「やだなー本」を読んで、社会に住む人の解像度を上げてみる

通称というかそのままですが「やだなー本」というタイトルの本を書店で見つけまして、読んでみました。やだなーが集められた本ということで、SNSでは話題だったようです。ということすら知らなかったんですけどね(笑)

それはともかく、やだなーを見ていくと色々なことがわかります。簡単ですが、レビューを含めてアウトプットしてみます。

面白かった「やだなー」

いくつか面白いやだなーがあったんですが、2,3個だけピックアップします。

P.20 これ食べないと人生損してるって言われる

P.109 名刺交換をしただけなのに営業メルマガが送られてくる

P.126 Twitterの名前の横に長ったらしい名前を書く人

やだなー本 その「やだなー」はアイデアに変えられるかも、変えられないかもより

他にも色々面白いのがあったんですが、例えばこういうのが僕は共感出来たということで。全然これに共感できないという読者もいると思いますが、そういうものかもしれません(笑)

人生損とかって余計なお世話とかってこともありますが、大体「レコメンド」に対する言語化が下手ということもあるというか。そういうことを言う人は「ただ食べて欲しい」というのでいいんですよね。多分ですけど。あえて「相手のネガ」、つまり否定的に相手の「損」を出すことはないんじゃないかなと。まあそういうネガティブをつついて売るなんていくらでもあるので麻痺しているかもですよね(これ知らない?あなたは損損!みたいなCMいっぱいですからね)。

身体的にこういうのは僕は毛嫌いするタイプなので、安易に使っていると厳しいんだろうと思いますね。

名刺交換ネタもあるあるかもしれません。メルマガ要らないですよね。とくにここでは名刺交換をどういう意図でしたのか。別にメルマガリスト収集ではないんですからね。迷惑ですから、迷惑メールになるか、あとは「うざったいなあ」となって、連絡は取らないでしょうね。。と思いますがどうなんだろうと。実際にこの不毛な名刺交換とかメルマガが色々と生産性を下げているかもと。

最後のTwitter名前が長いとかは、「3日で10億」みたいな例があがってましたが、そういうのですね。シンプルに書けばいいのに、情報商材を売って、他のやだなーにある「プロフは答えに」とか投稿しているかもですね。もう「やだなー」ですね。そんなこといわずにしれっとミュートしたり飛ばせばいいかもですが、あまり多いと「やだなーやだなー」となって「いやだなああ!!!」となって、排除させられるということかもしれないと。

発想法としてのやだなー

著者曰く、やだなーしかないと売れないのではというところから、保険(笑)として発想法コラムもあります。これは面白いですね。あってよかったですが、なくてもやだなー本ですよね。実際に著者はその視点でアイデアや企画を作っていることもあるのでそこはいいですよね。

ここでいうやだなー発想法とは、やだなーを集めて、それからアイデアにして、できればそこからさらに大胆なアイデアを考えるということですね。

ある種不満であり不平が「やだなー」にあると。そういうのを変えていくことはまさにビジネスアイデアの基本ともいえるので、王道中の王道かもしれません。

このやり方は全然いいなあと思いました。試してみては?

やだなーとは何なのか

読後感としては、やだなー自体は不満もあるわけですよ。ただ不満って色々あるわけですが「どうしもようもならないこと」とかで「賃金が上がらない」のも不満です。「やだなー」はもうちょっと柔らかい、身近な、日常的な感じですかね。「寝癖がひどくて困っている」とかもやだなーかもしれませんが、ここではもう少し社会性に寄せている気もしています。

つまり「寝癖がひどい人を見つけて言ったほうがいいか迷う時」がやだなーというか。そういう感じです。粒度というか。これだと「賃金上がらない」不満と大分違いませんか?

不満はもっとハードとか、もっと固まっているというか。潜在性もあるんだけど顕在化しているものというか。そういう意味では潜在性が強くて日常感が強い、言いたいけど言えてないとか、どうしようもないけど気になっちゃうかもしれないけど、流れていく感じを「やだなー」といえるのかなと。まあ定義難しいですけど。

だからこそ、この「やだなー」を意識したり、「あーこういうことを自分は思っている」からこそ、違う視点に気づいたりそれこそアイデアで解決すると。そうすると、よりインサイトではないですが、潜在性の高い、潜んでいるのだけど「やだなー」だけで感情はでていて、「なんでだろうかな」とか「解決」まで考えていないものがあって、そういうのが出てくるのかもなあと思いました。

あくまで仮説ですけどね。

不満とやだなーの例などからアイデアを考えてみる

不満とやだなーの違い

簡単ですがまとめるとこんな感じです。僕の感覚で、ですよ。

という意味でやだなーを色々出せる人は結構生活で身体や心を大事にしているかもしれないです(出ない人は絶対そうではないとか言ってませんからね(笑))。出せる出せないとかは一つの目安かもしれませんね。

不満とやだなーの例

あくまでイメージですが、不満の方が固いイメージで大きい感じです。賃金が上がらないとか、不景気であるとか。別に「不景気やだなー」でもいいんですが、ちょっと他人事すぎるというか。まあそういう人もいていいのですが、その距離感を適切に表しているかが大事ですよね。

不満とやだなーのアイデア例

最後にアイデアとしてどう出せるか?

