アスクルのビジネスモデルを調べてみる

アスクルってよくビジネスモデルのお手本みたいな感じで出てくるのですが、ちゃんと自分で調べたことがなかった気がするので、調べてみました。

アスクルのビジネスモデル

公式サイトでビジネスモデルの記事があるのでそこを見るのが一番です。

当時1990年代ですが、中小企業などの事業所・会社はオフィス用品を調達する手段が近くの文具店などに行くしかなかったという時代です。インターネットもないので、通信は電話かFAXくらいなので、オフィス街にあれば近くの文具店となるわけですよね。

そういう時に、アスクルが直接送るという仕組みを作ったと。かつ、ここがポイントですが、既存の文具店にをエージェントとして巻き込むことで、直販VS小売(卸)などの戦いになってないということも面白い点です。

エージェントという特徴

エージェント=代理店ということですが、文具店がエージェントとしてアスクル代理店として登録するということです。

エージェントのやることは2つです。1つは新しいお客さま(会社ですね)の開拓、もう1つはその売上金の回収です。逆にそれ以外はアスクルがやります。アスクルはカタログを見て発送する仕組みなのでそのカタログ配送はもちろん、注文受付もアスクルです。さらに文具など商品の配送はもちろん、問い合わせも全部アスクルがやると。

これによって、アスクルはそれらの業務集中し、効率化出来る。エージェントは本来業務の延長?または本業として開拓したり、お金をもらってきてねというわけですね。

アスクルが面白いのは、自分ですべてをやらずに、代理店として既存文具店を巻き込んで一緒にやろうという形をしたことになります。よって、エージェントはアスクルからの請求とお客の差額は自身の売上となります。実際は手数料収入というモデルとなります。

エージェント数はどれくらい?

最新の有価証券報告書(通期)に書いてあるかなと思ったのですが、見つけられずでした。IR資料室

そこで代理店などの表彰や代理店の記事は正しいと言っていいと思うのですが、1400社から1500社以上と言われているようです。参考:アスクル カタログ 販売代理店の確認方法☆ アスクルから表彰されました!~アスクルエージェントアワード2018 3部門受賞の巻~

またアスクル傘下のビズマートという代理店では、お客さんの数(法人)は16万社以上のようです。

16万社÷1,500社=顧客106社/1エージェント

となるので、1代理店の顧客数は100社ちょっとなんだなと推測できます。実際に代理店の規模やエリアによりそうですので、あくまで目安に過ぎません。

ちなみに、お客さま登録数としてIR資料からは、400万件を超えています。この数字他の競合と比べてはないのですが、事業所数なのか会社数なのか分かりませんが、相当の数と言えそうです。精査はここではせずです。

エージェントの手数料は?→不明

エージェントの手数料も気になったのですが、ネット情報では10-15%くらいとさらっとありますが出典が分からずでした。

そこで、有価証券報告書の通期情報からおそらくこれではないかと考えてみます。2021年5月期通期の有価証券報告書を見てみます。

まず、エージェント目線で行くと、代金をお客から回収して、それをアスクルに支払うというまでが流れです。アスクル側からすると、売上は注文高が売上高となり、エージェントへの手数料は業務委託費としてエージェントに支払っているのでは?という見立てです。

P.78では、販売費及び一般管理費の内訳が書かれていて、業務委託費は今期で11,570百万円=115億円となっています。前期は109億円ですね。配送自体もアスクルがやっているので配送運賃は24,182百万円で、241億円かかっています。あとこれらは連結決算ですが、単独はP.127にあるように、195億円となっています。連結の方が内訳が下がるところで、ちょっとここはわからないのでスルーしておきます。

あと、ここで業務外注費もあるので、業務委託費との違いが分からないのでこれもスルーしておきます。

もう一つ気になるのは、配送です。僕の理解ではアスクルは配送センターを自前で持っていてロジスティクスを担っていると思います。ドライバーはアスクル本体でなく、グループ会社のASKUL LOGIST株式会社なのではないかと考えられます。これらも正社員のためいわゆるフリーランスドライバーなどではないと想定すると、ここでの業務委託費は手数料が主ではないかと考えました。実際は違うかもしれません。

仮に業務委託費が手数料だと想定してみます。最新では115億円でした。売上自体は通期で4221億円ですから、115/4221=2%程度になります。これは少ないなあというところで違う印象です。

BUSINESS INSIGHT Spring 2000のアスクル記事が興味深いですが、P.90では、契約条件の詳細な掛け率は分からないものの、商品カテゴリー毎に納品掛け率が決まっていてその差分がマージン手数料となりそうです。あと面白いのはアスクルは現金回収出来るというところで、エージェントはその分現金の口座引落が設定されていてそれを支払うことになります。こういう仕組みは面白いですね。

今回このエージェント手数料は不明ということで一旦ここまでとしてみます。

業績的なもの

業績もファクトデータがあったのでざっと見ると、BtoBのいわゆるアスクルのメイン事業は2001年で752億円だったんですね。それが2021年では3,451億円となっています。全体が4,221億円なので、8割くらいがBtoBということです。BtoCはロハコとか他の事業とかかなと思われます。20年で見ると、5倍くらいに増えてますが、なかなかの右肩上がりっぷりですね。

気づき

調べてみて思ったのは、旧態依然とした業態や文具小売店の限界を見極めたのか、当初は全然反応がよくなかったようですが、ネットワーク化して最適化したのがすごいなというところです。これは他の業界にも当てはまって例えば花業界みたいなところで一強がいないところでは、それぞれの小売店をまとめてみたいなことが出来れば面白いかもしれません。が、生鮮なのでシビアな感じがしちゃいますが、鮮魚でもやっているところがあるので粘ってどうかですよね(笑)

課題はあまり見えないのですが、エージェント自体が文具店となると後継者などの存続などもあるかなと思っていて二代目三代目の事業承継課題はありそうです。まあその場合M&Aではないですが、他代理店と統合するとかになりますが、代理店が違ってサービスが違うとかもあり得るわけですからそのあたりの代理店の継続云々というところは気になりました。あとは頭打ちするのがどこかというところで、新規法人が10万くらい出来てもそれらに確実に当て込んでいくことで、ライバルもあるわけですけど、まだまだ成長出来るのかな?と感じたところです。

気になった点があれば、アスクルの公式サイトなどでまた調べてみてください。

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