ビジネススクールでの違和感の話

かなり前ですがあるビジネススクールでいわゆるマーケティングをケースメソッドで学んだ時期がありました。そこでの期待値からの違和感や学べたことを軽くアウトプットしてみます。

結論

ビジネススクールというとビジネスを学べるというのは半分正しく半分間違っています。最も僕の経験は本当にかじっただけですが、それだけで十分でした。

ここで感じた違和感をアウトプットしておくことで、学び方として最適なものってやはりあるんじゃないかを検討するヒントにしてもらえればと思います。

ビジネススクールで違和感

いくつかあります。

授業としては予習前提で、挙手で意見が評価

講師もですが生徒=多くは大手企業の中堅社員など。当時だと30手前の人が多かった印象です。

予習してないとまあついてけないですね。それはいいのですが、意見が評価されるのでスピードが求められるんですね。

「このケースで戦略Aとした時、じゃあメリットは?」と講師が言うと、その直後にすぐ手を上げる。そして「こんなメリットがあります」と生徒が言う。そんな繰り返しです。まあ想像するだけで忙しないですけど、ぼーっと聞いていられることはないんですね。

まあこれによって考える力はある程度鍛えられるかもとは思うし、それがほぼアメリカンな感じ(とはいえそれもビジネススクールでの中で)ということは事実なのでしょう。

僕は途中からしんどくなって手を上げることもほぼなく、そこでつけられた評価は最低でした(笑)

ここで僕がこういう評価システムを批判してもまあそれだけなんですけど、別に評価が欲しくて行ったわけではないんですよね。

当然どんどんやる人は評価されるし手を挙げて述べる人はいい。それって裏を返すと見切り発車でもとりあえず言えばいいともなりがちです。実際はそこまでやると駄目なんでしょうけど、とはいえそれは「黙っているよりはいい」という評価な気がします。まあなるほどなと。

ケースメソッドは確かに学べるが

大手企業のケースというテキストがあってそこを学んでいくと。なんというか企業幹部性の帝王学みたいな感じを受けます。まあそれはいいのですが、それでビジネスをするかというと当然机上です。

問題は彼ら彼女ら、つまり受講する生徒がそういう大手企業にいてリーダー候補や幹部候補だったり、でなくても意識が高い人が多いんですね。とはいえ自費でくる人は限られる気がします。僕は自費なので、上でサボっていたと言いましたが結構必死でしたね。

ここで学べるがーというのは、それはある種大学の教養に近いです。必死にケースを考えてどうだというのは「もちろんやらないよりやったほうがいい」のですが、じゃあ「メルカリで売って価格を最大化させるにはどうしたらいいか」のほうがよほど勉強になるという感じがします。

実際は机上や体系的なやり方と実践はセットなので、僕の考えもやや微妙感はあれど、結果的にそういう印象が残りました。これは資格論と一緒でして、その資格があるからどうということではない。ここではMBAとかですけど、まあ言わずもがなですね。

当時は僕はもっとビジネスを学ぶという意識だったのですが、結局判断としてその講座を受けてこれはないなあと見極めました。

違和感としては以上で、なじめなかったのと、それでなにになるかイマイチ見えなかったというわけで、ビジネススクールのお客さんではない(笑)ことは確かなのでそこで終わりですね。その後ビジネススクールでどうとか一切思わなくなりましたね。例えば少なくともビジネススクールを出ているからといって「それで?」というのが良い態度なのではないかと。そういう態度を作れるだけでもいいかもしれません。

学んだこと

とはいえ無学習ではなく、どこまで仕込んでいるか、実際はどうかは講師によるのでしょうが、バリバリ現場でやっている人が「教える」場にいるかって正直わからないです。実際には教えるプロとビジネスのプロは違う可能性も高いわけで、両方やれる人って稀ですし、あと別にそういう稀なプロでないと駄目とは思ってないですよ。

そこで未だに残っているのは抽象と具体です。つまり、ケースにおける戦略があればそれを戦術レベルの末端のオペレーションまで語れること。というのは簡単そうで超面倒です。頭が疲れるんですね。実際にコンサルとか経営コンサルですよね、やっている人たちはそういう人種です(笑)頭の回転が超早くて、しかも体力もある、まあ化け物ですよね。素人が力士に勝とうとするような感じといえば伝わりますか?勝負しちゃ駄目ですよ。してないですけどね(笑)

そういうものあって、頭の回転が速いのが普通となるわけですね。これだけでもしんどいですけどそういうのはなるほどなーと妙に印象に残ってます。というかそれくらいしかないです、逆に。

実際にその後、今もですが抽象と具体ってめちゃくちゃ大事なので、あそこで短い期間でも「あーそうっすよね、そうっすよね」と僕なりに考えたことは無駄ではなかったと思います。

けれど、PDCAを早く回すとか、そういうのって筋が悪いなーと思っているタイプなので、精神論として頑張ればなんとかなるは超嫌いになりましたね。頑張っても頭の回転でついていっても体力はないので無理ゲーなんですよね。

思考することは面白いと思う

じゃあ思考とかディスカッションが嫌いかというとそれはないですね。ただ、それもテーマで、なんかこういう答えかもねーとかテキスト考えてどうとかも、結局知見と経験です。それがないと浅いわけです。

「自社の売上を上げたい」のだけど、「3C分析をしてー」とかやっても、意外にアイデアは出てこないなと。それってなぜかというと、分析のフレームワークってアイデアを出すものではないんですね。どういうことか?

