生成AIを使ったアイデア提案の考え方

以前書いたか忘れたのですが、まあアイデアコンペとかでも、明らかに生成AI(ChatGPT等)を使っている人がちらほら見えてきました。

ここではその考え方について、僕なりに示します。

僕の方針

アイデアを出してお金を頂く身からの意見です。

まず、生成AIやChatGPTはパートナーであると思います。故に、パートナーのアウトプットをそのまま使うのはアウトかなと思います。実際にプロであれば、そのアウトプットが品質として満たしてないのは普通だと思います。つまり、アイデアとしてそのまま使えないということ。

一方で、生成AIを使ってアイデアを出すことは僕は推奨すらしていいと思います。ここの「生成AIを使ってアイデアを出す」の意味が伝わってないか、誤解、誤読をするケースが多いのかなと思いますので、整理しておきます。

いずれにせよ、AIは道具としてうまく人側が使っていけばいいので、規制とかは違うかなと。一方で見誤るとカオスになり、不幸になると。というわけで、道具をうまく使ったほうがいいという着地となります。

生成AIでアイデアを出すとは?

大きく2つ分かれます。

AmazonのKindleなどでも書かれていて参考になるのですが、生成AIのアウトプット使うことと、生成AIにアシスト(補佐)してもらう違いです。

これはうまい分け方なので、そのまま使わせてもらいます。

1.生成AIのアウトプットをそのまま使う(生成AIそのまま)

アイデアでいえば、「ラーメン屋の集客するアイデアを考えて下さい」とChatGPTに打てば答えをくれます。各自試してもらえばいいのですが、雰囲気だけいえば下記のようなアウトプットがでてきます。

ラーメン屋の集客を増やすためのアイデアはたくさんあります。以下にいくつかのアイデアを挙げてみます:

  1. SNSキャンペーン: InstagramやTwitterなどのSNSを活用して、美味しそうな写真や動画を定期的に投稿し、フォロワーを増やすことで集客を促進します。特別なキャンペーンやプロモーションを行うことも効果的です。
  2. ローカルイベントへの参加: 地域のイベントやフェスティバルに出店することで、新しい顧客に直接ラーメンの味を試してもらう機会を提供します。
  3. 地域コミュニティとの連携: 地元の学校や企業、コミュニティセンターなどと提携して、特別なイベントや割引を提供することで、地域住民にラーメン屋を利用してもらいます。
  4. オンライン注文の促進: ラーメンのオンライン注文やデリバリーサービスを強化し、利便性を高めることで、忙しい顧客や外食が難しい顧客にもサービスを提供します。
  5. リピーター特典: 定期的な来店や特定の金額を利用するごとにポイントを付与し、リピーターを促進するロイヤルティプログラムを導入します。
  6. クーポンや割引: 新規顧客の獲得やリピートを促進するために、クーポンや割引を提供します。例えば、誕生日割引や友達紹介プログラムなどがあります。
  7. 季節限定メニュー: 季節ごとに限定メニューを提供し、顧客の興味を引きます。季節感を大切にしたラーメンや季節の食材を使った特別メニューを提供することが効果的です。
  8. 店内イベント: ラーメンの味や文化に関するイベントを定期的に開催し、顧客とのコミュニケーションを深めます。例えば、ラーメン作り体験会や食べ放題イベントなどがあります。

これらのアイデアを組み合わせることで、効果的な集客戦略を構築することができます。

ChatGPT 3.5で「ラーメン屋の集客するアイデアを考えてください」でのアウトプット

これらのアイデアが優れているかですが、これについては人側の判断次第です。これらはGoogle検索して何か集客のヒント◯◯選みたいなのと似ていますよね。なのでこれらのアイデアに大きな価値はないと僕は考えています。

例えば、SNSキャンペーン自体のアイデアは別に普通です。ただ、ここでいうアイデアとは「ラーメン屋でどうすると集客に結び付けられるか」の具体的なものですから、多くは「期待するアイデア」ではないはずです。

よって、このアウトプットをそのまま出すのは、厳しく、もっといえば、AIに聞けばいいわけです。つまり、AIが何らかの事情で使えないクライアントでも、このアウトプットで満足する人はいないと思います。いればそれはいいのですが。

