アイデアを出す時に実際に頭の中はどう動いているのか

違和感発想が熱くなってきたので、とはいえ必ず違和感発想縛りでやっているわけではないです。これはゲームで縛りプレイが好きみたいな人が毎回縛りプレイをしているわけではないみたいなことです。余計伝わらない?まあいいでしょう。

今回は、アイデアを出す時にどうしているか、実際にアイデアを出すときの動きを、とくに言語化してみました。

これによって、どこがあなたと違うか、または一緒かを考えると良いかと思います。違和感発想の話も最近がっつりまとめたのでそちらも参考にしてもらうといいかと思います。

アイデア生成プロセスにおける違和感発想の課題を掘り下げてみた

ケース1:学習塾のアイデアを考える

ある学習塾で面白いイベントをやるアイデアという問いかけがありました。これを見た時は僕の反応はこうです。

「面白いイベント的なことってなかなか難しいな」
「他に情報はないのか?学習塾だけか」
「わりとなんでもいいので、インパクト重視でやるということか」

というところでした。これではさすがにどう手をつけていいか分からないでしょう。

そこでたまたまですが、過去のメモを最近のネタから読み返してみました。例えば、僕がブログでもまとめていますが、自販機ネタがあります。その自販機ネタでやってみたらどうかというところで、アイデアをまとめてみました。

つまり、

学習塾×自販機=面白い切り口

としたんですね。面白いかどうかは、学習塾側がどう思うかしだいなので、ここでは僕が面白いというだけで、そこは一旦無視してください。実際の仕事としてはここの「クライアント」なり「お客」が面白いとか評価しないとやはりお金にはなりづらいです。

ただ気をつけたいのは、あなたが面白くないものを出してもまあ熱量がないので、それはやはり面白くないわけです(笑)最低限として、あなたが面白いものは出さなきゃいけないよねというのがここでも分かります。

それはさておき、ここでは「自販機」というランダム的な、偶発的なもの、僕の興味をぶつけてみました。おそらく自販機が好きな人とか興味がある人はいるけれど、ここで学習塾でぶつける人は少ないかもしれません。

とんがらせるという意味では、奇抜=変わった行動や見せ方をすればいいだけと思われますよね。ただ詳細は省きますが、一応論理として、このような考えや視点で考えると企画となりうるということをまとめています。よってそこまで無茶ではないかなというところで、僕が学習塾側なら「お、面白いかも」と思う感じでやったという話でした。

このケースから言えるのは、

・アイデアの問いかけで何も出てこない時は、切り口や問いかけが「大きすぎる」ケースが多い。そこで、切り口を探索したい
・その切り口は自分が持っているものだとすぐ使える。ネタ帳には切り口から鮮度の高いものが揃っているのでそこから想起して「組み合わせ」することで、新しいアイデアが生成されやすい

ストックがあるという話をしていますが、ストックしていないと毎回0から考えることになります。これを思考のセーブとか、切り口の保存という言葉で僕は表現しています。

ケース2:プロトタイピングの支援サービス

これはフリーテーマで考えたものです。問いかけがないので、問いかけを作るところからです。こういう時は違和感発想が有効になりやすいです。

違和感として、ある本を手にとった=興味があったので知っていたので買ったんですね。その時はいいのですが、読んでいて違和感を感じました。内容は素晴らしいのに、手が痛いんですね(笑)

観察すると、両手で持つと紙が固いのか、いわゆる海外のペーパーバック型で表紙カバーがないんです。だから厚紙っぽい表紙がダイレクトに手に刺さる。今ではハンカチをまいて退避しています(笑)それくらい痛いと。置いて読めばいいのですが、まあ本が傷むかなというところで、読みづらいですし、両手で持って読んでいると。

これだけで終われば「なんか変な本があった」で終わりますが、ここでツッコミを入れることでメモしておきました。つまり、コスト削減をしたせいでこうなったか、そもそも開発者である著者や編集担当はこれを手にとって読まなかったのか、またその出版社はニューカマーなのでそういう視点がなかったか。これらは推測や仮説でしかないので、これらが正しいのは分からないです、当人に聞いてみたいところですがそれはまあ別の話として。

