ビジネスから顧客が消える瞬間なんて一杯ある

ビジネスや商売、シゴトづくり。なんでもいいのですが、何かしら価値を提供する、それらを買ってもらうなどの行為といえますが、これらをやるとき、顧客が消えることがあります。

消える?そんなことないでしょうと思うのですが、事業者視点でお客さんが消えるのは割とあることだと思っています。僕もあります(笑)

その経験をしたとか、認知できたかはおいておいて、ここではなぜそうなるかをいくつか挙げてみます。

逆にいえば、これらを回避できているならば、顧客と向き合っているとも言えるし、より深く考えているとも言えそうです。

組織が複雑になり顧客が最も遠くなってしまうから

なぜ顧客や市場を見ないまま事業を進めてしまうのか?

こちらの記事に詳しいので内容は簡単に。要するに、組織が複雑化していくと、色々な手続であったり、例えばどういう層で課題がどうでという、顧客の認識がずれてくるんですね。これはどこでもありそうです。ここでは書いてない気がしますが、ありがちなのはマーケティング部門がある重要な数値を追っかけてそれだけでいいと。そうすると、マネジャーは数字だけしか見なくて、リアルの顧客を見なくなると。

笑い話に聞こえるかもしれませんが、効率的なやり方を考えるとこれ以上ない、つまり顧客のリアルの面倒臭さを捨てて、数字だけみる。売上でもいいですし、顧客数だけでもいい。楽ですよね(笑)

そうやって楽な部分にいっちゃうのが悪いわけでもなく、とても合理的ですし、実際感覚的にも楽ですよね。なので、そういう意識があれば組織における顧客像なんてあっという間に崩壊します。

これを逆にキープできる、共通的に顧客イメージが出来ている組織ってまあしっかりしたサービスを出せているってことでしょうね。

事業者視点とユーザー視点は両立できないから

これは前も書いたようなネタですが、改めて書いておきます。

例えばマッサージ屋さんを開業したとしますよね。お客さんに施術して満足してもらうというところをやりたかったとします。この時、お客さんがこう考えるであろうということと、自身が提供できるサービスというものってやはり限界があると。

例えば、お客が待ち時間にヒマをつぶせるものが欲しいという要望があるとしますよね。これマッサージ屋さんであるあなたが叶えるかどうかですが、これ意外に難しいですね。なぜならこれは正解がないので、叶えることが悪いわけでも必ず正解でもない。正解はないってことなので、どう反応するか、しないかが問われます。

この時、なんでお客さんは暇つぶしをしたいのかと。それって待ち時間があったり、予約時間で施術できないからじゃないかと。そっちに行かないとやはり小手先の対応になります。さらに、そこからこういうことをしたらいいのか?というアイデアが求められますよね。

簡単な図ですが、このように、お客さんであるユーザーと、事業者の視点は異なります。当然人間として共通することはありますが(笑)ここでの話は、そういった共通点よりも、お客さんから見るとどうなるのか?というところ、同時に事業者視点もですが、どういう物があるかな?というところです。

立場が異なるところから考えるのは結構難しい

視点が異なるというのは、アイデアだしでもそうですが、純粋に自分でない人の考えや感覚って想像ですからね。その想像するコストっていうものが非常に大きい。

またはリソースとして、ここでは脳内リソースとしての記憶、メモリというものが少ないため、同時に考えることは基本できない。並行に考えるには紙に書いたり、外部記憶が必要となるが、そういうやり方をしていなければどんどん忘れていくと(笑)

これも一つの顧客が消える原因かなと思ったんですね。とくに、自分はお客さん視点でしか考えないぞとか、自分は違うぞという人ほどハマるでしょう(笑)賢いと思っていたり自分は間違えないぞという人も怪しいです。大いに失敗して学んでください(笑)

鈴木敏文のCX(顧客体験)入門という本が面白く、基本行動経済学とか鈴木さんの考え方=顧客の立場で(顧客のために発動ではない)というのが貫かれています。これも面白いというかほぼ同じことではないかということで引用しておきます。