問題はこのアウトプットを見慣れている、少なくとも僕はですが、すぐ見れば「あーこれChatGPTっぽいな」というのが分かります。よって、色々な人が使った場合「これ、ChatGPTでだしているね」で終わり、色々な「ChatGPT」が出したアイデアが集まると。別にAIだろうが人だろうが関係なく、優れていればいいのですが、そのまま使うと「このレベル」という認識です。

ちなみに、勝手にですが、このレベルのアイデアは「AIレベルのアイデア」として、機械的、テンプレート的アイデアということで、アイデアのような格好をしたアイデアという僕の評価です。

AIを使ったアイデアというのはこれではありません。AIに出してもらったアイデアというのがこれですね。

ここで僕がこういう問いかけをAIにしてはいけないということを言いたいのではないです。これを人に、少なくとも仕事として出しちゃ駄目ですよねという話です。自分、つまり僕が遊びで「ラーメン屋」の集客を考えるならこれで遊んでいればいいだけです。それは趣味です。自分の話ですから。ですが、仕事となるとき、お金を頂く可能性が高くなるのであれば、まあ辞めたほうがいいというわけです。

2.生成AIを用いてアイデアを出す(生成AIをアシストで使う)

こちらが主です。

つまり、生成AIを使って、道具としてパートナーとして一緒の壁打ち的に行っていって、アイデアを出すということです。

具体的には見てもらったほうがいいので先回出した記事がいいかなと思います。

例えば個人開発者がWebサービスみたいなアイデアを出したいという場合はこちらで考察しました。

要するにアイデアの骨子やアイデア自体の材料はこっちで投げつつ、それを受けてそこで気づいてこういうことですか?これもあるよねという形で「壁打ち」をするということです。よって、人側が考える必要があり、9:1くらいの割合で人が9です。AIが1というのはアシストしたりしているだけです。さらにいえば、アイデアをまとめるのは出力はAIですが、やりとりから出したアイデアは人側ですから、それでまとめるのはアシストしているだけということですね。AIが出しているが、インプット自体が人間がしているのがポイントということです。

もっと分かりやすく違和感発想法というので、端的にアイデアを出しているのもあります。これは逆質問という形なので、AIは完全に「道具」です。ここまでやれば、AIがアシストしていることは明確だと思いますがどうですかね。

つまり、生成AIは道具として用いるが、先の1のように「そのまま」使うことはありません。分かりやすくいえば、「問いかけ」は最初は「ラーメン屋の集客アイデア」でいいんですよ。そこから、さらに気になったものを選んでこれはどうか、と考えていくことならありです。スタートが多分ですが同じ質問だと「答えも似通う」ので刺激として似てくるので、似たようなアイデアになるかなという気もします。

たまたま同じことも人でもありますが、一方でネタや刺激を日々入れていないと新しいネタとか視点はないと。だから日常観察が大事ということを僕は言っているわけです。

アイデアで生成AIを使うとは、アシストの意味

ここでアイデア出しにおいての話をすれば、アシスト的に使っているというのが僕のケースです。これは周りでAIを使う人でもほぼ合意が取れていて、アイデアの骨格を投げて、それを肉付けしたり、最後にまとめたりということです。

シンプルに文字を打ち込むのがだるいとか、まとめるのがだるいという人はいるわけです。ただそれは「要約、アイデア出し」ができないのでなく、できるからこそ「任せる」ということです。ここはかなり大事です。人側が出来るからこそ、AIに「切り出して具体的指示を出して使える」状態にしているんですね。主従は人が主であり、AIが従なわけです。

Lancersもそういう気配があるのか、早速手を打ってきています。

ランサーズ、仕事依頼における生成AI「使用許可・制限」の選択機能をリリース

これは依頼者側が依頼時や公募時に選べるわけです。当然使用許可を推奨すると読めますが、嫌なら制限すればいいと。その場合、使う方が人は集まるし、制限だと集まらないかもねというニュアンスがあると。

