セルフ出版本の17ヶ月の売上データから振り返る

Lancersなどクラウドソーシングサイトを使っていてワーカー側でどう仕事を得ていくか、実績と共にそのノウハウを書いたのがクラウドソーシングでシゴトづくりを3年以上実践して学んだ19の気付きです。

今回はこの本の売上データなど軽く振り返りをしてみます。キンドル本を売るのがいかに大変かを示しつつ、そこからどうすればいいかを考えてみます。

本の売上データ

自画自賛ですが(笑)、クラウドソーシングで仕事を得たいとか、どうやっていけばいいかを書いたものってかなり少なく、今でもレア本ではないかと思っています。

実践者が書いた本がほぼない、またはあってもそこまでまとめられてないという点で強みというかニッチな特徴になっているはずです。

とはいえ、ニッチが故に、また僕自身の仕事が「アイデア」提案や「企画づくり」という点が非常にユニークと言われていて(僕が思っているのでなく、ユニーク的な活動をしてない人ほどそう言う感じですね)その点が参考になりづらい点もありそうです。が、そもそも実践してないことをどう書けということになるので、それらの葛藤の結果のアウトプットです。

この本の売上としては、2017年5月発行で、1年5ヶ月(17ヶ月)経っています。価格自体は色々変えて試しているのですが、kindle unlimited対象となってるので、本自体が売れることはほぼないです。

17ヶ月間の売上

  • 本自体がkindle本として購入された冊数は、13冊です。月1冊も売れてません。
  • 同様に無料販売=キャンペーンでは、124冊売れています。とはいえこれらは0円の売上です。キャンペーンをした→購入されたなどは該当月に売れたかどうかくらいですが、そこまで大きな影響はないという感じですね。数が少ないのも分かりづらさを出しています。
  • kindle unlimitedなので、既読KENP(Kindle Edition Normalized Pages)というのがあります。これは、1ページあたり読まれると課金というか売上になるわけですね。この数は、7076でした。1KENPは0.5円相当ですが、実際のこの売上は4,000円程度でした。
  • 売れた13冊は結果的に5,400円程度の売上になっていますので、本価格を変更しているのもあって平均価格としては「415円」となります。ただし、売上と価格は別で、1,000円で今売ってますが、これで700円の粗利です。つまり、7割が粗利になりますから、平均単価「593円」でそれに対して7割が粗利「415円」となって、13冊売れて、5,400円程度となります。
  • つまり、17ヶ月間で、結構気合を入れた本は、9,400円でした。月あたり553円です。本の売上としては駄目ですが、ものすごくポジティブにいえば月500円を何もしなくても入ってくる!ともいえます(笑)

売上傾向

  • kindle本が購入されたのは、2017年9,10,11月。2018年は1,2,4,5月でそれ以外は0冊でした。キャンペーンと相関もありそうですが、4冊売れた2018年1月はキャンペーンもしておらず、関連は低そうです。
  • kindle unlimitedのKENPは、月平均で416KENPとなっています。1冊100ページちょっとなので、仮に読み切った人がいれば4人くらいは読んでいたことになりますが、目安に過ぎません。ただ、KEPNについては、0という月は奇跡的にありませんでした。2017年9月は130で、一方最大は発行当初の2017年5月が838でした。推移的には、最初読まれて下がっていって、また上がって、下がってみたいな繰り返しですね。

売上を期待する人は辞めたほうがいい

アイデアを形にする、それをシゴトにするというのはなんともソフトでライトな感じがします。が、そんな甘い話はありません(笑)というか、そういう甘い話を伝えたいなんて一瞬でも思っていません。

常に甘い方向に行くならビシビシとやっつけていく感じですね。

上のデータから、3年もクラウドソーシングを実践して得たノウハウが、売り方もあるのだろうけど、まとめた渾身の一作(100ページしかないとも言えるのですが、100ページもあるという感じです。)が、17ヶ月経って、トータルが9,400円で1万円も行かない。という事実をしっかり受け止めてください(笑)

現時点で言えることは、「簡単にキンドル本など電子書籍を出して売上を上げることは難しい」ということです。もちろん、既に同様の著作物や実績があってノウハウがあるとかであれは別ですが、多くの人は無名であり、電子書籍を出して売れた経験がある人は稀でしょう。

