ANYCOLOR(にじさんじ)は何で稼いでいるのか調べてみた

ANYCOLOR社が展開するVTuberグループ「にじさんじ」は話題ですよね。というか僕はほとんど知らないのですが、なぜ人気なのか?その魅力は多分色々な人が分析しているはずなのでそっとしておいて、僕はIR資料から見られるビジネス的な視点を考えてみました。

結論

軽めですが、以下でまとめました。

  • 初期からVTuberが珍しいところから頑張っていた(2017-2018年頃)創業者。
  • 時代の流れもあり、配信や実況などが盛り上がりつつ、遊べる近しいとはいえプロ視点も入るエンタメコンテンツを生み出した
  • 30歳未満の若年層に受け、また女性向けでファンが増えている(ID数は90万人)
  • 独自の生態系があり、配信動画→ファン→グッズ購入→イベントというようなコミュニティができている。
  • 今後はTAMの伸びも期待でき、海外市場、日本発コンテンツとして急激に拡大している(国内はまだ余地がありえるが、更に海外日本アニメ市場が1.2兆円規模であるのが強い)となると、253億円はまだまだまだということになると感じられる。

ということで、僕が見ているVTuberがにじさんじだったとかもありえますが、それはおいておいて、以下調べたことを共有しておきます。

リサーチメモ

資料自体は、IR資料をどうぞ。

2022年4月期 通期決算説明資

ANYCOLOR、2023年は売上・利益共に大幅成長
2024年も新規デビュー・ユニット展開を強化し更なる飛躍へ

などです。

売上規模は253億円

2023年4月期通期でこの規模です。結構大きいというか相当大きいです。2019年は8.6億円ですからものすごい伸びですよね。

興味深いのは営業利益率の高さです。この手のエンタメコンテンツなどってもっと費用がかかる気がしますが、3割程度で、純利益もそれにとどまっているので「あれ、なんかすごい」と直観的に感じました。

英語圏もすでに展開していて、それらは64億円ということで、すでに売上が出ていますよね。

稼ぎの内訳は半分が物販のコマース

ANYCOLOR社にとって、にじさんじでの売上は4つに分けられます。コマース、プロモーション、ストリーミング、イベントです。

四半期で44億円全体ある中で、26億がコマースです。つまりVTuberのグッズなどが売れてるんですね。ボイスなどデジタル商品も当然あるようです。ちなみにこのオフィシャルサイト登録者がANYCOLOR IDとして90万人を超えています。

プロモーションはいわゆる企業宣伝ですね。広告ですね。そして、ストリーミングは配信です。で、これらは8億ずつあるイメージです。

最後にイベントで、1,2億円というところで、これは今後伸びるかもですがそんな感じだと。

つまり、通期ではないですが四半期で見ても、コマースが半分を占めて、残りを半分ずつプロモーションとストリーミング配信で占める感じです。逆にいえば、物販が基盤といってもいいわけですね。

VTuber数は156名

KPI的な定量指標は、これらのVTuber数やそのYoutube再生時間などのようです。かなりの数がいますよね。

面白いのは確かにそれぞれライバーとして名前はあるのですが、にじさんじグループの中にいるというところのがなかなか今どきというか、AKBではないですが面白いなあと感じました。こういうまとめ方って発想的になかなかしづらいというか。僕はできないですね。

どれくらいの人がグッズを買う?

ファンの属性は資料があります。29歳以下で8割で、4:6で女性が多いみたいです。男性が多いと思っていたので意外でした。

90万人が全員グッズを買うかはおいておいて、実際にそのうち25%程度の25万人とかが1万円買えば、25億円ですから、上の四半期ベースなので、つまり3ヶ月で1万円くらい落とすとなると、1ヶ月で3000円くらい推しライバーに出すと。不思議でもない額で、若年層でも全然落とせる金額だなあと。

それで毎日たのしいとか、刺激になったり、コミュニケーションがあったり、応援ができたりってなると、結構楽しそうだなとか思いましたね。

もちろんここでめちゃくちゃお金を出す人もいたり、そこまで出さずに楽しむ人も色々な人がいるのだとは想定されます。

Adsenseの比率は1-2割程度

UUUMなどで思い出すのがGoogle広告依存です。つまりYouTube広告などは収益の変動も大きいのでというところですが、これについては、あまりなくて1-2割程度というところでした。