それはいいとして、ここで依頼者側が生成AIを使って良いというとき、作業者であるランサー側は申告できるわけです。これも必須のようです。この時、生成AIを使用している、というところで、「アウトプットそのまま」or「AIアシスト」なのかが問われるかなと。

実際にLancersの提案画面を見ると、文化庁の資料がでてきて、AIそのままは著作物ではなく、アシストは著作権は人側にあると読めます。なんですが、この話は著作物とは出来てそれがどうかという判断となるので、わからないのが実際です。令和5年度 著作権セミナーA I と著作権

著作権は一旦おいておくとして、生成AIとしてそのままアウトプット!をしても、そもそも著作権が発生せず(安易なプロンプトだと真似がすぐ出るので、フリー素材化するみたいな感じですかね、すでにChatGPT4のダリのアウトプットは見慣れてきてますから飽きますよね?そうでもない?)、かつそれでも著作権違反かどうか(明確に誰かの真似でがなければクリアにもならないので)も怪しいので、使うリスクが高いというのが僕の見立てです。

なので、アシスト作戦がベターで、アウトプットそのままはアイデアの話でもまあ質も駄目なのでやめたほうがいいと。

ちなみに、こちらが考えずに質問を投げてAIに考えさて出させるのもありですし、そういうアイデアも面白いです。ですが、その場合考えさせている時点で結構クリエイティブなので、シンプルにその質問ログを取っておいて、ChatGPTならURLで共有できますが、自分が考えたということを主張できそうです。ただそれが有利になるとかは分からないですよ。

クラウドワークスなどではそれらの話は見てないのでまだ対応はしてないかもしれません。または考え方が違うかもしれないですね。

まとめ

簡単にまとめます。

  • AIを使うのは全然良い。
  • ただ、AIのアウトプットをそのまま使うのはNG
  • NGの理由は、そもそも簡単な質問からのアウトプットなら似ているものが生まれること。同時にそれはほぼ価値がない(わかりやすくいえば、Google検索で出てきた1件目の記事をコピーして貼り付けたような)から。そしてアイデアとしても既視感があり、クライアントが欲しいアイデアとなっていない恐れがあるから。
  • 仮にそれで満足するクライアントがいる可能性もあるが、シンプルに安くなり、かつアイデアが評価されるのでなく、単なる「アイデアのようなもの」があるだけとなる。
  • OKの場合とは、AIをアシスト的に使う場合。自分で、人が考えるのを補佐する使い方。人が考えたことをAIがまとめるケースなど。これはAIを用いているがアウトプットは人がほぼ考えているので、僕は価値があると考える。またおそらく著作権は発生するが、アイデア自体は著作物ではない(企画や文章など何か違う視点が必須なので)点は留意が必要。

よって、人が考える割合とか、人がアイデアを入れる(実際にAIのアイデアはアイデアというよりも、人のアイデアを学習した、のであって、厳密には異なるんですね、僕の感覚では)、または刺激を入れることで、AIがまとめたり、散らしたりしてくれて、「人が気づいて」さらにアイデアをだすというイメージです。

あとは少し書いた、最初の質問がシンプルで平易でも、そこから元にして考えればいいんですね。この場合も「AIアウトプットをそのまま使う」わけではないはずです。この違いですが、人側のインプットや思考を入れて、AIが自分の思考を取り入れているかどうかということでしょうか。具体的なキーワードとか、人が考えた視点とかがあるかどうか。それを取り出すのは難しいと思う人もいるかもしれませんが、アイデアを出す人であればそれは結構簡単に「取り出せる」と思います。

でないと、AIを使ってアイデアを出すということはできないんですね。そうでない、つまりAIのアイデアと人のアイデアが区別できないというところの人こそが「AIアウトプットをそのまま使う」ということになりそうです。

当然ながら、僕に「アイデア」を出してもらって作ったのは「AIですか?人間ですか?」は判定できないですよ(笑)という意味で、人を信じるしかないです。AIを使っている(アウトプットそのまま)なのに、申告しない=信頼されないですよね。AIアシストはどちらもでいいと思いますが、不安な人はそこを提示することで逆に信頼になるかなと思います。

AIとアイデア出しについてはこんなところでしょうか。参考になれば幸いです!

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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