「すごい言語化」すごいわ。

すごい言語化ってタイトルが軽いですが、中身はめちゃくちゃ面白かったです。かなりおすすめです。

すごい言語化――「伝わる言葉」が一瞬でみつかる方法

すごい言語化――「伝わる言葉」が一瞬でみつかる方法

木暮 太一
1,426円(05/29 21:52時点)
発売日: 2023/06/06
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ざっくり全体感

簡単にいえば、著者は何かを伝えるとか、それこそ新規事業でもいいし、商品開発でもプレゼンでも、普段のプライベートの会話でもいいと思いますが、そういう時に、伝え方ばっかみてないかと。

伝え方=テクニック、ノウハウ、ハウツーみたいなものです、例えば、相手の言葉を繰り返すとか(笑)頷きを増やすとか。語彙力とか、キャッチコピーとかでもいいかもです。それを否定するわけではないけど、それってどこまでいっても、僕なりにいえば「未定義の概念を伝えることはできない」のと、「未定義の概念をテクニックで伝えること」ができたら、結論的には「うん、それ分からないってことが分かるよ」ってことなんですよね。伝わりますか?

つまり、WHATとして何を伝えるかで、HOWというような伝え方、どのように伝えるかではない。いや、HOWはいらない、WHATだ!みたいな一択でなくて、二択でもなくて、WHAT流石になさすぎじゃね?っていうところが肝です。

僕で言えばアイデアとしてのWHATがないのに、つまりビジネスなら、サービスや商品がいまいちなのに、HOWだけ磨いても「うん、いまいちだね」ということが伝わるだけなんですね。この話をすると、プロダクトアウトかマーケットインかみたいな二択(自分たちが出せるものを出せばいいのだ、お客さんの声から作ればいいのだ)となりがちですがこれも罠かなと。つまり、WHATはプロダクトアウト寄りで、HOWはマーケットイン(そうでもないですけどね、まあ仮に)寄りなんだろうと。でも、それはなくて、WHATってなんでもそうですが、なきゃ空気を売るようなもので無理なんですよね。

だから、本書はそのWHATって何か。結局哲学ではないですが、考えていって、著者なりの考えを示してくことで、WHAT大事ですよねを示した本ってことになりそうです。

ある種の思考法であり、言語化の言語化というか、メタ本に近い感じですね。

面白かったこと

言語化とは相手にも自分が感じたように伝えること

これは刺さりました。こういう定義が出来るほどに著者が考えているのが明確です。言語化って何か?結構言えないんですよね。

例えば、「言葉にすること」というのはあるんですが「文字」でもいいですが、それって「ああああああああ」でも言語化ですよね。ですが、おそらくこれは「言語化」ではない。言語化というとき、自分の概念や考えという見えてない(自分でもそこまで)時に、言葉を用いてこういうことなんだと理解すること。ある種分かることですよね。

例えば「自分が経験した辛いことを誰かに再度繰り返して欲しくない」という気持ちがある時、これを言語化というのは、相手にそれを伝えられるかですよね。自分の中で持っておくのがいいとか悪いとかでなく、言語化という時「相手にも伝わるように」することが求められると。しかも、自分が感じたようになので、結構難しいです。

そこでテクニックに走ると。上手い人のやり方は確かにあるので、それを真似るのは否定しないけども、それは多分本質じゃない。本質はまず自分の概念の定義や明確化があって、その上で伝え方があって、そして相手に伝わったかの着地があるって感じですね。

この定義は結構持ち歩けるので使っていこうかなと。言語化できなければ、「君の言っていることはなんとなくわかる」のだけどってことが多いというか。相手に伝えられるレベルになっていないのかもなというところですね。

価値になるものは3つ

P.125あたりです。ここで価値にならない、ものをまとめていますが、逆にいえば価値にあるものというのは著者的に3つあると。

1つは、顧客とかお客さんとか他人ですね、人といってもいい。その人がBefore→Afterで変化するようなもの。ダイエットとかわかりやすい。価値とは体重を減らしたいとかに対して、その手法を提案したり、そのもの(なんか食べたり食べなかったり色々ですけど)を示す。まあ薬事法なり色々なものでズバッと言えないですけど。

別にここで「明確にズバッといえる」ことはそこまで大事でなく(大事ではあるんですが)、お客さんが感じる価値とはそういう変化ですよと。変化を感じられないだろうなと思われたらやはりきついと。まあそうですよね。

何度も本には書かれていますが、だから「嘘をついてごまかす」とかそういうことは辞めてねとあります。言えないことを勝手に捏造してしまうのはアウトってことですね。そりゃそうなんですが、そういうところに踏み入れてしまう人もいるんでしょうね。

