アイデア出しにおけるジョブとは何か

ジョブ理論本を少し読んでいて、面白いなと思っています。

あくまでイノベーションの理論なので、ビジネスにおいてそのまま適用できるかはおいておいて、顧客のやりたいこと解決したいことを、ジョブとしてそのために、製品やサービスを「雇用」するというのは、面白いメタファーだなと。

これで、僕が考えているアイデア出しサービス自体が一体何のジョブを雇用しているのか、考えてみます。

アイデアトークが出来る雑談相手

こう書くとキャバクラみたいですが(笑)会話とか雑談ってかなり本質的なことがあります。

ちなみに、ニーズとジョブの違いは僕の理解では、ジョブの方が当該顧客の文脈や背景を得ていてそれに応じた具体的な事柄って感じです。あと、ニーズを満たせばいいというよりも、その顧客がすぐにある種の解決策で「OK!!」みたいなことはないので、本では「進歩」なんていうものすごく分かりづらい言葉になっています。

ただ、これはPROGRESSと考えると適切で実際にどうかはおいておいて、プロセスや過程なんですよね。

例えば、アイデア出しなら顧客は「アイデアが欲しい」のですが、実際は「アイデアが出る雰囲気」「アイデアが生まれやすい場」「アイデアが色々出てくると楽しくなる」「何か突破口をみつけたい」「ヒントとなるものは何かないのだろうか」「話すことでみつけたい」などと、かなり複雑です。これらは同時多発かもしれないし、順番かもしれないし、時にはあったりなかったりで、良くわからないんです。仮にお客さんに聞いていっても全部異なるかもしれない。

ニーズとしてそれらを一定程度の束としてまとめちゃのもありですが、そうすると、「アイデア出し」ってサービスをなんで雇用したかが見えない。または見えづらいわけです。

あくまで推測でしかないのですが、ここで僕は「アイデア出し」を求める顧客は、「アイデアトークが出来る人」を雇用していると感じました。人だと分かりづらいですが、雇用とは人を雇うってことではないです。

言い換えると、「アイデア出しを求める人は、アイデアの話が出来てヒントをみつけられること」のために、アイデア出しサービスを利用するってことです。雇用という客観ワードはこれは整理しやすくなるからこそ、理論なんだろうというところです。

え?アイデア雑談する人なんていくらでもいるのでは?

ここで読者でこういうツッコミがあるかもしれません。

「そういうアイデア雑談相手ってなんですか?」というわけです。「そんなのどこでもあるじゃないですか」って感じますか?実はこれは正しいようで実は異なります。

僕も実はそういう立場で、どこでもそういう人がいるじゃんとか思ったのですが、実はこれはかなり限られるのではないかと。

以前アイデア調査ではないですが、その時調べたのは、「雑談」を重視する人は一定数いたんですよ。でも誰と話すとかってことでは、結構限られる。知り合いとか、同僚とか、家族とか、友人とか、かなり決まってるような気がします。

僕もそうです。

僕の例では、アイデアマンの友人と話せるつながりがあったり、友人と気軽に話しかけてブレストする環境が実はあります。全てのアイデアをそこで揉んでいるわけではないのですが、詰まったらちょっと話す、これはアイデアの話というよりも、雑談に近いです。

こんなことがあったんだとか、こんなニュースあったよとか、これ使えないですかねとか。当然友人同士なのでお金とかはなしですよ(笑)あくまでお互いにやれる範囲を適切に考えながら、役立ちそうなネタを放り込むと、逆に僕ももらっているという、関係性ですよね。

仕事仲間というのは限られるというか僕はほぼいないのですが、仕事をする人と話をしてそこから「そういう見方あるのか」というのは常にあります。

他には家族とか、先の別の友人とかが多いですが、例えば別に他人と話す、店員さんと何気ない「雑談」はそこまでないですが、話すことで見えることもある。会話を積極的にしてみるというのはわりとあるんですね。

という感じで、手前味噌ですが、僕ですらそんな感じなので、況やアイデアに苦戦する人だと、そんな環境がほぼないか、そもそも人と話すことでアイデアを出すという手法がインストールされてないかもしれないなということもあります。またはそれがあっても、会話して結局相手に負担がかかるから、沢山は出来ないなとか。

ということで、そういう顧客像を考えると、先の話はそこまで間違っているとも言えないのではないかと。

つまり、「ブレストする相手」を見つけるのはコストがかかる。コストとは時間もだし、そもそもそういう適切な相手がいないということ。お金で解決出来ればそれはとても良い、または適切となる。

本来は友人なり誰かに話して関係性も続くというのがお互いに良いですよね。それを否定するわけではないし、僕もやっているけれど、ここで僕の売りとしては、そこを自分はやりますよと、サービスとして仕事としてやってますよということなんですよね。

これを打ち出せるだけでも、ビジネスアイデアの壁打ちサービスがあまりない理由とか言っていますが、ポジションを作ったり、持続することでぜんぜん違う世界観を出せる気がしています。

つまり、「アイデア」というのは性質的に振れ幅も大きくなかなか安定しづらいです。なのでアイデアという商品だけでは安定しづらいのですが、そこにキャラクタや場として、相手としてそこで話をしていくということで、ある種のラリーややり取りが価値になる。これらは全て体験としてということです。

