一人文具メーカー尚貴堂が面白い

名古屋エリアのクリエイターズイベント略してクリマに遊びに行ってきました。すると、どこかで見たような文具ブースが。

7,8年前くらいに出会ってそれっきりだったはずの大橋さんとの出会いでした。

現在一人文具メーカーとして尚貴堂(しょうきどう)を経営されています。今回立ち話ですがお話して、印象に残った点から、シゴトづくりに役立つかもなことを、さらっと書いておきます。

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一人文具メーカーとは

まず、一人文具メーカーとは何かですが、文字どおり、一人で文具メーカーをやるということです。

尚貴堂のサイトをみると、商品群としては、Richt(リヒト)、Zwei(ツヴァイ)、Teppich(テピシ)の3つが並んでいます。これらを手作りで作っているのであればクラフト職人という形ですが、プロトタイプを設計して作ってそれらを職人さんを探して外注する、または量産できる仕組みを作るというのが一人文具メーカーたる所以です。

一昔前ならこういった職人さんに外注するためにつながりがなくて諦めたり、メーカーなど量産する側も毛嫌いしていた気がしますが、完全ではないにせよ時代の流れで個人が発注したりする仕組みが整いつつあるという感触を受けました。

文具が好きすぎて独立へ

大橋さんは、万年筆など文具が好きでそういう製品を作るために文具メーカーで営業として勤めました。当時僕が出会った時は、学生だったということですがそのまま文具メーカーへ。しかし、製品づくりについては勉強になった点もあったものの、やはり違うなということで一発奮起して一人文具メーカーを立ち上げます。

その製品については、好きでないと追求できないこだわりが感じられます。

商品へのこだわり

リヒトは単なるパスケースではありません。開くことを意識しています。なぜ開くかというと、パスケースには他の磁気カードがあったり、電子カードがあれば反応してしまうからです。そこでパスケース部分には例えばトイカを入れておき、改札を通るときには軽く手で押すことで開くことが片手できます。

また、パスケース部分にはカードをたくさん入れても入り口が浅いため手軽に取り出せられるという点が特徴です。

といっておきながら私はパスケース自体は一枚のみのケースであり、リヒトユーザーになることはできません(笑)

ツヴァイはノック式のペンケースです。これも特徴は2つあり、1つはペンを入れた状態で手でケースごと握って下にすることで、ペンの頭が出るという仕組みです。またゴミがたまりにくいという点もあります。

もう1つは、ペンケース自体がペン置きとなり、ペンが転がるということを防ぐという点が特徴的です。

といっておきながら私はそこまでペンケースに不満がないので(笑)

テピシは、なんとシステム手帳の下敷きです。大橋さんいわく、これがかなり限定される分野だから売れるかなという不安はあったそうですが、人気の製品となっているようです。それは、当初のサイズから今では3サイズまで拡張されていて、人気を伺えます。

これも2つ特徴があり、下敷きがあることでシステム手帳が書きやすくなる、また書く時に凹むことで書きづらい部分も解消。リング部分にマグネットでくっつく憎さもかゆいところに手が届く設計です。

といっておきながら・・・(笑)しつこいですが、システム手帳自体は僕は使っていないというところでした。

実際に買われる方とか、文具が好きな方はぜひアクセス頂いて確かめてもらえればと思います。

ちなみに僕はハギレを活かしたコードカフスを買いました。これなら僕でも使えそうです(笑)気になる方はこちらから買いましょう。尚貴堂のおすそ分け

シゴトの作り方のポイント

立ち話ということもありどうやってシゴトを作っていくかという詳細についてはさすがに聞けませんでした。というか営業妨害です(笑)

そこで、ブログなどを見つつそのポイントがどこかを探ってみました。

1.会社勤めから自身の好きパワーを見極めた

文具が好きすぎてというのは偽りはなく、大橋さん自身が本当に好きだからこそ出来る仕事だと感じました。僕は同時に出来ないと思いました。そこまで文具愛がないからです。

ただ人は好きなことであれば仕事にできると勘違いします。ここではそれを否定しているのでなく、好きというパワーがどれくらいあるかの見誤りであったり、それを仕事にするほどの視点がなかったりということです。

