仕事相手の見極め方

仕事に限らず、良い関係で今後も付き合いたいという人がいる一方でそうではない人とも出会う。

こればかりはもう仕方がないのだけど、一方で貴重な時間(命の時間)をかけているので、ざっくりな判断で、「ミスマッチの確率」をあげてしまうのも癪だというところ。

そこで、自分なりに確率がそこそこ上がるであろう、または上がっているところを書いてみたい。

本意は、実際にこれで良い人に出会える何かでなくて、何かルールややり方を意識してみて、再現性の高いシステム、仕組みみたいに自分なりに作るという参考程度にどうぞ。

名乗るかどうか

名を名乗るは文化的社会的にも、というところで基本ルールとなっていると思う。名乗らないという意味では、法人名を名乗るだけとか、団体名だけとかもある。それはわかる。

ただ実際は、大きな企業であればあるほど「所属」と「個人」が分離されるので、「所属」優位な感覚になる。つまり、誰もが知っている会社であって個人は薄くなるということだ。

それはいいとして、仕事をする上でその所属はどうでもいい(実際は大事なんだけど)として、ここでは更に名乗るかどうか。

個人的には、この名乗らない人は結構な数いて、基本的なところで「この先思いやられる」と思うので、嫌な予感しかない。

逆にいえば僕がそれを大事にしていることともいえるので、こうやって書いておけばあえて名乗らない人も減るわけで、いいんじゃないかなというところ。

シンプルにいえば、株式会社Aや団体Bです、なわけがないということ。株式会社AのCですとか、団体BのDですと言えるかどうか。そこを頑なにするわけではなくて、実際に普段名乗らないやり方であればそういうものって「例外」「相手のルール」もわかる。が、そこで名乗らない意味も同様に分からないので、ここは見極めポイントにしておきたい。

相談状態を価値とみなすか?(お金払いがいいか)

これは金払いがいいという人にまずは優先であり、でない人はやはりお断りが良いという話だ。

いきなりお金の話だが、めちゃくちゃ大事なので何度言っても良いと思ったりする。

何か聞いてみたいことでもいいし、そこで「問い合わせ」という状態がある。ここで簡単な回答であれば「常識的」(この言葉も最近はよくわからなくなるが)に無料だろう。僕もそうやっている。一方で、結構なやり取りをして、特に僕の場合はアウトプットが価値でありそこで評価される=仕事=お金なので、軽んじるわけにはいかない(ブログでのアウトプットは、自主企画ということで別物として理解)。

例えばこうだ。

「アイデア出しにおいてこういうテーマはできますか?」
「いや、それはきつそうです」
「はい、わかりました」

みたいなものなら、実際には「きつそうです」というところで考えるがこれは断るので問題はない。そういうテーマは苦手なんです、で終わる。食い下がられる場合は稀にあるが、まあここで終わる。

しかし、以下のケースはまずいというか、NG。

「こういったことを考えていますが、相談に乗ってもらえませんか」
「そうですね、例えばこうでこうでーあーで」
「詳細にありがとうございます。では、こういう場合には・・・」
「その場合は・・・」
「ありがとうございます」

相手も詳細にといっているし相談レベルに乗っている。もちろんここでお金は請求してないし、払って欲しいとも思わない。

ここでいえるのは、この状態で、相手がお金を払いたい、払いたそうにしているかという見極めだ。これはもう話の流れでもいいし、あなたの基準でもいい。

実際に状況として、人と緊急性や内容、こちらのテンションもあるが、そもそもお金を払おうとしない、できれば払わない人もいる。そこは割り切ったほうがいいということ。

今までの傾向として経験則に過ぎないが、
「あまり長く相談されても困るので以降有料です。」
「費用が発生します。相談しているのも
こちらの知見なので。最低こっちも時間を使ってるので」

というと、それで会話が終わるケースが多い。というか、この時点で明確なのは、相談等こちらが「頭を使って考えること」にお金がかかるという理解がない。概念がないといってもいい。

