アイデアや企画が自分だけで成立することはない

アイデアや企画という概念は性質が面白く、それを実現するのはもちろん分かりやすいですが、実現する手前または頭で思いついた段階から、どう伝えるかがポイントとなります。

例えば人をイラッと、少なくとも僕は思ってしまうのは「ものすごく良いアイデアを考えた、秘密だけどね」というのをふざけていうならともかく、あと真面目に特許を取るというところを除いては、ほぼ「大したアイデア」ではないんですね。というと怒られそうですが大体そうです。

これが何をいらつかせるかというと、後で明確になるのですが「伝える」点でマイナスなので、結果的に「分からないアイデア」(少なくとも秘密のアイデアはそのまま開示されないので評価できないだけです)となります。

この話、寓話とかでなくガチである話で、そもそもですが、なんでアイデアや企画がそういう単点、独立して存在してしまう、もっといえば孤独、いや孤立してしまうかについて考えてみます。

結論

アイデアや企画をあなたが誰かに届ける、実現を含めてするときは3つが必要です。これらはMECEではないのですが、まあ全部大事ってだけです。

1つが、伝えることです。これがないと価値に転化しないという話です。なぜか伝えるアイデアをサボりがちなのですが人のことは言えないですが(笑)さぼらないほうがいいでしょう。考えたアイデア同様伝えるアイデアも力を注ごうということです。

2つ目に、メリットです。メリットそのものでなくて、自分、相手、社会みたいな3視点くらいからそもそもメリットがないなら誰も動かないということです。特に「自分のメリット」を提示するのはもちろんいいのですが、それしかないとそりゃやらないですよね?という基本っぽいんですがこれが出来ないこともあるわけです。

3つ目は、つなぐものです。つなぐとは、お金や信頼、コミュニケーションなどです。これらをモチベーションやお金や報酬とかってだけでも良いのですが、多分ここで言いたいのは「自分」と「相手」だったり、「自分」と「社会」を何でつなぐか、つながるかということです。お金だけでいいやならそういう関係ですよね。それを求めることは止めないですが、お金だけの関係をあなたが求めるのに、相手から信頼を求めるってまた妙な話ですよねってことです。

以上3つについて考えてみました。

アイデアや企画自体がそもそも成立しない話

自分発のアイデアは、他人に伝えるために3つを通る必要がある

汚くて申し訳ないですが、勢いで書いたものです。

まず左のほうにあるのが自分、あなたですね。この人はアイデアや企画を考える人です。事業やる人でも起業家でもいいし、発明家でも、なんでもいいです(笑)そういう専門の仕事でなくてもなんでも何かやろうとする人は全てここに入ります。それが全くない人はいないはずです。

右上が見づらいですが「他人」です。つまりあなたではない人、他の人ってことです。近しいとか関係性は関係ないです。

さて、あなたが思いついたアイデアなり企画をどうするか、自分で一人で全部やるといっても、文字通りやろうとしてもまずできないはずです。具体的にはものづくりであれば材料が要ります。それを切るものは?例えばのこぎりがいるとして、のこぎりはあなたが作るのでしょうか?それとも買うのでしょうか?買うならばそれは誰かが作ったわけですから「関係」せざるを得ないって感じです。

こんな回りくどいことをいうのは、それくらいしないと「関わり」が見えてない、または見づらいからです。

つまり、アイデアを形にしたくないなら関係ないですが、何か形にするならばこの関わりは避けて通れない、もっといえば社会ということになります。他人という特定の人だけでも問題ないです。

ここで言いたいのは、アイデアや企画が良いから成立するというのは、良いって何かということです。その良さは、他人または社会と関係していて、かつ伝わったりメリットがあったり、つなぐ何かがあるからです。言葉や言い回しは違えど、これらの視点がないものは「良い」とは言えないのと、そもそも成立しないでしょう。あなたが考えた超良いアイデアは秘密にしておいてどうなるか?何もならないはずです。実現のために動けないというのは、動いてまでやりたくないことが多かったりします。

つまり、ある種企画やアイデアがあること自体が社会性を問われていると僕は言い換えたいのですが、社会性=社会との関わりがないと経験や体験が積めないのでアイデアが生まれない、アイデアの材料が得られないってことです。得られないから出来ないわけです。無理につくったアイデアは説得力のない、伸びたうどんであり、コシのないラーメンであり、がわたでしかないということです。これらは厳しい言い方に聞こえそうですが、実はそもそも人や相手のためにというところを丁寧にやればそもそもはずれないんですね。なぜ外れるか?それは端的に欲との戦いに負けている(笑)ということでしょう。自分の欲を満たすためだけなら、そんな感じで自己満足のものであり、ものでしかなくなるってことかなと僕は考えています。

伝えるをさぼると価値にならない

一番上に書いたのは「伝える」ということです。これは、アイデアが伝わったことではじめて「価値」となります。世の中を救うアイデアがあるという人がいたら聞きたいですよね。でも、それが「伝わらない」としたら、どうしますか?少なくともあなたが分からないなら、やはり分からないのではないでしょうか。僕も分からないなら分かりません。