ということを体験していたので、このネタから、アイデアとしました。そうです。リアルプロダクトについてプロトタイピングとかで何かユーザーから使ってもらってフィードバックを受ければいいのではってことです。アイデアの詳細は控えますが、ここで言いたいのは、フリーテーマでも違和感やネタから掘り起こして、組み合わせてアイデアが出せるってことです。

このケースからは、

・アイデアがフリーテーマの場合は、自分の体験や経験などからどこか起点を作ってそこを橋頭堡として攻めていく。考えていくことが大事。
・問いがないなら問いを作ればいいというのに似ている。問いの立て方は粒度によるが、自分が考えやすいところで考えればオッケーとなる。
・フリーテーマでなくても、問いかけを変換することで、自分の思考が促進されて色々と出やすい状態になるといえる。

ケースから考えられるアイデア出しでの脳内の動き

以上のケースは一部ですが、結構大事なことが言えそうです。

簡単にまとめてみましょう。

問いを立て直す。自分の問いにする

問いかけをした時、または問いかけがある時に頭が真っ白=何も思い浮かばないことがあると思います。その時は、問いが大きかったり、意味がつかめなかったりということだと思います。問い自体の意味が分からないこともありえます。

ただ多くは「面白くするアイデア」と言われても、面白いって色々あるよねとか、「それアイデアなんだっけ?企画じゃない?」というか、「そもそもなんでそんな問いになってるの?」と色々ツッコミができるので、この問いかけがどこを目指しているかはわりと冷静に見たほうがいいわけですね。

その時、方向は色々あるのですが、基本的に「問いを出している」問いかけをした人の視点といういわゆる作成者視点ですよね。これは受験でもクイズでもないので、正解はないですが、その人の気持ちを想像することはとても重要です。まれにこれを忖度または媚びる(笑)なんていう人もいますが本質的に違います。これは想像するということでしょうか。まあ忖度のも想像するんですけどね(笑)

この問いの話はわりとふわっと忘れ去られるのですが、そもそも「明日儲かるアイデアは何かないか?」はとても筋が悪い問いですよね。そんなのないですから(笑)ただ、それを自分で考えるならわりと平和というか良いと思います。ないと思いますが、「明日稼ぎたいので何かアイデアはないか」といって僕に振られても困りますが、自分で考えて「そういえばこういうやり方ならいいのでは」ってことはありです。ただこのケースメソッド的な追い込みも、当然反社会的でないとか、法律に触れてないとかは最低限見直したいですよね。なんでもやってもいいなんて言いたいわけではないですしね。

ネタ帳などストックから切り口を探す

フリーテーマは問いかけがないので、問いかけがない時はあ、違和感ネタなどが使いやすいです。ただ違和感でなくてもいいわけで、自分が面白かったネタとか、ツッコミを入れたこととか、面白かった話とかなんでもいいのですが、メモしておいたものが使えます。

アイデアを出すときにその切り口は思考した、エピソードであり体験や調べたこと、観察が入っているのですぐ使える=あなたが使えるだけであって他の人が使えるかは別です。そういう思考のセーブが出来てすぐトップスピードで使えるはずです。

そういう切り口からざくっと切り込めばおそらく意外にさくっとアイデアが出るのではないでしょうか。

自分の体験や経験で何か「こうすれば」が出てくるまで問いをし続ける

上で問いを立て直すといっていますが、問いを立ててそれで「何か出てくる」かです。ここでの何かとは、アイデアなのですが、アイデアというと分かりづらいので、具体的にいうと、

・その問いかけによって、自分の体験が想起されたか
・その問いかけによって、自分の経験とリンクしたものがあるか
・その問いかけによって、メモしたネタと重なる点があるか
・その問いかけによって、何か組み合わせることを誘発しそうか

