アイデア売買サービスがうまくいかない理由を考えてみた

アイデア売買系サービスは個人的に好きなので色々と触ってみてを繰り返しています。そこで思ったことというか、おそらく駄目ポイントというのが見つかっているので、共有したいと思います。

アイデア売買サービスを作りたいとかって人でその前に考慮したほうがいいとか、ここを逆にクリア出来ればチャンスあるかもです(笑)ですが、夢も何もないですが、僕は現時点ではこのアイデア自体は難しいかなと捉えています。

その上でやるならオッケーです。ただそこを乗り越えてやれる人は相当の人かなと思いますよ(笑)

アイデア売買サービスのパターン

1.アイデア自体を売買する

ストレートで分かりやすいです。アイデアを投稿する人と、買う人は分かれていますが、アイデアが欲しい人は買う=アイデアを売りたい人は売るでマッチングします。

事例1:ビジネスアイデアネット広場

ビジネスアイデアネット広場は審査性のアイデア投稿サイトです。審査が通ると詳細を閲覧する購入者は1件140円で買えます。アイデア投稿者は課金された場合に限り60円が還元される仕組みです。

事例2:不満買取センター

不満買取センターは「アイデア」ではなく「不満」ですが、生活者から1個10円で不満を買い取ります。純粋なアイデアではないものの、この仕掛けが面白いです。

2.アイデアのロイヤリティを得る

ここでいうアイデアの種は完成されたアイデアというよりも、商品開発のアイデアでそのまま実行はされないが、人気や手ごたえがあるものを買い取る形です。

事例:アイデアステーション

アイデアステーションは、商品アイデアの発明サイトのようなものです。投稿して商品化される見込みがあると、希望小売価格(税抜)×販売数×2.5%のロイヤリティが投稿者が得られます。

3.アイデアで交流する

基本的にアイデアによって金銭的報酬はほぼないか、少額が得られるものです。交流によってアイデアの価値を磨く、問い直す、新たな視点に気づく(投稿者も利用者も)というのが大きな特徴です。

事例:Blabo!

Blabo!はアイデア投稿コミュニティサイトです。企業のお題に生活者としてユーザーが応える形で投稿します。アイデア賞やギフト券などがもらえる形です。投稿アイデアで「売買」するという感覚はほぼなく、アイデアでそこにいるユーザーがワイワイ楽しんでいるのが強いです。

以上が、アイデア売買サービスのパターンです。1がストレート型でやるか、アイデアの粒度を変えていく2か、交流型の3というところです。実際には、交流要素のある買取とか、そういった複合型が多いかなと思いますが、基本どれかを含んでいるかなと捉えています。

他にアイデアコンテスト型もありますが、案件や頻度からアイデア売買サービスとは勝手ながら異なる印象です。もちろん、コンテストで入賞して賞金が出ることも「アイデア売買」となりえますが、多くはアイデアという素朴なものでなく、企画やビジネスアイデアとなります。例えば、Wemakeなどです。GIRONのようにアイデア売買とは言わないけれど相談に乗るある種のスキルシェアという着地もあるかなと思います。

よくあるアイデア売買サービスの失敗例

1.アイデア投稿が集まらない

投稿型サイトの宿命でもありますが、必要なユーザーに届かないというパターンです。そもそも「必要なユーザー」がいないということもありえます。またいても、その人達が定期的にアイデアを投稿し続けるかというと、冷静に考えると結構大変です。

インセンティブ設計として、ここに「買取でお金がもらえる」というのはありですが、もっと冷静に考えると「アイデアの価値を買い取る価値以上に運営側が高められるか」だけなので、それが出来ないことのほうが多いと思います。

アイデア自体もですが、投稿者が集まらないと、アイデアマッチングとしてはうまくいかないところです。

ヒント

最初の顧客など初期ユーザーの獲得方法まとめなども参考にしてみてください。自分で投稿したりというドッグフードは必須かと思います。過疎感を出さないという意味では、目安は自分で100アイデア出せるかどうかかなと思っています(笑)

2.アイデアの買い手が集まらない

僕も経験していますが、買い手であるのは個人でなく、企業などが多いかと思います。ただこれも冷静に考えるとアイデアが欲しい企業とは一体なにかとなります。アイデア自体の価値の議論はおいておいて、「買う」価値があるかどうかだけですが、「言うだけ」なら何でも言えるので、「その内容がそれなりに使えそうだ」という実行性がある場合に価値になるでしょう。

アイデア投稿はあるがそれらを買い取る買い手が集まらないというのもありがちです。マッチングサイトでなければ、上の1,2も回避できます。例えばアイデアをプールしておいて、不満買取センターのように売る、使ってもらうというのは優れていると思います。そもそも、買う人でないのに「閲覧」する意味はあまりないからですね。買う人しか見せなくていいわけですから、もっといえば「誰もがアイデアを見える必要性」がないのかもしれませんね。

3.売買出来るアイデアが生まれない

上の1,2を満たしても、1のアイデア投稿があったとしても、そのアイデアの質に注文をつけるのは困難です。ユーザーの教育とは言えるのですが、これはなかなか難しい感じがします。

