新刊書店を開業してサバイブ(成立)させるのは並大抵のことではない

今回は本屋ネタです。

本屋っていいですよね。というか僕は好きです。

リアル本屋ですが、まあ一言でいうと儲からないと。儲からないから駄目とかそういうことでなく、儲からないなりに成り立つといいよねというのが前提にあります。

とはいえ、じゃあ本屋が減る中で、どうやって残っていくか。まあ並大抵のことではない、というのが一つの結論です。

つまり、普通に立っていればそのまま消えるので、そうでないことをやらないと生き残れないと。

これは誰が悪いかというよりも、本屋の役割が変わった、または時代の流れに合わせた取り組みが出来ていないか、その試行が足りないだけだと思っています。では、何をやればいいか、そして何をしなくていいのか、これって偉そうに僕が言えることではなくて(笑)考えますけど、やっぱチャレンジするしかないんですよね。

ちょっとそんな本屋ネタを考えてみます。

書店空白地帯は結果である

持続可能な書店のビジネスモデルとは?那須ブックセンターの挑戦で見えたものという記事が面白かったです。

とはいえ、これは本屋が閉店した話であり、取り組みがうまくいかなかったということになります。

本記事ではマーケティングがうまくいかなかった、ということになるのですが、実際問題、立地ありき(ここでどうしても本屋がやりたいとか、そういうことでなく、成立するモデルを、わりと機械的に選んだ印象を受けます)で、つまり書店空白地帯というところでやれないかというのがテーマなんですよね。

実際にやってみたら、月商300万円では成り立つというところで、でも200万円、つまり3分の2も行かなかった。これは選定ミスとはいえそうですが、実際にやってみて「リアル本屋」で本を売るという仕組み自体を変えないと出来なかったという印象を受けます。

それで本質的には本屋がある方がいいのは異論はないのですが、では本屋がなぜなくなったのか。そして冷静に考えたいのは、痛みとして本屋がなくて困っている人はどれくらいいて、それらの人は本屋があれば買いに来る(スマホコミックで十分ではないということ)のはどれくらいか。それを丁寧に探っても良いわけですね。

ここで丁寧に探るって何かというと、この立地で建てる前にヒアリングして、住民にコミュニケーションしていく、つまり見込み客に聞いてくと。当然「あればいく」なんて浮ついた言葉は信じず、絶対行くというレベルの顧客をどこまで探れるか。

仮にそれをやっていくと、そこでコミュニケーションとネットワークが生まれるので、その結果、3800万円初期投資してやるいわゆる本屋を作らなくてもいいのではなかったかなんておもったりしました。

もっとも創業者がやりたいモデル開発は分かるので、この取り組みが良い悪いでなく、普通に新刊書店をやると、しかも立地が悪ければ、どう売るかの仕組みがなければ、立地内に人がいなくて終わるわけですね。

ここは柔軟に考えてもらって、例えば全国から人が来る本屋があるとして、それって立地関係ないですからね。一万円選書のいわた書店なんかもあれは通販的なサービスですが、色々取り組みは出来ると。結果的に、タイトルに示したように「書店空白地帯」はなるようになった結果じゃないかなと思ったわけです。

本屋をやるなら本との距離を保つ

これどういうことかというと、古本屋でも何でも良いので、まず人が喜ぶとか、価値があると。それを提供して続けられる仕組みを考える必要があります。

こうやって書くとたまに「アイデア」一発でできるとか思う人がいるのですが、そういう類のものではないです。アイデアは大事なんですが、企画やビジネスとしての仕組みが大事で、それはすぐ構築出来るものではない。時間がかかるし、試行錯誤して、全然駄目なこともあるわけですから。

この事例がいいとかでなく、方向性としては多分こんな感じで成り立たせるしかない。これは否定的な意味でなく、別に「本屋」でカセギを成立させなくてもいい、というポジティブな意味です。本屋=本を売るということにこだわる、人は本棚を見て本を感じて本を買う。至極最もですが、そういう人はわずかで、もっと自由でいいというのが僕の考え方です。言うは易く行うは難しは分かっていますが、とはいえ範疇にいては同じ轍を踏んでしまうわけですね。

本屋がなくなった街に、再び本屋を作る。東京・江戸川区の「平井の本棚」は街のアイデンティティが感じられる場所

この記事だと、本屋がなくなったというところで、那須と似ていますが、もっとあったほうがいいとか、作りたいとか、結果的に身の丈でやっているわけです。というか、借金してやるようなものではないというか。ニュアンスが伝わればいいところですが。

この平井の本棚だと、古本販売しつつも、イベントスペースを使っていくというのは、今どきですが、そうしないと回せないのがあるのではないかと思います。つまり本屋があれば、古本があれば人が来る時代ではないってだけなんですよね。

