ChatGPTと私(人)とのアイデア壁打ちにおける違い

まだふわっとしていますが、現時点で見えつつあることを共有してみます。

ChatGPTでアイデア出しは可能ですが、当然発話者(質問者)が種やネタを持っていてある程度知見がないと成立しないと僕は考えています。一方で僕がやる壁打ちでも、お客さんが知見ゼロでは成立し得ません。

そういうところをいくつか気になっているポイントも含めてざっと書き出してみました。

ChatGPTと人間(私)との比較

5つの論点をざっと出してみました。軸ですね。これらがMECEであるとかはおいておいて、こんな感じが妥当かなと。

早速見ていきましょう。

主導するのは?

まずChatGPTでは、質問者である問いかける人が主導します。ChatGPTが主導するわけではないです。なので導いてという命令は出せるし出来るのでしょうが結構危ういですよね。

一方で人との壁打ちであれば、僕がある程度主導することもありますが、例えば最初やネタがなくなったら僕が出してくるなど、です。とはいえお客さんもそれを一緒にやるということでありそうなるので、どちらもやるというのが実際です。

元ネタ

元ネタとは、経験や知見があるかどうかというところです。以前書いたか分かりませんが、壁打ちにおいて全く何もその当該分野に経験がないのであれば、形式的な壁打ちはできるんですよ。ただ、形式的とは壁打ちのような「風」であって、お互いラリーが続いて知見が深まるとかってことにはまずなりません。

ChatGPT相手だと何かここが不要のように思われるのですがむしろ逆です。必須なんですね。主導しつつ、元ネタもいるのでわりと意図性がないと崩壊するってことです。ここだけでも大分壁打ちの違いが見えてきませんか?

そして、僕の壁打ちであれば、元ネタはお客さんに求めますから、当然なければ今までの何かを引き出すしかない。なければないでそれでやるしかないんですが、そこは仕事っぽいですよね。とはいえ、僕からもこういうネタが使えるのでは「ネタ」も出すので、それはChatGPTでは結構きついか出来ないはずです。

読み込み度

読み込み度とは、文脈からの類推、推論やいわゆるアイデアのジャンプです。例えば「あ、こういうことはお客さんが言いたいのではないかな」「ならばこれではないか」ということをわりと大胆にやります。僕の場合です。そのジャンプで間違ったら修正すればいいけど、それによって発散されるので良いアイデアになる、良い壁打ちになることがあるんですね。

なので僕の場合はあるし、そこが期待されていると思います。例えば整理されてないなら違う視点で整理するとか、またはアイデアが視点が固まっているなら広げてほぐすです。そういうことが期待されているはずですから依頼があるんですが、そこを明文化するお客さんがいるかは別です。潜在的に望むけど、顕在的に明文化できない状態というのが適切でしょう。

ChatGPTにおいては、確かに構成を工夫して意図的にやれば文脈も読んでくれる、いわゆる学習してくれるかもしれませんが、このコストや感覚は僕は分かってませんが、相当コストがかかる気がします。意図性を持っている時点でやや壁打ちとずれるのと、意図してないアイデアを出すには、偶発性を出すしかないのでそこをどこまで出せるかですよね。

それはさておき、ChatGPTでこちらの意図を読み取って何かは基本的に無理だと思います。場合によっては可能とは、特定のタスクや状況を特定すればいけるけど、それでもなお判断するのは人ですから、元ネタが必須として人に求められるようにという感じですよね。

感情

感情はChatGPTはないはずです。怒られたとかはないと思います。僕は人なので色々と感情を出します(笑)

楽しいなら楽しいと思えてはかどりますが、不毛ならなんか違うな???で終わるかもしれない。

ムラがあるんですね。まあプロとしてはムラをどこまでなくすかなので、そこは心配してもらわなくてもいいです(笑)

とはいえ、感情を無視してオラオラできるのはChatGPT側が優位ですよね。とはいえ、感情が乗る乗らないが必要な壁打ちならば、のっぺりしているので面白くないですよね。流れがないというか。

ここがおそらく身体性がないと言われるChatGPTの限界と感じます。あればもはや超えてますし。今後どうなるかはおいておいて。

言語化

言語化はChatGPTを操る上では必須です。ないと自分が絡められます(笑)

僕との壁打ちでは多少あればいいです。逆に言語化できて整理できていればそこまで問題にならない、壁打ちしなくても良いことが多いともいえる。最もそれでも壁打ちする人はいらっしゃいますがそれはそれと。基本的にそうかなというところです。

僕=人の壁打ちの優位性は?

上の5点でみていくと、人=僕ですが、優位なところはどこでしょうか?色々言えるのですが、これも場合によって変わるのだろうと思います。

人の壁打ちが使える時

僕が使える時は、おそらくですが、

  • 自分で全部決めたくないし決めて欲しい、主導して欲しい
  • 自分のネタも乏しいかもしれない、またはある領域で知見がないので聴きながら深めたい
  • ある程度こちらの意図を推測して提案したり読み取って欲しい
  • ある程度面白がってやって欲しい、または楽しんで欲しい
  • 言語化とか説明はそこそこできるが、それほどうまくない

のどれかに該当するか、全部当てはまる時でしょう。

実際に僕の実践として壁打ちでは概ね該当すると思っていて、特に僕がポイントではないかというのは、太字にしたところです。

読み取ることや元ネタの広さでしょうか。そこが僕の生命線でもあると思っていて、それって調べれば分かるとかでは遅くて、瞬時につなぐというフットワークが求められる。それでないと遅くて、色々と忘れるし間に合わないそういう感覚です。