2つ目は、テンションが上がるもの。ライブの例があります。CDとかまあ今だとダウンロード音楽ですよね、データを落として聴けばいいと。でも、ライブにお金出すのはなぜか?これ言語化できなくても、まあなんとなくでも「ライブはリアルで体験できたり、一体感があるから違う」とサラッと言える人が多いかなと。

僕もそう思います。リアルでの体験ってめちゃくちゃおもしろくて。そういう音楽自体にお金を出すのと全然違うわけです。これは僕なりにいえば、感情が動くといってもいい。感動でもいいですよね。

1つ目が感情もあるんでしょうが、望んだ定量的なものとするなら、こっちは定性的なものかもしれないですね。まあこれは僕の解釈です。

3つ目は、運営側のパッション、つまりこだわりが強くてなんかしらんけどすごそうとか(笑)この人そこまでやるなら、買ってみるか。試してみるかというもの。そういうのあります。

多分これらの3つは独立しているわけではないかなと。例えば僕でいえば、あるお店があってそこは3のパッションでそこまでその商品を食べたいか?と思ったんですが、熱量で食べた感じがある。そうしたら美味しかった。この初動まで持っていけるかどうかって紙一重のようで、めちゃくちゃ大事なことです。食べれば分かるなんて世界って、食べられないので分からないということを言っているようなものですよね?このあたり自分でビジネスをやった人なら痛すぎるほど分かるはずです。

そして、それって2つ目のテンションが上がることでもあると。またはその商品や体験がなんか良いなと思っている。1つ目はやや強引ですが、「食べることで幸せになる」「なんかいいな」と思える、「美味しい」もありますからね。

なので、独立でなくどれか含むと。それが価値だと著者は言っていると。

この価値の定義はなかなかだなと感じました。価値自体は人それぞれ違うんですが、普遍的にいえばこうなるかなと。なので、逆にビジネス側ならば、この価値が出せてないとまあ売れないというか、伝わらない。伝えようとしても伝わらない、WHATがないってことですからね。

価値はHOWでなく、WHATです、と僕は考えます。このサービスの価値は?という時、本質的なものです。つまりそのサービスを受ける人が何を得られるのか、変化するのか、感情が変わるのか、こだわりで思わず興味を持つのか。そういうことですね。

だからこそこの価値を言語化していくと。そしてそれをお客さんに伝えることなくして、話は始まらないとなると。いやあ、その通りかなと。

言葉の扱いに気をつける

気をつけようっていう警鐘ではなくて、具体的に示しています。

これだけではないですが、メモしたものでは、

「なぜなぜ分析」は、トヨタ式とかで限定的な作業現場工程がかなり共有されている、スコープというか範囲が狭いんだろうとだから成立したのではないかと著者は言っていると。僕もその通りだと思っていて、この分析をすると「なぜ?」と問いかけても、著者の例のように、理由が出てきたり目的がでてきたりでブレるんですね。ここではブレるってことが良くなくて、ムラがあると。

例えば僕がなんでブログを書き忘れるのか?ということをなぜ?と問いを立てても、

  • ブログをなぜ書き忘れるのか?→時間がなかったから
  • なぜ時間がなかったのか?→他にやることがあったから
  • 他のやることとの優先順位が間違っているのではないか?→他にやりたいことがあるのをやるのはいいのでは?
  • どう優先順位をつけたらいいのか?→優先したいことをする、それ以外ないのでは?
  • そのようなやり方で問題ないのか?→合理すぎれば自分を失う気がする

みたいな感じで、これが意味があるかはおいておいて、「なぜ」という問いをすればいい、では雑ってことなんですよね。実際に僕もアイデア出しで、思考法を示す、思考プロセスを示すのですが、ここにおいて、合理的な説明を試みるけど、そこの間に他の感情や情緒が入ってしまったり、直観としか言えない部分が出てくるので、完全に説明することは難しいかなとも思っています。

ですが、それでも、上のなぜ?では2-3割くらいの雑さがあるので、もっと丁寧に8割くらいはカバーできないか。そういうことをもしかしたら著者は思っているかもしれないです。

つまり、なぜなぜ分析が絶対NGではないんだけど、上手く使える術者が使い切れるかってことでそれは難しいのではないかってことだから、そこまで使えないのではないかってことになりやすいと。

他にもあります。

「付加価値」は何か付け加えるという視点になりやすく、要らないもの(お客さんが不要なもの)を追加しやすいと。もっといえば、「要らないもの」を付けたらOK。それで確かに見たこともない、新しいものになりますから。当然売れませんよね(笑)

