ビジネスは顧客・課題・解決策のそれぞれの解像度の高さで決まる

解像度が高いとか低いとか言ったりしますが、解決策というものをよく考えるのは間違いじゃないんです。ただそれだけ高いと、顧客と課題が抜け落ちてしまうのはわりとあるなあと。
今回は、この3つの要素に注目して、なんで解決策を高めがちなのか、それはいいので他の顧客と課題の要素も高めないのか?というところについて考えてみます。
顧客・課題・解決策の解像度
解像度自体は高いか低いの二択ではないです、グラデーションですが簡易的にこれらはそれぞれの解像度があると。ぼやーっと見えるのは目が疲れているのではなく、意図的にぼかしているからあなたの目は正常ですよ(笑)



こうやってそれぞれの要素があることを確認してください。
顧客とは、お客さんのことです。toCなら人ですが、toBなら法人や団体とか、BtoBtoEなら企業の従業員とか、まあなんでもいいんですが、あなたのサービスや商品の顧客は誰かです。
この時顧客とは、実際に買ってくれる人も指しますが、ビジネスアイデアを考える時でいえば、誰が買ってくれるか、想定顧客、売りたい顧客になるわけですね。当然売れるわけではないので、売りたいと売れないとか、そこで解像度も変わってきます。
課題は、顧客が抱える課題です。何か大きな社会問題とかでもいいのですが、それを顧客が抱えていることが大事です。ない課題を解決するために、例えば体重が増加して気になるという課題を持ってないのに、ダイエットプログラムという解決策はずれているわけです。
最後が解決策です。解決策はアイデアと言われたりするので混乱するのですが、基本的にビジネスアイデアとはこの3つの要素を満たすこと、充足する、つまり解像度が高い必要があります。全部高くある必要性は多分あると思っていて、低いならそれなりにふわっとしたビジネスになる。高いならそれなりに手応えがあるものになる。それだけです。

ここで3つ全部いるのであって、1つでも欠けたらやはりダメですね。これらはすべて重要なんですね。
くどいですが、もう一度いうと、全て重要です。よって、顧客の解像度が高いから、課題は低くてもいいとか、解決策は低くていいとかにはならないはずです。それぞれ高いからビジネスになると考えたほうがいいかなと思います。
先も書いたように、アイデアとして解決策があれば売れるはずだは、顧客が見えないとか、課題がないとかってことですよね。ここのあたりで見に覚えがある人は事業を立ち上げるとか、ビジネス経験がある人なんだと思います。でないと、このあたりは何を言っているかわからないかもしれません。
壁打ちでよくあるパターン

僕のところで壁打ちをするケースは、絶対こうではないですが、いずれかの解像度が低い、または解像度が低い自覚があるから相談されるお客様が多いです。
当然ですが、全て高いなら「それはご自身でやられたらどうですか」ということになってお客さんではないんですね。困ってないので。
または相対的に低いなら高められるかもしれませんけどね。
それはおいておいて、よくあるケースは、解決策であるアイデアが高く、他が低いわけです。
「こんなアイデアがあるんだけど、このアイデアなら色々解決できそうだ」って話聴いたことないですか?
で、それに対して「それは誰が買うんですか?」「そのお客さんの課題はなんですか?」というと、そういうのではないとか(笑)それは全然いいのですが、ビジネスにはなりづらいですよね。
あと、そういう時にビジネスにしたいのに、顧客が見えないとか、ぼんやりしているとか、課題がふわっとしているのはよくあることなんです。なぜかというと、僕もそう思っているし、またそう思うお客さんもいると。
仮に解決策ベースでいくと、単なる押し付けです。「この商品は良いのだ。分からんやつは分からんのだ」みたいなのは、プロダクトアウトというと見栄を張りすぎでしょう。単に押し付けているだけですから、厳しいですよね。
さらに解決策は2つの要素で構成される

ここでの解決策は、実は2つあるんですね。2種類といってもいいし、構成要素といってもいい。どちらもあるわけです。どちらかだけではない。
ここで、解像度が高いのは伝え方やコミュニケーションと言われる方かなと思っています。つまり、人工芝みたいなプロダクトがあるとします。そのプロダクト自体の話でなく、それをどう想定顧客に売るかの話をしがちです。間違いではないですが、人工芝自体が、どんな人が買うのか、その買う人の課題は何かがあってこその人工芝ですよね。
そして、人工芝自体がそのものが価値があるとは、お客さんにとって課題があるのでそれを解決するのが人工芝ですよ、と言い切れる瞬間価値があると。そうでないなら押し付けとなると。そこをコミュニケーションでカバーするのはやはり間違っていて、それは押し売りではないですかと。強い言葉でいえばそうなります。
柔らかくいえば、商品やサービスアイデアがズレているということになります。
ここで、解決策アイデアの解像度が高い時、実はコミュニケーションアイデアが高いから「高い」のであって、プロダクトやサービス自体が磨かれて解像度が高いってことはあまりない気がします。もちろん、自信があるとか、色々磨いたといってもいいですが、単独で磨くことはあまりできないんですね。
くどいですが、顧客・課題・解決策、というこのセットが必須で、それらを全部見ないと行けないんですね。
例えば持ち家のお客さんが庭で遊べるようにしたいと思ったとします。その時、土だといやだな、人工芝敷いてみようと。遊びたいとか、ここでの課題はふわっとしていますが、そういうのがあると。その時の解決策としての人工芝って何かとなると。
人工芝ってプロダクトがあって、それを売るためにお客を見つけてってのもダメではないんですが、その時点で無理に売っている気がしますよね。こんなの売れるのかとか。そもそも作っちゃたから売らないといけないみたいな。人工芝を売りたい気持ちは察しますが、人工芝を欲する要素がないところで、その人達に売るのは、やはり押し売りに近いので、無理に売っている感じですよね。そして続かないし、それってなんだか不幸ですよね。
解決策の解像度を高めがちなのはなぜか
最後に、なんで解決策の解像度が上がってしまって、他は低いのか。これは相対的な意味で、顧客・課題などは放置されやすいのかってことですね。