だからこそ「売れるノウハウ」が売れるわけですね。ただ売れるノウハウが売れる=売れてない人が多いわけで、世界はこのような構造になっていることが確認できますね。

問題は売れようとする人がそういうノウハウに頼ってしまって、頼るのはギリギリオッケーですが、「頼る」と「自分でやろうと考える」は似て非なるものです。もっといえば、「ノウハウを買っただけ」とかが一番多そうです。ノウハウを買ってもいいけど(詐欺的なのは論外)、それを試すか。多分試すのが辛いとか、面倒とかで明らめるわけですね。それは分かりますが、楽に出来るものってありませんから。そこで戻るしかない。「どうすればいいのか」と考えていくしかないんですね。

というわけで、本ブログに簡単に売れるノウハウがあるぞといって訪問する人はいないはずですが、とはいえ色々な方が訪れるので、何度も言っていく必要性を感じています。

何をこの結果から学ぶか

ある電子書籍だったと思いますが、読者をかなり低く見ているものもありました。そういうビジネスというかやり方は全くおすすめしません。そういう信頼性が著しく不足する中でもやり通すみたいなのがビジネスという人もいてもおかしくないですが、スルーしておきましょう。

そういう例外はおいておいて、この結果から何を学ぶかです。別に「売れないことを確認して終わり」なら、既にこのプロジェクトは終わりですから。ここからがスタートです。先は長いですよ(笑)

どのように売るかが明確でなかった

発行した時点で、企画書もあり実際にまとまった形でやりはじめました。電子書籍「クラウドソーシングでシゴトづくりを3年以上実践して学んだ19の気付き」をリリース!生の企画書+実際の作り方も共有します。で詳細を書いています。

とはいえ、宣伝フェーズ、つまりマーケティングや売り方がほとんどないようなものでした。

上の記事で宣伝フェーズと書かれた項目では、「売れて入れると売れる」とか「キャンペーンを使う」とか「リリース記事を書く」とか、「売上記録を取る」とかしかありません。これらも大事ですが、実際に手を動かせるのは、キャンペーンでランキングに食い込ませる何かを踏ん張るか、リリース記事をブログに書いてみたいな感じですよね。売上記録自体はレポートがあるのでそれを見るということですね。

当然、CTAとしてブログ記事最後やサイドバーに宣伝をしているので、そこからの流入もありそうです。とはいえ、この本をどういう人に届けたいかで書いた時に終わっていて継続的に届けようとしていなかったというか、そこが甘さかなと感じました。

例えば、kindle上、つまりamazon上でクラウドソーシングに書かれたことを探す人がどの程度いるかです。これらは調べようがないですが、本自体も少ないのと、そもそもそうやって検索して買う人がどこまでいるか。クラウドソーシング=インターネット上であり、相性としてはブログ記事のほうが相性が良かったかもしれないと言えそうです。つまり、コンテンツの入り口にターゲットが来てないのではないかとも言えます。

また発注者が読んでも面白いかもとありますが、これについては発注者向けのコンテンツ記事を作る予定です。振り返りから見つけるニーズ発掘ですね。

売るのでなく知ってもらうことが一定できた

敗北宣言とかではないんですが、売上自体はまあ考え方次第です。今まで何も経験がない人が書いて売れるかどうかという点ではいいのではないでしょうか。

つまり、1ヶ月単位でいえばアクセスして知ってもらえる機会が増えた。またブログからの流入であれば「より知ってもらえる」機会となりますから。

認知チャネルを増やすのは悪いことではないです。ただその時、「サイト見てください」みたいなコメントをして意味がないのでなく、ある程度ターゲットに刺さるとか、見る人がメリットがある、興味があるところに放り込まないと意味がないんですね(この話はとても古典的な感じですが、普通によくやってしまうことですね。逆に言えば最初からドンピシャで出来ることが少ないと考えましょう)。

一定出来たから満足ということではないですが、まずはオッケーを出そうという感じです。世の中には自分が書いたコンテンツを売ることが全く出来ない人も多いです。下を見ては意味がないですが、月500円勝手に生み出してくれたと考えるだけでも面白いですが、同時にその売った経験から次のマーケティングネタや実績としてさらに次を目指す一歩になります。