買い手としては、自分たちの消費パターンが変わり、ニーズが変化していることを誰もが実感している。ところが、仕事になると一転、売り手側の都合にすり替わり、過去の経験の延長線上で考えてしまう。そして、立場を使い分けていることに気づいていない。

鈴木敏文のCX(顧客体験)入門 P.113-114より引用、太字は筆者注

これは鈴木さんが見てきた年数も様々な人の総合的視点=主観はあれど、といえるので相当妥当といえます。また本書では、「顧客のために」という言葉を発する人は当然多いがそれが「顧客の立場」では異なることを指摘していますのでかなり参考になります。上で引っ張ったように、自分が買い手の立場であることも、実際にその通りに思うこともわかっているんですね。ですが、仕事となると立場が売り手=事業者側=ビジネス側となり、買い手の立場が消えるという十分な証左といっていいのではないかなと感じました。

もっと突っ込めば、新規事業担当とか既存組織の店長とかマネジャー的な営業部長とかでもなんでもいいのですがそういう人が「顧客のために」と発話すること、言い訳ですよね、ですが言い訳意識なんてなくて、「顧客のために」考えるとこうなりますというだけなんですよね。

でもこれはそれは間違っているわけですが、とはいえ間違っていることを認識するのが難しいケースでもあります。本書の詳細は省きますが、軽くいえば自分も買い手であるからその立場で掘り下げる=井戸モデルと書かれていますがそれをやるというのがいいのではって感じですね。これもなるほどと感じました。

意識できることは少ないから

認知の話になるのですが、顧客像のイメージをペルソナだとか可視化しても、実際に可視化されたものではないもの、つまり無意識や暗黙知というわけですがそれらが大きいケースってことです。

そうなると、意識して伝えること、意識された言語だけでは不十分で怪しいということなんですね。全部そうとかってことでもないんですが。

どんどん伝言ゲームのようなイメージでずれていくのもありますが、最もありそうなのは、「みんな共有している」といっているが、全部違うみたいな世界観ですね(笑)

これを避けるとかっていうやり方はないので、常に秩序というか乱れていくと。そういうのを込みで考えられるかどうかだけかなと思います。

例えばヒアリングして面白かったり得た知見ではないところの無意識のネタなどがあるとして、それって共有できないですよね。言語化能力も求められると。これはなかなか厳しいなと。

意識出来ることでも共有するのは難しいわけですから、意識出来ないことなんてまあ無理なわけです。ただそれが重要だったりする、とくにこれが顧客イメージだったならば、まあ消えるというか、ないもの扱いされちゃうって切り口です。

他人は他人の世界観がないと思っているから

これは独善的な感じがしますが、環世界、つまりユクスキュルがいう動物は動物なり世界を持っていると。これは、例えばヨーロッパの人の考え方が正しいとか、時代を覆った見方が正しいみたいなものに対してのアンチテーゼとなります。ただそんな難しくなくても、自分と他人は違うだろうと。例えば卵が好きな人と嫌いな人では、卵の認識が全く異なるのですが、その是非ではなくて(僕は卵好きですけど)、そういう見方がある、ここでは僕なら卵が嫌いな人もいるよね、そしてそういう人がみる世界はこういう感じであろう、という想像が出来ないということです。

卵だと分かる?では、例えばカレーはどうでしょう、ラーメン、唐揚げなど。こういった国民食的と言われていると思われるものが、嫌いな人もいるんですね。くどいですがその是非でなくて、そういう人がいることって想像できるかどうか。当然想像しづらいのもあるのですが、ポイントは世界観や見え方、価値観が異なると。そこですよね。

世界が異なるとは、自分と違う人がいるという前提か、または同じ人がいるからという前提か。そういう前提ものさしの違いでもありそうです。

リサーチをする人、行動観察をする人、ちゃんと見る人ですよね、その世界が異なること、自分とは違っていることを把握しています。そうでないと、リサーチができないわけです。自分のフレームや見方が全てなんて思ったりしているってことです。それはないですよね。