これは仮説です。
1つ目は言葉の問題です。アイデアっていうのはなんか良い響きしませんか?新しい工夫とか、新しいやり方というように。まさにこの言葉の意味で、「アイデア」なので、解決策を高めるのがいいということです。
間違っていませんが、ビジネスアイデアという時は、顧客と課題がないと、ビジネスになり得ないというわけです。贅沢をいえば、ここにその顧客が課題を解決するものにお金を払うかという点もほしいですが、これはお金がないとビジネスではないというのは「明らか」という前提で省いています。
言葉が悪いのではないかということでした。ただ言葉を変えても、結局同じことを繰り返すか、概念が浸透しないので意味がないと思っています。そうなっているという現象の説明程度です。
2つ目は、考えやすいとかそういう着手しやすさから、相対的に他の要素は放置されるってことです。あと、顧客って自分と違うので想像するわけですから結構大変です。ヒアリングとかインタビューで高めるわけですがそれも結構疲れる(笑)課題も同じくですが、ニーズがありますありません、みたいな判定ができるわけではない。常に曖昧性があり、可能性がふわっとあるので見極めづらい。
これに疲れる人がいるんじゃないかってことです。またはその疲れをやりたくないからやらないというか。
3つ目は、否定の回避です。僕も分かりますよ(笑)自分のアイデアとかってやっぱ大事じゃないですか。人工芝というプロダクトなら売りたいと。自信があると。だから否定されたくないので、考える対象として検証検討するものとして外すという忌避行動といっていいでしょう。
むしろそこは譲れない何かで保護されているというか。であれば、そこはいじらないのでコミュニケーションアイデアをいじりがちなんですね。
ここで難しいのはその商品やサービスアイデアが十分に解像度が高ければそれでもいいのですが、実際は分からないんですね。顧客と課題と解決策があってどうかというのを見極めるのは難しい。
ここは判定とか正解がないので、実際に手応えを見極めつつどうするかを考えていくということを繰り返す話となります。
補足
顧客の解像度を高めるには?は、インタビューとかヒアリングとか、近しい人に聞くとかそういうのですね。ペルソナ図を書くとかもありですが、結局手応えが掴めてこういう人がいて、売れそうだというのがないと高まったといえないというか。憑依度が高くないとやはり見えないでしょう。解像度が低いってことです。
課題も同様です。顧客になりきろうというのは言葉ではいえますが、実際にそれは難しい。だから、自分の知見で重ねて共感できるところをあぶり出してってという地味な作業が必要です。
これらってめちゃくちゃ地味なので、全然映えないんですよ。だから忌み嫌うとか、ないものとしたり、考えないとしがちかなと。それで映えるのは、解決策じゃないかとしかもコミュニケーションで何かやるとそれが一時的に成果になっちゃったりする。
でも、それを否定しないですが一時的かつ短期的な成果は麻薬みたいなものかもしれませんとも思ったりします。
おわりに
今回は、ビジネスにおける解像度、とくに顧客・課題・解決策の3要素を考える時、解像度が低いとビジネスにならないという話でした。こうやって分解するとより分かるかなと思います。
ところで、僕にとっての顧客ですが、これらの解像度が低いか、高めたいと考える人がお客様となると。それも明確になったのでとてもスッキリしました。
一方で解決策を高めがちはそれを否定しませんが、必ず解決策があるならば、顧客は誰でその課題は何で、そのための解決策であるかどうかを見てください。多くはズレていたり、思い込みです。僕も良くやります(笑)
それでも、考えるだけでましで考えない人もいますから。ズレていることを認めなかったり、思い込みを認めない。となると話は結構つらいので平行線になるかもしれません。でも、というかですが、そんなものというか、結局シンプルにこれらの3要素を考えて、ダメならまた考えて、少しでも解像度を高めて、それを眺めてPDCAなり業務として回して、見ていこうとして・・・粘りの世界ですが、楽しんだり面白いって感じでないとまあ無理だなという世界だなと改めて思いました。
違う視点でいえば、課題発見をしているのか、課題解決をしていうかというのもありますよね。課題解決は解決策を考えるのが得意な人が多ければそこに目が行きがちです。ですが、課題発見として課題がないとか、深まってない、解像度が上がってないならそれは成立しないですよね。何度も言っていますが解決策の押し売りで、水道が壊れてないのに水道壊れてないですか?治しますよ。いやーうちはいいや。みたいなズレがあると。
そうではないですよね。水道が壊れたとか課題がある人に、解決策を提示すると。実際は壊れた時に認知されていることが必要なので宣伝をするのも分かりますが、課題と解決策があっても、顧客が誰かなので、小学生が知っていても意味がなく、お金といじれる許可がある親でないと意味がないとか。そういうのっていくらでもズレたりしますから、何度も考えて試しての繰り返しですね。
最近考えていたサービス側での顧客視点の消失もこれと結びつきます。顧客の解像度が低いのはそういうことで、高めようとしなければそりゃ高まらないよなあというところでしっくり来ます。
というわけで、ビジネスの作り方のヒントになれば幸いです。
筆者プロフィール

- 「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介、仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューやお問い合わせはお気軽にどうぞ。
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