アイデアの出し方を振り返る。トリガー、考える、しらべる、再度考えるをどんどん繰り返す。

アイデアの出し方については何度か書いているのですが、書きすぎてもとくに問題ないだろうというところで、書いてみます。

アイデアzoomを通して得られた知見と、今まで書いた関連記事も含めつつ書いています。

アイデアの出し方は4工程

僕のアイデアの出し方はすでに記事になっています。とはいえこれをみてすぐ真似出来るかというと、多分個人の解釈でわりと回せるように落とし込む、しかないと思います。一方で僕の役割はこれをさっと見て出来る人は、記事読んでねで終わるので、見ても出来ないとか、ここどういうことだろうと分からない人向けに対してお手伝いをすることが仕事となるわけです。このあたり外しがちですよね。

シゴトクリエイター大橋のアイデア生産工場プロセスでは、生産工場に見立てて、おそらく工場の現場はこんなわけではなくもっと複雑であるのであくまで比喩なのですが、まとめたものがあります。この記事では3つといっていて、インプット、アウトプット、成長学習の3つだと言うわけです。そのあたりズレはないのですが、今回は4つのほうがいいかなというところで4工程としています。

それぞれについて書いていきます。

1.アイデアのトリガーがある

1つ目は、何かアイデアを考える上の問い、テーマ、求められたとかなんでもいいのですが、スイッチ的なものがあることです。これがなければまずアイデアを考えることに対して積極的にはなれないでしょう。自分から何かやりたいことがあるとかも一つのトリガーですので、それがあればこれはクリアといえます。

これについては難しいことはなく、単に脳が考える、アイデアモードに入れるかの入り口と考えてもらえればオッケーです。

2.考える

1と重なる部分がありますが、基本的にこの工程では3つ程度のありそうです。

  1. 問いを立てる
  2. 脳内に問い合わせする
  3. 1つ以上のレスポンス(結果)がある

の3つです。

考える工程で、問いを立てると簡単に書いていますがこの問いが悪いと「袋小路」とか、「入り口」しかない迷路になります。筋が良い問いはぶっちゃけ訓練でしかないです。筋が良い問いとは、問い合わせ結果が起こりやすく、次の準備が出来るみたいなものです。

2の脳内に問い合わせとは、要は「書店の売上が下がってるけどどうすればあげられるだろうか?」みたいな問いをすることです。というか、問い合わせすること自体は「問い」を立てれば脳が勝手に動きます。なお、この問い自体は筋はよくなさそうです(笑)

3は、「書店売上下落に対して、どうすればあげられるか」と問われても「いや、わからんすよ」と脳というか自分が思えばそれまでです。ここで、踏み込んで欲しいのはさらに考えることです。続いて説明をしていくのですが、「そもそも書店売上下落って?」「どうすればっていうけどどういうことが出来るのか?やったのか?」みたいな切り返しが出来ること、もっといえば差し返しに近いものが出来るとぐっと精度が増します。ある種哲学ですね。

この問い合わせをした時に、「いくつか結果」があり、「アイデアがある」という時、そのアイデアがさらに次のアイデアを呼ぶ状態があります。アイデア・ハイとか呼んでいますが、一種の興奮状態になるとものすごくアイデア出しが楽だし、楽しいし、苦痛を感じません。こういうのはやる気とかと一種なので、アイデア出しが苦痛だー!という人はこういう「アイデア・ハイ」モードがあることをうまく使ってください。というか、僕は苦しんでアイデアを出していることはない(ただ出ないと苦しいですけど)ので、その点が大事です。

このアイデア・ハイになりやすいのは、ブレストが近いんですが、これも一人でも出来るので人がいなくてもオッケーです。人がいれば、ジョーク、冗談、笑い、くだらないことのほうがリラックスができて創発しやすいです。もっとも相手や一緒に考える人が「良い問い」を持っていたり、「行間を読み取り良いパス」を出せる人だともっとより良くなります。このあたり近くに良い仲間がいないと大変ですが、仲間を見つけるのもいいし、少なくともアイデアを簡単に殺してくる人とは会話しないほうがいいです(笑)もっとも否定や批判が駄目という全肯定の人だけ話せなんて意味ではありません。

