ビジネスマッチングアプリSOLMUを弔う

日本経済新聞社が新規事業として手がけたビジネスマッチングサービスSOLMU(ソルム)が終了するようです。

SOLMU サービス終了のお知らせでは、2019年5月10日で終了と書かれています。お知らせ自体は2019年4月12日更新となっていました。

先行登録に近いタイミングで情報をキャッチしたのもあり、そのあたりを含めて振り返ってみたいと思います。

SOLMUがどうというよりも、事例を見ることでビジネスや新規事業、または新規企画やプロジェクトなどを高めるために何か学べないかというのが本企画カテゴリの狙いです。

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SOLMUとはどういうサービスだったか

日経発。チームメイクアプリ『SOLMU』ベータ版をリリースでは、2018年12月頃にクローズドベータでリリース。ベータ版が2019年1月中旬に出ました。

おそらくそのベータ版で情報をキャッチして早速登録しました。

印象としては、

  • ビジネスマッチングアプリyentaなどのビジネス系アプリ(なおyentaは僕は使ったことはありません。)
  • 流行りのチームメイクというかチームビルド系のサービスで、かつ日経がやるから面白いかなと思っていた
  • キャッチコピーにあるように怪しい感じではなくて「事業」をヒトから作る真面目な感じ

でした。

実際にアプリ自体はシンプルです。機能としては、自己紹介などのマイページ、自分が欲しいオファー(アピール)を登録(起業仲間、案件が欲しい、情報交換などの3,4つくらい)で、あとはメッセージやり取りしてお話しましょうという感じのものでした。

どういう点が課題だったか

僕自身は使ってみてマッチングしづらいだろうなという点を感じました。そもそも情報をどこまで出すか、あとは地理的に東京が主となり、対面でなくビデオ会議でどこまで出来るかを試した感じで使っていました。

一週間くらい使って課題をメモしていたので、そのあたりも課題を書き出してみます。

マッチングはしづらい

地理的にもですが、僕のビジネス経験などはスルーするとして(笑)(話してみたいかという魅力等)どういう人と何をしたいかについて明確でないもあります。僕だけでなく使う初期ユーザーは戸惑いながら使っていたのかなというのもあります。これは中の人とユーザーヒアリングでお話する機会があったのでその点が大きいです。逆になければそのままフィードアウトでしたね。

実際にマッチングはできなかったです。メッセージをいくつか送っても返信なしでした。このとき思うのは、初期ユーザーがそのサービスに何を思うかは最初に形成されちゃうということですね。好きでなかったり、地盤がなければそうなりますよね。

その上で仕切り直して情報交換に特化したが活用できずでした。ヒアリングから自分の使い方が悪いかなと思い、情報交換をしたい、とくにビジネスアイデアについてというお題も明記したつもりですがとくに何も起きませんでした。

これはお題が悪いということもあるのですが、他に使いたいことがなかったので。

AIがマッチングしてくれる?かも

オファーではないですが、この人どうですか?みたいに色々と見ることが出来ます。ユーザーの選定は自動的に行われているかと思います。ユーザー数もその登録情報も少ないので精度が微妙でした。これは仕方がないものの、こういう体験が出来るの面白いよねというところがそこまで見えませんでした。

起業仲間か、案件探しか、情報交換か利用意図ですれ違う

どういうことをしたいかを示すことでよりユーザーが望む人とマッチングをするような仕掛けです。つまり、起業仲間が欲しい、ビジネスパートナーですね。それかフリーランスなどで案件を探しているのか。または単に情報交換したいのか。

これらは使っていて思ったのは結びつくようでずれているかもという印象です。つまり、起業したい人が良さそう人がいるからビジネスしようっていうのはちょっと考えにくく(全くないわけではない)、どちらかというとそういったプラットフォームがなくても問い合わせていくくらいの迫力がないと口説けないだろうなあと。つまり、SOLMUが悪いというよりも、起業仲間探しという価値や実態と合わなかったかも、という感じです。