一方で伝わらないから価値がないとも言えないんです。イノベーション的なアイデアはまず馬鹿にされるはずですから。

ここで問題というか課題が生まれるわけです。自分を信じて伝わらない人をスルーしてやり続けられるかどうか。自分を信じたいが伝わらないアイデアは価値がないと見切るか。そもそもこの二択ではないのですが、少なくとも伝えられないのを「分かって」とはいえないので、その場合どうするか?自分でなんとか形にしていくしかないと。単に協力を仰げないってだけでしょう。

つまり、伝わらない時点で人の協力は諦めるか、それ以上のあなたの魅力がなければ話としては詰みます。

伝えることをサボりがちなのは、多分アイデアが良ければ分かってくれるという甘い期待があるからなんでしょう。僕もあったりしますが、さすがにアイデアってそんな性質のものではないと思っていて、「こういうことなんです」「そうではないんです」など修正したり調整しないと伝わらないと考えています。

ごちゃってしていますが、伝わるようなアイデアでないなら自分で踏ん張る。伝わるように何か踏ん張っていくということは何かしらしないといかんよねということです。

メリットは3者にあるかどうか

企画の基本でもある、少なくとも関わる人が増えたり、それらを掲げるのであれば、あなた、他人、社会にメリットがないと誰も動きません。三方良しという言葉の前に、そもそもあなたがなぜやりたいか、面白いと思うか、動けるかを考えましょう。

ここでなぜか自分だけのメリットを上げてしまって、他人、社会にメリットがないケースがあればそれは企画ではないというか、あなたがやりたいことで、あなたが満足することだけですから、人は動かないです。人でなく、僕は動かないほうがいいといったほうがいいでしょうか(笑)

例えばあなたがイラストを学習したいとします。絵がうまくなりたいとかですよね。その場合、絵を教えてくれる人に「あなたは私が絵をうまくなりたい手伝いをすべきである」と言われて、あなたはやりますか?やらないですよね(笑)多分。相当何かがあるか。例えば伝え方が本当にすごい、魅力的な人だったとか、つなぐもの(後で書きますが)として、お金や信頼があったり、学べるものがあったとか。そうであればありです。

逆にそうでないなら、まず「成り立たない」といっていいでしょう。

ちなみにここでハマるケースとして、素晴らしい、立派な、道徳的な、誰も批判できなみたいな話ではなくて、関わる人が良いということなので、そこは注意です。逆にいえば、広くいうとその関係者がメリットとなるが、他はデメリットとなるケースもあります。例えば詐欺集団がいるとして詐欺集団にとってはメリットは社会にとっては悪い結果でしょう。これはたとえが乱暴ですが、特定の団体のメリットが他のメリットにならないのは、よくあることでしょう。

実際に価値として、メリットのグラデーション、またはデメリットのそれはよくわからないです。人は特定の点を合理的総合的に考えて、メリットだけで動くわけではないからです。好きだからやるというのもあるけれど、お金があるし好きとか(笑)色々あるわけです。結局その組み合わせで判断するよりも、もっと直感的に判断していると僕は考えています。

くどいですがもう一度いうと、あなたのアイデアがあなたにとってしかメリットがないのを提示していませんか?僕も偉そうに言いつつも(笑)それでもやりますが、相手のメリットとして提示したものがミスまたは合ってないと、僕のメリットしか残らなかったみたいなことはあります。これはもうしょうがないです。ただ、そもそも考えてそれを提示してないケースについてここではあえて言っています。

自分が良ければいいという感覚の人が、誰かに物を頼んでかつそこで信頼を築けるかですよね。厳しいでしょう。

つなぐものもなければ始まらない

どんな良いアイデアや企画で伝わっても、関わる人のメリットがあっても、つなげる接着剤がなければダメというかつらいです。

お金とは例えばお金がもらえるから、売上になるから、報酬となるから、どんなことでもいいのですがお金によってつなぐ関係です。仕事とかそうですよね。でも、本当にお金だけかというとかなり怪しい。ある程度仕事をすると分かるのですが(しなくても分かるものですが)、そもそも怪しい人と仕事をすることがリスクだったりします。それはお金の未払いもありますし、お金自体が出どころが怪しいくらいのイメージといっていいでしょう。

信頼関係があるとはものすごいことで、その人だからやる、一緒にやろうと思う。これはとても大事なことですよね。なんでも良い、誰でも良いわけではないんですよね。逆にいえば信頼がないなら、お金が積まれてもやらないのが普通ですが、なぜかお金が提示され信頼は適当で詐欺が流行るというのが定番です。信頼できるかをシンプルに見ればまあやらないけれど、端的に「金にめがくらんだ」だけといってもいいでしょう。人は欲があるので、それは否定しません。僕もあります。ただ、それは誰がどういう仕組でどうしているかを考える癖をつけなければ、自分が発信する以前に見極めができないはずです。