不満→アイデアに転換するしやすさって何かというところがポイントでしょうか。具体的経験や自分の身体的経験があると「あーあのシーンだよなあ、これこれあるよなあ」というと想像しやすい。だから、そこまでコストをかけずに頭を振り絞るとかでなく「思い出せる」わけです。

そこから、考えるので「アイデア」を思いつきやすいのではないか。ここでは、著者の「より大胆に考える」ということで、多分太字にした「自動水栓のように人がいる時だけ書けるペン」は結構ジャンプしたので面白いかもしれません。使ってみたいですか?面白そうですよね(笑)

不満→アイデアとした時に細かいアイデアが出てこないか、「自動水栓ペン」が出てこないわけではないと思います。ですが、少し考えて出てきたのは、上のように「かちっとした真面目」なアイデアでした。それが悪いわけではないし、アイデアではあるんですよ。ですが、遊びがないので、飛んでないので弱い。平凡ということですね。平凡なアイデアでいいならいいですが、少し違った切り口を求めるとか、他の人でも考えそうなじゃないですか?あなたはどうですか?

そこで解像度を上げた「やだなー」ならいけると。って書いてますが結局これ僕が言っている違和感発想法と変わらないなと。結局「やだなー」から切り口作って考えるのは似ていると。まあ違和感でも「やだな」もあるので、まさにという感じでした。

やだなーは、やだなーくらいで深刻度はまちまち

意見は色々あるんでしょうが、それ気になるんだというのから、そうだよなあって思うというところで、一般的にいえば「読者がそれで自分だけではないんだな」と思えるところは着地点にあるんだと思います。驚いたのは、著者は感情ポイント指数?などでそういうSNSなどで共感度を測る指標を用いて(正確にどう測るかは難しいでしょうが)、仕事で判断しているようです。面白いなと。僕はやったことはないです(笑)

そういうところなので、例えばやだなーAであっても、AをどうしてもいやなXさんとそうでもないYさんは「やだなー」とはいえ価値観とか色々な環境で違うよなあと。だから、やだなーAがあったから、みんなXさんみたいに深刻ではないんですよね。違う言い方をすれば軽いともいえる。

けど「やだなー」なので、「良いわけではないよね」という曖昧さがあるんですよね。「よいなー」というのは、逆の言葉ですけどニュアンスとして「良い」から良いよねで終わるというか、含みがないんですよね。良いから良い、それだけですよね。

でも「やだなー」はやだから駄目なのだというのもなくて、嫌なんだけど・・・という余地がある。それ解決したいとかまで強い欲求はないというか。まあ「やだなー」といっていてめちゃくちゃ嫌とかもあるので、難しいのであくまで僕の考えではってことですね。

なので、やだなーを上げる人がそれで全部気にしているかというとそうでもないと。人に理解し難いけどってこといっぱいあるんじゃないかなと、そういうところがいいんじゃないかなと。

人の解像度を上げる意味ではいいかも

やだなー自体は人の不満とかに触れて「やだなー」とかでなくて、面白く読むものだろうと(笑)これで社会には「やだなー」がいっぱいあって、不幸であると(笑)そういう本ではないですよね。と読んじゃう人もいるかもですけど。まあいいけれど。色々な読み方ができるといえばできるので。

そこは否定せず、僕の読み方は、例えばこれ人の社会の色々な人っていますよね。というのが分からない人もいると。経験値が浅いとか、社会経験が少ないとか。そういう人はこういうのを読んでも「わからん」はずですけど、逆にそういう「やだなー」があるかもなと一瞬でもあれば、余地が生まれる。つまり他者への配慮とか、自分が良いというのも悪いという人もいるんだなという「相違」があるんだと。

当然それを頭ごなしにやだなとか、よくないねと言うと言われたらどうです?僕もいやだなーと思って動きづらいので、言い方はあるんでしょうね。そしていやだなーで解決できるわけではないので、そこを「アイデア」で解決したり、乗り越えたり、違う視点を与えることで良い社会、関係性になっていくかもなと。それが多分コミュニケーションですし、それが「やだなー」を活用する、道具としてツールとして使う人の感覚じゃないかと。言い方がちょっとドライかもですが、僕はこれを糧としてできるって意味で捉えています。

人、つまり他人ですね、僕ではない自分ではない人が何を考えているか。僕はとても興味があるのですがない人もいますよね。少なくとも解像度を上げたいです、色々な人の考えを知ることは、企画でもビジネスでもプラスになると僕は考えています。でないと、色々な人へサービスを提供したり、お客さんのイメージとか、自分ではない価値や考えの人に提供できなくないですか?と僕は考えるからです。

例えばアイデア出しで僕は発想の仕方を教えるということを言っていますが、これも自分ができるからできるでしょう、では全然進まないですよね。文字通り「できない」「わからない」のですから。著者がコラムで書いている「JYANAI COFFEE」という例もバーで初心者はどうしていいいか分からない「やだなー」があったからそこから考えられたと。まさに素人視点を言語化してそれを解決するように作るわけですね。素晴らしいですね。

なので、やだなーをいっぱいみたりして、僕と同じようにしろってことはないですけど、なんか色々な人の価値観があっていいよな、こういう考えの人もいるんだよねと分かること、そこを理解しようとすること、分からなくても「あるんだね」と一定の未知を発見すること。そういうことができる人は企画向きです。かつアイデアの出し方が分からないなら、僕に聞いてください(笑)

おわりに

書店でふらっと見つけた本でかつそうでないと買わなかったタイプの本とも言えるかなと。誰かに良いよーと言われてもネタ本みたいな感じがして買うのが恥ずかしい「やだなー」(笑)と思ってしまうかもしれないと。そういう意味で出会い方もあるよなあと、本の買い方の妙を感じたのもあります。

本当にやだなーと発想ネタの構成なので、やだなーとか不満とか見たくないなという人はおすすめしません(笑)その上で、企画的に世の中の人の感覚とか、色々な人の身近なネタを知りたい人にはかなりオススメです。できる人ならこのやだなーから企画ネタにできると思います。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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