案件探しについては、フリーランスや法人等がこれで探すかどうかです。結果的に起業仲間を探す人と案件を探したい人はマッチングしませんから、それぞれが細分化されて合わなかったかもしれません。

情報交換になるともっと見えなくなります。お題が合わないなら話す必要もなくということでユーザーがマッチングするまでの体験を得づらくなりますよね。いいねみたいなものがあった気がしますが、そこから何か起きることはありませんでした。

以上から、うまく使えないなあと思ってフェードアウトしていって、3ヶ月くらい経っていたという感じでしたね。

ピボットと思われるエンジニア向けはどうか

実際にチームメイクサービスがうまくいくかは僕自身は自分の体験ベースからあまりうまくいかないと思っていたりします。

理由は明確で、あまりにもネットで出会うには情報がなさすぎる、目利きできない、リスクが大きいというところですね。それでもなお、同様のサービスがあるのは勝てるポイントやいけるポイントがあるからかもしれません。

こういうとネットやリモートについてネガティブな印象を僕が持ってるかと思われるかもですが、むしろ逆でして、インターネットやそのポテンシャルはものすごく感じている方だと思ってます。つまり、ネットにポテジィブなユーザーがメイクできないかもって感覚を払拭しないときついんだろうなという感じですね。伝わりますかね?

途中からエンジニア向けということを強調したように思います。ただエンジニアはそもそも想定ターゲットではなかったはずで、ビジネスマンと相性が悪いというかずれる印象です。

もっといえば、プログラマであればその仕事の流動性というかポータブルな感じから、プロジェクト的に動くのがわりと浸透していて、かつリモートで出来るのも多いわけです。ですから、あえて使う理由が欲しくなるのかなと。あえて色々な人と出会っていく使い方はプログラマっぽくないかなというところですね。

そういう意味でターゲットをエンジニアを中心にしつつ、そこから起業みたいな感じに切り替えたのかなと想像しています。実際にスタートアップ然り、ベンチャー然り、創業者や起業家がプログラミングして作るのは普通だったりします。

しかし、これはプログラマが起業仲間を探すとかって話でなく、起業するにはスキルとして自家発電出来る、つまり自分で誰かに依頼せずとも作れるポータブルスキルのようなものとしてたまたまプログラミングが出来る、ということの方が多い気がします。

もちろん、デザイナーであるとかマーケターであるとか、だからエンジニアを探しているのだってのはあるのかもしれませんが、チームが出来ていく絵がなかなか見えないなというところです。

あとは単にタイミングです。エンジニアは売り手市場でありというのもマイナスに働いている気がします。

マッチング系サービスは難しい

僕も失敗していますが、マッチングサービスって難しいんですね。理由はいくつかあるんですが、それも書いてみます。

マッチングするって簡単に言えるが実際は手間がかかる

仕組みやシステムで簡単に出来る。これはマッチングに限らず、ユーザー投稿型のコンテンツとかが流行ったときもそうです。システムがあれば「使ってくれる」という妄想になっちゃうんですね。

SOLMUであれば、まず起業したい人やビジネスマンなどが登録をします。その登録も結構大変です。頑張って100とか300とか集まったら次はマッチングです。マッチングするのは数勝負もありますが、100人いたら100人のニーズがあったりするでしょうし、それをパターン化出来るかどうかですよね。お互いがいいなと思えたりがなければマッチングが出来ないですからその工夫が求められます。

問題の本質は、マッチングって簡単に言えちゃうことでもあります。本当にそうなのか。マッチするかどうかもですが、もっとシンプルに「自分ならマッチングしてそれでチーム作って使いたいか?」とか「そういうチームビルドする絵が見えているか、またはできる感触はあるか?」というところです。

僕自身の失敗談から言えるのは、そういう絵がある程度見えていても実際は「足がもつれてイメージ通りにいかない」から「あがいたけどダメ」だったからクローズしたということです。これは悔しいですが認めるしかないですよね。

