ビジネス立ち上げ時などに見られる思考の盲点

以前、ビジネスを考える時に顧客、つまりお客さんがすっぽり抜け落ちるなんてことはあるよ、という記事を書きました。ビジネスから顧客が消える瞬間なんて一杯ある。それと重なるのですが、思考の盲点として再度まとめるというか、言い換えると良いかなと。

つまり、事業やサービス側は提供者ですから、どうしても提供者側の視点、バイアスがかかってしまう。分かりやすいのはプロダクトアウトのように作ったら売れるだろうと考えると。でも、顧客やお客さんから見たらそのサービスや商品も選ぶ理由、タイミングがいるので、なかなか買わないんですね。というような思考すら消えるのが思考の盲点ということです。

そして盲点自体はなくならないので、しっかりと思考するか、視点を切り替えるしかないかなというのが結論となります。

結論

思考の盲点がビジネスの立ち上げ時、とくに実行前や検証度が低いときには存在する。もっといえば実行中はうまくいっても存在する。常に存在するといっていい。

その盲点は消えないので、対策としては、客観視やメタ認知、または視点の切り替えなど、「常に自分の思考の盲点がある」という前提で踏まえて立ち回る。ということになる。

お客さん視点や顧客視点がないビジネスはごまんと存在する

まず前提にお客のことを考えなくても売れるということはあるんですね。シンプルに供給が強い(売り場に置けば売れるような、ECサイトとかで飛ぶように売れるものをイメージ)なら、別にそこまで考えなくてもいい。でも、それは時限的ですから、収まっていくときやはり、そこで「じゃあ我が社は誰に満足してもらっていたんだっけ?」と気づくのは良い方で気づかずに埋もれていくこともあるのではないか。

顧客視点がないビジネスが存在しうる理由は色々と挙げられそうですが、実際にあるものだったり、それが時限的に存在することを否定するわけではないです。

実際にここでいう思考の盲点があるがために、こういう成立が起きると。だから、そういう状態はラッキーとか、見直すための余地みたいに捉えてまさにその瞬間に見直したらいいんじゃないかってことになります。

思考の盲点とは

改めて説明すると、事業者側やサービス側である提供者側は自分の目線はデフォルトで供給側です。そして、お客さんは受け手であり買う側です。この立場の隔たりがあるが故に、デフォルトで「サービス側の都合」でしか見ない、またはその見る割合が高いことを指します。

事業者側とお客側の二点がある時、同時にこれは見えないはずです。同時とは文字通り同時です。少しずらして見えるというのが正しいと思っていて、リアルタイムに同時で考えて並行思考なんてのは出来ないと。

だから、一つずつ取り上げる、その立場になって考えるということが重要になります。これは思考の話であるので、もしかして同時に考えるメソッドなんてあるかもしれませんが。

例えば、お客さんの立場としてじゃああの人なら買うかな?なんて考える。そうするとうちのサイトの使い勝手がだめかもしれないなとか。新しい商品を見つけてくれるかな、少し違うって思われるかな。

なんてことを考えるわけです。これは顧客視点ですが、これが消えるのが思考の盲点というわけです。

事業者側で、消費者側の視点を考える。両方考えたい。そういう時、存在しないお客さん像であったり、存在しないニーズを悪く言えばでっちあげてしまう。これは希望でありとても人間らしいと思います。

偉そうに言っていますが僕もそのように売れるだろう、いけるだろうといって失敗しているので、自戒を込めてですよ。

なので、どんな鍛錬を積んでもですね、この思考の盲点がないって人はいなくて、達人ならば「思考の盲点があることを前提に思考する」というのが着地なんじゃないかなと考えています。

お客側から見ると信頼できて良いならどうでもいい

選り好みではなくて、お客側からすると、良いもので自分の価値を満たすならなんでもいいと。これは乱暴ですが実際は選択肢が限られたりまたは得られなかったりで経済的合理性的だけの人はいないですが、とはいえ多くはそういう制約がある中で選んでいるんですね。

その時理由をうまく作ったり目に止まれば、検討されるかもしれませんが、多くは検討すらされずというところです。悲しいけれどこれが事実として踏まえた上で立ち回れるかとなりそうです。

乱暴ですが、お客からすれば、事業者側の色々な理屈はある種どうでもいいんですね。もちろん良い物語、ナラティブ、こだわりがプラスになればいいですが、高すぎたり、遠すぎたり、買いにくいなどであれば、やはり敬遠されると。

そういうわがままなお客さんというのも愛していくという感覚はやはりいるので、事業立ち上げとかって愛じゃないかといってもまあいいんじゃないかなと(笑)

視点を切り替えて盲点を補完する

盲点自体は視点を切り替えることで補完できます。先の話であれば、事業者側→お客側→事業者側→お客側と交互にやらなくてもいいですが、少なくともお客側の視点にたって考えることで、補えると。

言葉では簡単ですが、お客の側に立って考えるとは結構難しいです。なぜならお客が誰か分からないし、メッセージが伝わっているかもわからないし、わからないことだらけだからですね。だから博打みたいに、当たったダメだったとかって一喜一憂になりやすいのもこれが理由かなと思います。

具体と抽象とか、分散と集中とか、水平と垂直とか、そのやり方は色々でいいですが、少なくとも同じ視点に偏ってしまっていては、木を見て森を見ず、森を見て木を見ずでもだめなので両方いるのかなと。

この2セット、つまり概念としてこれらのセットがあることでかなりの確率で「あー見落としていた」ということで気づけると思います。どうも人は1つのことを意識すると他が見えなくなるんですね。集中とは他を見ないってことですから、正しいと。

でも論理だけでなく感情もあるし、お金でなく倫理もある(渋沢栄一ではないですが、論語と算盤みたいな)。結局相反ではないですが、そういう概念セットで捉えることがないと偏りませんか?

偏らない=バランスを取る=5:5でピッタリ!みたいなことではなくて、それは変動しつつということです。いい塩梅って人次第ですから、企業や事業担当者にとっての良い塩梅を探ればいいのかなと。まあ簡単に言ってますが思考の盲点でお客が見えないとかって言ってるところは乗り越えた上でというところでしょう。

練習すれば盲点は大分押さえられる

この概念セット、2つを考えるっていうのは、アイデアも一緒です。アイデアと検証みたいなものですね。そういうセットで考えれば不毛な議論は消えるはずです。アイデアだけとか検証だけとかそういう切り出しをすることで、情報ロスが起きてなんか分からなくなっている。

実際はアイデアと検証を持って考えればいいだけです。全くできないなら評価しづらいですが、アイデアがあって検証は少しとか、アイデアは微妙だけどがっつり検証したとか。そういうバランスがあるんじゃないかと。

そうやって練習をしていくと慣れはいるものの、やはり上手くなっていくと。僕もこれでもですが、少しずつ上手くなってきているのかもしれない、と錯覚でもいいのでそう信じて、学んで進んでいくのみというところです。

おわりに

事業を考える人が好きとかそういう人は、おそらくこの思考概念の話も面白く聞いてくれると思います。苦手な人は何を言っているのかわからないので、大変というか。そういうのも世の中ってよく出来ているなと思います。話がツーカーで通じるのが良いのって、そうではない体験があるからともいえます(笑)

思考には盲点がある、なんて感覚でいればビジネスもですが、あらゆる考え方に仮説的に考えてとか、そういう感覚になるはずです。断定はしないし、一度取り上げてどうかを試していく感覚ですね。実験思考というか。

そうなればしめたもので、あとは動いて見ていくだけです。このモードになると、色々と口で述べるのが手間ですらあると思います。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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