jSTAT MAPを用いた商圏分析の小商いアイデア

jSTAT MAPといういわゆる簡易GISみたいなものは誰でも使えます。これを活用すると簡単な商圏分析が可能です。
今回はこれを活用して小商いとして、これからどこか出店したりするとか、新規で何かビジネスをリアルビジネスで考える人向けに提案したら売れるのではないかというアイデアです。
目次
概要
jSTAT MAP自体はログインなしでも使えますが、ログインなど登録すると保存などもある程度出来るのでそうしておいたほうがいいです。
その上で、本商圏分析も、商圏分析とはいえ、簡易的なものです。つまり、駅から半径や移動距離1kmとかでどれくらい「国勢調査」(統計調査)から人口がどれくらいいるかが分かります。昼間人口は働いている人とかで、夜間人口は住んでいる人みたいな感じですね。
国勢調査はデフォルトであるので、例えば指定駅の3つから1km以内にどれくらい出勤している人がいるかみたいなのが分かるわけですね。
この商圏分析をしたい人は、おそらく事業を行いたい人ですから、とくに補助金申請などを考える人向けを想定します。そうすると、補助金申請書の中にマーケティングやその市場調査という項目があるはずですから、そこにここでの商圏分析したものを入れると。そうすると、明らかに事業精度が上がるのと、資料としても説得力がるので悪くないかなというのがアイデア概要となります。
対象者(お客様)
お客さん想定としては、
- 事業計画書を作成して補助金申請をしたい法人等、個人事業主向け
- 上記を代行して出す必要がある事業者向け
のどちらかとなります。いわゆるBtoBとして意識すると、後者のほうが案件が多いと思うのでそういった事業者にうまく営業したり、組めるかが鍵となります。
できないとなかなか厳しいことになりそうです。
本アイデアが向いている人
このような分析系は簡単なものとはいえ好き嫌いや得意不得意がありそうです。
- 調査やリサーチなど調べ物が得意な人
- 多少の地図ソフト操作やITツールはある程度出来る人
であればいけそうです。
逆にIT苦手とか、リサーチとか調査とか、数字に対して嫌悪感がある、あとデータ登録とか地味なのでそういうエラー&修正とかの作業がやりたくないとかは向いていないですね。
なので、GISとかの知識がそこそこあったりして個人でソフトを買えるわけではない(実際GISソフトは結構高いです)けど、簡易な知見を提供できるよという着地点が最も筋が良さそうですね。
投資コスト
jSTAT MAP自体は無料なのでソフト利用料等はかかりません。
ただ若干癖があるので、初めて触る人はそれほど触るところはないとは思いつつも、やはり慣れは必要です。その習熟の時間が必要です。10時間くらいあればいけるんじゃないかと見ています。
よって、お金自体はかからないですがデータ分析やデータ取得などの時間がかかります。労働集約的とも言えますね。
提供内容
jSTAT MAPで出来ることを提供する形です。
成果物は標準のレポートでもいいですが、それに手を加えて分かりやすくするのもありですね。レポートはHTMLとかExcelとかがあります。
あとは画像としてスクリーンショットを取りつつ、細かいデータはExcelでというのがベターかなと思います。
集客やマーケティング
ここではどうお客さんに認知してもらうかです。
ブログであるとか、SNSとかで出していってそこで気づいてもらうのが一番いいかもしれません。本記事のように作例を簡単に作るだけでも意味がありそうです。いろいろな例があればそこから興味をもってもらうことができるかもしれません。
動画を撮影してYoutubeとかで上げるのもありかもしれません。
競合等
ココナラ等で見てみたのですが、実際はあまり売れてないようです。そういう意味で、単に魅力がないのか、ニーズがないのかは分からないですが、そこまで期待しないほうがいいというところでしょうか。
価格感
補助金申請等は申請書を作成するというところで、とくに事業計画書等を10-20ページ作るというところで、10万円とかそこそこします。とはいえ事業全体からすれば安いわけですが。
そこの一部要素なので、1割が最大、つまり1万円くらいが限界かなと思います。分析は言われたことをやるだけなのか、さらに踏み込んでやるかどうかだけで変わってくるので、このあたりをラインにして設定するところでしょうか。
個人的には、1商圏エリアで5,000円くらいが妥当で、これを素人がやるのとだ時間も手間もかかるのでそれくらいでまるっとやってくれる。そこが本アイデアの価値となるかなと考えています。
jSTAT MAPの仕様メモ
jSTAT MAPの操作マニュアルもあるので見てみてください。171ページと結構な量ですが、やれることは限られるという認識です。
エクスポート出来るもの
エクスポートとして、dbf,prj,shp,shxファイルをzipでまとめてくれるようです。インポート時は、SHP、SHX、DBFの3つがいるので全て出しておかないと行けないってことですね。
つまり、シェープファイルは普通に使えるという認識でOKです。シェープファイルはGISなら標準的なファイルフォーマットです。
統計グラフはgsfとしてこれもエクスポートできます。
プロットとエリアは保持、グラフは破棄なので注意
グラフなどはjSTAT MAPを閉じると消えるのでエクスポートしておきましょう。プロットとエリアはログインで保持されています。
住所マッチングや取り込み数に留意
住所マッチングは結構シビアです。1回500件で1日1000件、1ヶ月3000件なので、作例での名古屋市市営地下鉄は22くらいですが、何度も取り込むとあっという間に増えちゃうので気をつけたいですね。緯度経度取り込みは2000件となっています。
GMLなどGoogleマップも取り込めますが、1000件までなのでこれはシステム的にそこまでということですね。あまりに件数が多い店舗とか、地点を入れるとダメってことですね。そこも留意してください。
グラフなどもあまり範囲が多いと時間がかかるのと出来ないこともあるので広範囲はまあ無理と思ってください。
操作マニュアルの8.2などで最新情報を確認するといいでしょう。

