アイデア出しにおける重要な「視点移動」を生成AIを使ってサポートできるかどうか

ちょっと思いついたのでChatGPTを用いて遊んでみました。

結論

視点移動をサポートすることは出来ます。

ただ、当然アウトプットの吟味で経験値や知見がいるので現時点では、これらの視点→事柄→解釈を切り離せない限りそこまで効率化が出来るとは思えないというところです。

一方で思わぬ視点をランダム生成から得ることもできる「かも」しれないので、サポートが出来るのを上手く使えばいいというところです。

これが標準になると、視点移動自体が人しかできないというよりも、人の「身体性」(感情や経験や手足があり肌で感じる、直観のようなことも含めて)が人間らしさを物語るといえそうです。そこをロボットに人工知能が入っていって、身体性を獲得してしまったら違いはないかもしれません(笑)

そこまで行くかは要注目ですが、現時点ではまだまだというところでしょうか。

視点はめちゃくちゃ大事

まず視点移動って何かですが、人は事柄というものを、同じ事柄ですね、色々な人が見ています。その色々な人それぞれの視点があって、解釈が異なるというのを上の絵が示しています。

例えば、僕が見る世界と、違う人が見る世界は同じような「コーヒーカップ」でも違うわけです。例えば僕がコーヒー好きなら「コーヒー」を入れたら美味しそうだと見るし、コーヒーでも何でも飲みたい人は「カップに中身がないか」を見るでしょう。全く違いますよね?そうでもない?

この違いがあることをまず前提としています。

そして、アイデアマンという人たちは、この視点移動がわりとスムーズに出来るか、何かしら磨いて鍛えた人達といっていい。だから、僕なら違う視点でコーヒーカップを見ることがある程度できるわけです。なぜできるか?訓練したからです(笑)

この視点が違っていて事柄をみて解釈が異なるだけでもなかなか大変ですが、これを一言で言って分かる人は既にアイデアマンか、ある種の企画職などのプロだったり、アイデアを出すクリエイティブな仕事をしている人だったりで、独学や我流も含めて何か到達しているか掴んでいる人だと想います。

そうではない人、アイデア出しを初めてやるとか、初心者である人にはこの世界は見えてないので「何のことかわからない」となるんじゃないかと捉えています。

じゃあ何か鍛錬した人しかその視点移動ってわからないか、出来ないのか?ってことですが、別に問いかければいいんですよね。これが手間というかやれるかどうかですが「観光客なら自販機をどう見るだろうか?」「子どもを持つ親なら交通量が多い道路を歩かせるだろうか?」など色々な立場や事柄があることが分かるはずです。世界や社会はその総量?であると思ってます。まあそれは蛇足ですが。

はい、ここで生成AIを使えば何かできないか。立場を生成してその立場で考えるとかって得意そうじゃないか、というところで考えたアイデアとなります。

生成AIで視点移動を補助する

視点と事柄と解釈の3つのパートがあるとします。この時、視点と解釈の左右のパートは多分生成AIで補助が出来るという仮説です。事柄自体も生成できるかもしれませんが、何を生成するかの指示は必ずいるはずですので、やはり人がやるという認識でいます。

次にプロンプト例を示します。コピーできるように以下にも平文で置いておきますので試してみてください。

上には書いてないですが、「事柄」と「人数」などは適宜調整してください。

プロンプト例:「北向きのマンション」という日当たりが良くないというマンションに対して、7人の異なる人物(職業の違い)からの意見を50字程度で述べてください。 その際、課題と解決策をそれぞれ述べてください。

テンプレート例:【事柄:ここは記入してください】に対して、【人数】の異なる人物(職業の違い)からの意見を【文字数】で述べてください。 その際、課題と解決策をそれぞれ述べてください。

先のプロンプトで出した出力が上のようなイメージです。こちらも見づらいので平文で示します。

  1. 住人A(OL): 「北向きのマンションで朝のメイクが難しい。解決策は明るいLEDミラーと専用の化粧ライトを使うこと。」
  2. 住人B(学生): 「勉強がしにくい。解決策はデスクライトと白熱灯を併用して明るい環境を作ること。」
  3. 住人C(フリーランス画家): 「絵画制作には自然光が必要。解決策は特殊なLED照明を使って太陽光に近い光を再現。」
  4. 住人D(看護師): 「不規則な勤務で睡眠が大事。解決策はブラインドと厚手のカーテンで部屋を暗くし、昼寝を快適にする。」
  5. 住人E(ITエンジニア): 「ホームオフィスが日光不足で疲れる。解決策はデュアルモニターとブルーライトカット眼鏡を使い、眼の負担を軽減。」
  6. 住人F(料理人): 「料理の写真撮影には明るさが必要。解決策は調理台の近くにLEDライトを設置して調理中も明るい状態を保つ。」
  7. 住人G(作家): 「創作のためのインスピレーションが不足。解決策はアートライトやキャンドルを使って、心地よい雰囲気を作り出す。」

Chat-GPT3.5出力結果

これで色々な立場の人が仕事を想定していて、その立場で意見を表明しています。ただ中身はおかしな点とかわからない点もあるのでそこは吟味が必要というところで、細かくやるかはまた別として視点移動はある程度できるんじゃないかという話です。

視点移動を補助できた?

では、先の例を入れてみるとどうなったか、何をしたかというところです。考えてみましょう。

簡単にいえば、視点移動を生成AIでしてもらった、事柄は人が入れた、解釈は生成AIで出してもらったというわけです。

よって、左右パートはある程度補助してもらえる。一から作らなくてもいいかもしれません。ただ中身は吟味が必要ですから、これがそのまま使えますよ!って話ではないのでそこは気をつけてください。

事柄は人が入れることは変わりませんよね。

ここで視点移動できたという実感が僕にはあるのですがあなたはどうですか?