一人で出来るとは、リラックスしたときに出てくるということです。例えばトイレやお風呂とか、移動中とかは意識として「考えているモード」になりづらく、「オフ」になります。その時、「そういえば?」ということで思いつくことが僕もよくあります。ですので煮詰まったら何か違うことをやるとか、リラックスためにお茶を入れるとか、歩いて散歩するとかは理にかなってるんですね。

3.しらべる、インプットする

調べるも、インプットも同一です。調べることでインプットするという意味です。ただ調べることでしかインプットしづらいという感じがあります。ぼーっと本を読んでいても何もインプットにならないですが、意識すると入ってくるものが違ってきます。このため、問いの立て方が大事なんですね。

ここでは、ざっくり3つです。

  1. 他にもアイデアが欲しい
  2. 1個もアイデアが出てこなかった
  3. 何か違うという直感レベルで感じた

今までに人がやったり、事例としてあるものや、世の中にあることを調べることが大事です。これは見るとアイデアが狭められるなんてこともありますが、ここは逆で多くのことを体験したり経験してないと豊かなアイデアはまず出てこないと思います。逆に「何もなくていける」のは、想像力が高いといえますが、その想像が実現化に着地できるかは別なので、想像力がこの場合強ければ実現化の力が強くないとアンバランスでしょう。できればオッケーです。

例えが微妙ですが、男性であれば女性の感覚は多分分かりづらいはずです。逆もまた然りです。ただ人は考え、成長できるので、自分の主体性や軸は劇的に変わることはないでしょうが、譲歩したり気遣いということが出来るのが人間です。モテる男性とは姿やイケメンというのももちろんありえるのですが、どちらかといえばその心遣いであるとか、自分とは違う人に対して配慮出来る人なんじゃないかと思っています。

さて、事例を調べたりすればアイデアが出てくるのか?というと調べれば出てくるというよりも、問いを立てて考える工程があって調べるというところが大事です。それらを手抜くことはまずできません。だから、全体で1つと考えてください。「あーわかったわかった」といって、調べたけど何も出ないパターンもあります。これは単純に調べたものをそのまま適用したり、解釈に失敗しているケースです。答えはないのが正解なので、考えて組み合わせたり、違う視点から脳を動かしていって少しずつ迫ってくアプローチということです。一発で山頂を目指そうと脳が楽をするのでそこと戦ってください(笑)

事例など過去や今までにあったことは、全て基本的に組み合わせだと考えてください。つまり1つの完成形があることは稀で、2つの組み合わせで1つができている、2つ以上の組み合わせだとよくわからないので、2つはあると思ってください。そうすると、もの、サービス、商品、人の流行、色々なものが違って見えるはずです。2つとか組み合わせとかは概ね異論はないはずですが、そういう視点を一つ持つだけでも色々とアイデアで戦えます。

理想をいえば、自分なりの組み合わせの方法をアレンジしていくといいでしょう。料理のレシピのように最初は誰かのレシピを真似してオッケーで、そこからアレンジしていくと使えるというイメージです。

上の考える工程で、書店売上下落についてとかは調べたりしてインプットします。そして書店でやられていることや取り組みなどもメモしていきます。すでにやられたことでないこと、またはすでにやられていることも違う視点でやれば全く違うものになりますので、その点はアイデアの面白いところです。

4.再度考える

再度と書いたのは、考えるだけでぱぱっと出てくるのは稀で、あったとしてもやはり練りが足りないことが多いからです。ここでは2つ程度です。

  1. 問いの修正をする。具体から抽象まで。違う切り口からやってみる
  2. しらべたものから導き出す

1つは、問いの修正です。書店売上下落に対して…は、下落に対して何か改善という考え方がそもそも辛いかもしれません。時代の流れや経済や市場であれば書店売上を追い求めるのは一種のこだわりでしかありません。面白いのは活字などを読む人は実は増えており、単にそれが紙の本だけではないというほうが現実的だからです。

ということは?そうですね、例えば書籍の定義なども考える必要がありますし、そういう商品群を疑う必要が出てきます。つまり、書店で本を買う、そのようにしてしか売ってはだめなのか?ということです。例えば、ビジネスとして考えると成り立たないだろうと思ってチャレンジしないような、「屋台本屋」などをモバイルブックストアとしてやってみるのはいいでしょう。推薦本を売るというのは一つの面白さです。ちなみにこのアイデアは僕が10年位前に思いついてやりましたが、形すら構築できませんでした(笑)が、多分今でもやり方を考えればいけると思っています。課題は本を仕入れることが困難という業界事情(個人で本を仕入れることはまず出来ないから、出版社などにかけあう形になります。ここで仕入れるとは取次などの問屋さんからは法人でないとまず無理という意味です)があるからです。今は少しありますけど、本を推薦してカウンセリングではないですが本をおすすめするブックコーチなどはわりと成立しそうですね。