本屋に行く理由が必要ということといってもいい。でも、人はSNSとかネットを理由もなくなんとなく見ている。昔は娯楽がなかった=なんとなく街に出るしか娯楽がなかった、といってもまあ乱暴ではないでしょう。時代が変わっているからこそ、そこを変えないといけない。最も本屋やその場で何をやりたいかで全く違って来るわけですよ。

もうひとつ、記事内にもあったこの街には「本屋が必要だ」。東京・国立市の「小鳥書房」が、街でたったひとつの書店を持続するために選んだ作戦とはでは、もっと自由な感じです。

つまり、シェアハウスやスペースを元々やっていて、本屋があったほうがいいというところでニーズありきで作ったと。そしてかつ本屋だけで回すのは大変なので、まちライブラリーという無料の場(ただし賃料をもらっている)とか、別の古本屋さんを入れて2店舗でやるとか。柔軟な感じがしますよね。

これでいいとか悪いとかではなくて、柔軟さを受けるというだけです。那須をダシにしているわけではないですが、現場的にどうやるかを考えると、結構泥臭く立ち回らないと意外に回せないよなという感じを受けます。

その上で本屋をやりたい人は水面下でいる

僕も本屋をやりたかったことを忘れないように書いておきます(笑)一方で、那須の例のように普通にやると絶対失敗するよなというのがあります。だからまず新刊書店は厳しいと。なぜこんな金額になるかというと、単に書籍の仕入れ値ですね。問屋から卸してもらうと、3万冊あって1000円でも3000万円ですからね。そんなイメージです。本が高いんですね。

本自体の価値はもっとあるけど、本屋って小売ですから、自分たちで生産したものを売るSPAとかではない。粗利が低い。買い取ってリスクを負ってもそこまで高くならないんですよね。

どうしても本屋をやりたいなら、やり方を変えたほうがいいわけです。僕も、一箱古本市とか出て本を売るだけで結構満足していて、本自体を売ることって結構出来ないんですよね(笑)コミットメントが低いだけなのですが、アートのように自分が気に入った本だけ売ることはできなくてそれをやりたいならそれが成り立つ仕組みを考える必要があると。趣味ならいいですけどね。

ビジネスや商売として考えると、本を売るというスタンダードなものでなく、カフェでもスペースでもなんでもいいから、そこでおカネが取れるものをやらないといけないと。

あとは自分でどういう工夫やアイデアを入れて、お客さんと向き合えるかですよね。居心地の良い場なら人は来るし、お金を落とすかもしれない。そうでないならそうじゃない、当たり前ですけどそんなものですよね。

本屋をやりたい人って、多分本屋っていう空間が好きなんですよね。となると、これはお客さん思考になりがちです。旅行好きが旅行屋さんをやれるかはって疑問なこともあるのと一緒のやつです。

空間が良いならその空間を取り出して、それを生成することをし続けられるか。何が外せないポイントなのか。それってもしかしたら、リラックス出来るのか、知的好奇心なのか、カフェでもいいじゃないか(読書カフェってありますからね)、色々とWHATとしての本屋にこだわるのでなく、何をやりたいなぜやりたいか。どのポイントにあなたは重きを置いているか。

そこを外すと本屋やる→人来ない→なぜ来ないか→失敗みたいな感じになりますが、これはよくある話なんですよね。本屋に限らず。

やりたいのであれば、それなりに考える、試行錯誤する。そして実現するために色々やって、形にしていく。それって簡単じゃない、楽じゃないんですよ。でも、それでもやりたいからやってみる。そういう踏ん張りみたいなのが、人を動かすし、僕も応援したいと思うわけですよ。

それを繰り返してやり続けた人が、多分少しの成功のように見えるし、何か楽しそうと思える片鱗みたいなのが見えるんじゃないかって話です。

おわりに

本屋自体は斜陽というと怒られるかもですが、業界自体はそんな感じですね。電子書籍がというのも、コミックありきなので、利便性とかデジタルがハマったところで、リアル本屋の救世主ではないし、それはないと。

となると、最終的に前も書いたのですが、本屋がどこで下げ止まるのか、止まらないのか。そして僕もですが、人はどこまでリアル本屋にお金を払うのか、そこに価値を見出すのか。そこなんですよ。その総体とか総量が、業界規模とかになるので、ここは見どころですね。

というわけで、本屋の例でしかないですが、何かやりたいなら、なんでやりたいか。自分がやりたいって気持ちはめちゃくちゃ分かるので、それをどう人が、社会が、特定のお客さんが使うというところを考えてみるといいと思います。それが全く見えないなら、調べたり聞けばいいので、エイヤでリスク負ってやらなくても、結構見極められるんじゃないかなと思います。

ライター

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
ビジネスアイデアメディア「シゴクリ」運営者。生まれてくるアイデアをビジネス化出来ないかを考え続け、アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談やビジネス企画の実績多数。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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