読み取りはぶっちゃけある程度、コミュニケーションができれば出来るんですよね。だけど、ChatGPTでは全部こちらがやらないといけないので正直使れると。全部お膳立てしてやっている感じがするというか。リソースとして投げられないというか。投げられるよという人は、かなりタスクを細かくしていて明確に回している気がします。というかそれくらいしか出来ないんですね。

壁打ちがそれで出来るならありですが、多分予定調和的壁打ちになっちゃう気がします。つまり想定外がないというか。

ChatGPTの壁打ちが使える時

じゃあChatGPTの壁打ちが全然使えないのかというとそうでもないとおもいます。使えるところがある。

  • 自分で色々仕込むし意図するし、主導することが出来る
  • ある程度自分のネタやあるし、考えは持っている。
  • 読み込みなどは不要で、こちらである程度想定した枠がある
  • 何度やっても壊れないタフなやつが欲しい。人相手では怒るとかムラが出てくることをやりたい

ここで、おそらくですが、最後に書いたタフさは感情がないので、Regenerateを繰り返せばいいんですね。それはなんとも楽で僕は出来ませんから(笑)

なので、何度も違う回答をやっていっていいネタが出れば「ラッキー」というのはありですよね。あとここで矛盾しますが、想定枠の中での想定外みたいな、小さくしていってその中で違うアイデアを期待するならいいと。

ただこれって壁打ちという醍醐味は薄れていて、使い手である質問者がある程度分かっていてそれでもなんかネタがないかという感じがします。つまり、アイデア出しとしては中級者以上が使えるものであって初学者が使って充足するとはとても思えないというところです。

まとめると、人はやはり偶発性を提供できるしそれが人との壁打ちかなと。ChatGPTではかなり枠を絞ったところでは機能することもある、くらいでしょうか。

ChatGPTに求めてはいけないもの

壁打ちとして求めてはいけないものを求めるとエラーとなります。エラーとは発話者ががっかりする、つまりあなたが使うなら失望したり、なんか使えないなってことです(笑)それを否定するとか意図はないのですが、そこは期待してはいけないということかなと。

上で明確なのは、

  • 主導をChatGPTに求めて自動でやってくれること(そもそも主導はあなたであってそれをサボるとかはできないでしょう、がんばってレコメンデーション。でもその判断は消えないはずです)
  • 元ネタ自体を求めること(そもそも経験や知見や身体性があり、あなたが何かが真実や事実であることをどう学ぶかはスキーマなどを作り試行錯誤を通していくことがあるからです。それをChatGPTがしているとは思えずしていないので、それっぽいことがいえるともいえる。そうです。元ネタはあなたがあるのであり、あなたは判断する側であって、ネタを委ねてはいけないんですね。面白い指摘があればそれを使えばいい。ですがその判断は誰がするんです?というと、やはり元ネタ自体はあなたが持っている必要があるんですね)
  • 推測や推論など雰囲気や流れで読みとってもらうこと(これはまず無理です。それは人がやることです。3回同じことを聞いたから「この人は分かってないので違う言葉を使うか」とはならないはずです。なったら賢いですけど、どうなんでしょう。そういうのは多分できなくて同じような言い回しをし続けるはずです。そういう振る舞いを期待してはいけないってことです)
  • 感情を発揮させること(擬似的にはできるかも知れませんが、予定調和かなと思います。そもそも人ではないのでそこも期待してはいけないと)
  • 言語化出来てないのを読み取ってもらうこと(先と似ていますが、言語化してない、非言語化のところを推測できないです。頑張って打ったら褒めて!といわないと褒めてくれないんですね(笑))

これらを求めていればChatGPTに失望するとか使えないとかってなるんじゃないかと想定しています。

壁打ちにおいてこれらって求めることのような気がしますから、結構壁打ちとして限定的すぎて使えないのではないかなあというところでした。

おわりに

ChatGPTでアイデア出しが出来るというTIPSなどがたまに流れていますが眉唾で捉えています。実際には、そのアイデアらしきものは何か?というところは自分で考えるわけなので、儀式としての壁打ち、形式的壁打ちにはなるんですよ。でも冷静に見ていくとそれっぽいことであって、知見があるような知らない分野では「それが本当か」が分からないと。それが最も怖いところですよね。

実際にあるかないかアイデアに関係ないって無邪気に思う人もいると思います。そうです。アイデア自体は既知と既知の組み合わせでしかなくて、新規のなにかが突然生まれるものではないんですね。既知を確実に知っているのは人間で、ChatGPTが知っているかは正直わからない。そこを嘘をつくという前提や不安があるから「判断」するんですね。

それも含めて批判的に使ってどうだろうか?というなら壁打ちもありといえばありです。前僕がやったように、面白いこと言うとか、空気もなにも読まず出すとか、なんかそれっぽい違う視点を出すとかも粘ればあると。あとは単にその1人壁打ちをするよりもChatGPTとやったほうがなんか良い感じになるかどうか。人次第ではないかと思うので、それも使い方かなというところでした。うまくいけばやればいいと。

ただ、留意として僕の考えでは、元ネタがいるし、言語化がいるし、主導もするし、というところでその時点で「予定調和」となるので、そこまで偶発性やジャンプしたアイデアっていうのは期待できないんですね。それをそこまで求めてない、既定路線で少し毛色が変わるくらいならいけるかもしれないと。

とはいえここまでいって、そこまで元ネタがあり、言語化出来て、主導できて、タスクが分解できてとかってことをやれる人ならそもそもChatGPTでなくても何か全然違うあひるちゃんにぶつぶついってもアイデアが出てくるんじゃないのかなとか実は思ってますよ(笑)

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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