つまり、何かアイデアAが出たから価値があるとかないとかでなくて、アイデアAもあるしヒントBもあるし、ネタCもあるし、会話が面白かったとか、ヒントになったとか、違う気づきを得たとかになるという総合パッケージです。これがまさに場といっていいわけで、僕の中では、ここまで明確にしていなかったのですが、アイデア出しをアイデアを「出して終わる」形から、切り替えたのですが、それがサービスのUIUXですよね、を変えたと結果論として言えそうです。

当時変えたのは、なんか単発でアイデアを出して終わるってどうもお客さんから見ても満足度はあれどちょっと売り切って終わりやすいなと。そうであれば、長くしてやり取りを重視してそこでやっていくといいのではないかと。単に期間を長くしたのでなく、アイデアを一回出して終わりでなく、アイデアも含めてやり取り数を多くしたってことです。こうすると、色々な人とも並行的に出来るので、前書いたように、アイデアはいくつも考えた方が出やすいというやり方と合致します。

つまり、パラレルで扱ってバラして散らす方がよりアイデアは出やすく、やりやすい。これって短距離走や競輪みたいな速筋みたいな話でなく、マラソンやロードレースのような遅筋で、部位が違うんですよね。同じ筋肉を使ってそうですが、持続性が異なる。別に短距離や競輪が駄目なんていってなくて、それはそういうスポーツや種目ですよねと。

それをやりたい人もいるし、向いている人もいるのでそれはそれでいいと。僕はそれはしんどいというか、瞬発性よりも持続性と長めの関係性がいいのでそうしたと。まさに遅筋的アプローチといっていい。

そしてこれは会話的な点か、対話的な面かという違いもあります。単発/会話/点ということですが、これだとそれで途切れて終わりです。なるべく過程や楽しみというところでは、対話/面で深堀りしてじっくり本質を探る方がいいと。これも考え方ですよね。

そうやって、僕の中で確かにブレスト相手というのはぱっと見では同じなんですが、実は壁打ちしますとか、そういうのも点ではなくて、面とかでゆったり構えてのんびり良い意味でやると。そうすると、自分の持ち味が出せて活かせるし、お客さんもすぐやらなくていいのでペースを作りやすいと。

そういう効果が出てきているのではないかなということを感じました。

ジョブとしては相談相手や相談の場を雇用しているということになるのですが、こういい切ることでこういった整理が出来ていくわけですよね。

目線を変えて次の施策に活かす

多分ジョブ理論を理解しているわけではないもの、軽く読んだところでこういう気づきを得ました。

つまり、ある種ブレストサービスなんて簡単につくれますが、実際にやって運用していくとまあ色々とあると。その粒度や顧客イメージ、アウトプット、そしてそもそもなぜやっていて、どういうことになって欲しいか、そして何を解決するために、お客さんは自分や我々のジョブを雇用するのか。

そういうことが視点として見えてくると。そうなればしめたもので、まさにフレームワークを外してバイアスが外れる瞬間に立ち会えます。

つまり、「ブレストサービス」を売ると、単発的で点で終わり、瞬発性が使われると。でも、「ブレスト相手や場を提供する」と考えてそれでお客さんがそのやり取りでヒントを得たり本質に気づけるようにすると、中長期で面で、対話的でじっくりプロセスを活かせると。

そういう変化というか違いになるわけです。

これはブレストサービスだ、壁打ちだーって言葉はなんでもいいのです。そこで、「アイデアをリストのように見せる」ということを否定するのではないですが、同じように見えている人には真似は出来ないか、超しづらいはずです。

なぜならジョブが明確ではないですし、また何を解決したいかも明確ではない。あと、持続性とか瞬発性は、顧客も選ぶし、提供側サイドのペースなり性質/持ち味ですよね、も選びます。だからこれが万人に受けるものでは決してないと。逆にすぐ欲しい、枝葉でいいのでくれ!みたいな人は不評なサービスなわけです。遅いし、なんか対話とか面倒くさいというか(笑)そんな事言われたことないですが、ターゲットを間違えるとそうなりますよね。

ここまでで変化したジョブ、その解決したいことというところで変わると、次の施策がちらりと見えるわけです。

つまり、そういう場をより充実させるには、ネタ集を売り出せばいいと。ネタ集自体もそれ単体でなく頭をストレッチしたり、逆に枝葉として参照してそれをヒントに粒度を探るある種「視力チェック」みたいな感じで使ってもいいと。これは実は僕もアイデア集とか出していますが、そういう使い方ではないんですよね、ただそれを売るとか見せるとかしか発想がなかったと。

でも、ジョブを決めるというか、課題解決を明確にして、ここでは結果的に顧客解像度が上がったというわけですが、それがあれば、その顧客に自然なやり方、その顧客が好むことで、望みそうなことで応えていく「だけ」でいいんですね。こうするとめちゃくちゃ面白いわけです。

おわりに

ちょっとしたジョブ理論の本からのハーベストを示してみました。

僕の中では、アイデア出しサービスの次の突破口なり、より充実させる路線や方向性が見えたので満足ですけど、まだ本自体は序盤なので、もっと考えてみたいなあと思いました。

気になる人は、ジョブ理論はぶっちゃけどうでもいいのですが、考え方を持って自分のサービスならどうなるかを考えるヒントにはなるかなと思いますよ。

記事を書いた人

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
ビジネスアイデアメディア「シゴクリ」運営者。まずアイデアを出すアイデアセッターであり、生まれてくるアイデアをビジネス化出来ないかを考え続け、手を動かすゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談やビジネス企画の実績多数あり。毎日生まれるアイデアから世のために貢献していくスタイルです。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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