当初の売上目標を照らし合わせる

昔書いたシゴトのつくり方ノウハウでさえ、100冊売るのに32ヶ月かかっていました。今回は250冊くらいをまずは売りたいと考えていて、多分もっと売れると見込んだのでしょう。何年かかるかはおいておいて。

実際に今回は17ヶ月で13冊と、KENPは100で割って強引に1冊とすると、70冊。つまり83冊。月あたりだと、月5冊程度になります。

意味はあまりないですが、250冊なら残り170冊くらいで、このペースであると、34ヶ月(約3年)で到達できます。3年はかかりすぎかどうかは考え方次第です。もう辞めてもいいし、やらなくても放置しても勝手に売れるならいいと考えるのか。またはコンテンツが古いとか、クレームが多発しているとか、何か問題がなければというところでしょうか。

当初の目標数値が冊数だったのは微妙でした。ただ企画書には、1文字1円で仮にして原稿料として5万文字なら5万円。その回収をしたいと考えると、まだ5分の1しか回収できてないので、あと8割ほど回収する必要があります。投資的に考えるならばです。ただ実際にはこれを回収するのは難しいでしょう。しかし、コンテンツがあることでそれを使って今後ビジネスに使えるとなると良いとも言えます。このあたりは結局どう売るか、どうみせていくかの話で、考え方次第です。

企画から制作、販売、運営まで一貫してやったことは価値

実際に上の記事では実際の企画書から制作の仕方、そして販売して、今まさに運営というか振り返りをしていることで、やったことが可視化できています。

世の中には色々な試行錯誤をしてそれをブログなり色々なアウトプットをしている人がいますが、そういう人のデータも価値がありますが、考察がとても参考になります。データはやれば出せるんですよね、売れる売れないなども見える。とはいえ、何をしたから売れた、何をしてないから売れてないなどは、その実行者の考察からしか、言語化や可視化がないと分かりません。

これをノウハウという人もいますが、実際には「ノウハウ」とは言語化されても、それが伝わらないと全く意味がないですね。だからコンサルやうまく伝えられる人が価値を見出すんですね。プレイヤーがコーチとして必ずしも最適ではないという話とも関係しそうです。

得られた価値はこれらが可視化されることで、簡単に売上を作るのはできないよねと誰かの話でなく、自分で見たこと、やったことが価値です。人の話がどうということではないことが価値です。一次データですから。

そしてその上でもっとやれるんじゃないかと思えばやればいいし、これは無理筋だと思えばやらなくてもいい。

自費出版とか高額なものをかけるなら電子出版すればいい

これを電子書籍出版ビジネスとして誰かをサポートしたいとかそういうのはほぼないです。なぜなら作るまでは結構いけるけど、結局売れるものにするには別回路が必須です。それがマーケティングなり、どうすると人が興味を持つか、売れる仕組みを作れるかだからですね。

一方で、出版したいみたいな人はまだまだ大勢いるでしょう。今回の本は自己満足ではないですが、とはいえ伝わったり売れるとかでなければ自己満足になります。自費出版が自己満足でもいいなら、いくらでも電子書籍で出版すれば欲を満たせますよね。むしろ商業出版で売れない本を出すと、絶版になるだけで、そのまま売れ続けるのとは別の話です。電子書籍でも売れ続けるのもあるかもしれませんから。

個人の電子書籍出版をサポートするというのは、多くは制作代行であって、販売をして売上を出すというものではないですね。商業出版でもそれはきついからこそ、印税という歩合制だと考えています。それくらい売るというのは簡単ではないということですね。とはいえ全く不可能な話でもないという感覚が大事です。

次の展開を考える

振り返ると色々と見えてきます。

Web本屋という意識で売っていく

まず、本自体は今後も売ってきますし、Web本屋と題して読んだ本を売るというところと関連させていきます。自分の本も売り、人の本も売る。楽しい本屋が生まれます。

また紹介の仕方ですが、完全に自分がさぼっていて、ブログで内容を言及したり、例えば引用は自分の著作なのでやりたい放題なはずですが(笑)ほとんどやっていませんでした。これは自分の甘さ故ですね。

