「想起率」という造語でアイデアを芋づる式に出せる感覚を説明してみる
「想起率」というのは、僕が作った言葉です。想起は思い出すというようなことですが、熟語っぽくしているのはあ文字数が少ないためです。「思い出す率」でもいいんですが、ちょっとかっこいいじゃないですか(笑)それだけです。
それで、この率で色々なアイデアが浮かぶかどうかは説明できるんじゃないかと思ったので少し説明してみます。
目次
想起率とは
いわゆるアイデア出しにおいての基本は、事柄Aと事柄B(AとBは異なっている)の融合であり、結合であり、組み合わせです。異色のものが組み合わさるかを真面目に考える人はちょっと頭を振ってもらって、実際にはこれらは「結合」はしないんですね。
むしろ、違うものなので共通点を「無理」に出してくるか「連想」させるところがポイントなんですね。だから、ここが分かりづらいんですが、そこで結合させるとか組み合わせることは大事なんですが、実際にそこで「出てくる」ものは大事ではなくて。その「組み合わせよう」とすることで、出てくる概念やアイデアを拾うイメージです。
想起率はその割合です。シンプルに、脳内に言葉や事柄を問い合わせて出てくるかどうか。出て来れば100%それで充足するという形です。
想起率の割合でアイデア度が見えるはず
ものすごくざっくりですが、100%を1というか前提として、これは思いついたことを引っ張り出せるということです。
例えばですが、トーハンという書店卸のサービスでブクマスペースというものがあります。これは最近僕が初めて知りました。
出版取次トーハン運営、書店スペースレンタルプラットフォーム『ブクマスペース』、関西・九州エリアのスペース掲載を開始!
正解はないので、あくまでイメージとなるのですが、この場合「スペース系サービス」が思い出せるか?は一つのポイントです。
シンプルに「軒先どっとこむ」とか「スペースシェアリングサービス」があったなと思い出しました。この書店版だなと捉えました。ここで正式サービス名が思い出せる人は解像度が高いのでそれはプラスですが、そうでなくても構いません。
ここでは「ブクマスペース」というニュースや事柄を刺激とした時に、事柄Aということですね、他のことを思い出せるかどうかということになります。
100%ということは、これも捉え方ですが、
- シェアリングサービスでスペース系のシェアはあるのでその一例になるよな。その書店版だな。
- スペースシェアリングでも同じことが出来るのでその違いなんてあるんだろうか?(実際はトーハンなのでその書店取引先が充実していて、大手書店卸は2,3社しかないんですね。)なので、そこで違いは全然ありそうだなとか。
- 売上は上がりそうだけど、書店来客に新規でつながるかは別かなとか。
これも精度というか思い出せるかどうかだけなのですが、関連するものをどれだけ出せるかというのがいいかもしれません。
ここでは、正直ブクマスペースという刺激ではそこまで出せませんでした。ただ新聞であったり、特集やまとめ方というところではそこを色々つなげて刺激してくれますよね。
ここで、100%とは、見方は色々ですが、1つの刺激で1つのネタを思い出すこととするといいかなと思っています。2つ思いついたら200%とするとか。全く思い出せないとかなら、100%未満ってことですね。結構シンプルじゃないですか?
アイデアマンは想起率100%以上
アイデアマンは、正確には101%以上ってことですが、1つのネタで1つは当然、それ以上を出せることというわけです。
なぜそれが出来るのか?ですが、ネタがあるからですね。あと芋づる式に出るようにトレーニングしているからですね。あのネタもある、このネタもある、どれにしようか。
山札が一杯あると。ただそれはどれくらいあるかは分かってない。けれど、手札にはそこに手を出せば何かあるという感じです。伝わりますかね?
芋づる式とは、芋を一個取り出したら根が繋がっていてそこから一杯芋が出てくるイメージです。
アイデアマンの頭の中はこんな感じになっているわけですね。
それが可能なのは、ネタがあること、そしてそのネタがある程度整理されたりしているので引き出せるというのがポイントとなります。
芋づる式マンになるためには?
