ChatGPT-3.5を刺激としてアイデアを出す実践例

先回記事で、AIにアイデア出しを任せられるか?というのを書きました。見ていない方はこちらです。

結論は、アイデア自体なんでもいいという人なら「その意味で」なんでもいいので満たされると。ただ、少し考えると多くは使えないアイデアというか、厳しいなと。

一方で「AIでアイデアを出す」とは、人側が良いアイデアとか、気づけたと思えばいいわけです。正確には「AIを活用して人側に刺激を与えて学ぶことで、アイデアを出す」ということです。これならありだなと。

というわけで、「AIにアイデアをもらう」「AIに即使えるアイデアをもらう」は前から出来ないことが明確です。一方で「AIを利用して人側が気づいて創発する、人側がアイデアを生み出す」ことは可能と考えます。

結論

  • AIを用いてアイデアを出すことは可能
  • この場合アイデアをくれる「自販機」みたいなものでなく、あくまできっかけやヒントであり、情報などである。それを元に人が考えることで、気づく、学ぶことでアイデアになることがある。
  • 抽象化すればその刺激はニュースや別のものでも良い。
  • もっといえば、こういうアイデア出しができる人は、別にAIの対話でなくてもいいことも分かる。
  • 例えば、疑似チャット(一人二役)で会話すればアイデアは出せるが、やや疲れるのでAIのほうが楽ともいえる

試行した5つのアイデア

個人開発者向けネタということで、先回もやりましたが、同じテーマでやっていこうと。

今回は、ChatGPT-3.5のリンクもつけたのでそのまま見えます。やり取りが見えるので参考になるかなと。

1.個人開発向けのお菓子 1500文字

  • このケースでは明確に筆者が「お菓子」と言っているので、AIが具体的なアイデアをくれたわけではない
  • やりとりから「健康を気遣う」のを重視したいので、そうでないお菓子は要らないことが磨かれたのはAIのおかげ
  • やり取りは短いがこういうのもあり。

2.個人開発向けのMVP支援サービス 5300文字

サービス概要

MVP開発支援サービスは、プログラマや個人開発者のためのアイデア整理とプロトタイプ作成をサポートする。付箋3枚で「誰」「課題」「解決策」を整理し、ノーコードツールでプロトタイプを作り、URL共有してフィードバックを得る。効率的かつ効果的なMVP開発を促進する。

最後にまとめてもらったものが概要です。いい感じにまとまりましたね。

  • 今回は最初のアイデアとして、想定するプログラマなどの技術者は作りすぎてしまうという課題があるとした。
  • MVP自体はそういえばあるなとAIの仕事として良い
  • 筆者側でMVP専用秘書、つまりプログラマに作らせないか作らせすぎないことを狙うアイデアを付与
    • もっといえば、作ることで時間が無駄になるなら、それ以外のニーズ調査とかしたほうがいいじゃないかというのが根源にある
  • やりとりで冗長なものもあるので、そこを定義ピックアップするか、スルーするなど取り出しはポイントかも
  • MVP開発自体は既にあるし、(https://www.jiitak.jp/services/mvp-developmentみたいな)支援サービスもあるが、多くは「MVP開発」をすることでお金を取るのでこのサービスは「個人開発者」が「MVP」をつくる際に、作りすぎず適切に作り切れるのがポイントとなる。
  • 本アイデアは結構良い気がする。ラリーをして深めつつ、まとめてもらうのが良い流れ。

3.AI利用がうまくいかない人のための質問再定義サービス 1.3万文字

サービス概要

概要

質問再定義サポートは、AIを利用するユーザーが質問を再定義し、より具体的な情報を得るためのサポートを提供するサービスです。ユーザーが投稿した質問を自動的に分析し、質問を再構築するための具体的な質問や情報を提示します。これにより、ユーザーは自身の課題や問題をより明確に把握し、適切な解決策を見つけることができます。