もっといえば、僕が何かを考えていることは、ボランティアでいいのだとなる。言い過ぎではあるが、結果論がそうなので、こういう人は早々に見きったほうがいい。

上のケースは1例だけ取り上げているのではない。わりとあるので、そういう人はスルーでもいい。スルーしたり、相手にしないことで、その時間が浮くので、それを本来の顧客や一緒にやりたい人、または今やってる仕事に注力するほうが僕は良いと思う。

この感覚は実際に「うわー」って思うことと、その対応と、なんか価値を下げてるなと思うこと、そしてのいくつかのその再現性、経験が一定程度ないと分からないとは思う。偉そうだけど、多分そう。

例外としては費用がかかることが分からないみたいな人もいる。本当に分からないという意味。ただここは言葉のあやでなく、あなたが仕事として対価を得られていることを価値を減じる必要がないというだけ。

Aさんは無価値というが、Bさんは大きな価値ということが普通にある。それらを知る時、不条理というか、色々思うところがある、みたいになるのだけど、それが現実なのかなと思う。この現象は非常に興味深いだけであって、価値を感じてくれない人を「ディス」る目的ではない。ご縁がなかったなあくらいでどんどん切っていきましょう(笑)

くどいけど、金払いがいい人は本当にいい。ただし、お金を払うから良い人とか、注文が多いとかそういう性質は別なので。まずお金を払うという当たり前があってそこからですなということですね。

内容が不明瞭ではっきりしない

フリーランスあるある:仕事の見極め力と、ギャラの交渉についてという記事もそのまま同じだなあと感じてしまった。

実際に何を仕事としてやるの定義と共有、それに対してお金が発生するかどうか(そもそも発生しないものを受けるというのは仕事でないともいえるが、そこは自分ルール次第)という見極めの話。

この話は、お金をもらって仕事をする人は「何を馬鹿な。ただでやる人がいるのかね」と思うのだろうが、実際に仕事がないとか、色々経験値がないと思う状況であると、まあ人は本当に色々する。つまり、タダでやることも多いってこと。

えとみほさんがいってて良いなと思ったのは、駆け出しとかでこれからやるぞっていう経験値が本当にない時は「経験値」のためにやるのはありという例外を示していると思う。それ以外だと、自分がライフワーク的にやりたいとか、勉強したい領域くらいでないとまあ駄目っぽい。なぜなら長期的にやれることではない(ただでやる仕事が仕組み化していて、バックやそこからお金につながるなら別に何も問題はない)から。

「フリーランスはタダ働きしてはいけない」は本当なのだろうかも参考にどうぞ。

話を戻すと、この内容が不明確みたいなことは、不明確→明確にしたいという相談もある。例えば起業相談なら、こういう分野で起業したいけどアイデアはありますか?的なところをうけて、それって「起業でどうしたいんですっけ?」みたいなところを、相手が考えるのを促す(ファシリテートする)感じが近いかなと。これは価値なのでこういうのは不明瞭が状態であって本件の話ではない。

不明確とは、例えば、依頼が不明確だから、期待するアウトプットが落とし込めない時。つまり、今AだからこれBにしましょうみたいなことが言えないということ。Aなの?Bなの?で、何を出せばいいの?みたいなこと。

お客さんはAを勝手に期待するけど、明らかに会話はBとなったときに、なぜか食い違うので指示的な意味で「私は楽に儲かる方法を知ってそれでお金を稼ぎたい」がAっぽいことが多く、それに対して僕は「そんなのあるわけないじゃないですか」がBになる。これは皮肉ではないし、実際にそこまで「正直」にいわない、オブラートがあるが、まあこのレベルだと話にならないので、丁寧にお断りか、スルーという感じになる。

この時点で、明確にしていくこと=整理みたいなことも「簡単」で「会話」しているだけと思われるくらいだろう。実際にお金払いとこれはある程度相関があれど、そもそも気に入らないならさっさと支払って次依頼しないだけで終わる。やや挑発的な書き方だが、僕もすべての人を満足出来るなんて思ってないし、また同様にお客さんも全てお金を払った仕事は満足できることもないとも思っている。