この中で今一番大きな比率を占めているのはチャンネルメンバーシップで、半分以上の割合です。Google AdSenseは、全体に対して1割から2割弱というイメージです。

https://finance.logmi.jp/378250

逆に配信ではYoutubeのメンバーシップが半分以上らしくそうやってライバーにちゃんとファンがいると。そういう意味では全く利益構造は異なるのだなあと、UUUMなどと比べて見ると感じました。

独自のエコシステム

特徴的な集客やファンの動きはやはりこれが面白いなあと。

おそらくですが、左上の配信があって、そこからファンになる。毎日みたり、たまにみたり。そこでプロモーションで知ったものを買うとか、または応援する。グッズを作ったり、にじさんじコラボなどで他のライバーを見る。そして物販でさらに応援。たまにはイベントもというところでしょう。

ファン自体の動きはライバーとにじさんじで完結されるものの、そこに企業案件プロモーションやコマースがあるのでお金も落としやすいんでしょうね。

逆にいえばリアルアイドルの推し活と比べると遠征費だとか、色々なお金がかからないので今どきともいえるんじゃないかと。その分お金を落とせるので、比較すると怒られそうですが、1遠征で5-10万円くらいかかるならば、推しライバーに年間でお金を使い続けたりとかもできると。そうなるとエンタメ度としては双方向性がある方が身近になって楽しいかもと。

ライバーに対して身体性を感じられないとか、そこが違うという人は楽しめないだけですが、そこがクリアされているはずなのでだからこそ人気になるんでしょうね。実際は中の人がいるわけでそこのキャラクタですからね、多分ですが。

おわりに

今回のリサーチでは、にじさんじが何で稼いでいるか?でした。

結論としては、4つのカテゴリーというか手段でした。それはコマースが半分程度、グッズでしたね。残り25%ずつを企業プロモーション、配信ストリーミングで分けている感じということでした。これで結構クリアになりました。

集客や継続モデルとしては生態系があって、配信などからおそらく入りそこからライバー沼、にじさんじ沼みたいなのがあるかは分かりませんが楽しんでいくんじゃないでしょうか。

属性も30歳未満の方が多く若い方で女性が6割ですが、リアルアイドルなどとは違う形で今どきともいえますが、推し活が出来て楽しめると。そこまでお金もかからないし、良い意味で近しい推しが日常的にいるように感じる。そういう意味ではやはり新しいエンタメでコンテンツだなあと確認できたところでした。そこまで当初は思ってなかったのですが、VTuberって発明みたいなものがあるとするとやはりすごいなと。僕は生み出せないので(笑)

あえて課題というか今後どうなるかというところでは僕の見立ては以下のとおりです。

  • ライバーが多くなっていったり既視感が増えて飽きないか?結局卒業や新規で繰り返すのは既存のアイドルも一緒ですが賞味や消費期限というと怒られそうですがそこはファン的にもあるのかなと。ただ長く活動出来る人もいるし、そこって何かは僕には分からずです。そういう活動が長くなる人がそのうち出てきてとなりますよね。じゃあ10年キャリアがあるとかになるのかは分からないです。今後面白いかなと思います。
  • ファンがお金をどこまで出すか。限界値ではないですが、若年層であることもあって可処分所得はそれほど高くないはずです。そういう意味ではID数やアカウント数が増えていくのだろうというところですが、一定程度アニメや推し活というところでシェアを取れたらどうなるか。余地はありそうだけども、ここも飽きや伸びがどうなるかというところです。

一方でやはり新しい日本発コンテンツとかエンタメの新しいアイデアというところで伸ばしてくれたらそれは面白いわけで。最も僕が恩恵を得られるかとかはまた別ですが、VTuberさんと話をするとかもしたことがないのでそういうところかもしれませんね(笑)アイデア出しとか壁打ちをVTuberとやってみたとかのコンテンツもありなので、気になったVTuberさんはぜひ売り込みをお待ちしております(笑)

というわけで、今後も気になったら調べてみたいと思います。何か参考になれば幸いです。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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