特徴

  1. 質問の再構築: ユーザーが投稿した質問を自動的に再構築し、より具体的で理解しやすい形に変換します。
  2. 具体的な質問の提供: ユーザーに対して、再構築された質問や関連する質問を提示します。これにより、ユーザーは自身の問題をより深く掘り下げることができます。
  3. 質問再定義支援: ユーザーが自身の質問を再定義する際にサポートを提供します。具体的な質問の作成や、質問の意図や文脈を明確にするためのアドバイスを行います。
  • これはやり取りが多かったのもあり、より明確になったかなと。
  • 最後ターゲットを出したのですが、お客さんは「AIを使ってうまくやりとりが出来ない人」なので、AI研究者とかは駄目ですね。プロですから。
  • 実装はAPIを裏で回せばいいのでそこまで難しくなく、ここで何度もやり取りしているのは「質問の再構築」「質問の再定義」ということです。メタ的にこれができるかどうかがポイント
  • 得意な人はAIにこれらを聴くことができるが、得意でない人はそもそもどうしたらいいかわからないので止まってしまう恐れがあるという課題感から
  • ここで「質問の再定義」を導き出したのは筆者の中では発見となる。具体化だけでなく、質問、具体例、例え、繰り返すなど、AIの特徴も列挙してくれるので理解が深まった

4.ユニークな広告枠を提供する広告プラットフォーム 6000字

サービス概要

概要: ユニークな広告枠を提供する広告プラットフォーム。企業のブランディングと地域経済の活性化を支援し、持続可能な活動や社会貢献活動に関連した広告枠を提供します。

顧客: ユニークな広告手法を検討する企業。特に、社会貢献活動や地域コミュニティに関心のある企業に焦点を当てます。

課題: 広告主側が適切な広告枠を見つけられておらず、広告効果が期待できない可能性や、広告効果の評価が不十分であることがあります。

  • 最初は軽めで聴いて少しずつ気づいて思いだしていったもの。
  • グリーンバードの協賛広告串カツ田中のスポンサー広告などが面白いなあと。ただこれは筆者側の思いだしやリサーチであり、AI側ではない
  • AIがプラットフォームを連呼してしまったので多少うるさいケースとなったが、逆にそれではないということが明確になった
  • ツール感は出せないが、まあこういうニッチ広告を集めるのもいいんじゃないか?というところで。
  • ラリーは少しはできたが、顧客の解像度や課題感も曖昧なので、ややアイデアとして粒度が粗く微妙というところ。とはいえ、これは筆者側が甘いのでそれなりのものになる。
  • 逆にいえば、気付きが多く、ラリーが続けばそこそこの精度のアイデアになるともいえる。

5.自分ではコンテンツ化できない人向けのコンテンツ生成支援サービス 7800文字

サービス概要

サービス概要:自らの経験や知識をコンテンツとして表現する難しさに直面する人々に、手助けを提供する自動生成ツールです。ユーザーが提供した情報を元に、最適な形式(動画、テキスト、資料、画像など)のコンテンツを自動生成します。

対象者:コンテンツ作成に不安を抱える個人や企業、ブロガー、コンテンツクリエイターなど。自らの経験や知識を効果的に発信したいが、方法や手法が不明確である人々。

課題:自らの経験や知識をコンテンツとして表現する方法が不明確であること。コンテンツ作成に必要な技術やスキルが不足していること。時間や労力をかけずに効果的なコンテンツを作成する方法が分からないこと。

  • これはシンプルだが、結構いいかも
  • 課題感として自分の経験や知識はあるがコンテンツ化出来ない人は結構見られるし、見たこともある
  • そういう人は販売に課題を持つがその前に商品化、コンテンツ化できないことが多い
  • そこで、対話型AIで、今回なら上のURLチャットやり取りのこと、を貼り付けるだけで、好みのアウトプット、動画でも、テキストでも、資料でも、画像でもつくってくれるというもの。
  • 既に色々なAIが色々なアウトプットをできるがそれを選んで使うのでなく、自動的に選択してくれるのがポイント。最適なものを選ぶ人の仕事はゼロにはできないが、かなり効率化できそう。
  • これでプロトタイプをつくっていけば、制作をする前に色々と分かることがありMVP的にも使えそう。