「USP」も同じような感じです。USPになっていくというところはいいのですが、ユニークや独自性を目指すと、「奇抜な見たこともない三角形のタンス」みたいなのが生まれると。それだけだと使いづらいタンスなので要らないですよね。違いを出すことがゴールになるので、まあ難しい概念だなと。独自性を出せばいいというのは、独自性は大事なんですが、最初に独自性を出してもいいけど、その上で顧客が望むものでなければ、まあ単に変わった人になっちゃうと。上でいえば価値として、熱狂でカバーできればいいけど、でなかったら、顧客が感じる価値を考えないといけないと。

p.148あたりでは「差別化」の話もありますが、これも似ているかなと。違いを出せばいいという感じになる。あくまで顧客からみて、違いがあるなってことであって、違いを出せばいいわけではないですからね。違いがあるとは、正確にいえば「お客さんである自分が望むものがこの企業や商品やサービスにはあるのでAを使う。Aしかないかなと。他にもあるそれっぽいBとかCとかとは違う」ってことなんですね。

表層的に違いを出すことが差別化ではないと。それは自社が出来てかつ、選んでもらえる(これはお客さんが価値を認めていること)があって初めて成り立つわけですね。

こういう言葉は気をつけたいなと。これらを「言葉警察」で封印することはないんですが、あえて使う意義は薄いかなと。当然自分はいいけど、他の人が使っていることを否定はしないです。むしろ、その場合「どういう意図か、どういうニュアンスで使っているか」を確認して、可能なら定義までいければいいかと。自分の中で「ああ、この人はこういう意味でこの言葉を使っているのだな」と定義できればOKってことですね。その人に定義を詰めるとまあ色々と揉めるかもしれませんから、それは面倒とか、イチイチうるさいなって意味でですね。

著者がこれらを明確に否定というか、使い所が難しい言葉というのは実際のケースであるし、混乱するし、迷子になる。そもそも自分が何を言っているか分からないという顧客がでてきたり、または自分ですら分からなくなるからということなんじゃないかと。

あと、「ターゲット」もそうです。こちらはどちらかというと誤解でなく、意味合いとしての批判ですね。「的」だから、ダーツみたいな感じでいくと、標的があると。そこに一方的に矢をぶつける、「マト」的にいえば「矢を刺される」と。ターゲット=お客さんという使い方をするわけですよね?すると、「お客さんは一方的に刺される」んですね(笑)笑い事ではなく。こっちからオラオラと「これはどうだ、これはどうだ」と矢、実際にはマーケティング施策とかってことなんですが、それをやられると。「これはどうですか」と丁寧にやっても、的ですから。

一方的にビジネス側がお客と思われる的にぶつけていく。これは暴力というと言い過ぎですがそれくらい強い気がします。実際には的とコミュニケーションするのでしょうか?しないですよね。一方的に蹂躙していく世界観や関係しかないと。

あまり聞いたことがない表現で「ターゲットに対してヒアリングをする」というのがあります。別になくもないけど、的にヒアリングするってなんかおかしくて。なので、著者はターゲットでなく「悩みがある人とか、困っている人」とかそういう課題を抱えている人という意味合いの言葉を提示していますが、そちらが妥当かなと。人ってことを忘れないためには、「ペルソナ」とかも僕はあまり好きじゃないですね。それ何?ってなるので。人ですよね?で、その人は感情を持ってますよね?ロボとか、AIとか、ゲームのキャラとかではないですよね?と。

これらの問題点や課題感を把握しつつも使うならありですが、そこまででないならあえて使う意義が薄いっていうのが僕の着地でした。

逆にいえば、「付加価値」「USP」「差別化」「ターゲット」とかって言葉を使っている人がいるとして、その人が本質的にそれらの言葉を理解しているか。言語化出来る人であれば、それらは「仮の言葉」として、違う言葉であなたに分かるように説明してくれるはずです。そこで見極めてもいいですよね。例えば「付加価値ってどういうことですか?」「付加価値は価値があることです」「え、価値ですか?」「付加価値は付加価値なんです!」といったら、まあアウトというか、微妙でしょうね。

言葉の揚げ足取りとか、そういうことでなく、本当にその人が伝えたい概念や考えがあるのに、「言葉」に出来ない可能性もあります。ただここでいつも思うのは「自分の考えが説明できない」のは、分かっていないだけなんですよ。うまく説明して相手に伝えられる前に、自分の中で分かる部分と分からない部分が明確になっていない。それを乗り越えるというか、明確になってから、人には伝えられるかなと。このあたり一回また図解してみたいと思います。

