トランスファーワイズは海外送金手数料の隠れコストを削減する

今回は、最近ニュースでも見かけるトランスファーワイズというサービスを見ていきましょう。

トランスファーワイズとは

トランスファーワイズ

海外など送金する際に為替レート以外に、送金手数料がかかるのが一般的です。例えば10万円を日本からアメリカに送金するなどです。出稼ぎをして自国の家族へ送るなどもあります。

その手数料って少ないほうがいいわけで、うまいことやってその手数料を削減する。それがトランスファーワイズです。トランスファーは確か転送するとかって意味で、ワイズは賢いということですよね。

知ったきっかけ

このサービス自体は実はServiceSafariで知ったと思います。その時、たまたま知り合いが、アメリカと日本の送金手数料がネックだなあということを言っていました。

例えばランサーズなどのクラウドソーシングサービスは海外でも仕事が出来るのですが、報酬は日本円であるので、為替レートは仕方がないとしても、毎回日本の銀行口座→アメリカの銀行口座への送金は馬鹿にならないと推測出来ます。少し考えるとこれはクラウドソーシングサービスなども今後海外で仕事をする日本人が多くなれば対応をしていくものと考えられます。

その時、たまたま知ったトランスファーワイズを紹介したところ、かなり喜ばれたことを思い出しました。

どうやって安くしてるの?

当時調べた限りでは賢いなあくらいで、そこまで厳密に追っていませんでした。日本版サイトも出来たようです。(サイトには、イギリスTransferWise Ltdの100%子会社がトランスファーワイズ・ジャパン株式会社であり、そのサイトのようです)

こちらの動画が紹介されていますので、字幕もあるので見ていきましょう。1分35秒です。

字幕を追っていって、要点をまとめると、

1.トランスファーワイズは現行の海外送金に比べ、最大8倍安く送金できる

2.安い手数料を分かりやすく、送金前に明示する

3.銀行口座を世界中に持っていて、これらをネットワーク化している

4.例:イギリスからフランスに送金をする場合、ログインしてトランスファーワイズのイギリスの銀行口座にポンドで資金を振り込むのみ。

その後、トランスファーワイズのフランスの銀行口座からユーロでフランスにいる受取人の銀行口座へ支払いが行われる。

5.実際の資金は国境を超えていない

ということになります。

公式サイトのヘルプがより理解を深めてくれます。

TransferWiseは、最も賢い海外送金の方法です。
アイデアはまた、とてもシンプルです。

TransferWiseでは、1回の海外送金を行う代わりに、2回の国内送金を行います。
例えば、日本円からユーロへ送金したい場合、高額な手数料が必要な一度の海外送金を行うより、二度の国内送金を行うほうが早く、安く送金出来ます。

この場合、お客様へはTransferWiseの日本にある日本円の口座へお振込みを頂きます。
TransferWiseは、ユーロ圏の口座からユーロを払い出します。
ご覧の通り、実際は海外送金は行っておらず、国内で送金をし合っているだけなのです。

銀行は、長い間人々から手数料を取り続けてきました。
更に、高額な手数料を両替時に課し、顧客に不利な為替レートを提供し続けてきました。

トランスファーワイズヘルプページから引用、太字筆者注)

どうやって安くしているかの答えは太字です。2回国内送金をすることで安くする、となります。

ここまで来て、トランスファーワイズが世界各国に口座を持つ。お客さんは国内へ自国のお金などで送金するだけ。受け取る人も国内口座から受け取るだけ。賢いなあと感動したのはこの点だったと思い出しました。

引用の最後にあるように、銀行の手数料だけでなく高額な両替手数料などをうまく避けることを目指す。ヘルプページでは、さらに「銀行に対する小さな革命」とあり、たしかにその通りだなあと思います。銀行は今後トランスファーワイズが広がると相対的に利用が減るかもしれません。一方で振込自体は銀行を使うため、銀行を敵としているわけでなく、銀行の既存のスキマをアイデアで突いたビジネスといえます。

トランスファーワイズは手数料がビジネス収益となるわけですが、それらは最大8倍安いわけで不満と思う人はまずいないでしょう。しかも、送金の手続きも楽ですから。

取扱量等の実績

サイトでは、毎月5億ポンドを扱っているとあります。5億ポンドは、約757億であり結構な金額実績があるわけですね。トランスファーワイズの手数料は安いとはいえ、例えば10万円をアメリカドルで送るという場合、794円ほど掛かります。

海外送金に詳しくはないですが、以前イギリス→日本への送金をしたことがありますがものすごく手間でかつ手数料は相当かかったことを思い出しました。

例えば、アメリカ留学のために知っておきたい海外送金の知識と手数料まとめは非常に分かりやすくまとまっています。手数料は送金手数料として多くの銀行は2,000円から5,000円かかります。他に外貨取扱手数料、為替手数料、あと受取手数料などとなります。トランスファーワイズが隠れコストと言ってるのは、送金手数料という形の中で見えづらい手数料のことを指していると考えられます。