やってみたところでの気づき

  • このように僕が聴いてやりとりすれば、自分が気づくのでアイデアは生まれる。という意味のアイデア支援やアイデア出しがAIでできるのはありだと思うし、その理解は適切。
  • 逆に言えば、回答を見ても何も脳が動かない、頭が動かないのであればそのまま、何も生まれないし、アイデアでないので使えないとなる。使っているのは、あくまでAIを刺激としているのであって、人間側の考えや思考を形にするのは変わらないというところ。少し省力化できるかもしれないが、インプットや考えることをサボれないので変わらないとは思ったりする。
  • まとめたりはやりとりをまとめることはAIは得意なので、やった分は綺麗にまとめてくれるし、そこはco-pilot的だなと思うし、良い形だなと思う。
  • このようなやり取りをみて、僕の壁打ちを考えると、AIのようではないが、相手が望むか、またはずらしたりと考えつつ、ということになるのでやはり頭を使うし、疲れるものだと思ったりした。
  • 人側がアイデアや気付きを出せるかにかかっているので、AIの回答から脳に刺激を与える感じで使うと多分パフォーマンスは出ると思う。

というところで気づきは結構あった。

AIでアイデア出しをするコツ

アイデアを求めるのでなく、人側で創発するという前提。

  • 具体的なネタを放り込んだほうがいい。自分の体験、感じたことなどはかなり大事なエッセンス。それが少しでもあれば広げてくれる。
  • 回答を鵜呑みでなく批判的に見つつ、自分でそういえばこんなのあったなと思いだしたら教えてあげてもいいし、自分でメモしてもいい。そうやって広げていくのがコツ
  • 議論ややりとりはまとめてといえばまとめてくれるし、課題や概要や対象者などでそれだけ引っ張り出すこともできる。文字数指定も出来るので短くしたいなら「50字で要約」とかもできるはず。出したことをまとめるのは優秀なので使うべし。
  • ラリーを続ける回数ややりとりの文字数に良いアイデアは比例するのかなと思う。ながければ良いかというわけでない。アイデアを出そうとする人側の気持ちがタイピング文字数を増やし、質問数を増やす。またAIの回答から気づきやすく(何か学ぼうとするので)なるという感じ。くどいが、長くすれば出るわけではない。

課題感

では課題は何かというと、先回示したように、アイデアレベルが初心者であれば、AIにアイデアを聴いて満足できるか、ラリーは数回でも良いと思う。期待値が低いので何でも良いというレベルだからだ。

少し使えたり何か自分の材料(個別化、具体化)をしていくとなると、その言語化を人側がする必要がある。ここで壁が出てくると思った。出来ればいいけど、スムーズにできないのでめちゃくちゃ疲れるか、そんなことまでいわないといけないのかとコストや負担がかかるからだ。

そのために、上でいう3の再定義みたいなサービスも生まれたりした。誰でも出来ると思えないが、具体化と抽象化自体は、人側がかなり問われるのでその面で人側のニーズがかなりあるのではないか。つまり、具体化レッスン、抽象化レッスンみたいな仕事が生まれるかもなと。やれといわれても結構むずいかもしれないが、どこかでやるかもと。

つまり、言語化や質問などをしっかりできる人は相応の気付きを得られるはずで、つまりAI回答から気づく、思い出す、関連づけるができるので、アイデア出しに使えるかもしれない。一方でそれが出来ない人は、インプット不足や経験不足、または言語化不足であると。そういう課題を抱える人に、AIが使えるかは疑問で、これは当初の直観と変わらない(ChatGPTブームが始まった2023年2月頃?から変わりがない)気がする。この点を指摘して差が広がるというか、その通りだと思う。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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