だからこそ、コミュニケーションをして共有して精度を高めるのだけど、金払いと同様で、どちらも見極めた後にえいやとやる段階はあるんじゃないかなと。

初回依頼で継続を匂わせて単価を安くする

これは話題になりやすいが、まずNG。ワーカー側である、つまり委託者側をなめているといっていい。もちろん「なめてるので、安くしてね」とは言わない(笑)それはそれで面白いけれど。

そもそも継続するのは、最初から分からないので、やってみてどうかでいえばいい。初めての人に言うべきことではないで話が終わる。

それを予め掲示することで「誘惑」しているだけであり、その話は初回仕事後にすればいいともいえる。

それを差し引いてみても、次回以降は正規価格で、最初はトライアル・無料とはもってのほかなので断る。トライアル自体は本当にトライアルという場合は、当然お金払いが良いなど他の見立てが良くないとまずだめ。

何度も書いているが、値引きについては依頼主でなく、やる受託側がいう立場であって、依頼主がいうことはまずだめ。仮にそれでつながっても、威圧的であったり、そもそもそのコミュニケーションレベルで仕事をやっていくので不幸になる。

中川さんという脚本家の方が書いている記事で、新人クリエイターの「お金を払ってもらえない問題」に、私はこう立ち向かったが興味深い。実際にこれは言い得て妙で、新人だからというよりも、「自分の仕事」の価値をどう捉えるか。勝手にお金を払ってもらえる状態に感覚でできる人は「言語化」できないので参考にはしづらい。だから、勝手でなく、しっかりと考えて言語化出来る人が記事を書いているのはとても素晴らしいことだと思う。

そもそもお金を払う意志がないお客はお客でないのだが、そこを「がしがし言う」ことで、お客さんにならないのではないかという不安があるのは非常にわかる。でもここはコペルニクス的転換というか(笑)、そもそもお金を払う人は「そんな踏み倒す」感じでない。そもそもその人はお客でない。あとお金を払う人は、最初から払うので最初は無料でみたいな「ケチくさい」事は言わない。これが真実。

つまり、自然な感じでいうと、何かの仕事をする人は本当に1からなら駆け出しで無料で「自分で言って」やるのはあり。そこで経験値を積んできたら「無料」を卒業して、お金をもらってやる仕事とする。仕事の単価が低いとか仕事が少ないとかはまた別問題なのでおいておく。

そこで出会った経験をさせてもらった人がそのままずっと仕事出来るケースもあるんだろうけど、かなり少ないのかなと。これも仕事とかやり方によりけりだから一概にはいえない。ただ、想定では最初の仕事(キャリアとして)と、経験値を積んだ後の仕事は別物で、お客さんもぜんぜん違うのが「普通」ではないかと考えている。

つまり、未熟なうちのお客はお客も未熟であるかもしれないという感じ。さらに、経験を積んでいったらお客も目がこえるかもしれないが、お金も肥えるかもしれないので良いはず。当然そこまでなれば、まあ無料でみたいな人はまずいないし、ネタくらいにしかならないだろうと。

期待値のコントロールができそうか

アイデア出しはアウトプットがアイデアで非常にふわっとしている。実際は相手のストライクゾーンに入るところを狙っていかないと、まあ満足度は低い。アイデアという概念が大きすぎるからだ。

一方で、お金を払って依頼という仕事の依頼であれば、無料と有料の違いを昔考察した気がするけど、簡単にいってしまうといくつも違いがある。

まず無料はお金をかけてないので痛みがない。お客さんは適当にやれる。痛みがないので期待値も低いし、アイデアを評価できない。自分が逆の立場ならそうなってしまうからだ。限界もあるけど単価が高いほどこの痛みは伴う。別に痛みつけるプレイをしているのではない。その分得たいものがあるからお金を払うのだ。そしてその価値をしっかりと僕も提供するので良い仕事になる。

