまうと、本当に価値が低くなります。というのは、日本語が聞けて、それを書き出せる、またはAIが起こしたものを直せるとは、特殊業界、特殊な専門用語、その言葉を理解するには色々な経験が必須ならば異なります。そうでないものならということですね。

だからこの文字起こし仕事というのは、適切にいえば、AIが起こしたものを人間が直すという意味での「文字起こし仕事」でありそれはなくならないのだろうと。細かいところも起こしてくるAIが出てきたら文字通り消えちゃうわけですが、そこはまだまだなくならないと。

ただ、その仕事の価値、文字起こし自体で生き残るならば、やはり経験や専門知識や別の何かがいると。それがなければきついのだろうと感じました。

これは文字起こし仕事をしている人をディスっているわけでなく、仮にそこでやろうとすると厳しいよねって話です。またやりたいなら、例えばインタビューからやれます(つまりより川上に行くこと)とか、さらにその前に企画からやれます(インタビュー対象を探すところから)とか、さらに適した媒体や見せ方も考えられます(企画のさらに戦略的な意味まで)とか、逆に川下で、録画データから映像作れますとか、Youtubeとか違う媒体にも編集できますとか、SNSとか運用もしますとか、仕事によって違うんでしょうけど、そういう提案をしないと価値は生みにくいよねというところです。

ヒアリングは面白い

今回の知見はこれくらいですが、もやっとしたのでさくっと聴いてみて面白かったです。実際に想定しているよりも深い話はなかったのですが(だから駄目というわけでなく)、やはり想定している世界観になっていくなあということが、具体的な仕事から見えてくるのが面白いと感じたわけです。

文字起こしだけでなく、警備であったり、様々な仕事が人間→AIになるところもあれば、AIのサポートを人間がするだけで良しかもしれないし、AIのハックやクラッキングとかセキュリティ対策とかもさらに高まっていくので人間がより技術を付けないとかもありますし、世界はどうなっていくかは興味があります。

翻って僕の仕事も、代替が簡単だったり、すぐ習得出来ればこれも仕事を失いやすいと言えるわけで、そうならないように、AIがやりづらいとか、人間がやるほうが良さそうというのはやはり創造性だなと改めて感じました。創造性をAIが出来ると、創造性ってなんだろうということを突きつけられるわけですよね(笑)アイデア自体は人が出来る唯一のこととか思いつつも、それもマスターしてしまったら、まあ別のことを考えていくしかないですよね。

そのレベルでAIが動いていると、そもそも仕事自体が変化していて、仕事をしてなくても生きられると。ただ、では他者、つまり社会に生きる人とどうコミュニケーションするか、つまり貢献みたいな概念がどこでやるのか。FIREした人が余暇をどう過ごすか?みたいな感じをFIREでなく誰でも持っている状態となると、世界観は全く違ってそうです。それが良いかはわからないのですが、結局欲望や嫉妬とか、基本的な心理が変わらないはずで、人ってそんなもんですから、やはりあえて嫉妬とかあえて辛いとか、何か有意差や刺激を求めるのではないかなと。それが自然の中で生きるキャンプみたいな感じなのか、もっとドラスティックに水中海底を開拓するとか、宇宙開発とか未開拓地をどうにかすることになるのかとかは不明ですが、そういう方向になっていくのかなと。

ここまで考えると、人間が人間であるとは、やはりとても人間らしい、なんというか情緒であり、心理であり、感情であり、気持ちで動くものだなというわけです。これはAIがなかなか学べないか、それがないからこそAIなのかーというところですけど、巡り巡って、やはり人と感情を動かしながら(笑)仕事をして感謝されることがとても趣が深いのではないかとか、感じることとなりました。

というわけで、ヒアリングネタでしたが、何か気になることは、当事者から聴いてみると生の声が聞けていいかも、という話でした。

記事を書いた人

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
ビジネスアイデアメディア「シゴクリ」運営者。まずアイデアを出すアイデアセッターであり、生まれてくるアイデアをビジネス化出来ないかを考え続け、手を動かすゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談やビジネス企画の実績多数あり。毎日生まれるアイデアから世のために貢献していくスタイルです。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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