そして根源的な問いとして、アイデア自体の価値ってなにかというある種の哲学的な問いになりがちです。実際にアイデア自体が価値はニュートラルであり、使えるという人が使って価値となります。これは企画アイデアがあっても、アイデアを見た人が実行できないなら価値が薄れるのと似ています。

マッチングの精度もあります。例えば、まちづくりをやりたい自治体があって、そのまちづくりアイデアを求めるのに、ビジネスアイデアしかないならミスマッチですよね。これは笑い話でなく、よくあります。それくらいアイデアはバラバラなんですね。だからこそ、こういった自治体はアイデアコンテストを行っていますがそれが良い成果となるかは良くわからないですね。アイデアコンテストを否定しているわけではないです。

4.運営者が信頼できない

これはアイデア売買サービスに限らずです。ただアイデア売買サービスというところであるのは、「投稿したらポイントなどで還元する」という実質ポイントはお金になるので、金銭的報酬を与えるものです。ここまではいいのですが、倫理的にNGでしょうが、ここに壁を設けていて結局最低支払残高にならないなどです(笑)

ここまでいくと詐欺といっても怒られないですが、巧妙に「最低支払残高」が登録前に伏せられたり、アイデアの買取条件を審査としてほとんど金額が出ないということもあり得ます。

どちらにせよ、基本的なことですが「運営が審査する信頼性があるか」「支払いについて妥当な条件であるか」というのはものすごく大事です。

一方でアイデアサービスを手掛ける会社はスタートアップや個人事業主など信頼性ではほぼないところも多いです。それをどう利用者が見るか、または信頼される運用をするだけですが、それが出来ないことも多いようです。

5.アイデア自体を運営側が買い取れない

2と似ているのですが、2はマッチングにおける買い手です。ここでは、運営側が買い取ってそれをどこかに売る。別の形で使うということです。具体的には商品開発のアイデアの種として買い取り商品化するのもそれに近いです。みん100は買い取るのでなく良いアイデアならクレジットが載るなどのリターンです。

冷静に考えると、運営側が最もアイデアの目利きが出来るはずで、それでどうアイデアを加工すると価値を生み出せるか。ある種の仕入れと売り先の確保が出来てないと成立しづらいです。それを開拓するのだというロジックは嫌いではないですが、ある程度出来るまでは検証期間とするのが無難ですね。

ここでそもそもプラットフォームやマッチングの価値ってなにかということなのですが、運営側ではできないが、投稿者や買い手がマッチしていくというのは厳しくいえば「甘い」気がします。優しく言えば「そういう見方もあり」ですが、多くはそこまで設計をしていないか、考え抜いてないというところでしょう。仮にガチガチに設計しすぎると利用者が窮屈というのも分かりますが、少なくともある程度仮説やロジックがある前提です。それらの運営側が出来る仮説がなければ、雲をつかむような話と考えられます。

アイデアの付加価値の付け方

マッチングサービスでの展開と似ていますが、純粋にアイデアを出してそれを買い取るなどは100%無理とは言わないのですが、99%くらい失敗すると考えています。この成功率が1%からどこまで上げられるかという感覚が僕にはあります。

では、この1%をどう上げられるか、僕なりに考えているシナリオやアイデアは以下のようなものです。

1.ニッチで特化する

ニッチも特化も同義です。みん100のように100円均一商品のアイデアというように、商品開発でもさらに100円ショップなど特化するということです。そのノウハウ、売れるアイデアはその専門性がなければまず無理です。むしろ、バイヤーであり商品開発をしている人でさえ「困難」なのですから、あくまで本来のクラウドソーシングとしての「群衆の知恵」をうまく使うというのがポイントかと思います。

例えばあなたがランニングが趣味なら、ランニングシューズに特化したアイデアを集める、マッチングするなどです。ニッチしすぎるかと思われますが、おそらく健康アイデアとか、スポーツアイデアのように広げると途端に破綻します。まず濃いユーザーやニッチで刺さるランニングシューズでどれだけ人が魅了できるか。それでいけそうなら、さらに増やせばいいだけです。

もちろん、ネット黎明期やマッチングサービス黎明期であれば「全方位」でいけたわけですが、時代が違うというだけですね。

2.成功事例を見せる

僕が見てきた中ではこの成功事例をβ版の段階(基本1年間くらいですかね)で見せられるところはほぼありませんでした。1年間が長いか短いはその運営側の企業の体力、個人事業主のモチベーションなどによるでしょう。そこそこの期間だと思います。

この間に成功事例を1件でもいいので作りましょう。それがうまくいかないなら、出来るまでやれるかです。出来ない理由や動けないものがあれば、おそらくその先も厳しいはずです。

成功事例とは、アイデアが売れたとか、アイデアを買ったとか、アイデアによって交流が生まれたなどの、サービスが目指す指標やものさしということです。それがそこそこ見えるなら、多分ユーザーはついてくるし、なければついてこないはずです。

