絵本市場規模を調べてみた

軽いリサーチネタです。

絵本市場はどれくらいかというところでざっと調べてみたのでメモを残しておきます。

出版市場規模

出版市場というところでは書店は減少し、出版市場も概ね減少というところで、電子書籍が興りそこで下げ止まっている感ありというところが概ねの肌感でした。

実際には、2021年紙+電子出版市場は1兆6742億円で3年連続プラス成長 ~ 出版科学研究所調べで、約1.6兆円規模となります。紙は1.2兆円、電子書籍は4600億円って感じとなります。

児童書規模

新刊点数

絵本は児童書に含まれるというところで、KDDI総合研究所R&A2020年2月号「拡張する絵本の世界(前編)」P.4図表4からは、2018年児童書新刊点数が、図表5からは児童書・絵本の出版販売額推移が分かります。

2018年では児童書は4,721点ほど新刊点数があり、絵本は42%なので約1900点出たといえそうです。新刊点数については、国際子ども図書館の蔵書からみる国内の児童図書の出版状況もあります。2020年では5,993点、2017年から2019年のデータは5700~6000点というところで、2018年からすると、概ね増加しているとも言えそうです。

では、これらの点数は全体からどの程度の規模かというと、

2017年から2020年まで概ね7万点前後が年間出ていて、児童書はそのうち4000点代といえそうです。数値がややばらついていますが、概ねこのあたりだといえそうです。全体からすれば、約6%くらいの新刊点数というところでしょうか。

販売額

販売額は児童書全体は2011年では803億円で絵本は299億円、2018年では児童書全体で875億円と増加し、絵本も314億円と伸びています。

出版不況を考えるとかなりの健闘と考えられます。

これらあはおそらく紙書籍と言えそうですが紙1.2兆円からすれば、児童書は1割に満たず、7%くらいでしょうか。絵本は児童書の販売額の35%程度なので、2.5%程度というのが全体から絵本が占める割合です。

絵本自体のモノのインパクトはあれど、ごく一部といえます。一方で、絵本の売上自体は300億円を超えるのでこれは見過ごせないと。

もう少し長いレンジですと、1998年から2021年までの児童書推定販売金額もあります。20年で見るとやはり検討が伺えるというところでしょうか。

価格帯

こちらは日経MJ2022/10/19付けにあった「絵本価格「大人買い」で9%上昇、現代的な題材、画風・作りに工夫」で参照されているデータです。出版科学研究所の出典となりますが、2011年で1150円付近が、2021年では1250円付近まで一冊あたりの単価が上昇傾向が見られます。

あくまで平均価格なので、ばらつきもあると思うので参考までというところです。

推計販売冊数

ここででは年間に何冊売れているかというところが気になります。ちょっとデータはないので推測ですが、

1000円の絵本が10万冊売れれば1億円という売上になります。よって、100億円の売上はその100倍なので、1000万冊となり、300億程度の売上規模があるとすると、3000万冊売れたことになります。

1000円の絵本が10万冊売れれば1億円という売上になります。よって、100億円の売上はその100倍なので、1000万冊となり、300億程度の売上規模があるとすると、3000万冊売れたことになります。

3000万冊というとめちゃくちゃ多い!?かどうかですが、この肌感がどこまであるかでしょうか。例えばビジネス書では10万部でベストセラーで、一般的に100万部売れるものは少ないですがベストセラーと言えますよね。それらが年30冊もある?わけはないわけです。

よって、おそらくですが構造的に昔の絵本が、ロングセラーでベストセラーというものがあるのかなと言えそうです。具体的には、e-honのミリンぶっくにあるように、累計100万部を超えるものがかなりあるというわけです。「いない いない ばあ」は累計で701万部という驚異の数字です。こういった本がロングセラーで売れるのもあるのではないかなという読みです。