なぜかといえば、北向きのマンションにおいて住んでいる人を想定するだけでもありとあらゆる人がいてなかなか特定の人を出して考えるのは手間だし大変だからです。そこをこのやり方によって、ある程度機械的に出すことが出来る。そしてその中身はおいておいて、ある種条件を入れたりして絞り込めばかなり現実性が高いものはできるんじゃないか。多分これはあとはあなたのアイデア次第ですね。

また考えてなかった立場や考えがここで見つかればいいんじゃないかとも思えるのもポイントですね。

課題や留意点など

当然ですが、課題とか留意点はあります。

まず吟味してください。この回答結果が正しいとかではないので、あくまで創発や想像の刺激にしてもらうのがいいと。ただ吟味ができない、わからないのであれば使わないのが良いんじゃないかなというところです。無理して使うことはないのですから。

それができればあとは自由です。ここで補助といっているのは、視点移動を全部やってもらうとかはやはり難しいと思っていてそれは生成AIの目指す世界観ではないというのもあると思っていますが、補助というくらいがいいんじゃないかと。仮に生成AIが進化してもそれで留めて人間が判断する吟味するのは変わらないと思います。

ここで蛇足ですが、そうなると人が判断と吟味だけになるので、思考をしないのではないかということが気になります。ここでもっといえば、思考とはアイデアのネタを集める、違和感や気になる事を考えることですから、これらは多分消えないはずです。そして吟味もしないといけないので脳が休んで何もしないとかはないはずです。よって、どれだけ生成AIが進化しても、事柄としてのインプットは人がやるし、かなり生成AIが代行できるとしてもより吟味や判断の比重が増える、相対的に増えるだけで、むしろますます思考はしないといけないのでは?と僕は考えています。

これは予想でしかないので、思考をよりしたい人は楽しいですがそうではない人は「AIに思考させてさぼりたい」と考える人はきついかもしれないですね。ただ同じようなことを何度も考えているのが明らかならそこは任せたいですけどね(笑)

自身のレベルに応じた使い分けが良いかも

ここで乱暴ですが、アイデア出し初心者と上級者で示してみました。簡単にいえば、初心者は擬似的に視点移動が出来るかもしれないことを体験する意味で有意義だと思います。そうやって考えるのか、補助線となるってことです。

ですが、それだけでしかなくて、そのサポートが吟味できないならあまり意味がないので、指導者や誰かサポート出来る上級者がいて意義があるかなという感じています。

一方上級者は吟味も出来るので手抜けるところは手抜く意味で使ってもいいのでは?と感じます。ただ吟味とか解釈とかで時間はかかるので、AIの出したそれをどう感じるかですね。気持ち悪いとか(笑)なんか分かりづらいとかで結局コストが掛かるのであれば、自分でやったほうが早いというのがある。

教育としてアイデア出しを広げるためにやるとかはありかもしれませんが、かなり限定的な使い方になると思います。僕が使ってもいいですが、おそらくそのまま使えることはないので、刺激となったり、AIが面白いアウトプットを出したので雑談の代わり的になって創発した、ヒントになったというのはありえますが、これは本ケースの話だけではないはずなので、なんともですね。

おまけ

最後におまけです。

業務がこれで楽になるか、ここではアイデア出しがですが、そこまで変わらないかなと思います。むしろその生きたネタを探すことがアイデアマンがやることだというとき、僕はそれを楽しいと思うのでAIが奪うことはやだなと(笑)最もそこを社会が求めてないのであればさっさと辞めてしまうかもしれません。ここ面白いところですよね。

吟味とか判断とか解釈とか、より思考したところが焦点になると思っているので、よりアイデアマンは思考する=発想法とは思考法でしかなく思考そものである、というのが僕の考えで、そうなっていくんじゃないかなと思います。

当然、効率化出来てしまうところはやってしまえばいいんですが、それを誰かが独り占めするとかって世界線はないので、なるようになっていくかもしれません。少なくとも僕は見いだせてませんからこんなことをしているわけですね(笑)

Chat-GPTでなくてもBardでもいいかなと。Bardの方が見やすいので好みでどうぞ。

おわりに

今回Chat-GPTと遊んでみてアイデア出しにかなりというかほぼ必須の視点移動について補助できるかどうかを試してみました。結論的にはできるのですが、補助されて妥当かどうかは考えないといけないですから、あくまで疑似体験くらいがいいのではないかと。

例えば、VRゴーグルでラーメンの作り方を学んで手を動かしてやればそれは訓練となりますので、厨房に立って学ぶ時間を減らすことができるかもしれません。ですが厨房に誰でもいつでも立てるとか、鍋の火を使うとか、スペースを使うとかであればコストがかかるのでそこを軽減できるとかって意味合いがあるんだと思います。

そういう意味でこういう視点があるんだ、あるかもなあと予習的にやっておいて実際に日常生活を過ごす、または該当テーマについて考えてみて違う視点を得る、または違う視点で考える(とくに事業者視点であれば、お客様視点が消えるのでそこを補う意味でもかなり有効)訓練を効率化するのはありえるかも?というところです。誰かに提供してどうかを検証したわけではないので詳しくはわからないですけどね。なので仮説です。

少なくともそこそこ使えるかもという結論は一定程度見えたので、あとはどう使うかだけです。あなたも自分のレベルに応じて使ってみて体験するのもよし、業務で創発するために使ってもいいかなと思います。

何かヒントになれば幸いです。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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