独自のデータを取得して考える

今回は、企画をするという点で大事だと僕が思っている話です。

それは「独自のデータを取得できる」ことです。

データを組み合わせて独自化する

世の中にはデータが色々あります。例えばドトールコーヒーの売上と、星乃珈琲店の売上はほぼ一緒になってきた、みたいな話がありました。

これってデータがあるからいえることですよね。また取材や新聞、ニュースなどでも知ることが出来ます。決算資料は省かせてくださいm(_ _)m(追記:日経MJで知りましたが、決算説明会資料でも確認出来ました。直前四半期でドトール(直営店除く)で80億、星乃珈琲店で79億でした。ドトール直営も入れればまだまだドトールが上ですが、勢いが星野にありってことでしょう。参考:平成31年2月期 第2四半期決算補足説明資料

これは「独自」のデータではないです。しかし、組み合わせてみると独自化出来ます。

ドトールコーヒーは低価格なセルフコーヒー店です。ブレンドSで220円です。星乃珈琲店は450円くらいしたかな。星乃珈琲店はフルサービスです。多くの人はコンセプトが違うと感じるはずです。

例えば、

  • 最近、星乃珈琲店最近良く見かけるな。増えてるな
  • 上のデータを知った

という感じだと、「最近自分で見た」×「客観データ」となり、裏付けとなります。もっといえば、「最近良く見かけるからこそ、増えているし、データも物語っている」といえます。もちろんカラーバス効果(意識しているからそればかり頭に入ってくる、目に入ってくる)もありえますから、全部そうではないです。

ここで大事なのは、このように独自化できるかどうかです。

ツッコミとしては「他の人も同じことは考えるでしょ?」は分かるのですが、「データ」自体を見たかどうか、覚えているかでまず変わってきます。あと、「自分がよく見た」ことの経験で異なります。

つまり具体的に言えるということです。例えば、「郊外店舗の駅にもあった」「あんなところにもあったぞ」ということと紐づけられるんですね。

主観的な自分の経験や感覚×客観データという感じです。もちろん主観×主観でもいいし、客観×客観でもいいのですが、どちらにせよ「考えたこと」で紐づくのが大事ですね。

仮説を考える

次に仮説の話です。

上のデータから何が言えるか、自分の感覚から何が言えるかが大事です。

世の中的にインフレになってるのか、よく分からんぞ、デフレのままじゃないか、よく分からんぞという時、どういうものを自分は買うか、または買わないか。人はどうなのか。そういうことを気にしてみるといいと思います。

自分がデータとして参考値を得るくらいです。そういうデータ収集が楽しい人の方が多分マーケティングや企画は面白いと感じます。一方そうでないと地獄かもしれません。向き不向きの話です。

例えば、セルフ式コーヒーは「無難な味。さっと使える。価格も気にせず使える。というか、コーヒーを飲むというか、話すとか、読書とか、違う用途で使ってるのでは?」ということに気づいたりします。

一方、フルサービスのカフェでは「ゆっくりしたいとき、大事な人としっかり話す時」ということで用途が変わります。というか、ここでいえるのは「どちらのカフェも使ってないなら想像でしかなく、実体験での説得力はないため、参考になりづらい」ということです。

僕がなぜ断言のようにいえるかは、どちらも使っているからですね(笑)それだけです。他の人は全く違う感じがあるかもしれませんが、まずは自分からということで。

そして仮説です。仮説とは「世の中はこうなってるのではないか」みたいなアイデアです。問い形式がいいですね。

今回は上のデータや体験から、

  • 世の中的には、セルフサービスで安いのはもちろん良い。でも、フルサービスでゆっくりもしっかり使う。使い分けという感覚、消費感覚が変わってきているのではないか?
  • もっといえば、日常はセルフカフェで、ちょっとプチぜいたくではないけど、そういう非日常感でフルサービスを使うのではないか

ということが考えられます。もちろん、カフェ価格帯は安すぎという人もいるわけで、例えばホテルのラウンジであればコーヒーは1,000円はするわけですが、その分落ち着いて話せるわけですね。これはコーヒーに限らず、価値が異なるからですね。

これという仮説でなくても全然良いし、むしろ「こうなんじゃないか?」とかでオッケーです。

例えば新店舗の星乃珈琲店にいったら店員さんが叫んでいて疲れてそうでした。オープンスタッフだから慣れてないのでしょう。ただ居酒屋みたいに叫ぶのは違うかと(笑)

こういうストックは常に観察することで蓄えられます。すぐ使えなくてオッケーです。

検証する。考える

次に仮説を検証するといいでしょう。検証しないとただ「思っただけ」になるからです。

検証として上の「普段はセルフで、ここぞでフルサービス」はぶっちゃけこうすれば分かるってないです。ただ、セルフ式の客層や使い方はどうなのか?フルサービスではどうなのかを見たらいいのではないでしょうか。

体験という点で、セルフ式であればマクドナルドでも見られるような勉強をしている高校生が多く見られますが、まず星乃珈琲店では見られないです。単価が高いのと、雰囲気で無理なのでしょう。あとミスタードーナツなども比較してもいいですよね。安くてドーナツが食べられて長居できる場は、勉強にぴったりとして非常に学生が多い印象です。

フルサービスの星乃珈琲店は、家族だったり、カップルだったり、女性客が多い印象です。店内ゆったりしていて、ソファもゆったりできます。それだけでも違ってきますよね。

またこれらの2つを比較して終わりでなく、これは他のサービスでも応用出来ます。セルフとフルでもいいし、価格帯で分けてもいいし、食べられるメニューで比べてもいい。立ち食いそばで「リラックス」を求める客はいないでしょうが、そばにこだわったお店では「着座してゆっくり食べる」のが求められるとかです。

