イード(iid)の事業モデルが面白そう

イードという会社があります。面白そうなのでざっと調べてみました。

Webプラットフォームをメインに全方位ミックスしている

iidリサーチ協会にも所属しているのでリサーチ会社かと思ったのが皮切りです。あとサイトのM&Aもゴリゴリしているのでそこも面白そうです。

実際にIR資料を見ると、リサーチはもちろんやっているものの、事業内訳としてはそんなに多くないのかなという印象でした。

「2022年6月期(FY6/22)」第1四半期 決算補足説明資料

概ね売上高は四半期で11億くらいで、年では40-50億規模と言えます。この会社ポートフォリオが面白くて、ネット広告、出版ビジネス、メディアシステム、データコンテンツ提供の4つがあります。

それは分かりづらいので、まずは2つのセグメントがあると。1つはCMP事業でコンテンツマーケティングプラットフォームの略です。長ったらしいですが、要はWebメディアの事業でプラットフォームだってことですね。もう1つはコンテンツマーケティングソリューション事業=CMS事業としていますが、ソリューションを提供する形です。ソリューションって解決策とかってことですが、要するに顧客課題を何かしらのアウトプットで解決するということですね。

売上規模割合は面白くて、CMPのプラットフォームで86%とほぼほぼ占めていて、とはいえソリューションも14%とあると。ただこれは最新1Qなので、参考程度でしょう。とはいえ、プラットフォームがメインというのは変わらないのかなというところです。

プラットフォームは、広告で3割、コンテンツ提供で3割、残り1割ちょっとずつをメディアシステムと出版でやっています。ソリューションは、EC分野とリサーチ分野となっていて、ここでリサーチ分野がやっと出てくる感じです。リサーチは1割程度なので、4-5億円規模って感じになりそうです。

それで面白いというのは割と全方位で、ネットなら何でもやる感があって、広告で売るけど、でもコンテンツもtoB他サイトに売るとか、システムも作るし、リサーチもやるというのが面白い印象です。どっかに特化したほうが楽な感じもしますが、あえてやらないのはそのコンセプトがどこかにあるからかなと感じます。

M&Aでの拡大

とくにWebサイトを取得して撤退してというところを繰り返していて、先の資料では、70サイト運営中ということのようです。

それで、M&Aで58サイトも取得しています。M&Aも内訳があって事業まるっと得たのが42で、残り16サイトは出仕となっています。

事業開発として自社開発したものは40サイトあるけれど27サイト運営中ということのようです。

つまり、M&Aサイトは58取ってきて43程度やっていて、自社再度では40サイトやって27運営していると。この比率がどうかはおいておいて、これがおそらく74%という継続率になるのでしょう。

サイト運営といってもサイト自体は様々なジャンルや分野があって、それによって束ねることで一体化、規模感、運用が効率化されているのではないかと推測します。

サイト自体も取得価格は1サイト平均3,100万円で得ているのも興味深いデータですね。

戦略投資ということもしていて例えばnoteに出資していたり、キャンピングカー株式会社であったり、ロボットスタートなどがあるようです。

面白いのは、子会社として、エンファクトリー(専業禁止のところですね)とかも78%まで出していますし、絵本ナビという絵本コミュニティサイトも30%出資しているようです。

あと、イードの大株主も見てみましょう。エキサイトや博報堂系、マイナビなどメディアや広告系が持っている感じですかね。

事業の成長性

成長性とか未来はまあ分からないですよね、という断った上で、このM&Aとかで拡大ってどうなんだって話です。

実際にITが出来ることでもなく、「ただサイト単位」ってのは独特ですけど、スーパーマーケット然り、色々なビジネスでM&Aってまあ成長戦略の一つという印象があります。

実際には統合したところで、効率化するか、パイを増やすのであって、そのカウンターとして統合がうまくいかない(人員やオペレーションや様々なものですかね)リスクもあるわけです。

広告も単価が上がる=クリック単価が上がったり、クッキーがどうこうので、規制が厳しくなっていくと、メディアサイトに広告を投げることもある程度追い風かもしれないです。つまりイードだと全体的に取れるかもしれないので、そこが強みって感じの印象は受けました。

成長していくには、新たなサイトを開発してやっていくということはコストもかかるし、一方でそれなりの成功率を出していかないといけないというところでは効率が悪いか体力が持たないのかもしれないですね。

資本主義としては、どこか成長性があるところを目指してそこをとって、売上や利益という数字にするわけですが、ここがどこまでやれるかって感じも受けています。別にイードがどうということでなく社会全体がってことですね。

360度など全方位はどうか

これもうまく統合してバランスを取れればいいけど、そうでないと中途半端になるというどちらもあります。

個人でも色々なことができるはプラスですが、「なんでもいいのでやります」だと「その人の印象が消える」ので、その人の価値が出にくいんですね。だからこそ集中、特化してこれが強いというか、総合力ありきの専門力みたいなことを矛盾することなくアピールする必要があると。

そういう意味で、ソリューションの比率がもっと高まることが、イードという会社の魅力というか面白さを出せるのかなと。まあ数値や稼ぎとして出ているものと実態は、水面上と水面下くらい違うので、分かりませんけど、そうなっていくと面白そうですね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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