アイデアの期待値次第ですが、そもそもアイデア一発でどうなるかを期待する人は意外なことにそこまでいません。山っ気がある人はいると思いますが、良い大人になると(笑)それはなくなります。ただそれで熱量がないというのでなく、「アイデアをどうしていくと価値になるか」は考えていけば、それが簡単ではないことを分かっているからです。だからこそ、少しでも「良い結果だ」で分かるもの、再現性が高いものなら、どんどん見せていくといいでしょう。

アイデア売買だと、アイデアの売買がされるまでが意外に長いので、それを指標にせずに、交流をものさしにしてみるとか、違うもので乗り切るのもありかと思います。

3.買い手を集める

大まかにいえばアイデアを出したい人はいます。アイデアが価値があるか分からない人も多いわけで、それを売るとなると真剣に考える人がかなり少ないからです。ここで問題があるのは「アイデア」というものが、一体なにかです。これを定義出来る人は少ないと思いますが、「新しい試み」というものが一番近い気がします。

そして、アイデアがお金になるかどうかでいえば、短期的にはビジネスアイデアが分かりやすいです。ビジネスで使えるような改善アイデアもありですよね。例えばコスト削減アイデアは分かりやすいです。それをやりたいかは別として、ただ分かりやすい。

中長期的にはビジネスアイデアもありですが、おそらく事業アイデア、事業自体のプロトタイプやベータ版が最適な気がします。一般的にこれらは事業譲渡とか事業売却となるのですが、ここまでくると経験者はかなり限られるのでハードルが高く、何より知見や経験値がぐっと高めです。

短期的に売れそうなビジネスアイデアで、中長期的に事業売却未満となると、結構ふわっとしてきまさう。つまり、アイデアだけにしていないか、検証しているか、出口を見ているかなどです。

買い手が企業であれば、企業で欲しそうなところをどう見出すか、そしてそこに価値がある「アイデア」はなにか。実際は「アイデア」といってなくて、「困ったこと」があるとか「課題がある」ので解決したいというのはありそうです。これらは信頼性がある程度なければ話してくれないので、それこそビジネスをそのためにやるのも大いにありですよね。

買い手があってそこに売る。まず買い手ありきで考えると相当楽です。ただ、その買い手をどう増やすか、見つけるか。ここも課題ですからね(笑)

アイデアは加工した方が良い

僕自身もアイデアが売れるというほうが面白いというかワクワクします。なので、アイデア売買サービスもですが、やる人は基本応援したいところです。一方で、なかなか芽が出ないというか、うまくいかないのも現実です。まあその難しさは僕もやっていると分かっているつもりです。

上の付加価値でも挙げたところですが、やはりアイデア自体をそのまま売るよりも、ひと手間入れて加工する。変形したり調理して味をととのえる。あなたなりの工夫を更に入れる方が僕はうまくいく気がしています。というか、アイデアに固執する意味って僕はですがそこまでないです。

たまたまアイデアというのが面白い、扱いやすい、出しやすいのであって、あとは顧客候補が「こういうアイデアやアウトプットなら買うよ」なら、そうして売っちゃえばいい(笑)そのアウトプットが何かによりますが、自分で出来ないものなら無理ですが、それこそ技術やスキルの話になります。例えば、僕ならリサーチアイデアに入れてしまって、「リサーチアイデア」(ある市場規模を推測するような)を売るよりも、「リサーチレポート」(そのリサーチアイデアを入れてある市場規模を推測したレポート)としたほうが価値が高くなります。

そりゃそうだろうなと思う人はそのように加工してみてください。それがいいと思います。

いやいや、「リサーチアイデア」を売りたいのだという人は、そのリサーチアイデアを分かる人に売ってみてください。「あれ?」と思いますよね。そうリサーチアイデアを分かる人は「リサーチ」が出来る人やリサーチスキルがある技術がある人ですから、そういう人はおそらく「リサーチレポート」が作れる人です。

この考えでいくと、事業アイデアは事業をやっているプロに出したほうが売れやすいです。ただ、この時「事業アイデア」の精度、つまり事業になりえるかを磨いていく、つまりあなたが事業をやるか、それ相応のことをやることでないと、「事業アイデア」をそのまま売るのは、検証レベルもあり難しいわけです。先の確率を高めていくのも結局ここに時間がかかるわけで、楽に儲かるというのはこういうロジックで考えると破綻するのが分かりますよね。

ここでいう加工は結構簡単な組み合わせややり方でいいかと思います。あなたのアイデア×あなたのスキルということですね。アイデアが複数あれば、スキルも複数あれば、掛け算が沢山生まれるので加工した付加価値を出しやすくなるわけです。

もっといえば、実現できる技術やスキルに対してアイデアを入れるということです。プログラミングはソフトウェアのアイデア×ソフトウェア開発スキルですし、デザイナーはデザインのアイデア(ビジュアルとは限らないですが)×デザインスキルというわけですよね。

これは仕事とか職業っぽい視点でもありますが、基本的に個人なら職業や仕事、企業なら事業やビジネスという単位や大きさが変わるだけですが、まとめてしまえば一緒かなと思います。その運用や成立が複雑になりえるとは思いますが。

以上、アイデア売買サービスの話でした。これからアイデア売買サービスをやる人もやっている人も、何かヒントになれば幸いです。

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