アイデア出しをAIに任せられるか?
このネタ何度か考えているんですが、実際にやってみたメモはなかったので共有してみます。
とはいえ、大した話ではないです。
結論
- ChatGPT-3.5(無料版)では、アイデア出しをすればそれっぽいアイデアが出るが、それっぽいアイデアが出るのであり、新規性、意外性、インサイト(洞察)などを期待するのは難しい
- Bingでも同様と思われる
- よって、対象とするテーマに無知か、ほとんど知らない場合は面白く、参考にはなりえる。知っているとほとんど参考になりえない。
- これが、0点→20-30点まで上げられるという根拠であり、それまでしかない。人が学習して補うしかなさそう(笑)
完全に任せることは難しいし、一部も品質の低いものなら可能。品質を何と定義するか次第によるので、一概に任せられるとは言えないのではないかという着地です。
やったこと
以前個人開発者向けのアイデア出しネタ帳というのを出しました。アイデアが10個ほどです。これはかなり制約があるのですが、これを一旦アイデアの定義というか、ベースですね、としてこういうものがAIに出せるかを検証してみました。
本は売っているので個人開発者さんとかで「ネタないから何でもいいからくれ!」という方はぜひ買って下さい(笑)
問いかけ
ChatGPT-3.5に対して、わりと加工したプロンプトをぶつけています。
個人開発者が作るとお客さんが喜ぶアプリやWebサービスのアイデアを考えて、10個ほど教えて下さい。アイデアの概要のみで140字以内で構いません。利用者のどんな課題を解決するかを明示してください。既存にあるかどうか「新規性」を1から5の5段階で評価してください(1が新規性が全くない、5が新規性とてもある)。
条件は以下のとおりです。
条件
1.ツールサービスとする。電卓、文字カウント、要約サービスなど。
2.収益は広告をメインとする。ある程度のPVが見込めるか、有料課金でも使いたくなると尚良し。
3.既にあるサービスでも良い(市場があるということでプラス評価)
除外
1.ユーザー投稿型、マッチングサイト(集客が大変なので)
2.ゲームやエンタメなど(作成が困難、技術がいるため)
という感じです。こうすると、どういうものが出てくるかということで一例です。
ChatGPT-3.5の出力
- 仕事効率化ツール: タスク管理、スケジュール管理、チームコラボレーションを一元化。カレンダー連携やリマインダー付き。
課題解決: 仕事やプロジェクトの管理を効率化し、時間の無駄を減らす。新規性: 3- レシピ管理アプリ: 冷蔵庫の中身からレシピを提案。食材の賞味期限管理も行い、ムダなく料理を楽しめる。
課題解決: 食材のムダを減らし、料理のバリエーションを増やす。新規性: 4- 健康管理アシスタント: カロリーカウント、運動トラッキング、食事プランナーを提供。カスタマイズ可能で使いやすい。
課題解決: 健康維持や体重管理を支援し、ユーザーのライフスタイルを改善する。新規性: 4- 学習管理アプリ: 学習時間の記録、進捗管理、カスタム学習プラン。ポモドーロテクニックやリマインダー機能を搭載。
課題解決: 学習計画の立案と実行を支援し、効率的な学習を可能にする。新規性: 3- 旅行計画アシスタント: 予算設定、観光スポットの提案、日程調整。天気予報や交通機関情報も提供。
課題解決: 旅行計画の立案と実行を簡素化し、ストレスフリーな旅行を実現する。新規性: 4
なんかそれっぽいなあーと思うわけですが、ぱっとみてよくありがちですよね。だから駄目ではないですが、再作成しても、変わらないです。10回以上やっても。新規性はほぼ意味がないでしょう。それを判断する視点をもっといれてどこまでいけるかですかねえ。その時間を他のインプットや人間が思考する(着眼点を得る)方が有益かと思います(笑)ここはさじ加減ですね。
上の条件は、個人開発者が作る上で、Kindleで出したものとほぼ同じです。別に被ってもいいというか、既存のものでもいいんですよ。ですが、なぜそれかというところを、人間の視点、誰かの視点で言って欲しい。それが多分頑張っても無理か、身体性がないものがでてきてしまうのでしょう。そこが限界ですね。
Bingで創造的にでも同様
Bingでもやってみましたが、同様です。Bingだと何度か同じことを聴くとバグる感じです。何も出さなくなる。新しいトピックでも同じ質問だと同じ答え=上で言う同じアイデアをだすので使いづらいですね・・・。
雰囲気だけで以下のようなものを出してきます。
はい、他にも個人開発者が作るとお客さんが喜ぶアプリやWebサービスのアイデアはあります。以下に5つの例を示します。