こうやって一個ずつ検証したり、考えていくという感じです。

あまりやりすぎて問いを固めすぎるとなんかガチガチになって「面白くない」ので、適度に遊ぶというか遊び感覚でやりましょう。

感覚的ですが、僕の仮説として持ってるのは、男性で言うラーメンを食べるというのは、女性でいうパスタを食べると同様だ、です。これはメニューが小麦粉とかそういうことでなく、麺類とかでなく、入り安さとかメニューに対する「親しみ」などを比喩しているものです。

概ね色々な人に話した限り支持されています。が、全く違うという人もいるかもしれませんね。こういう感覚です。伝わりますかね?

社会を知る

上記のように、独自のデータを取得するというか、こういうデータがあるし体験があるから、こんな仮説が立てられないか。

そういう切り口を通して、検証して学んでいく。

ということをわりと自然に出来る人がいるかはおいておいて、やってしまう人は企画に向いている気がします。新しいこともそういう意味で臆せずできるからですね。くどいですが、「なんだろう」「これはどうして」というのがあまりない人は向いてないと思います。こればかりは向き不向きです。なりたいなら逆にそういう視点で見ていく練習をしていけば不可能ではないですね。

これらを通して、他人や色々な人を知る、どういうことを考えているか、という社会を知ることに他なりません。

この繰り返しをやっていくと、どんどん磨かれていって、最初の独自のデータ取得に戻る感じです。

独自のデータのとり方

もう一つだけとり方を考えてみます。

上では、主観×客観データみたいな話でした。それはそれでいいのですが、最近意識しているのは、異なるチャネルや人との対応やあえて異なるところではどうかという点です。

本ブログではマーケよりのネタであまり受けが良くないのですが、例えばブログのアクセス数は分かりやすいですよね。それだけでなく、解析すれば色々なデータがあります。それだけでなく、A/Bテストなどをしたり、資料のダウンロード数であるとか、問い合わせ数もそうですよね。これらのデータはあればいいということでなく、工夫して取っていくことをしないと「得られない」気がします。勝手にデータが入ることはなくて、何を得たいか、そこから何を見たいかのセットで考えたほうがいいでしょう。前書いたのは記事のコピー回数でした。これそこまで筋が良くないですが、とはいえ「誰かがコピーした」ことが分かるのが面白いですよね。最近はそれもbotかもしれないと疑ったりしていますが(笑)

こういう話は、インターネットやウェブサイトの話でデジタルな感じがしますよね。

でも、コインパーキングの台数とか、シェアパーキングの台数とかもデータです。これらを統計データでなく、自分で見たデータとリンクしたり、取ってきた(得たデータ)と重ねればより強力です。最近出来た店の傾向とか閉まる店とかでもいいし、道行く人の服装から、季節的なものでもなんでもいいんですよね。それを考えて何か塊に出来るかって感じが肝です。

そういう意味で、例えばWebサービスの運営などは非常に面白いです。それ自体は利益を生み出さなくても学びになりますから、やって損はないでしょう。あと、サービスを体験する購入するのも面白いわけです。全てネタになり、糧になりますから。

できれば自分が興味を持ちうる、続けられることとリンクすると最強の独自データです。ただ、そのデータがうまく使えないといやになるので、うまく社会とリンクさせていく、検証に使っていくと楽しいですね。

おわりに

今回は独自データを取得するのが大事という話でした。

色々書いてますが、独自データが取れるってことは、それをもって何か仮説をたてて、検証していって、学ぶというサイクルに乗せられる気がします。

もっといえば、何もない時に、何かを観察すればそれがデータです。自分が見たというのがデータです。根拠といっていい。もちろん根拠は「見た」だけだと弱いので、記録しておく必要があるってことですね。

あとはその記録をどう使うか。記録がないなら、使いようがないので、ストックあるのみということですね。でも、ストックを何とっていいかまではさすがに書いていません(笑)

ストックというのは、面白そう、そうなってるんだとか、興味や関心もですが、気になるものを定点観測する感じですね。もちろん、データは自動的に溜まっていくほうが楽ですけどね。

こういう時に「街頭に立って人の数を数える」とかもいいし、「店で客席数を確認する」とかは癖になるくらいでいいわけですね。それで自分なりの指標で掴む。それが大事ですね。もちろんそれで全てがわかるわけではないです。しかし、考える材料になるわけですね。最近はこれが「好き」とかだとより良いって感じです。好きだと燃料が枯渇しにくくて、集中力も増すからです。ただし、それが全く他人が受け入れられないもの、見せ方だと駄目なので、そこだけ最低限検証したり、調べることが必要ですね。最低限とは、好き:検証の比率は、99:1でも、80:20でもなんでもよくて、検証比率が低ければ人に受けづらいだけで、0とかのやる気がないなら時間はかかれどいけるはずです。

企画なりマーケティングなりの考え方としてヒントになれば幸いです。

筆者プロフィール

シゴトクリエイター 大橋 弘宜
シゴトクリエイター 大橋 弘宜
「シゴクリ」運営者。アイデアの力でお客様に貢献するゼロイチ大好きアイデアマン。ビジネスアイデア相談実績等は200超を超える。好きな言葉は三方良し。詳しい自己紹介仕事実績も合わせてご覧ください。お仕事メニューお問い合わせはお気軽にどうぞ。

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