アドバイスがあまり効果的にならない話

P.215あたりで二流アドバイスか、忘れましたがそういうアドバイス自体がビジョンとか説明になっていないのがあると。「どうすればいいですか?」「それは、なりたい自分になればいいんだよ」みたいな感じですね。だめではないけど、具体的ではない。

著者は面白い概念を示していてそれが「練習メニュー」を組むというものです。このアドバイスをする側が、「相手に練習をしてもらって身につけてもらうにはどうすればいいか」を考えるワードになるということですね。ワードというか考えるきっかけになるということですね。

どうすればいい?に対して、なりたい自分になる、というとき、これ練習するなら?ってことを問いかけるわけです。まあ答えはないんですけど、「自分の希望を1個でもいいので叶えてみる」「それはなんでもいい、例えば早起きするとかでもいい」「1個望んで1個かなえるでもいいけど、叶わないときもあるから、5個くらい出しておいて、1個かなったらいい」みたいなことをやると、「自分というと分かりづらいけど、欲している何かとか、5個望んだことは自分がやりたいこと」だから、そこには結構自分自体が隠れているかもね。

まあこれが良い練習メニューかはおいておいて、そうやって思考すればいいと。これは結構いいですね。要するに具体的に言ってくれってことですが、具体的に言ってといっても分からない人はいるので、相手にどうやってもらうか身につけてもらうかというイメージで考えると考えやすいかもねってことですね。

そして、二流アドバイス=正論とか合理的で当たり前みたいなことが課題であると。それはそうで、シンプルに身体性がないってことですね。感覚で考えたり普段そのように感じていないゆえに。まあそうですよね。このブログを見ている人は耳タコかもしれませんが。

話が面白い人は自分の感情が動いたことを伝えている

P.240あたりの話です。話が面白いというのは僕が解釈したものですが、映画の話として、映画を見たとするじゃないですか。僕が。それをどう伝えるか。その時、映画を見た面白かったよでは何もない面白くもないですよね。

で、自分が「この映画で面白かったのはここ」といえば、相手もそうなんだと乗ってくる。感情が動いたのは面白いでもいいし、つまらないでもいいし、泣いたでも笑ったでもいい。そこまで良くない映画だったら?いやそもそもそれなら話さないですよね。ネタがないなら話すかもしれないですけど。

話が面白い人っておそらくそういうことを無意識にやっているかなと。一方で言語化できていますよね。映画見た→自分がオモシロイと思ったことはこれ→こう説明すると多分理解してもらえる→伝える→伝わったみたいな感じですよね。

逆に話が面白くない人は、自分の感情が動いたことでなくて、映画のあらすじを述べて、ネタバレしかなかったり(笑)その「あらすじ」や概要が会話に重要であれば意味があるんですが、「という映画だったんだよね」「で?」となりがちですよね。なので「どこが面白かったの?」と聞いて初めて何か語りだすかもしれない。下手すると「面白くなかった」とか言い始める。であれば「あらすじも何もその話はやめてくれよ」ってなりがち(笑)

話を伝えるとは、感情を伝えることかもしれない。映画自体の内容は実はどうでもいい。まあ面白いと思えるほどの内容であることは必要ですけど、話を伝える時は「自分がどう思ったか」を言わないと相手も動かないですよね。「世間では、一般的には、普通は」という言葉が最も意味がないシーンです(笑)

読書感想文とかもそうですよね。あらすじ書いて逃げ切った人は、多分ここで面白かったことを見つけてそこから拡張すれば書けたと。でもそういう指導なければなかなかだろうなと。

おわりに

言語化のプロという印象を持ちました。ここまで説明できるのは、相当やっていないと出来ないだろうと。当然、言葉のズレや違和感、そして定義や伝え方、WHATとHOWもそうですが、どこが本質なのか、または本質ではないのか。

そういう意味で本書は、HOWに走りがちな人で、HOWを求める人が読むともしかしたら悪い評価かもしれないですね。本当に必要なものかもしれませんが、理解がし辛いというか。気になった人はぜひみてもらえるといいのではないかと。

読後感もかなり良く、言葉を大事にするのはもちろんですが、言葉の意味ですよね、自分が想像するのと他人がイメージしがちなものは違うとか、そういう差異もやはり意識していきたいなと。アイデアを扱う以上それを何かで表現しないといけなくて、言葉がやはり強いのでそこはあるなあと。とはいえ言葉でなくてもですが、ネタが決まるのであればあとは、どう出すかです。WHATは決まってるんですよね、表現がHOW。実際に作品として色々なアウトプットになるとき、WHAT自体が漫画とかになりがちですが、もっと細かく切っていく、本質まで行けば短い言葉で説明できるはずです。という意味では、シンプルなWHATが本質でそれがあるかどうかなのかもしれないですね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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