さらに、お客さんにとって無料であれば「それを生かして何か行動に移す」こともまずない。有料であってもないくらいだからだ。つまり、価値をみなしてないからこそ、価値でないものに時間やお金をさらに使わない。つまり行動できないのだ。単に「何か情報」を得ただけで使えないのだ。仮にそれがものすごく良いアイデアであってもだ。これはアイデアが結局形にしていくことがないと価値が見出しづらいという性質のため仕方がない部分もあるが、無料でそこからお金を生み出すのはまあ難しいだろうというのもある(あくまで依頼における話であって、自分でタダみたいなものをお金に変えるのは素晴らしいことだと思う)。

有料と無料についてはこれくらいにして、期待値のコントロールについて書いていこう。

そもそもコミュニケーションがある程度出来るレベルではないと何もできない(仕事にもならない)ので、コミュニケーションレベルを高めておけば食いっぱぐれることはない、という考えが僕にはある。

例えば抽象度の高い話はそれが出来る人とすれば会話が早い。具体性が高いものなら作業等具体的指示や視点の移動ができる。これは仕事に関係なくなんでも使える。具体的指示からその一歩先以上ができたり、想定出来るキャパが多いと、「普通」に考えてそういう人はより仕事ができるといえる。

これは期待値コントロールといっていい。これが全くできないとまあ辛い。といってレンジが点過ぎても辛いので幅はほしい。コミュニケーションレベルもあるが、そもそも「仕事ですからこうしてください」みたいな紋切り型の人もいるわけで、話にならない。

人によって使い分けたり、状況で変えていくことで柔軟に最適な動きが出来る。僕は紋切り型で全てテンプレートに準じて対応をしているわけではもちろんない。一方である程度レンジにいれたり、相手の期待値が「高すぎる」と「それ高すぎじゃないすか?」と低めるし、低すぎても「まあそれくらいはさすがにできますよ」となる。低いケースはあまりないけれど(笑)それは依頼時点でお金がかかるのでそこで痛みがあるので、期待したいところは漏れなく伝えたいという心情なのだろうと思う。

僕が仕事をしたい人とは?

全く関係なくもないが、ネット検索をしていて笑ったのは、仕事を選り好みするという記述が見られたことだ。選り好みという言葉はなかなか使わないので、そもそもケースが多すぎる。100%好きみたいな仕事とか作業みたいなことってなくて、20%楽しいならやれるガソリンになるみたいな方が正しい。

アイデア出しというと楽そうだが、経験者であればまあ楽ではない。とはいえ苦しいからやりたくないというのでもない。

それはさておき、僕が仕事をしたい人とは、簡単にいえば高め合える人たちだ。これはもう上のNGケースに該当する人はそうではないことが自明だ。

自分と他人は違うということ、人は間違えるということ、相手に配慮したり考えられること、どうすれば良い提案や仕事になるか考えている人。そういう人と仕事をしたいだけなんだと思う。

労しないことが評価になるみたいな話を昔書いた気がする。それが得意であり、もっと武器にしたほうがいいし、意識して磨いてもいいと。最近も僕は普通のコミュニケーションが丁寧さという評価になっている。読者から見れば、僕は元々そのようにコミュニケーションをしているから当たり前だとなるのだが、僕も実は丁寧にしようとしてやってない。普段からこうだからそのままなのだ。という話だ。

僕が丁寧さにコストをかけてない(時間がその分かかっているのかもしれないが、そこに対するストレスはない)。一方で丁寧と思われるので、プラスだしこちらも気分が上がる。何より良いのは仕事の質がより上がるということだ。これは何度も書いている気がするが作業と仕事の違いといっていいだろう。作業は変化なし、仕事は変わっていくという意味合いだ。

最近見ない感じがするが、人との出合いがあなたをつくる。僕も色々な人にあって今の自分がいる。そういう意味では感謝しかないが、あなたが、そう僕が、そうやって出会ったり何かをしたこと、そういう自分自身へも感謝をしている。そこに対してスキルとかノウハウとかってちょっとしたことだけでしかないので、やはり仕事に限らずなんだけど、出合いを大事にするのってとても大事なことなんじゃないかと、再確認できた。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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