このつなぐものを軽視すると、言えば伝わるでしょ=可視化すれば勝手に誰かがやってくれるとか、メリットで動く人のメリットをいえば動くでしょとか、そういうことになるんですが、それこそが甘いと言わざるを得ないです。

そもそも信頼がどう生まれるか。基本相手のことを考えているか、そしてそのために動けるかです。これは仕事だからとかでなく、基本動作としてあっていいと思っていますが、相手のためにするということがまずないと、話が仕事以前に始まらないわけですね。

これはカンが良い悪いでなく、「適当に扱われる」なら、人はすぐ分かります。大事にされてないって分かります。だから、ごまかせると思っている人はまあこのブログを読んでないはずですが、そこで閉じていく感じですね。つまり、何か伝えて、人が動くことは仕掛けられないという結果になります。

適切に伝えられることは信頼を生み出す

伝えるだけでもそうですが、無理せず等身大で伝えることは良い結果をもたらすはずです。僕はそう感じています。無理したところでうまくできないからですね。

メリットも自分は最後にして、相手とか社会とか他の人が価値と感じることとは、つまり何かしらの課題解決や不満整理や良い情報を提示するなどです。それをやって次にあなたのメリットが来るイメージです。これは逆ではなく、まず相手でしょう。おっと、ここで相手に奪われて終わりという考えも分かるのですが、多分そう考えることで相手も気づくし、同様にまず相手という人は相手もまず相手となるので見合うんですね。つまり合致する。ここがポイントです。GIVEファーストか、そういうことでいいのですが、点でなく線や面で捉えるとこの意味がよく分かるはずです。

最後につなぐものとしての信頼です。適切にあなたのことやアイデアや企画を伝えることで、人が動きます。動くとは文字通り協力者が生まれたり、あなたのために考えたという人やサービスのユーザであもいいし、あらゆる関わり方全てです。信頼が生まれるとそれは簡単になくなりません、むしろ増えます。あなたがそこであえて壊そうと思わない限り、まあ事故や事件はあれど稀でしょう。

この循環を作れないと、逆にすり減ります。伝わらないし、メリットも誰にあるか分からない(あなたにしかない)、信頼もされないし、何か生まれていくイメージがない。こんなアイデアや企画があるのだと思いますか?実際にあります。人がいないサービスや企画なんて沢山ありますし、アイデアが捨てられることなんてザラです。それが悲しいのでなく、なぜそうなるか。結局どこかで回らない点、成立してない点があるだけなんですよね。

僕が偉そうに言えるわけではなく、僕でさえもそこに気づいているといっていい。ですから、仕事もですし、プロジェクトもこれらの3つ点はきちんと見てます。例えば伝えることに関してサボる人は「資料にあるから見てください」と言ったりします。それがまとまっていればいいですし、実際にそのとおりであることありますが、「資料を見た上で質問している」のを「資料をみてください」みたいなコミュニケーションがあるわけです(笑)これはコミュニケーションになってないのでこの時点で厳しいのですが、そういう「伝える」が出来てないところで、アイデアや企画という見えない概念が伝わるわけがないでしょう(笑)

メリットも自分のことばかり考えてる人を手伝うわけがないので、スルーされます。僕がスルーしているだけなので、これは人それぞれなんですけどね。あえて関わる人はモノ好きということになります。その関わりで何が生まれるかはまたやってみないと分からないでしょう。

色々考えていって、結局、アイデアや企画は伝えるし、メリットもだし、つなぐ信頼がいるしということでした。例えばメリットがあればみんな勝手に動くというのはロジックはありですが、本当にそうなるかは別です。お金を出せば誰もが動くなら出せばいいのかもしれませんが、色々失っている気がします(笑)伝えられるならいいと思うかもしれませんが、価値に転化するのはどこかは意外にわからないものです。人の動く原動力って結構違いますから。ただ真剣にやっているのと、何か取り繕って煙に巻こうとしているのはまあ分かりますよね。本質を突けば突くほどごまかしがききませんから、ボロが出ます。本質の強みや考えることはそこにあるかもしれません。

二元論や二択みたいにどちらかでしかないよね、みたいなのは極論としてエンタメならありですが、そんな簡単に世界や社会は切り取れないということを踏まえないと想像力の点でも、様々なものが見えないはずです。人は永遠の二択で生きているわけではなく、もっと直観や感情で生きているからです。ロジック重視でいくとこの感情が見えないのでしょう。感情だけでもロジックがみえないので、バランスになるのですが、打算的な人は自分の得になることを言うだけですから、「なぜ私が関わるのだろうか?」を問うことで、何もなかったりします(笑)

ある種の反面教師なわけですが、ちゃんと伝えて、メリットもみんなにあって、つなぐものや関係性があるならば、それはとても良いアイデアや企画です。その成功がビジネスなのか、評価なのか、それとも企画的な意図が達成できるか分かりませんが、そういう企画やプロジェクトはそもそも良いプロジェクトですから、どんどん仕掛けていって形にして欲しいですし、やってください(笑)僕もそんな企画ができたり、より社会が喜ぶことをしていきたいなと強く感じたってことですね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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