チャット型グルメ予約サービス「ペコッター」はTwitterでリプライしたことから始まった
今回はアプリですが、Webでも使えるっぽいし、というわけで、ペコッターについて調べてみます。
グルメ予約系サービスはほとんどチェックしていませんが、それらを知る意味で面白そうな教材になりそうです。
ペコッターとは
チャットで飲食店などを探して予約出来るアプリです。チャット形式で完結出来るのが素敵ですね。
良く考えると電話するのが面倒なのはめっちゃ良くわかりますね。ただ調べていると、これが無料というのにびびりました。
0から1へ
ペコッターをやられているのは、ブライトテーブル株式会社の松下さんです。彼が手掛けたサービスは、「テーブルシェア」(1年半で終了)、「ファイブシート」(半年で終了)、という中で食をテーマにしたものを出していくものの、うまくいかないということでサービスを終えています。(これらはマネタイズがうまくいかないのですぐ終えている感じですね)
アイデアの種
2014年5月頃にアイデアの種が生まれています。ServiceSafariで詳細がありますが、
そんなことをぼんやり考えていたときに、見かけたのが、Twitterでの女の子のつぶやきでした。「今新宿なう。美味しいお店ありませんか?」っていう、ただその2行くらい投稿だったんですが、そこに皆が「ここが美味しいよ」みたいな感じのコメントをリプライしていたんです。そのとき、これが1番簡単に自分の好きなお店を知る魔法の言葉だなと思いました。この魔法の言葉を誰でも使えるようにしようと思った、それがペコッターの着想の始まりです。
(つぶやくだけで美味しいお店を教えてもらえる新感覚グルメアプリ!「ペコッター」松下勇作さんにインタビューより引用、太字は筆者注)
これをみて「リプライするんだ」と思ったのは僕だけではないでしょう。そういう気軽な問いに対して、ここがいいんじゃないという返し。これがそもそもペコッターの原型といえそうです。アイデアはいつ降ってくるか分かりませんね。もちろん、グルメサイトで比較をするのが大変だという状況もあるわけですが。
そして現在のサービスがペコッターということで、2015年3月から開始。
さらに面白いのは、CtoCだから体感や価値を感じてもらうのは時間がかかるから「give」をして驚きを感じてもらうというところを3ヶ月以上は一人でやられたそうです。上の記事に詳細があります。いやーすごいですね。
面白い認知アイデアの工夫
面白い認知向上アイデアとしては、【連載】若き起業家たちの夢とその戦略 14 チャット型サービス「ペコッター」で、”検索”という行動を取りにいくで紹介されていますが、
1.Twitterでお店探している人に完全手動でreplyを飛ばす
Twitter上を「地域名 ごはん 教えて」などで検索して出てきたユーザーにはらぺこ君(公式キャラクター)から教えるというものです。一瞬笑いましたがこれはこれで面白いですね。
2.自身でヒツジのかぶりものをつけて移動
いわば自分広告でパネルやかぶりものをつけることで写真撮ってもらったり、宣伝するというものです。これが最も初期ユーザーを獲得出来たというのだから驚きですし、面白いアイデアですね。
MVPとしての工夫
上にも書きましたが、リリース当時は松下さんがパソコン前に貼り付いて人力で回答するということをやっていたそうです。究極のMVPですね。
とはいえそれでボットが学習できるという点もなるほどなと思えます。それはボットサービスというのを当初考えていたのでなく、まずユーザー同士が回答しあうコミュニティサービスを考えていたというから結構驚きです。
また予約代行をする場合ボット風に自分が予約してみて(当然オーダーがあったもの)、それで店員さんからヒアリングも兼ねて聞くというものです。これはものすごく実践的で効率的だなあと目からうろこの実証だなと思いました。「botは人力で育てるペコ!」グルメQ&Aアプリ「ペコッター」のチャットボット活用法に詳しく載っています。アイデア次第だなと感じますね。(ペコッター予約機能は2015年11月頃から正式開始されているようです)
ユーザー数
ユーザー数としては、リリース後3ヶ月でユーザー数1万人を達成(ペコッターの開発、今ならどっちでも選べますより)しているようです。2016年では、2万人に。ユーザーへの回答率が100%というのもすごいですね。
2017年のデータは分からないのでもっと増えていると言えそうです。
収益モデル
現状は無料ということですが、松下さん自身曰く「アプリ内広告、店舗課金、ユーザー課金」のいずれかだそうです。
アプリを見てみたのですが、広告はなさそうです。店舗課金は不明ですが、ユーザー課金として肉をはらぺこ君に送るみたいなのがあるそうです(笑)
いまさらながらペコッターめちゃくちゃ良いが、将来が不安では、予約後に600円くらいの投げ銭とあります。また、グルメ予約Q&Aサービス「ペコッター」の意外なビジネスモデル設計では、肉をねだるというところでスクリーンショットと、参考URLの提示もあります。実際に、https://bitly.com/base_steak+で見えますね。おそらくbitlyの履歴期間が限定されるのでどう見たらいいかというのもありますが、一定の数クリックはされていることが分かります。
チャットで全部予約出来るのは相当なので、都市圏中心とはいえ有料でも良さそうな感じがしますね。とはいえ4,000円の予約で1割は高いかなというところなので、100円から200円、あと人数や単価に応じて調整というところでしょうかね。条件や日付のシビアさとか、そこらへんはAIがガンガンやってくれそうだと。定額制で課金するのが最も良さそうですね。使う人はガンガン使いそうです。
あと別枠でユーザーが回答をするとペコというポイントがたまり、Amazonギフト券に変えられる模様。30ペコが15円、100ペコが60円、1000ペコが700円という単位で。
予約代行サービスというのがありそれが有料かどうか不明ですが、大きなマネタイズポイントとなりそうですね。2017年2月にリクルートの調整さんと連携しているようで、いい感じに広がっていくと面白そうですね。幹事さんのお助けサービス!夢のコラボレーション ~調整さんとペコッターが連携を開始しますぺこ!~
マネタイズ的には、現状は無料で、今後蓄積したグルメ回答データをうまく連携していくことでしょうか。ぱっと見ると食べログURLが多い(そもそも案内するURLがないできないため)ので、食べログの送客になっているんじゃないかとすら一瞬思いました。もちろん送客実績を取っているのでそれを元手に飲食店への営業は十分可能だと思いますが、ここらへんをどうしていくかは注目というところでしょう。
予約代行がどこまで自動化出来るかも鍵のようです。人力でやるのはさすがに辛いので、AIが電話をするのか(飲食店側がそもそも電話等でないとリアルタイムで確認できないということですよね)、そのあたりがどうなっていくか面白そうですね。
おわりに
ペコッターのもっと中身みたいなあと思って今度アプリを使ってみることにします。今回の記事では反映出来ませんが知見を貯めるためにはやってみないと分からないですしね。
ペコッター会社訪問をされている方の記事最近噂のグルメチャットアプリ「ペコッター」の会社に訪問した話が面白いです。社員は3名、インターン4名での運営で、やはり気合であり、その中に「ユーザーへの驚き」というところだそうです。愛を感じますね。素敵です。
botとして動いているものがどう連携されて今後ビジネス展開されるかが楽しみですね。マネタイズがされて運営が安定していくところまでぜひ踏ん張って欲しいです。
筆者プロフィール
- 「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は400超。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介、仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューやお問い合わせはお気軽にどうぞ。
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