世界観として、ここでは顧客、お客さんの世界観、toBやtoCでまあ違うのでしょうが、そういう見方がないよね、あるよねというところはとても大きな話なんです。ただそれなのに、これは「見方」という小さい話になってしまう、またはそう見ている人はなかなか伝わらないところでしょう。

世界観が変わらないというか、みんないっしょであるなんていう乱暴ですけどそう思えば顧客的な見方はないというわけです。これもありそうではないかなと僕は考えています。

仮定的な概念が分からないため消えるから

世の中には「仮定の話ができない人」がいて、コミュニケーションにおける問題が生じている。という記事を参考にして気づいたことです。

簡単にいえば、顧客Aという人がこういうことをするならばーとか、こんな結果があるからどう考えられるだろうか。みたいなことですよね。それはそのAさんに聞かないと分からないみたいな話とか(笑)

それは一理あるんですが、仮定の条件がずれたり、仮定していなかったりだと確かにコミュニケーションが厳しいですね。これはありがちです。

仮定っていう概念操作はわりと高度かもしれません。練習したりして、条件として網羅できるのって脳内のメモリ程度ですから複雑なことって難しいのかなと。僕もそう思いますし、メモリがそんなあるとは思ってません。

ただここで大事なのはメモリ量でなく、その中の処理で、仮定という処理がないとか、機能がないってことなんですね。そうすると、仮定して考えるとか、シナリオを考えるとか、対処法を考える、計画もですし、色々なことが出来ない。もっといえば、ある種の視点的な思考がないのかもしれません。

顧客AさんとBさんだけで顧客の全てとは当然ならないと。ただ、それと、Aさんに聴いたものが真実であるかはかなり怪しく、嘘もつくし格好つけたりもするのが人間ですよね。僕もそうですよ(笑)そして、それらはもっといえば、批判的態度なのかもしれません。

ある考えが正しいとか間違っているとかというだけで見ていて、正解というならそれは絶対間違ってないと。そういうのは批判的態度と言えないわけですが、そうなるとそもそも世界を仮定するとか、状況を想定するみたいなことって要らないのかなと。AならBですという場合、Aが仮定することは関係なく、A→Bだから、つねにA→Bみたいな感じになっていて、疑っていないとか。ここらへんは分からないですけど。

というわけで、仮定が出来ないから、顧客の世界や見え方なんて到達できないって見方があるとすると、そりゃ顧客はいないことになるよなと考えてみました。

おわりに

ビジネスにおいて客が消えるっていうのは、売上とか客数が減ったってことではなく、お客さんを理解するとか、お客さんってどう思っているのだろうかみたいなことがないってことです。そしてこれはスピリチュアルでもなんでもなく、普通にありますと。

ですがこれらは起業入門的ではなく、中級者向けの概念ではないかと思っています。なぜなら一定の経験や知見がないと、そもそも「そんなことあるのか?」って思うじゃないですか。僕も思っちゃうこともあるのですが、実際にそうなっていたりするし、単にそれ「あなたの押し付け」でしかないのものを、求められていると思い込んだり。分からないでもないですし、失敗?はするんですよ。そこはいいのですが、そもそもの前提や概念として、消えていたら、お客さんのことを考えていないなら、そりゃなかなか売れるものでも売れませんよね、って話でした。

あと、これらは心理学とか心理的な面を追求したり、見ようとしない人はほぼ関心がないか、そんなの関係なくてもビジネスはできるって思いこんでいるかもしれませんね。まあ僕はそれはないと思っているので、めちゃくちゃ大事なことなんじゃないかなと思っていますよ。

もちろんこれらは、正しいとかってないので、よくよく検討してみてください。

記事を書いた人

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
ビジネスアイデアメディア「シゴクリ」運営者。まずアイデアを出すアイデアセッターであり、生まれてくるアイデアをビジネス化出来ないかを考え続け、手を動かすゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談やビジネス企画の実績多数あり。毎日生まれるアイデアから世のために貢献していくスタイルです。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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