そこで大橋さんは学生時代からやりたかったビジネスとして文具メーカーに勤めてそれらがどうかを検証したはずです。実際に面白い点や学びになったことは多かったはずですが、一方で商品開発では不満に残る点が多くそれではもしかして一生できないのではないか(想像含む)ということで独立へ舵を切ります。

自分がやりたい分野では基本的にまずそういうところで働いてみてどうかを検討してみるといいでしょう。実際につながりや得たノウハウは今でも役立っていると大橋さんは言ってた気がします。

自分の思いがどこまで妥当かを見極めるのがポイントとなります。これは人の話だとわりと冷静に見えるのですが、自分であればこの見極めはかなり難しいです。自分が本当かどうかを結構疑って、それでも諦められないなら本物と言えるでしょう。

文具好きの視点もありますが、ここから文具愛が感じられるわけですね。

2.積極的なマーケティングで打って出る

ここでは、露出を増やして認知度を高めて、「リヒトの大橋」とか「一人文具メーカー尚貴堂」など、まずは覚えてもらうこととなります。

ざっと追う限りでは、大橋さん以下の露出が確認出来ました。サイトのNewsに詳細があります。

  • クリエイターズマーケット出展
  • 文具祭り登壇
  • 東急ハンズ名古屋店での店頭販売
  • 阪急うめだ本店文化雑貨マルシュに出展
  • 文具と紙と暮らし市に出展
  • 文房具屋さん大賞2018に掲載
  • 朝活ネットワーク@名古屋に登壇
  • 中部経済新聞に掲載
  • BASEでの通販

など多数です。

カテゴリとしては、出展や店頭販売で売りながらお客さんのニーズや手応えを得ていきつつ、露出を高めていくわけです。

また出展でなく、イベントに登壇しアピールしていき、新聞記事に掲載などメディア露出もあります。

当然店舗を持ち売るというわけでないので、通販も可能です。また取引先として、商品を扱いたい小売店や卸売事業者向けの募集も抜かりがありません。

SNS活用としては、Twitter、Facebook、Instagramとあります。

例えば東急ハンズに出せたから成功ということではありません。ただチャンスを生かしてお客さん獲得や露出を高めていくのは、ビジネス視点や商売視点がないとまず出来ないことです。

例えばクリマ出展などで商品をいいかもと思ってもまた改めてという場合は通販をチェックしてもらえれば確実に購買機会を逃しません。

宣伝とマーケティングの違いとは、ここでいえば単に露出して買ってくれたかどうかだけでなく、そこからどういう流れで仕組み化されているかによるのかなと思います。

そういう意味で、文具好きとしてブログに書いた記事はその人=大橋さん自身が現れるため、全てブランディングになります。例えば、お客さんはこう思うはずです。「こんな文具が好きな人が変なものを作るわけがない」ということですね。

出展や出張等は費用がかかりかつ準備も大変です。一方でそれらをすることで投じたもの以上のリターンが蓄積されることで、次に繋がります。これをいい感じで繰り返せるかが、一つの商売なのではないかと感じます。

一人文具メーカーの強さ

実際に一人文具メーカーとは、一人で開発から設計、販売、運用までやっていることです。これは強みです。一方でこの言葉は強い一方、万人受けするわけではありません。

そういう意味で商品のセールスなどでは、「僕も文具好きなんですよ」「私もそうなんですよ」という共感から信頼、愛着、ファンという至って自然な流れが出来ます。

他に一人文具メーカーの人はいないかなと思ったら、Beahouseという名前でやられている阿部ダイキさんもそうでした。色々なメディアに掲載されていますが、WBSのトレたまなんて放送されると強そうですね。

戦略としては、一人文具メーカーでも個性的ですが、さらに名古屋という地域名で勝っていくことで、名前が知れ渡り色々なところから声がかかるという勝ちパターンが見えました(笑)また一人文具メーカーという言葉が広がれば、一人で色々仕事を出来る可能性も伝えられます。例えば働き方としての新しいモデルです。