これはもう一朝一夕ではないので、日々やるしかないですね。という前提でこうやったほうがいいというのはいくつか書いておきます。
ネタをメモすること
ブクマスペース自体は刺激としては弱かったと書きましたが、別に取り組み自体が悪いとかではなくて(笑)一方で刺激としてガンガン刺激するものもあるわけですよ。自分としては使えるネタというか。そういう優秀なネタをいくつも持っているといいわけですね。
なんにせよ、一元化をしておいて、ある程度ここにネタがメモってある。ここを見ればネタがある。またはネタをメモったのであそこを調べればいい。僕ならscrapboxを使っていますが、なんでもいいです。
思い出せるギリギリのところで、思い出せないときもありえるので、思い出せるワードや思い出しやすい環境づくりも大事ですね。
ツッコミを増やす
ツッコミとは関連情報や問いかけです。ブクマスペースでいえば、書店版のシェアスペースというところでぶっちゃけ予定調和感はあるわけですよ。スペース貸しって昔からあるので。
だからそのことについて、「これは書店版特有の何か違いが生み出せるのだろうか?」みたいな問いかけですね。おそらくそれも含めて新規事業としてトーハンはやっているんだと思いますし、僕が担当者ならそういう視点でやっているというはずです。他の狙いもあるかもしれませんけどね。
当然、トーハンと聴いて、他の事業やネタを思い出せるかもポイントです。そこは日販も大手取次で似ているのですが(笑)これは解像度次第ですね。文喫は日販ですね。これらはもう間違えたりとかも全然オッケーで、修正していけばいいと。
ツッコミとか、問いかけとか、そこの関連情報を増やせるかというところでしょう。細かいネタでも良いわけで、たとえばある記事では書店でブクマスペースをやると書店売上も10%上げるっぽいというのがった。これって、コンビニで「唐揚げいかがですか」と声がけするのと同様の割合だなと。これはある本に書いてあったので、だから声掛けするんですね。
実際に店舗でもセールや割引とか、色々声かけしていて、見てないけど聴けるから反応する人もいる。僕もです(笑)そういうインプットや体験が重ねられるかがポイントとなるわけですね。
引き出しの整理は大事
引き出せない人、つまり50%未満になると、パケットロスというか思い出しロスをしているので勿体ないですよね。当然僕も思い出せないこともありますが、多くは後で思い出せるし、そこから関連して引っ張れます。
この引き出し整理は正直興味関心次第です。芋づる式とは特定分野における解像度がある程度高まった状態を指すかもしれませんから。
例を挙げる際は3つを目指す
例えば「シェアリングサービスとか、サブスクとかで、服分野のアパレル系ものは?」と言われて、3つくらい出てくるといいですね。1つだと偏るので。3つで全てではないですよ。ただ3つくらいそれぞれ違いが分かっているとより解像度が高いと。
ここでは書店のネタで揉んでいますが、大手と中堅と零細では全く規模が違うしやり方も違うよと。そこでも3ジャンルですよね。3つというのは結構良い数字だと思います。
これは何でもそうです。3つくらい何でも思い出せるようにしておけば、手札が倍増します。倍増ではないですね、もっとでしょうか。そうやって色々とネタが増えるとまた楽しくなってまた増やしたくなる。当然それらは色々な視点や切り口で切り直せるので違う見え方もできるわけですね。
おわりに
想起率自体を高めていけば自ずとアイデアマンというか、色々とアイデアが出る人になっているはずです。想起率が低いということは、ネタ自体を集めてないか、そこで簡潔していて1対1になっているので、芋づる感がなくて独立しちゃっている。ぶつ切りってことですね。
データや情報や知見というのは、すごく整理されているのでなく、かなりカオスです。カオスの中で、選んでネットワーク構造の中で整理されていく感じですね。マインドマップを一個ずつ辿るとめちゃくちゃ疲れますが、脳内に入れているものを、刺激で思い出すのであればそういう疲れはないはずです。多分ですが。
当然ネタがなければ出てこないので、ネタは入れつつ、思い出せるようにしつつ、そこはトレーニングになるだろうというのが僕の見立てです。
違う例えをすれば、雑談がうまいとか色々ネタを持っている人は、この雑談のリレーを永遠に繋いできます。切れ間がないというか。あらゆるネタでも話せるというか。もちろん万能な人なんていないので弱い強いネタはありますけど、それも弱くても補えばいいし、強ければ調整すればいいというか。だから一分野に特化していても、変換する、他への興味がある程度あれば十分それも可能です。
たとえばビジネス分野が苦手でも、非営利分野である程度やっていれば変換ポイントさえ把握しておけば違いが見えたり理解度は逆に深まるんじゃないかと思います。
無形サービスが得意な人も、ものやものづくりとの違いも把握すればそれは多視点で見えるので実は色々と見えるかなと思います。
このあたりがアイデアの面白さなので、アイデアの可能性とか、人の可能性にもつながっていくかなというところでした。
筆者プロフィール
- 「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介、仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューやお問い合わせはお気軽にどうぞ。
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