ですから、本の内容を言及したりすることで一定の興味を持ってもらうことは出来るかなと。また無償で配布もありとも思いますが、無償にする理由がないと安売りにしかならないので、その点は考えていません。あくまで興味をもってもらうにして買って頂くということですね。

これは17ヶ月の実績を持って同じことをしていると結果は多分変わらないのでどうアクセントをつけるかってことですね。

メルマガ廃止からの動線再構築

サロンも解散しましたが、メルマガも最近廃止しました。これらによって本自体が入り口になりづらいというか、誘導先がほぼなくなりました。結果的に僕を知ってもらうということで、現時点では着地させればいいなと。

それはシゴクリを知ってもらうことで、多分本自体に興味を持てば僕の記事や考察も面白く思ってくれるでしょうからという認識ですね。

読者の声をあげていく

マーケ活動としてはあるべきですが、うまく集められていません。多分想定していた本と違うとか、そこらへんはびびってますが(笑)、ひとまずは見える範囲でやっていってうまく声を集めたいところですね。

レビューしてくれたら無料みたいなのはステマにつながるのでアウトでしょう。バイアスがかかりすぎてますね。

とはいえ読んでくれた人をどう探すかはエゴサーチなり、色々仕掛けていくしかないですね。当然読者データなどは一切ないため、データからマーケティングするのが難しいんですよね。ざっと検索すると、いくつか紹介というか商品リンクではありましたが、ちょっとずれてるかもですね。

このあたりは試行錯誤をして何か試していきたいところです。

発注者向け記事と合わせていく

これはやりますが、対照ともなりそうなネタである発注者側向けのコンテンツを作ります。そこで合わせて掲示していくと、面白いかなと。

自分はワーカー側としてクライアントを見ているわけですが、クライアント側が経験が浅いとアドバイスができるとか、こう依頼したほうがいいということも言えます。それらのノウハウですね。

慣れている人なら誰でも書けるのですが、クラウドソーシング運営側が情報を出していたりもします。ピンと来ないというか教科書っぽくてどうなんだろうということで、色々な視点があったほうがいいでしょという感じもありますね。

こういった小さなアイデアを試していきます。

おわりに

個人が電子書籍を出して売れることはまずないでしょう。

売れたというノウハウを電子書籍にしているものも多数見たのですが、売れるためにどこまで出来るか(時間以上に姿勢)が大事な気がします。多分そこまで出来るのか、やるのかという感じを受けた人は、その時点で出来ません。

一方で人は学習します。成長します。だから、その時駄目でもまずは今できることをやって、そこから次に繋げるということも一つのやり方だと思っています。

これはもっと平たく言えば、勉強して試しての繰り返しでしかないんですね。これはどういう状態であれ変わらない原理原則です。勉強しなくていいとか、試さなくていいとか、それはかなり危ないし、もしそうならどこかで見直す必要があります。

その上で、やった結果どうだったかを検証していく。これはどんな仕事でも、どんなビジネスでも必須です。そこがなければ何も生み出しようがないからです。

では個人が電子書籍を売る行為が全て無駄なのでしょうか?そんなわけはありません。趣味的に売るのもいいし、マーケティング的にやるのもいいし、電子書籍出版の勉強というのもいいですし、やり方は色々あります。

少なくとも売上のためだけにやると、まず出来ないことって多くあります。今回僕が出した本は売上では失敗といっていいですが、一方でこれで何かが決まるとかでもなく、失敗と言い切るのも自分自身が決めるだけです(たとえ人が何かを言ったとしてもですね)。むしろ、失敗らしきものは成長へのフィードバックに過ぎないので、だからこそ、何を学んで次に活かすかを書いているんですね。

あなたなら何を電子書籍で売ってみますか?または書いてみますか?それを売ったらどうなりますか?売れますか?そこから何を学びますか?次どうしますか?

こういう思考過程と経験や振り返りがとても大事なんですね。ぜひ興味があったら、電子書籍出版してみてください。また、うまくいったらこっそり教えてくださいね(笑)

あ、もし記事が良かったとか、参考になったという方はぜひ本書も軽く読んでみてください。kindle unlimitedユーザーでないと軽くではないですけどね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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