作例:名古屋市の地下鉄東山線の乗降客数
1.名古屋市の地下鉄駅住所データを取り込む
作り方はまず、名古屋市の地下鉄駅データを用意します。データの取り込みも出来るのですがいわゆる緯度経度を付与する処理でエラーになることが多いので、例えばゴミデータなどの整理で少し手こずることになります。
ファイル→インポート画面を押すと、以下のような画面になります。



エクセルやCSVなどで作成して取り込むわけですね。つまり、住所としての文字列やデータを、地図上に変換してくれるわけです。最初これをやると感動するのですがどうでしょうか(笑)
上手く取り込まれないとプロットされないのと、エラー表示がアウトプットされたデータにでてくるので確認してみると良いと思います。
細かいやり方は割愛しますが、取り込めると例えば、青い人形みたいなものを画像としていますがそれが地図上に出てきます。

青字の白抜き数字が乗降客数となります。例えば名古屋市の公式サイトにデータはあるのでそれらを活用するといいわけですね。
2.徒歩5分圏内の人口を算出する
あまり意味があるかはおいておいて、各駅から歩いて5分の距離圏でどれくらいの人がいそうか。ここでは駅前人口ということですが算出します。
統計地図作成を選ぶと、国勢調査が選べるのでそこの人口を選ぶ形です。データは2020年が最新なので留意が必要です。
ここで当然ですが、プロットした1個ずつの駅をクリックして作るのでなく、駅複数としてプロットしている(つまり、名古屋市営地下鉄東山線は22駅)を一つとしてみています。
それに対して、各駅の5分圏内の枠で按分(その面積で割ったもの)をすると、それっぽいデータとなります。
ここのあたり初見だと理解しづらいかもしれないですね。こういうところで手間がかかるし、理解が求められるというところです。僕も最初は良く分からなかったので(笑)

一部ですがこんな形になります。
例えば中村公園駅というのがあり、黄色図形となっていますが、それは1354人~1506人未満くらい人がいるということを指します。5分なので、アパート・マンション、戸建てなどで違いますし、あとは年代などもありそうです。駅前5分って名古屋でも良い立地ですしね。
名古屋駅だともっといそうですが、5分圏でいけるところが限られるのとおそらく駅が大きいなどで、歩いていけるところに「住宅」はほぼないのでしょう。だから8~9人という数字になっています。ほぼなしですね。
当たり前ですが、都市や繁華街はそれらの住宅が少なく、商業施設等になるので人口が減るというわけですね。言われれば当たり前ですが、地図だけ見ていると全然分からないことはあったりします。
これらのデータだけでどうかは言いづらいですが、例えば事業として、国勢調査のデータの限界はありますが、シニア向けとか若手向けとかの大まかな区分けくらいはつくわけです。土地勘があればそれも加味しつつ、フィットネスジムを誰向けにやりたいか、それともパン屋をやりたいのだけど誰向けにやりたいか。それによって取るべきデータは変わってくると。
ここでは国勢調査だけですがそれでもヒントになるでしょうし、統計調査というところで信頼できるわけですね。
他にもデータが取れるかはおいておいて、独自データがあれば面白いですよね。家賃相場を入れてみるとか、独自で調査した人の数、交通量調査などはあまり良いデータがないですが交通量を入れてみるとか。色々と工夫すると面白いと思います。
実践的にどうか
ここでは小商いとして切り出した商圏分析を5,000円で売るというアイデアでした。作業難易度はそれほど高くないですが、データのクレンジングなどは地味に見えない時間がかかりますし、データ取り込み制限もあるので結構シビアかもしれません。あとはその代行をするというところも強いところでしょう。素人や初心者がやるには大変だけど、プロがやるにはぬるいというところがポイントです。
とはいえ、実際には商圏分析だけを待っていて売れるかはかなり疑問で、であれば事業計画を作るのだけどそこでうまく入れていくというところを売りにした事業計画書作成で補助金等申請代行の方が稼ぎやすい感じはしますね。それをやりたいかは別として。
実際はこのアイデアがそのまま使えるかと売れるかは分からないのですが、やはりお客さんが誰かが見えていて、その課題が明確であればこのアイデアや提供サービスは売れるかなと思います。そうでなければ厳しいとか、結果が出ないのかなというところでした。
こんなネタ分析して欲しい!を募集しています
できるかは分からないのですが、リクエストや要望として、こんな分析がjSTAT MAPでできないか?はユーザーヒアリングを兼ねて受け付けています。簡単にメール等でやりとりさせてもらう形になりますが、出来る場合は作例としてアウトプットするのでそれがOKであればお気軽にご連絡ください。
問い合わせフォームから「jSTAT MAPの分析希望」と書いて頂ければ助かります。
おわりに
小商いネタとして軽く書くつもりでしたが、jSTAT MAPは画面を見せたほうが面白いと思って以前作ったものを一部見せる形でやってみました。イメージが伝われば嬉しいです。
当然本アイデアからヒントにして自身の小商いとか、ビジネスアイデアに取り込めるならどんどんやってくださいね。
筆者プロフィール

- 「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は400超。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介、仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューやお問い合わせはお気軽にどうぞ。
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