こういうことは勉強したり調べてアクションしていけば身につくので、やりたいことや求められる課題、テーマ、問いに対して知識の有無で判断しないほうが多分いいです。むしろ、どういうものを最終的に描けるか、そこを見ていくほうが多分筋が良いです。

修正というのは、何個も問いをさらに立ててもいいという意味合いです。そして具体から抽象とは、具体的にどの書店の売上なのか、A書店の売上と、書店業界全体では意味がことなります。全体では下がるけど、A書店は実はあがっているなんてザラにある例です。抽象とは、書店業界を最大にするかはおいておいて、電子書籍もそうですし、本を読むということで古書店や中古本も範疇に入りますし、メルカリなどのサービスも入れていくと全然見立てが違います。ただそれらの中古マーケットはそれで経済にはなりえますが、権利者にお金がいくことはないというのが課題かもしれません。購入者の商品のやり取りに過ぎないからですね。

調べていって出てきたものを再度考えるネタにしていくと、自ずと何かアイデアは出てきます。出てこないことはまずなくて、その場合問いAに対して答えBみたいな明確な何か一発的中な答えであるアイデアを求めているからです。

もっといえば、この一連のプロセスで「ヒント」「こういうところが面白そう」というきっかけや断片が見えてこればオッケーとも言えます。これを何度もぐるぐる回します。

5.最初に戻る

ここで最初に戻ります。最初とは考えるトリガーとかスイッチのところですが、多分考えるモードになっていればそこは飛ばせます。何かのきっかけがあって、考えて、調べてインプットして、再度考えて、そして戻る。この時大事なのは、最初のループではなんだろうね?くらいだったのが、おぼろげながらもこんなことを考えたら面白いかもしれないなど断片を得ていることです。

逆にループを回すとか回さないとかを丁寧にやりすぎても微妙なので、考えたけどなんで良い筋のものが出てこないんだろう?とかを再度考えるくらいでいいかもしれません。

ここで何も得られてない場合(最初と全く変わらない)は、どこかで手抜いたいり、考えていないとか、調べてないとか、何かが漏れてるかもしれません。よくはまるのは、失敗しないような正しい答えやアイデアがあると思っていてそれを追い求めてしまって「出てきているアイデア」を自分で潰すことです。これはもったいないので辞めたほうがいいです。

収束については書きませんが、出したアイデアをそのままというよりも、「これは冷静に考えるとどうなんだろうか?」と夜に書くラブレターが恥ずかしいごとく、一旦寝かせて冷静な目で見直すことが大事です。これは文章でもなんでも非常に大事です。出し切ったと思ったらやればよく、締切や提出が迫られているならそれに合わせる形になりますが、大体出し切ったとかこれでいいという状態になるのがベターです。

見えるようにしないとアクションしづらい

以上が机上でやれということでなく、実際に肉体というか体を動かさないと見えないものも多いです。例えば現地に見に行く、その人のところへ話を聞きに行くは、ものすごく大事です。情報の質というか得られる情報が全く異なるのと、うまくいくとさらに良質な情報に出来る(現地で知ったものの価値とは大体今まで見えなかったもの)からです。

もちろんすべてのアイデアの問いやすべての仕事に対して僕がすべて見に行くとかそれはないのですし、出来ないのですが、経験値として似たようなことをしていればそこから言えますし、想像の精度が高くなります。というよりも、クライアントの考えていることをトレースしてそれを追体験できる精度が増す、というほうが正確でしょうか。

だからこそ、考えたら動く、とくに頭で考えがちな人は手足を文字通り動かして、逆に手足が動きがちな人は頭で考えるということを意識すると、良いアイデアがガンガンが出てくる気がします。