少なくともマッチングサービスを作る人は、二者のマッチしたい人とつながりがあるか、どちらかを圧倒的に集められるかでやっとスタートラインかなというところです。

もちろんカジュアルにやってみるとかトライを否定してなくて、ただやってみると当然集客が仕組み化できていること、同時にマッチングも仕組み化できないと厳しいですよねってところです。

人とつながる感覚はかなり人によって違う

僕なんかはそうですが、人とつながっていくほうがいいというポジティブな考えがあります。ただ、冷静に考えると、基本合っていきましょうとか、基本自己開示しましょうとかみたいなのって、かなり外交的というか、社交性が高いという感じです。自分で言っていてあれですが。

これらが成立するのは環境だと思っていて、心理的安全があって色々言えたり怒られたりがないとかなのかなと。

そういう意味で自分が考えるマッチングのハードルの低さが、使う側のハードルの低さにはならないのが普通だろうなあということです。つまり、多くの人がハードルが高いと感じるってことですね。

もちろんマッチングと人がつながるのは、大分違うかもしれません。ただこれらは関係づくりの経験とかになるのですが、人とわりと話し込んで意気投合してとかってなかなかない話です。また相手を一瞬で知ることが出来るかは分からなく、時間がかかるのが実際です。打ち解けたりが出来たように見えてもお互いがわからないこともありますから。

面白いのはこういう人をつなぐサービスというのは、人をつなげたりつなげる価値を知ってる人が作るんですね。ただそれを仕組み化したりパッケージ化するとうまくいかないというか、打算になるというか表現が難しいですが、アナログなものをデジタルにして切り落としたり、価値を減退させる印象すらあります。

両者の満足が必要となる

何かを提供するのでその代わりに何かをもらう。分かりやすいのはこういった1:1のサービスですね。例えば、情報を掲示するのでその情報料をもらうとかですよね。

一方マッチングでは、どちらかが偏るとバランスが悪くなり一方は不満です。投資家と起業家マッチングであれば、投資家が多いと起業家が少ないから投資しづらいとなります。ただ起業家にとって投資されやすいとなるかもしれません。

このバランスと一生付き合うというか、どう仕組みやアイデアで着地させるかが課題となります。

マッチングサービスはどちらも満足させていくために、どちらか切り捨てるとかも出来ないなあと感じています。

チームメイク系サービスがどうなっていくか

個人的には最近の流れとしての副業ブームっぽいところとどう着地するかが気になります。一方でそういったプラットフォームや外部サービスを使わなくてもアナログで対面し、知り合いや紹介でつながる価値が相対的に高くなるという印象もあります。

インターネットって便利だけど、思考の時間の価値→哲学ブームとか教養ブームとか古典ブームとかですかね、に対して見直しが始まり、「急げもっとたくさん」みたいなものが「ゆっくりでも確実にいこうか」みたいになるのかなと。このトレンドはいつの時代もあるとは思うのですが、目先や新しいものに目を奪われると見えづらいかもしれませんね。

僕自身は先にも書いた通り、チームメイク系のサービスはうまく使えてないのであまりポジティブな印象がないところです。多くは面白いから使ってみるといって僕のような人がいて、でもそこまで何かやるコミットメントがない(笑)というと、様子見で幽霊ユーザーとなるという感じですね。実際のユーザー数ほどアクティブでない感はここにあるのかなと想定しています。

一方でどうすると知らない人との良い出会いが出来るかなんですよね。これは何かやりましょうとか熱量とかよりも、実はイベントとかリアルベースで何かをやったほうがいいのだろうと。良くも悪くもだからこそ、ビジネス交流会のようなイベントがなくならないのかなと思ったりします。あれはあれで何か違うとは思いますが(笑)

仕組み化された安全な道というか整備されたコンクリート道みたいな感じでうまくチームが作られるとか、マッチ出来るのは単に文化とか、今だけの問題かもしれません。うまくお互いのカードや見せ方を考慮してそもそも仕事やプロジェクトをそういったサービスを土台に使っていく形になれば僕が感じる「マッチしづらい」違和感などもほとんどなくなっていくかもしれません。

そういう未来は期待しつつも、現状は厳しかったというところかもしれませんね。

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