全体の販売部数でいえば、〝出版不況〟は終わった? いよいよ明確になった市場構造の変化では、2019年で紙売上が1.2兆円として、販売部数は15億冊程度となっています。紙は5億冊程度ですが、絵本が3000万冊売れるとしても、その販売部数割合は6%程度ですから、販売額と概ね同じくらいの規模感といって良さそうです。ただ雑誌が10億もあるのでまた2008年までですが、新刊点数と販売部数の傾向も書籍の発行点数と販売部数の推移で分かります。1959年では、新刊点数は1万点ちょっとで、販売部数も1.3億冊程度だったんですね。それが、2008年では、7.6万点と7倍近くで、販売部数は7.5億冊となり、こちらも7倍近いわけです。先の2019年データに戻ると、新刊点数は7万前後と落ち着いているものの、販売部数が15億冊ですと2008年の倍となっています。とはいえ、部数が売れているがとはいえ売上はむしろ下がっているわけなので、本はあるけど売れてないということがよく分かるとも言えそうです。電子書籍情報まとめノートにある出版統計資料グラフで書籍の新刊発行点数、販売部数のグラフがあります。これは雑誌10億冊は省いて紙5億冊というところですが、可視化されると販売部数において紙書籍は売りが悪くなっているのが伺えますね。

絵本に戻すと、3000万冊売れるのだけど、それをロングセラーがしっかり売上、あとは新刊など多くの絵本が支えている感じをイメージできそうです。

あとこれは面白い視点かなと思ったのは、Amazonレビューからの部数推測です。相関がありそうというところで参考程度に考えると良さそうです。どれくらい売れているかが分かるのは面白いですね。

絵本を買う層

仮に子育て世帯として、30代女性をメインとすると、30代女性は700万人前後(年齢(5歳階級),男女,月別人口-総人口,日本人人口 (各月1日現在)-令和2年国勢調査基準- )です。

ではこのうちどれくらいの人が絵本を買うかですが、ママ予報ver1:【絵本】はデジタルの波にも影響を受けず、今も根強いファンがいる出版物だった!”ママスクエア”自主調査による考察!では、253名対象でのデータで、30代は55%で、40代が28%を占めています。年間購入額は1000円~3000円が34%で、3000円~5000円が23%、5000円~7000円が10%です。57%が、1000円~5000円となるのは参考になりそうです。

違った視点では児童がいる世帯は2019年で1122万世帯となり、全世帯の22%程度のようです。児童のいる世帯数及び全世帯に占める割合の推移P.23(結婚と家族をめぐる基礎データ)より。児童=子供とはいえ、絵本を読む年齢といえばざっくりですが1歳から5歳程度とすると、先の人口から概ね0~4歳として450万人はいることが分かります。実際には子供が自ら買うのでなく、その親が買うのはありますが、これらに加えて、大人が楽しみで買うとかもありえると。

乱暴に、この450万人の子どもたちが、絵本を適度に欲しがり親にねだったりして、親がしぶしぶか喜んで買うかは分かりませんが、買ったとしても、先のアンケート調査からは6割程度が1000円~5000円とすると、270万人程度の人が買うことになると言えそうです。仮に年3000円購入するとすると、270万人×3,000円/年=810億円となります。

ですが今までのデータでは絵本の販売額は300億円程度なのでここまでの人は買っていないか、買う人は買うし、買わない人は買わないというばらつきがあると言えそうですね。

絵本を作る側はこれらの層にアプローチしたいと考えるわけですが、メインはやはり手にとって見える書店となるのは面白いというところです。ブックスタートなどもありますが、そういうところで販売となるのかはおいておいて卸で売られるというのも見過ごせないですよね。学校や教育機関、保育所ですよね、そういうところも買い支えていつつ、親が買う個人買いがあるのかなと。その割合は不明ですが、調べていくとより生きたデータとなりそうです。

まとめ

ざっとまとめると、

  • 出版市場は1.6兆円で、紙は1.2兆円。児童書は800億円規模でそのうち絵本が300億円程度を占める。紙全体からみても児童書や絵本の割当は1割に満たない
  • 絵本の1冊「平均」単価は1200円前後で、販売部数は3000万冊程度。全体で紙書籍が5億冊売れているところでは、販売割合も6%程度。

となりそうです。

他に電子書籍アプリのようなもの、図書館での絵本貸出などもあるので、絵本を買うだけが「絵本を読む」という体験とはならないはずです。このあたりは顧客体験となりそうですが、どういう人にどういう体験をして欲しいか、このあたりにチャンスがあるかもしれないですね。

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ライター

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
ビジネスアイデアメディア「シゴクリ」運営者。生まれてくるアイデアをビジネス化出来ないかを考え続け、アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談やビジネス企画の実績多数。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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