博報堂の雑誌「広告」が攻めてて面白い

最近雑誌を買うことがまずないのですが、書店の雑誌コーナーをぶらついていたら「広告」という雑誌が面白かったので思わず買ってしまいました。

「広告」自体は昔買った記憶があったので、「あれ、この雑誌間違えたか?」と思ったくらいですが、「広告」が欲しいのでなく、コンテンツが面白かったので買ったところですね。

今回はその雑誌「広告」について、ざっと調べてみました。購入した2018年8月号Volume.411(すごい号数だ!)についても紹介してみます。

雑誌「広告」とは

雑誌「広告」

博報堂が出している雑誌です。クリエイティブ、デザインな、キレイ目な感じの広告は実は、相当昔でした。全然買ってないことがわかります(笑)

キャッチコピーがやばくて「野生の直感を大切にするアナログ発想マガジン」ということで、確かにそういう感じかもというのは読めばわかりました。攻めてるなあということで好印象です。ただ表紙絵から「発想」にたどり着く人はプロじゃないかって思ったりします。まあ専門誌!だからいいんでしょう。これはディスってない。ホメてますよ!じゃないと買わないよ!

ちなみにお値段は490円とワンコインでお釣りが来ます。昔もっと高かった気がする(笑)

広告のバックナンバーを観察する

自分が買った雑誌が違うものか?を確認する意味で、バックナンバーを見てみました。

冒頭に411号とありましたが、月刊じゃないですから、四半期ですよね。単純に考えると400/4=100年になるので、まさかそんなってことになる勢いです。勢いを感じてもらいたい!

僕が見かけた見たなあというのは、

  • 2017年に木原さんがリニューアルする前(2017年から冒険がコンセプトに!)
  • 2010年や2011年あたりのVo.382号は多分買っていて、広告をテーマにしているのに「広告の終わり」とかなかなか攻めるなあと思って買った記憶が。この時の編集長は永井さんだそうです。確かにコミュニケーションっぽいネタを扱っていたなあと。
  • 2008年のVo.376は獅子舞持ってやべえ表紙だと思いましたが、言葉ネタで面白かった記憶があります。この時は、編集長は土井さんだそうです。この時僕はプログラマやってた記憶がします(笑)
  • それ以前の広告は多分知らないですね。

というところで、10年くらいで3冊くらいしか買ってませんでした。全然ヘビーユーザーじゃないライトすぎるユーザーです。

いつ始まったか

100年とかで終わるのはさすがにということで、いつ始まった雑誌かというと、なんと1948年9月創刊で当時の名前は「博報堂月報」だったそうです。月報とあり、内容的には新聞雑誌などの広告政策の研究だったようですね。9月からだから、1948年は4冊出ていますね。

編集長が数年で変わっていく

ばばっと見ると、変象徴がどんどん変わっています。とくに決まった月日ではないですが、1年とかはやって変わっていく流れでしょうか。

そんな感じで広告の歴史としては、70年くらいの歴史がある雑誌となります。それが店頭では上のように攻めてることに畏怖すら覚えました。

なお、博報堂月報自体を作るときに小社50年とあるので、そもそも博報堂自体は、公式サイトによると1895年に瀨木博尚さんが教育雑誌の広告取次店として博報堂を創業したことから始まったようです。いやあ、ということは軽く100年超えてるんですね。初めて知ったわ!

本誌広告の話

細かい中身は見てねってことになりますけど、面白かったというかテイストとしては、

  • アナログ発想というだけあって、なんか発明系で攻める
  • 音楽や演技というか編集部の練りに練った?視点が盛り込まれているので、思わぬ発見があるかも
  • ものすごく乱暴にいえばデイリーポータルZとかオモコロみたいなWebサイトメディアを品よく紙で読ませる感じ(笑)

というところです。

日本列島のエジソンというコーナーがあるんですがそこがめっちゃ好きですね。役に立た・・・というところを思った瞬間、昔「無駄こそが全て」みたいな考えがあったことを思い出しました。無駄こそ聖域みたいな(笑)実際に、無駄とレッテルをはることすら笑える感じですね。このエジソン達はめっちゃ世の中楽しんでるなあというか、発明好きなんだなあということが伝わってきて面白いですよね。

ちなみに目次などはこちらで見えますのでご参考に。最新号案内

誌面連動企画というアナログなのかはおいておいて気になったものもあったのでいくつか見てみました。

いい音!を探せ!IN SEARCH OF DOPE TOOL-MUSIC
道具ミュージックづくりの旅

これはトラックメーカーHIRORONの東海地方を巡って拾った音からトラックを作るというのです。かっこいい音になってますね。すげえ!

