Vol.16 価値連鎖ポジション利益モデル

今回は、価値連鎖ポジション利益モデルです。

価値連鎖ポジション利益モデル

価値連鎖ポジション利益モデルは、バリューチェーン(ビジネスの工程など)でコントロールポイントという支配できる点(部分)を得て、そこで大きな利益を上げるモデルです。

例えば、インテルのCPU等の半導体開発、マイクロソフトのOS開発、ナイキはマーケターとデザイナーに集中している点などを挙げています。

つまり、これらの押さえているからこそ、利益を上げられるということになります。

これらのコントロールポイント自体は、

  • 相対的な付加価値(絶対的な価値でなく、ライバルや市場競争などでの価値が高い方が勝てる)
  • 希少性の創出、ボトルネックの発見とコントロール(自社だけしかない、または自社しか見つけてない点などが大事ということですね)
  • 顧客とのつながり(ただ商品がいいでなく、商品+顧客でつながることが大切)

上記があって支配できるといえそうです。

本章から学べること

本章はかなり短く、6ページほどしかありませんでした。

分布が不均等で一箇所に偏っているという「偏り」を見つけるのは、統計やデータを見て最高値や最低値、変換点や特徴量というか傾向を見られるかというのもポイントになりそうです。(そもそも自社ビジネスを数値でどこまで把握しているかという問題もありますが)

例えばお寺ビジネスというと、檀家からの寄付や会費、それに見合うリターンとしての法要サポートなどがあるわけです。ある種のシェアを握っていて成立していた時はいいですが、人口が減り成立しなくなってきた。そこでは、積極的に顧客を獲得するということが求められます。コントロールポイントは常に絶対的にあるのでなく、変化とともに変わるということですね。

そういうお寺にとっての今のコントロールポイントは何かというと、例えば顧客のニーズを汲み取って商品化できるスピードや修正して対応していけること、今まで通りでなく変化して表現していくことなどがそのまま顧客の評価となるかなと思いました。

また国内向けビジネスの市場が縮小するものは、海外や国外で稼ぐことが普通となり、内需でなんとか出来るというのは文字通り厳しくなってきているといえそうです。これも変化で、内需ビジネスに依存する場合は早く外に打って出ることを試行しないと、いざという時では遅すぎます。

そのようなことを思いながらパラパラと読んでました。一方で、あえて利益モデルといえるものかという疑問も持ちました。なんと本章はグラフすらありません。

文字通り、価値連鎖=バリューチェーンは経営学っぽいですが、企業活動のどこが強みとか弱みとか、どういう価値を生み出しているかを見ていくわけですね。そういう意味では経営分析というか非常に学問っぽい印象で、広げづらいのか、ポップな感じには説明しづらかったのかなという印象でした。

ハードウェアモデルの事例

たまたま読んでいた本で今回のモデルかなと思える事例がありました。意識してみるものですね。

こちらのP.47の最後の段落で、内容的には、ビジネスのつくりかたとして、昭和的アプローチの限界を批判しつつ、その批判している一つとしてパソコン部品製造についてのリスクを指摘しています。

 パソコンの部品の需要と価格は、ある国の経済成長率よりも、いつになるともわからないマイクロソフト社のOSの開発スケジュールや、消費者の嗜好に強く影響を受け、昨日まで納期をせかしていた大口顧客が今日いきなり巨額の注文残を全量キャンセルするような世界だった。

(「ビジネスを作る仕事」P.47より引用、小林 敬幸著)

成長市場だとか、成長国だみたいな大きな視点があっても、全く予測できないのがリスクということです。逆にいえば、ここではリスクですが、それを仕掛けるプラットフォームや支配していればコントロール出来るということでもありますね。

ちなみに昭和的アプローチは本筋から外れるので細かくは書きませんが、ざっくりいえば、産業を比較して成長出来るビジネスを見つけていくというやり方です。これはまっとうな気がしますが、低成長+不確実性が高い局面では使えないかもという話となります。確かにそうですね。気になる方は同書を読んでみてください。

おわりに

本も後半に入り大分慣れてきたのか、やはり後半は利益モデルという感じでなく読み物感になってきている感じですね。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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