送金手数料だけでまずトランスファーワイズの数倍かかるという印象です。そこで仮に10万円で3000円かかるとしたら、794円でトランスファーワイズできるなら、約2200円の節約となります。3%の手数料を、0.8%まで減らしたことになります。8倍ではないものの、3倍程度安いのは非常に魅力的といえます。

最新の実績では、TransferWiseが巨額$280Mの資金調達を発表、既存株の現金化もありの中で、

最新の数字では、同社のイギリスでのマーケットシェアが10%で、Hinrikusによるとほかの国もそれに近づきつつある。同社の現在のユーザー数は200万あまり、通貨交換(両替)ルートは750種、そして各月の送金額は10億ポンドを超える。

(同上より引用)

となっています。より取扱量や流通量が多くなければ、シンプルにトランスファーワイズは儲かりますが、それ以上に利用者の恩恵も受けられるわけで素敵なサービスと言えそうです。10億ポンド(約1590億円)の0.08%は約127億となりそれくらいの収益があるということになりますね。

調べてみて感じたこと

何度か書いていますが、既存のシステムを使いながらも賢く節約しています。節約というとせこいイメージがありますが(笑)一方でこれは賢いなあとしか思えませんでした。コロンブスの卵という感じのアイデアですね。

もちろんですが、こういったサービスを考えても最初誰が信頼してトランスファーワイズを使うのか、それこそ詐欺と思われれば一瞬で終わりますし、それらのリスクありきでユーザーが使い始め今に至るということになったのかもしれません。

一方で仮想通貨のビットコインもあり、ビットコイン自体をそのまま使えない場合はそれらを換金する手数料もかかりますが、ビットコインで送れば送金手数料は数百円程度で済んでしまうようです。例えばcoincheckのビットコインで海外送金では、ここで取り上げた海外送金についても言及しておりそれらが約9円(BTCの相場によりますが)程度で出来ると書かれています。

ビットコインで受け取ってそのまま使えればいいのですが、例えば日常のスーパーなどで使えればいいのかもしれません。ですが日本であればそうはまだまだなっていないため、ビットコインなら安いけどとなりそうです。例えば今10万円は0.12BTCとなっています。1BTCが約83万円と相当の金額になっておりBTCの変動が読めないため恐ろしいですよね(高くなればいいものの、安くなると大変です(笑))

例えば2015年では1BTC約3万円から4万円前後だったのが、今では20倍となっています。2017年にはいって約10万円に高騰してその流れが今も続いているような動きです。換金の際のリスクがあるため、しかもBTCは1日の中で乱高下が激しいので辛いんじゃないのかと思ったりします。BTCの知識やリスクを踏まえた上ならいいですが、海外送金自体が確実に渡るからいいわけですしね。

おわりに

ここまでで1.5時間くらいかかっています。トランスファーワイズのサイト自体を見て調べてであれば30分くらいでいけたのですが、途中でそもそも海外送金手数料がわからないぞとか、ビットコインとか他の手段もあるよなーとか調べていたらどんどん時間が経っていました(笑)

トランスファーワイズは手数料ビジネスといえますが、今後大きくなるとどうなっていくか見ていくのは面白そうです。このビジネスから学ぶとすると、確実なニーズや流通というところの隙間を逃さないこと、どこか革命!ではないですが改変できるポイントがないかと探すこと、当然毎日の生活で不満に思うことを改善出来ないかと考えること、そういったことがヒントになりそうです。

Webサービスとして個人や小規模事業者がこれを真似することは出来ませんが、一定のやり取りや取引があるところに入れていくというのはありかなあと思います。

例えば、大手サービスなどの補助ツール系のようなものです。例えばメルカリなどのフリマアプリを補完するようなものなどです。ゲームアプリでは当たり前のようですが、パズドラのようなヒットサービスはパズドラのイベントスケジュールアプリなどもあるようです。【パズドラ】レーダードラゴンゲリラ時間割のようなものですね。

大手サービスや流行ったサービスの非公式系は公式サイトからチェックされる可能性もありますが、一方で公式側は公認で出来るサービスとなると動きも遅くなり、かつ違う形となるので非公式だけどユーザー視点のものは一定のニーズはありそうです。ただ公式からチェックされて終わるケースもあるため、そのリスクを込みでやることになります。いわばコバンザメ的といえますね。

一回目としてはちょっと調べすぎだったかもしれませんが、こんな感じで対象サービスと気づきをメモしていく感じでやっていきたいと思います。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。