みたいなことです。つまり、学習塾だけではしんどいけど、ネタとして自販機があるからそれを使ったらどうかみたいなことは安直ですがそのまま結んでアイデアとできるわけです。このアイデア自体の評価は一旦おいておいてください。また仮に評価したい人はアイデアを出し切ってからでお願いします。そうしないと全て出したものは「使えなさそう」となるからです(笑)

ここでは問いかけによって「何も出てこない」でなくて、「あ、そういえば」とか、「この間これやったな」とか、あくまで過去ですよね、自分の体験や経験を想起させていく、脳内DBにキーワードなりフレーズなり絵、動画なりでなんでもいいのでぶつけていって「想起」させる感覚です。だからDBがなければ何も出てこないです(笑)

よって、二重の意味でアイデアはメモしないといけなくて、それを想起させるまでやらないとアイデアは出てこないといえます。ここでのアイデアは、新しいすぐに使えるみたいなことでなく、まず問いかけと自分の知識や体験というDBの掛け算がシンプルに強いです。あとは細かい話なので、そこさえ出来れば「まずアイデアは出ます」ので、そこで出ないなら、DBやネタがないか、問いかけ変換がうまくできてないのどちらかになるのではと考えています。

発想法は切り口としては使える。が、あくまで自分の想起とリンクしないと使えない

違和感発想法も自分なりのやり方なのですが、これも「自分の想起」とリンクしないと違和感があってやりづらいです。オズボーンのチェックリストとかが分かりやすく「大きくしてみたら?」という切り口でやればまず出てきます。けれど、それを毎回やってそれで考えては結構しんどくて、例えば毎回大きくしてみたら?って不自然で、かつ同じ切り口なので使いづらいんですね。

使いづらいというのは「大きくする」のが駄目ではなくて、それ物理的なモノでないと使えないという反応にすらなりますよね。ITなど見えないサービスは「大きくする」ってなんだろうと。そういう時止まるんですね。こじつけて「メルカリみたいに大きなサービス、流通して広まるとしたら」ってのがありですが、それだけ考えても理想や妄想に過ぎません。ただ、この妄想が価値がないわけではないので、あとはこのやり方があなたにとって使いやすいかどうかです。

自分の想起とは、上でいう「問いかけ」があった時に、自分の頭が動くわけですね。その時思い出して使えるか、これはトレーニングもあるのですが、すぐ思い出せるか、または切り口として切れるかって感じです。それがないと結構しんどいです。武器がある、道具があるのに、使えないのはしんどいというか。実際に道具や武器があるのでそれを認識できないのが一番痛いですからね。

なので、ここから好みとか、あなたの好き嫌いでいいので、そういうやり方や切り口をなんでもいいので、まずは持っておくことをおすすめします。違和感発想も結局詰めていけば、違和感駆動形くらいがまあ面白いかなで、あとの発散はかなりオーソドックスと言えるでしょう。

発想法は「発想」における「思考」法である

ということで、あくまで思考なのですね。これはもう色々考えてたどり着いて当たり前なのですが、気づきました(笑)

何を言っているかというと、「発想」は考えたらポンポン勝手に出てくるというのは、その人が言語化してないだけでそうなっていても、誰でもそうなるわけではない。また、それによって「ポンポン出る」ことが発想と言われると、思考せずに勝手に出てくる「安易な」ものという印象が流布する。またはそういう影響を目の前の人に与える。それによって、才能や自分が出来ない人は勘違いをする。よって、ますます「発想」=「勝手に出てくる簡単なもの」というイメージが広まる。

ということが違和感だったんですね(笑)もちろん「思考」だから、難しいのだ、哲学なのだ!みたいなことを言っているのでなく、思考なのでフレームワークや考え方があり、それらをトレーニングすれば身につけられることが明確になるともいえます。

同時に発想は簡単なものではなくて思考するので思考がなければ、アイデアは出ないよねということも言えそうです。

発想しているんだけど思考してないはおかしくて、発想自体が思考なんですね。発想と思考がリンクしてないと、やはりきついですね。この気づきはなかなか大きなものとなりそうです。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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