そしてそれらを可視化して見える形にすると、脳が良い体験をするのでもっと欲するはずです。もっとやるともっと動くというハイモードですね。これを使えばおそらくアイデア出しは楽しい、やることが面白い、試した結果の手応えがあるという好循環に突入します。これになればしめたものです。そうならないうちはそうなれるように、どっかで突破口を虎視眈々と狙いつつ、知識や経験や考えをどんどん打っていくしかありません。

おわりに

最近のアイデアzoomから考えてみた、僕なりのアイデアの考え方、出し方についてをまとめてみました。

ものすごく地味ですが、問いを立てて考えて自分で何か出ればいいけど出ないならインプットをまず増やせ。そして再度考えてまた何か出るかをやり続けるだけです。シンプルすぎるといえばそうですが、このインプット吸着率の上げ方、一石三鳥作戦など、色々と作戦名があるわけですが、あえて言葉にしてなかったり、していてもうまく伝わらない面があるんだろうなと思います。

先人の知恵としては、アイデアのつくりかたがベターです。最近の人が書いた本でもいいですが、基本考えてインプットして、考え抜いて待てば何か出てくる。これは古典の本質というか、全く同様ですし、何も色褪せることがないからですので、超オススメです。

 

簡単には出来ないかもしれませんが、プロセスがこうやってあると、インプットがたりないんじゃないかとか、考えっぱなしで再度考えてないとか、ループが接続せず1回でやりきろうとしているとか、そういうところが見えるのではないかなと思っています。1回の問いで1発で何か出てくることは手前味噌ですが僕ですら無理です。ということは、普段考えてなければまず出来ないはずです。仮に出来れば相当鍛錬を積んでいるので恐るべしと言えます。

ここではとくに書いていませんが、アイデアとは量産した場合意味のないアイデアもたくさん出てきます。例えば、書店に芸能人を呼べば人が来るというようなアイデアです。これ自体を否定するのでなくそういうのはぶっちゃけなんでも呼べば人は来ます(笑)から、そういうのはここでは筋が悪いアイデアと考えています。つまり、ある問いに対してそこそこそのクライアントや立場を踏まえつつ、実現性もある程度あり、イケてるアイデアとなると、数ってそこまで出ないはずです。あと数でなくてどこまでその視点をきちっと通せるか、それが企画なのですが、ここまでくるとアイデアの出し方の範疇を超えるため、一旦ここで終わります。

ただ企画自体もアイデアを積み重ねていき、それは全体イメージアイデアから細部のアイデア、または勝てるアイデアとか「アイデア」といってるだけで、違うワードのほうがいいのかもしれませんが、アイデアという言葉を使ったほうが「企画にたくさんのアイデアが詰まっている」と言えますし楽しげだから使っています。逆に「この企画はたくさんの苦労が詰まっている」とかだと、ちょっと怖いですよね(笑)

アイデア自体=苦労ではないのですが、考えた知恵の結晶くらいが最適なイメージかもしれません。アイデアの出し方に困ったら、ぜひ参考にやってみてください。

自分の仕事と真っ向すると思われがちですが、アイデアを出すこと自体はどんどんやってもらったほうがいいと思います。それで出来ればいいですし、不安なら相談してもらえればいいからです。またアイデア出し自体は誰でも出来るのですが、考え方や出てくるアイデアの実現性やら、そもそもどういう情報にリーチしたり、考えを広めているかがぶっちゃけていえば日常がとわれる仕事といえばそれまでです。どんな仕事も実はそうなのですが。

誰でも出来るといはいえ、適切なやり方や考え方が多分あると思っていて、僕のやり方が万能ですべてオッケーとは言い切らないですし、言わないですが、こんなやり方もあるというところということですね。そして、アイデアの出し方については、マネ云々でなく、これからやるならそれを考えて試す必要があります。そしてそういうやり方を提示する人のほうが信頼できると思いませんか?それだけですね。信頼いただくために、やり方を開示していくだけなので、あまり深い意味はありません。

ないと思いますが、やり方をコピーして貼り付けても、法的にNGですけど、まずそれを説明できないし、自分のものになりません。ぜひ、地味ですが楽しい世界を堪能してもらえることを願っています(笑)

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

0から仕事をつくる実践記

クラウドソーシングでアイデア出しをメインにシゴトづくりを3年してきた気づきをまとめました。

企画やアイデアをシゴトにしたい人の一つの参考にしてもらえれば嬉しいです。

アイデア仕事の当選率などのデータもあります。