では、名古屋で一人文具メーカーをしている人はいるのか?というと誰もいません。まさに一人勝ちです。もちろんだから成功するわけでなく、露出やインパクトの環境は十分、あとはガンガンいくのみという状態です。

先述した阿部さんも面白いですが、自分のやりたいことを仕事に。今、注目の働き方「一人メーカー」の魅力に迫ってみたで、勤めている時に自分が考えたブックカバーの売上が普通に給料を超えてしまったという下りがあります。面白いのは売りたいというよりも、ものづくりに専念したいからこそ一人メーカーになるという考え方です。

これは大橋さんにも共通している気がしました。もちろん、作るだけでなく一人メーカーだから全部やらないといけませんが、一方でこだわったものを妥協せず作れる。駄目なら出さない、売らないということも出来ます。それって「企業利益」のためになくなくやらなければという仕事はまずなくなりますからね。

一定の沸点を突破する

おそらくですが、これから何かしたいとか、今やってるけどさらにどうしようかという人にとってヒントとして、一定の沸点を一回超えてみるということです。

単純に遊びで馬鹿になってこんなことしたらいいんじゃないかってわりと出来ます。どういうことかといえば、例えば自分でパソコン・ゲームなどをやっていたら「このゲームはこうしたらもっと面白くなるんじゃないか」ということでよくMADゲームという改造されたゲームがあったりします。それをやれというわけでなく、そういう「視点」がオリジナリティであり、遊びの延長であり、好きであり、突破出来る点になります。

逆に言いましょう。例えばクリエイターズマーケットを見て思ったのは、たくさんの作家さんがいてみんな自分で作ったものを売っています。自分の作品が売れると嬉しそうです。思わず「面白い作品ですね」と言うと、買わなくても色々説明してくれます。もちろん売れれば嬉しいわけですけど(笑)そういう場には、良いコミュニケーションと良い空気が生まれます。ですが、そんなことをしなくても、売らなくてもいいし、作らなくてもいいし、わざわざ出なくてもいい。そう考える人も多いはずです。しかし、作りたい!と思って、どうせなら売ってみたい!、または誰かに伝えたい!存在を!みたいな感じになれば、クリエイターでしょう。

沸点とはあるポイントです。一定の露出や一定の見られ方がすればそこから楽になります。楽とは何もしなくていいのでなく、今までと同じような労力とかなんだけど、体が浮いて動けるような感覚です。

残念ながら僕自身はそういう体験はこれじゃないかというのは言えないのですが、多分直観的にそう思っています。それが好きで何かやり続けて見える世界や風景であったり、それこそ一定程度やると「出る杭は打たれない」感じにもなります。

何が沸点かは分かりづらいですが、簡単にいえば「自分がとことんやってみた」といえるレベルです。これは主観なのでとことんレベルは人によって異なります。とことんやって「まあいいや」と思えばそこで辞めたらいい。誰も強制する世界でもないし、あなたがビジネスや商売をする強制ルールがあるわけじゃない。わりと自由です。やりたいならやれるようにやるだけですね。

おわりに

名古屋で一人文具メーカーという面白いことをしている大橋さんを勝手に掘り下げてみました。機会があれば改めてお話を伺いに行くということにしておきましょう。もしご要望あればお気軽に僕までご連絡を。出来るかどうかは分かりませんが。

検索していて、一つインタビュー記事が確認できました。大橋さんをより知りたい方はぜひ。

【名古屋の匠 ~Takumi~】Vol.1「若手文具メーカーの飽くなき挑戦」(前編)

【名古屋の匠 ~Takumi~】Vol.1「若手文具メーカーの飽くなき挑戦」(後編)

今後人気作家さんになってしまって手が届かなくなる前に話をしておかなければ駄目かもしれません(笑)

僕の視点としては、チャレンジする人を一瞬でも応援でき、かつその生き方がこれからチャレンジする人のヒントになれば嬉しいです。

ビジネスって面白い、アイデアの価値ってもっとある。そんなことを自分なりに伝えられないかという思いから、シゴトクリエイターをやっています。一緒に楽しいビジネスを生みだしていきましょう。

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