IIJエコプランのパケット節約割引は主婦層集客のグッドアイデア

消費者、生活者などユーザーが何かしたから見返りに安くなる。これは単純な割引でなく、やったら得られるという意味ではわりと秀逸だなと感じました。もちろん全部努力型にすればいいとは思いませんが、ターゲットの心理や感覚、価値観に沿ったものがあると面白いですね。

※初稿:2017年7月24日です。

ネタ元

格安スマホでIIJが提供しているエコプランという契約コースがあります。このサービスは主婦層の要望が反映されているということですが、そこで一番面白いのは「割引」を「パケット節約した分に応じて行う」というアイデアです。

具体的には、

SIMとスマホをセット、あまった通信量は割引する「エコプラン」を紹介します

上の公式サイトを御覧ください。

例えば、通信料3GBで契約した場合、月額900円です(SMS機能付き)。普通に使って1ヶ月で2.5GB以上使えば割引額はありません。つまり900円普通に払う形です。

しかし、主婦層でなくても、「自分がそんなに使わないなら少しは安くしてくれてもいいじゃない」「無駄なパケットを使わずに少しでも安くなるのは嬉しい」という声があったんだろうと想像します。

0.5GBを節約して使わなければ100円、1GBなら200円というように、安くなります。例えば1.95GBしか使わなかったら200円安くなるので、700円で済みます。

人によっては月間200円出すかどうかはどうでもいいとか思う方もいるかもしれませんが、主婦層においては、またはスマホをそこまでいじらないとか、ネットサーフィンとかメールとか使うくらいの方においては、そもそもそこまでお金をかけたくないという価値観になります。

ターゲットとして集客アイデアとなり得ると感じたのは、主婦層や節約思考が高い人向けにはこのサービスは受けるのではないか、また価値観としてそこまでスマホを使わないけれど持ちたい人向けにも良さそう(スマホライト層)というところでしょう。

マーケティング的にはサービス自体は高機能とか高性能だから来る人もいますが、ここでのメインは主婦層だと考えられます。そういうターゲットに良い集客企画だと考えられます。

割引を簡単にせず、ユーザー努力を誘発する

この割引は集客にも使えると思います。このサイトでは安易な割引をするなと何度も言っているわけですが、割引が全部駄目でなく何を持って割引をするか。それを見誤ったら駄目というだけのことです。

今回のアイデアは、900円という標準価格はそのままです。そしてユーザーがサボるというか節約をしないのであれば900円で普通に使えるし、ユーザーが節約傾向があるとか、自分で努力したら安くなるのであればしたい、という人達に応える形になります。

つまり、ユーザーが努力したからその分の見返りにとなります。もっともポイントカードなどは「来店をたくさんしたから」とか「一定額を購入したから」というところですが、これは同じような行動に見えますが、節約的努力と消費はやはり違います。

消費はものを買ったり食べたりすれば出来るのですが、節約は考えたり、規制したり、自分をコントロールしないと出来ないからです。

その見返りに応じて割引であれば、ユーザーによっては「割引」されたというよりも、「節約に応じてくれた」という感覚が強そうです。単なる値引きではないだろうというのが私の見立てです。

安全運転した人は保険を安くする

他にもこういう事例はあります。思いつくのは自動車保険などの安全運転をした人、している人には保険料を安くするというものです。

スマホを活用した自動車保険「テレマティクス保険」を開発 – 損保ジャパン

上のサイトでは、最大20%安全運転なら保険料を割り引くとあります。これは安全運転になるし、そういう努力をした人は安くなるということで、無駄な事故も減るし、ウィンウィンなんだろうなと思います。

ユーザーの努力や行動をきちんと見て、それらに応じた対応がたまたま割引という還元の仕方だったと考えると、割引だけではない他のアイデアが思いつくかもしれません。

おわりに

努力型割引とかインセンティブ割引みたいな造語を考えました。実際にがんばったり、見返りに何かを得るという意味では「広告を見れば安くなる」とかの静的な割引でなく、関わったり行動したから安くなる方が認知や記憶、信頼にもアップするのかなと思いました。もちろん悪用は駄目ですが。

何かヒントになれば幸いです。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター
シゴトクリエイター
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は400超。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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