ポートフォリオがインフレする

ポートフォリオとは、クリエイターであれば例えば作品集みたいなものです。転職活動とかフリーランス活動などで使うものですね。自己アピールとかと一緒に。

ここで「インフレ」するとは、一般的にはモノの価格が上がる、実態としては通貨価値が下がるということです。そこまで言わないのですが、イメージとして「ポートフォリオがインフレする」または「インフレ的」「インフレ化」するとは、ポートフォリオ自体を盛る、または良い印象を与えようとする作用、印象のことを指しています。

つまり、ポートフォリオ作品集の価値が下がるとか、物理的に作品集の量が増えるとか、そういうことではないです(笑)

そういった本来の目的である、そもそもですがポートフォリオはどういう人でどういう作品、または仕事をやってきたか、そこを理解してもらうためのものでしょう。それにも関わらず適切ではない=ここでは盛ったと言っていますがそうなるとどうなるか?って話です。

結果的に着地するのは、適切な相手が理解できるところになるかなと。嘘があってはいけないですが、一方で多少良い格好をしたいのも心理としてあるわけで、そこを加味してどうなるかというところを少し考えてみました。

自分をよく見せたいという心理が根底にある

そもそものベースは人が、僕もですが、初対面の人とか、または面接や転職とか重要な場面で、相手に良い印象を持ってもらいたいわけですよね。例えば転職なら、こういうスキルや実績があるので御社に貢献できるぞーと。そういう言葉は誰でも言えるのですがその説明や表現や実績がずれていればやはり違うわけですよね。というか違和感を覚えて逆印象になりえるすらあると。

そこで嘘をつくわけではないが、多少盛ると。これを悪く言って無くて、僕も格好良く書くこともあるので分かりますよと(笑)ただ、それって結局は寄り道となって理解を妨げるなら、やり過ぎもどうなのかなってくらいの話です。

事実と意見という意味で、例えば何かを創った事実はあると。例えばある作品を創ったと。それはいいのですが、ではどの部分を創ったかというと、会社員であれば部分担当が多いわけで、または担当としてここをやったと。ではその作品Aを創ったのは自分だといえるのか?という問題がでてきますよ。転職とか何かしたことある人なら分かるかなと。一方でこの問題は、新卒だと余り起こり得ないわけです。実績がまずないベース=前提だからですね。

お互い盛っていることが分かっている

しらけるかもしれませんが、一応盛っているのは分かっているわけですよ。お互いに。面接官もあなたもですよね(笑)そんな盛りはない、ストレートな人って逆にピュアでいないのかなとも思います。

そういう盛り自体が悪いわけではないとくどいくらいにいってますが、そうなっていくと、「あー盛ってますよね、でどこまでが本当なんですか?」といえる人はレアですが、実際にそこまでストレートに言わなくても、実際を探るのが面接官であり、人事なんだろうと。というか、現場の人ならそれがどの程度のレベルか、やっていることと合致しているか、何かズレがないかって分かるんですよね。

よって、転職者が盛るだけでなく、会社側も盛るわけですよ。でも盛っても結局そこは崩すので、なんていえばいいかわかりませんが、盛ったんだけど、崩すことでコミュニケーションする。

ある種の盛り→崩し型コミュニケーションとなっていると。であれば、最初から崩した状態でプレーンヨーグルトみたいにフルーツとかとりあえず盛らずに(笑)やってみたらどうかなって感じがしますが、これは提案であって実践できるかはまた別なんでしょうね。

それは心理もそうですが、エージェントを使うともっとアピールしてみたいなことがある場合、そこに盛り要素というか余地が入っちゃうわけですしね。そういうのって小さい話のようで、実はとても影響を受けやすいところでもあると。

盛る先の着地点は、適切なコミュニケーション

盛ってもいいんですよ。崩し切るかどうかは人次第ですが、崩せばその人の実際が分かるので。ただそれって適切なコミュニケーションができたとき、またはコミュニケーションが出来ていって一応話が出来てというところで出来たものですよね?というわけで、

盛るやりとりにおいて、コミュニケーションがないと機能しない。

とすら思ったんですね。だから盛って終わりとか、盛ってそのままだと、コミュニケーションがないと何も動かないというか、盛ったものをそのまま受け取る、または盛ってないものも同様かもしれません。何か材料と見た感じが違うぞと。そういう感じですよね。