整理をする、分析とはキレイかどうかはおいておいて、整理してどこをやるか、優先順位なり、流れを明確にしてボトルネックを探すとか、そういうことですね。アイデアではない。

アイデアとは、新しい取り組みであって、「競合に比べて自社はこうだからなにかしてみるか」ということなんですね。このなにかとか、競合と比較した軸とかは、わりとアイデアですけど、そういうのは一切ないんですね。

そういうアイデア不在の分析ってなんだろうなと思っていて、多分仮説があっても検証できないし、してないからこそものすごく頭でっかちになる怖さですね。ありませんか?勉強していて「俺はこの分野のテーマなら世界一かもしれない」(笑)みたいな錯覚。ジャンプのバトルマンガ読んで強くなって肩を切って歩くみたいな(笑)全然強くもなってないし、世界一でもないんですけど、まあ僕はあります。

そういう感が強かったです。特殊な場ですよね。そこで学んでいくのはある種強かさみたいなのがいるかもしれないですね。僕は無理だなと思いました。

一方で考えることはもともと好きなので、そこは強化されたかもしれませんね。

ビジネスとコンサルも別

問題を分けたり発見する人と、それを形にして実務をする人。意外なほど重ならないです。というのは、結局組織ならそれが専門化されるからですね。戦略部隊といって泥臭く動ける人はすごいですが、レアキャラかもしれません。一方でオペレーション部隊って言われたことをしっかりこなす。当然課題があれば報告するみたいな感じですよね。戦略を立てるわけではない。

世の中なんでもですけど、実際になにかをやるって結構難しいことがあります。でもここまで壮大に考えなくても出来ることって結構あって、少なくとも自分のサイズに落とし込めてないと、お腹いっぱいで頭に入って来ないですよねと。今もそう考えています。

どれだけ良い戦略を考えても採用されなかったり、実行でボロボロでも成果を出していたり。どれが正解かはないですよね、ってことは分かるので、ケースメソッドは正解っぽいと思っちゃうのも課題ですね。

どう学ぶかの最適化をする

最適解でなく最適化です。自分に対してですね。だからここでは僕が僕のためにどう学ぶかということです。

知らない中で今回はビジネススクールを選んで見てどうだったかというところで、結局学ぶのは大事というのはある。けれど、それもやり方次第だなと。そこでは、目標なり目的なりを考えたり、ある程度考えておかないと迷宮入りだし、なにをしても満足できないはずです。魔法や万能薬を得るためにやるわけではないので。

少なくとも当初想定していた意見を出す主体性とかはなんかズレていたのと、ビジネスを学ぶってふわっとしているのでそれをどう自分の中で噛み砕くかは甘かったのは僕の甘さでしょう。結局当時はビジネスをしたくてでもどうすればいいか分からないのが多かったから、というのもある気がします。まあ二度と行くかは分からないので、学校的に学ぶというのも色々と学びへのリスクがあるという勉強になったわけですね。そりゃそうですよね、万能ななにかなんてないわけですから。

知らないことを知れたというのは軽めです。一方で世界を知って関心を高めていくまでにはならなかったかなというところでした。

あとは、評価自体はどうでもいいのですが、学校っぽさがあるのが新鮮でしたね。安くないお金を投じて評価を得るのは滑稽ですけど、まあそういうのってもう要らないよなあとか当時思っていました。今はより強化されていますね(笑)

だからこそ、学ぶとはある種学習プランを自分で考えたりどうやっていくとたどり着きたいところにいけるか。ある種のメタ認知と学習スタイルの策定、あとは実際に動くオペレーションというのの統一という見立てもできます。だからこそそれが出来る人は自律して動けるので強いんですね。こう書いてて学習ってすごいなあと感じました。ええ(笑)

学びへの期待値を高めていく

結局学ぶことは面白いなというのは変わらずでした。学習スタイルという意味では、自分が合わないやり方をやれるかというと無理って続かないですよね。

だから自分が出来る形で高めていく方がいいと。短期では追い込みしたほうがいいかもですけど、でもその追い込みってなににするかですよね?試験に受かるだけならそういう勉強でオッケー。でもそれほとんど忘れるはずなのでどうなんだろう問題ですよね。まあ試験や資格によりけりなんでしょうけど。

長期的に学ぶというところにおいてはやはり学び方もですが、学ぶことに対して期待値をもってワクワクいきたいなあと。そういうところがないなら結局持続できず、最悪潰れます。潰れると回復まで時間がかかるのと結局その間学習が停滞するのでまあ控えめに言って最悪です(笑)つまり超最悪ってことですね。

最後に言えるのは何事もその人にあったやり方があるので、多数がイケルものが自分にイケルわけでもないですよね。逆にいえば、自分がいいなーというのもそうでないこともある。そこまで学び方で見えるならば、自分にあったやり方を考えてやってみてどうかを検証していく。

そうやって独学ではないですけど鍛えていくことで意外なほど、見えることって多いと思います。

そんな軽いビジネススクールでの違和感ネタでした。なので、僕は主体性=手を上げてどうとかって未だに好きじゃないですね。寡黙なタイプは評価されないってなんかゲームのルールとしてはいいけど、そこだけキャラ変えて「はいはい!」とか無理じゃないですか。現地とかで留学した人はそれどころではないのとストレスが半端ないはずで乗り越えれば成功談ですが、失敗して戻ってくる人も実は多いのかなと踏んでます。機会があれば調べてみたいところですね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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