ページ下には音源があるのでそれをクリックするとかっこいいトラックに・・・なるのは多分相当やらないと駄目ですね(笑)木工機械の音は木工機械ですし、刀鍛冶の打ち付ける音は無機質な音でしかない。それに命を吹き込むものこそがトラックメーカーなんでしょう。とはいえ、ここではトラックメーカーになろうとかでなく、発想資源としてそこらへんにある?であろう音からクリエイティブになるって話じゃないかと捉えました。まさにアナログで発想ですね。

豆腐アイドルが“豆腐型サイリウム”を手に踊る!?
「杏仁キッスはゼロカロリー」MV公開!!

は、なんだアイドルか?とかふざけてんのかと思ってほとんど誌面見てなかったんですが、豆腐っぽいアイテムが意味があって(笑)これなんと光が同期して他の豆腐と連動してひかるんですよね。くっそ面白い技術でSXSWとかでも出してたようで。かなり真面目な技術でしたが、誌面だけだと軽くスルーしてたので危ないです(笑)

SHAKE SYNCの動画も面白いので、こちらも良ければ。そういう意味で、豆腐とアイドルの中でプロトタイプとしてしれって入れ込んでくるのは面白いアイデアだなと感じました。これも、面白い技術やプロトタイプをエンタメまたは音楽に入れ込んでくるということでアナログな発想かもと。とはいえ、ここまで仕上げるのはプロでしかできんぞと感じました。豆腐性の違いに受けました(笑)

にしても、誌面だと軽くスルーしがちなのはそういうもんですかねえ。動画わざわざ見に行くのやらないですからね。これ昔からですけど(笑)

最後はラップで締めます。

ニッポン同名異曲 番外編
岐阜・郡上八幡 水路が張り巡らされた城下町 郡上八幡で育まれた 亡き母を思う元不良の生真面目ラッパー

上の道具音トラックを使ってそこからラッパーが歌詞でライムを刻んでいくということで、地ラッパーなんてアナログな感じです。これ考えること出来てもそこまで企画して形にするのはかなりやらないとって感じがする、いわゆる「簡単そうにみえるけどめっちゃ大変」系じゃないかと感じました。大体企画なんてそうかもしれませんが。

誌面だと音は聞けないのでスマホやらPCで見ないとこのラップは聞けないですよね。一方で僕はラップに興味があるというわけではないんですが、これこそ聞いてみないと分からないという感じがしたので聞いてみた、後で調べたというところですね。誌面連動だと読者に対してどこまでスマホかざすとか後で調べるリソースを確保できるかって感じです。

郡上八幡の静かな景色にラップは不釣り合いかもしれないんですが、半生が赤裸々に語られたものと、トラック音が地産なので妙な一体感を動画から感じられたところです。エンタメ=多数、メジャー、東京みたいなイメージがあるわけですが、一方で地産地消のエンタメやら地場で出来たそこで取れる音なりそこで育った人の言葉こそが面白いのではないか。これもアナログ発想だなあと感じました。

総じて現在の広告は、アナログという効率知らんがなというところを出しつつ、とはいえ一つの媒体なり発想マガジンとして刺さる何かをぶっこんでくることを、冒険視点で表現してくる雑誌でした。

紙媒体とか紙雑誌とか買わないし面白くないっしょと思わず本屋に行かなければ雑誌コーナーに行かなければ出会わないわけですが、今回の切り口から読んでみてもいいかもですね。

僕は以上の点で面白かったので、もし覚えていたらですが、次も買うかもしれないなと。現在のコンセプトでずっとはないと思うので(笑)

おわりに

今回は珍しく雑誌の紹介というかレビューでした。

本屋でぶらっとして見つけた割には面白く、やっぱ各地の在野のエジソンみたいに発明はできないんですが、アイデアは出して形にしていかないとと思いました。良い刺激になりました。

まだまだ若いもんには負けんわい!(笑)

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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