- オンラインポートフォリオ:自分のスキルや作品を紹介するWebサービス。テンプレートやカスタマイズ機能を提供する。利用者の課題は、自分の実績や能力を見せたいということ。
- 動画ダウンローダー:YouTubeやTwitterなどの動画をダウンロードできるWebサービス。動画の品質や形式などを選択できる。利用者の課題は、オフラインで動画を視聴したいということ。
- オンラインクイズ:自分でクイズを作成して他の人と競うWebサービス。カテゴリーや難易度などを設定できる。利用者の課題は、知識や教養を楽しく身につけたいということ。
- オンラインカレンダー:自分の予定やタスクを管理するWebサービス。リマインダーや共有機能などを提供する。利用者の課題は、時間管理やスケジュール調整をしたいということ。
- オンライン辞書:任意の言語から任意の言語に単語やフレーズを検索できるWebサービス。発音や例文などを表示できる。利用者の課題は、外国語の単語や表現を調べたいということ。
これらのアイデアは、個人開発者が作りやすく、広告収入や有料オプションなどで収益化できる可能性があります。また、既にあるサービスと競合する場合でも、機能やデザインなどで差別化できると思います。どのアイデアが気に入りましたか?
Copilot(Bing)の創造的モードでの出力
まあここまでで明確なのは、こういうアウトプットは出せるからこそ、これが良いとか面白いと思えるとか、参考になるという「人側」の判断があれば使えるでしょうと。でなければ使えない。
ここでは厳しいなというところでした。もっと条件を狭めたりしても、結局細かすぎれば分からないし、身体性というのがいかに大事かが分かったという結果でした。
どう使えばいいか
このようにアイデア出しで使えるか、僕からすると激しく疑問です。というか使えません。なので、使えるというのも、アイデアの粒度や定義次第です。
ものすごくざっくりですが、
- アイデアレベル0:何も知らない→聞いたら出すので満足!
- アイデアレベル1:少し知っている→知らないものがあればいいよね。
- アイデアレベル2:普通に知っている→出すものが既視感、期待値と違うかな?使えるとはいえないかも
- アイデアレベル3:該当分野を知っていて詳しい→既視感だし、切り口にも難しいかも
という感じです。
ここで、アイデアレベル0とは初学者や経験値が浅い人、1までくらいですかね。2だと少し考えたりやってる人です。例えば個人開発者がアイデアを求める時に、アイデアを出したり考えたことがあるとかって人ですかね。3は僕のようにアイデア出しができる人、発想法を持っているとか、上級者ということです。
よって、0や1の人は満足するのかなと。それを0→30点とかって例えでいっています。ですが、2や3の人には、それは使うに値しないし、やったところでとなります。
創造的なものをAIに期待するのでなく、人間側が創発してそれを創発がないところを求めるのがいいと。つまり、アイデア出しは人間がして、そのアウトプットをまとめるとかの作業をAIにするのが多分共創という着地なんだろうと僕は考えています。
24時間働ける「AIセールスマン」に勝てる? 今人間が磨くべきスキルとはという記事が面白く、AIやっぱ創造弱いかなと。抽象化とかもですよね。それは人間がやるしかないと。ますます抽象化と具体化が流行りそうです。そういうセミナーでもやりますかね(笑)
この記事で図解がありますが「人間とAIの得意領域」がまさに僕の感じたとおりです。容易とありますが、人間の脳を持っていれば?誰でもトレーニングすれば僕は出来ると思いますから、そのとおりです。そうではない見解もあるかもしれませんが、それはそれで聞いてみたいですね。
おわりに
だからこそですが、僕のようなアイデアを出せるとか、アイデアを出す人は不要ですよねーとは幸いならないんですね。ありがたいことですが、やはりアイデアが面白いのは身体性があるし、そこで色々できるからですよね。切り口や着眼点は人次第で色々あるんですよと。だから、誰でもできるし、自信を持って下さいと、僕も持てました(笑)
だからこそ、紹介しているネタ帳なども読まれているのですが(ありがとうございます!)、欲しい人はいるんだなあと。続編も作るのでお待ち下さいね。
人間=僕がやれることはまだまだありそうです(笑)
筆者プロフィール
- 「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介、仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューやお問い合わせはお気軽にどうぞ。
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