で結局は、シナリオというかパターンですよね、

  • 盛ったものをお互い了承して崩していくコミュニケーションで解決
  • 盛ったものがどちらか分からないまま、情報や伝達の偏りがある形で着地(偏りがあるままということですね)
  • 盛らずにストレートで勝負して本音ベースで話す対話型

みたいな感じですかね。盛ったものと対話型みたいなのが混合するとかもありそうですが、感覚的に、こっちが対話したくても相手がそうしないなら出来ないのでここが難しい(笑)ですね。

僕は最後の本音ベースでやればいいじゃんとシンプルに思うのですが、人は自己開示も心理的安全がないと出来ないですし、相手がそれを許せる人かって結構初対面ではきついですよね。だから何回か接触する必要があるのかなと。とはいえ何回か接触したら開示していいかってマニュアルやノウハウがあるわけでもないわけで、それは色々エラーですよね(笑)ここが人間関係の難しいといわれる所以ですよね。だからこそ人間らしい、アナログな、情緒が入ると。採用の場面において情緒が要らないなんて思わないのですが、逆に何もはいらないと合理的すぎてまあつまらない=面白くないって感じもします。

それで、本音ベースではない場合でも、結局よそ行きの態度なりを使ってクールに決めても、どこかで心の鎧(笑)を壊すことになると。まあそれって怖いのも分かるのでどこかでやると。それだけです。この鎧があるかどうかの違いは、本当に思った、感じたということを言ってるかどうかだけです。ポートフォリオが綺麗でも全然言葉の説得力がないとかってあり得るのですが、それって「本当に楽しい」「俺が創った」って思ってないからなんですよね。本当にって指標はないですよ。ただ情緒はその人の表現、スタイル、価値観、色々なものがあって出てくるわけで、そこがその人らしさでしかなくて、そこをどう受け入れるか、あとは引き出せるかって感じがします。

悲劇、つまりミスマッチはこの2つ目に挙げたものですかね。ミスマッチですよね。情報を盛ったものをそのまま真に受けたとか、逆に良い雇用条件を信じたけどまあ詐欺とは言わないが嘘だったというか(笑)ここでも上手い話なんてないんですよね。それだけで話は終わるのですが、こういう限られた場面でもこういうインフレ、かつコミュニケーションのミスがあるので、偏った情報や印象操作になって、最終的にはお互いが不幸になると。避けたいですが、全くこういう経験がなく生きられることもないわけで、どこかで抽象化すれば似たような失敗なのか、微妙なことがあるのかなーとか思っちゃいましたね。

おわりに

盛るってそれで短期的に解決な感じなんですよね。インスタグラムみたいな。でも、それは否定しないんだけど、盛り続ける、短期でやり続ける、ある種ドーピングなんですよ。持続可能じゃないってことです。それ毎回150%でやってるけど、それおかしくないですか?と。

発想が逆です。盛るのでなく、自然な自分が出来る形で長期でやると。そうすると、盛るとかでなくできる限り素の自分を見せると、それは長続きするってわけです。

僕は当然後者が全体ベクトルというかある方が良いなと思って生きています。短期で何かやることとか、盛るとかはいいんですよ。けど、それが全体システムに支配的になるのは避けたいって感じですが、伝わりましたでしょうか?

ここでおそらくありそうなのは、例えば面接とかであまり言える実績がないみたいな話ですよね。だからアピールできないとか。別に僕はそんんな人事だ採用だなんて知らないですけど(笑)思うに、そもそも僕もというと例になるか分からないんですが、実績を積んでもなんか足りないなーって思っちゃってます。つまり、ある程度やっても足りない、物足りないというのがいいというか。結局自分のレベルが成長すれば足りないので、なんだろう、常に足りない=成長したいという意欲があるというか。それでいいじゃないですかね。

本当にゼロってあるのか?ですけど、そこでいきなり盛ってハッタリかましてみたいな山っ気があるのは否定しないですが、あまりそういうのでうまくいくってないので、そういう一発オラオラよりも、丁寧に積み重ねてやっていくほうをおすすめします。だから、ゼロだなと思った瞬間から積めばゼロじゃないというか。ゼロだと思ったからスタートでオッケーですと。ゼロからやってまたゼロになったみたいなゼロを繰り返すみたいな感じでストレスなら、多分それは残っているものをちゃんと可視化できてないとか、それこそ何か心の鎧とかでバリアを自ら作っていて内面と向き合えてないのかなーとか思ったりします。

というわけで、盛るのもいいけど、ほどほどに。ここでも持続可能って視点でしたね(笑)

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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